すべての子どもの命と権利を守るため、最も支援の届きにくい子ども達を最優先に、190の国と地域で活動する国連機関であるユニセフ。
ユニセフ本部と協会協定を結ぶ組織が33の国と地域に設置されており、その内のひとつが日本ユニセフ協会です。募金箱やポスターなどを通して、皆さんも一度は名前を見聞きしたことがあることと思います。
しかし、実際のところはどういった団体で、寄付をする上で本当に信頼できるのかよく分からない方も多いのではないでしょうか。
そこで評判や口コミ、活動の実態、実際に寄付をしてみて感じたことを交えて解説していきます。
この記事を読んでいただき「ユニセフが具体的にどんな活動をしているのかわからない」「ユニセフに寄付したいけど、口コミや評判が気になる」と思っている方も、様々な角度から団体の信頼性や活動の意義、寄付と使途について学んでいただくことで、少しでも疑問が解消されれば幸いです。
あなたのご支援が、
子どもたちの命と未来を守ります
ユニセフは、保健・水と衛生・教育など多岐に渡る分野で、世界190の国と地域の子どもたちを支援しています。
ユニセフ・マンスリーサポート・プログラムを通じて、世界中の子どもたちに支援を届けることができます。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
目次
SNSやブログで見つかった、ユニセフの評判や口コミ
ネット上で検索したり、ソーシャルメディアで探したりすると、さまざまな方の書き込みが見つかりました。
特に、「マンスリーサポート」と呼ばれる、毎月の寄付での継続的な支援者からの声が多く見られました。
「マンスリーサポート」など支援者からの、ポジティブな評判や口コミ
日本ユニセフ協会の組織や活動を理解した上で支援を行なっている人たちの暖かいメッセージを、Facebookページ上で多く見つけました。
わたくしも駅で街頭活動している人から話を聞いて申し込みました。彼ら彼女らの頑張りにも報いたいです。なんのかんのいう人がいますけど彼ら彼女らにも然るべき報酬はあってよいと思いますし、活動には経費ががかかる。当然です。
Facebookコメント
個人で行動し、経費も大して掛からない、かかっても自腹が切れる黒柳さんと異なり、「日本ユニセフ協会」は組織です。
Facebookコメント
維持するためにコストもかかるのです。職員の方への人件費も必要でしょう。
まさか、職員は全員ボランティアとして無給で働けというのではないでしょうね。
組織があるからできることもある、組織がなければ広報活動も難しく寄付も集まらないでしょう。(中略)
最後に、これを読まれてお一人でもマンスリーサポーターに手を挙げてくださる方がいらしたら、嬉しいです。
確定申告の時に寄付金控除が使えます。
数年前から僅かですが、マンスリーサポートをさせて頂いてます。
Facebookコメント
自分の子供達がそれぞれ成人して独り立ちしていったのがきっかけでした。
今まで長い間3人の子供達を育て上げ、これからは少しでもどこかの子供達の役に立てればいいなと思っています。
最近くだらない事を公の場で書き込んでいる勉強不足な方達がいらっしゃいますが、どうかこれからも日本国の為、世界の為に頑張って下さい。
ネガティブな評判や口コミ、活動に対する批判や疑問
一方で、日本ユニセフ協会の集めた寄付金の流れや経費のかけ方などに疑問を呈するメッセージも多く見つかりました。
一度寄付をしたことのある支援者の方からも、活動報告の華美さや経費の使い道などについて、疑問の声が寄せられていました。
先日、マンスリーサポート10年と言うことで、感謝状と時計が突然届きました。
Facebookコメント
全く好みに合わず、ゴミになるだけ。
好意で募金をしているので、こういった無駄な部分にお金を使われることをよく思わない人も多いかと思われます。(中略)
カタログの華美さをおっしゃっている方もいらっしゃいましたが、こちらも同感です。
お願いがあります。かつて毎年一回、仕事場で来客の善意で貯めた募金箱のお金を寄付させていただいていました。
Facebookコメント
しかし、毎年ユニセフさんから送付されてくるリーフレットのあまりに立派なのに辟易として、寄付をやめることにしてしまいました。
カラフルで立派すぎるリーフレットを止めて寄付に回していただいたら、どれだけの人たちが救われるか振り返って考えていただきたいと思います。
日本ユニセフは民間や企業から集めた募金を国連ユニセフに拠出しているが、日本特有の制度が原因で疑惑や批判が起きています。
個人ブログ
日本ユニセフでは手数料を募金活動のための活動資金だと説明しているが、証明する資料は何も無い。(中略)
従って日本ユニセフが集めた募金が本当はいくらで、職員や役員がいくら貰ったのかも、公的な書類はなく証明できません。
ネガティブな口コミを投稿されている方の多くは、資金や寄付の使途や、活動報告などの発行物への経費のかけ方に疑問を抱いているようでした。ユニセフが本当に寄付先として信頼できるか、次項では3つのポイントに絞って解説していきます。
日本ユニセフ協会は支援先として信頼できる?3つのチェックポイント
上記のように、ポジティブ、ネガティブ両方の評判や口コミがあるだけに、ユニセフが信頼できる団体なのか、本当に寄付するべきかどうか悩まれる方もいらっしゃるかと思います。
それらを解消するために客観的な判断材料として、以下の3つのポイントを押さえることが大切です。
- 職員の顔が見えるか?
- 活動によって問題を解決しているか?
- 透明性の高い会計報告を行っているか?
それぞれの項目について、寄付ナビ編集部がユニセフを調査してみたので、ぜひ参考にしてみてください。
職員の顔が見えるか?
ユニセフは、団体公式サイトで代表者とスタッフの皆様の顔と名前、さらに詳細なインタビューを掲載しています。
世界の子どもたちを守るために、それぞれに想いを持った64名の職員が在籍しているようです。
(出典:日本ユニセフ協会HP)
2021年12月17日にオンライン開催された「ユニセフ人道危機報告会」に、私も参加させて頂きました。
報告会では、イエメン事務所・子どもの保護チーフの山野 真季葉(やまの まきば)さんから、イエメンの子どもたちが直面している現状を解説していただきました。
イエメンは南北に分かれて紛争をしていて、ほぼ7年にわたる紛争状態にあります。
ユニセフ人道危機報告会
国内避難民の方々は、テントの中で密集して生活せざるを得ないので、新型コロナウイルス感染症の感染リスクも懸念されています。
現在、400万人が紛争のため避難を余儀なくされており、そのうち170万人が子どもです。
イエメンでは、なんと10分に1人のペースで、本来防げる病で子どもが命を落としているそうです。
実際に支援の現場でご尽力されている山野さんから、世界の子どもたちの現状について、一般の方も理解しやすい噛み砕いた言葉で説明がありました。
山野さんをはじめ、スタッフの皆様が活動にかける想いを知ることで、安心して寄付を続けることができます。
活動によって問題を解決しているか?
ユニセフの活動を、保健・栄養分野を例に挙げてご紹介します。
イエメンでは、230万人の5歳未満児が栄養不良の状態にあり、40万人の5歳未満児が重度の栄養不良の状態にあるそうです。
重度の栄養不良の状態にある子ども、あるいは急激にやせ細った消耗症の子どもは、もはや食欲がなくなってしまっていることも少なくありません。
そうした子どもには、少しずつ、少しずつ、栄養価の高い食事を与える必要があります。
ユニセフはこのような「治療的食餌療法」と呼ばれる方法で、子どもたちの栄養状態を改善しています。
ユニセフは他にも、さまざまな支援に取り組んでいます。2022年の主な活動実績は以下のとおりです。
- 栄養不良:3億5,600万人の5歳未満の子どもたちに、栄養不良の予防支援を行う
- 質の高い教育と雇用:80カ国以上で、1億人以上の若者に世界的パートナーシップ「Generation Unlimited」を通じてスキルと機会を提供
- 予防接種:2022年に、世界で初めてマラリアワクチンの供給を開始
(出典:日本ユニセフ協会HP)
ユニセフは子どもたちを取り巻くあらゆる問題に対し、総合的且つ根本的な問題の解決に焦点を当てて活動しています。
もちろん世界の子どもたちの問題は、ユニセフの取り組みのみによって解決できるものではなく、各国政府やパートナー団体が協力して目指さなければなりません。
しかし、ユニセフが世界各地で行っている子どもたちへの支援活動が、よりよい世界への第一歩となっているのです。
またユニセフに寄付を始めると、
- メールマガジン(毎月)
- 機関誌『ユニセフ・ニュース』(3ヶ月に1回)
- 年次報告書(年1回)
などを通じて、詳細な活動報告が手元に届くようになります。
他にも、TwitterやFacebook、InstagramやYouTubeチャンネルでも、積極的に情報を発信しています。
透明性の高い会計報告を行っているか?
ユニセフは、団体公式サイトで、詳細な財務報告を掲載しています。
その内容(活動計算書や貸借対照表など)についても、監査法人による監査を受けています。
日本ユニセフ協会の支出内訳(2022年)-日本ユニセフ協会HP
私たちの寄付によって、たとえば以下のような取り組みを実現することができます。
- 月2,000円:学校に通うためのスクールバッグ63人分、あるいは、子どもたちに読み書き・計算を教える教員の養成費用3人分
- 月3,000円:薬や包帯などが入った救急医薬品キット8セット、あるいは、子どもの栄養状態を改善する高エネルギービスケット3,271袋
- 月5,000円:簡易シェルターになる防水シート27枚、あるいは、心のケアに使用するレクリエーションキット4セット(360人分)
(1年間続けた場合の例)
以上のことから、ユニセフは信頼できる寄付先と言えるでしょう。それでは、ユニセフを支援するにはどういった方法があるのか、具体的に見ていきましょう。
「ユニセフ」に支援するには?3つの支援方法をご紹介
私たちがユニセフに寄付を届ける主な方法を、3つご紹介します。
いずれの場合も、寄付金控除が受けられるので、ぜひあなたに合った方法で始めてみてください。
好きな時に、好きな分を、募金する
最も手軽に参加できるのが、単発の募金です。
募金と聞くと、募金箱をイメージされる方も多いと思いますが、ユニセフであれば募金箱以外にもクレジットカードやコンビニ決済など、さまざまな方法で募金に参加できます。
- ユニセフ募金:ユニセフの活動全般に使われる
- 緊急・復興募金:紛争や自然災害など、緊急支援に使われる
- 分野・地域指定募金:水と衛生など、指定した分野に使われる
このように、支援メニューによって寄付の使い道が異なるので、注意が必要です。
少額を、毎月の引き落としで寄付する
500円以上の任意の金額を、毎月クレジットカード、もしくは口座引き落としで寄付する「ユニセフ・マンスリーサポート」という方法もあります。
継続的に寄付することで、
- 予算の見通しが立てやすくなり、息の長い支援が可能になる
- 募金活動費が削減でき、より多くの支援を現地に届けられる
などの効果があります。
私たち寄付者にとっても、毎月の少額な寄付の方が”活動に参加している一員である”という実感を得やすいです。
マンスリーサポートについて詳しく知りたい方は、以下の団体公式もご覧ください。
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寄付金控除の対象団体です
人生の集大成として、遺産寄付する
最後の社会貢献として、ユニセフに遺産を寄付される方も少なくありません。
ユニセフは「ユニセフ遺産寄付プログラム」として、以下の3つの方法を用意しています。
- 生前に遺言を残すことで寄付する「遺言による寄付」
- 故人から相続した財産を寄付する「相続財産からの寄付」
- お葬式でいただくお香典を寄付する「香典返しの寄付」
事前に相談すれば、不動産の遺贈も受け入れてくれます。
Web上で遺産寄付のパンフレット(PDF)をダウンロードできるので、ご興味のある方は、資料請求されてみてはいかがでしょうか。
実際にユニセフに寄付してみた!寄付ナビ編集部の体験談
ユニセフの団体や活動に共感し、寄付ナビ編集部も、ユニセフへの毎月の寄付を行っています。
私がマンスリーサポーターとして毎月の寄付を始めたのは、2020年8月頃。
それ以来、月1,000円を継続的に寄付してきました。
ユニセフへの寄付を始めた際の体験談、そして寄付をした後の変化について紹介します。
実際にマンスリーサポートを始めてみた
「世界の子どもたちのために、今できることを始めたい」そのような想いから、大切なお金を有効に役立ててくれる寄付先を探していました。
そのような折にユニセフのホームページを拝見し、掲載されている情報から、私たちの募金が有効に役立てられていることが分かりました。
そこで、さらにユニセフの活動に興味が湧き、東京の品川にあるユニセフハウスを訪問して、展示を見学させていただきました。
経口ポリオワクチンの展示
「ワクチン」や「経口補水塩」「栄養治療食」など、知識として知っていた支援物資の数々を、実際に目の当たりにすることができて大満足でした。
何より、私たちの寄付が、子どもたちの役に立つモノに変わり、現場へと届いていることを強く実感しました。
ユニセフハウスに関する詳しい情報は、こちらの記事をご参考になさってください。
たとえ月1,000円の寄付でも、世界の子どもたちのために広く活用していただけるとイメージを膨らませることができ、マンスリーサポート・プログラムに参加するに至りました。
実際の「ウェルカムキット」洗練されたブルーが基調
その後、どうなった?
マンスリーサポーターとして寄付を始めてから、約3ヶ月後に機関紙『ユニセフ・ニュース』が届きました。
隅から隅まで拝読しましたが、中でも私の目に留まったのが、以下の一文です。
SDGs達成の道程にある「2025年までに世界の発育阻害の5歳未満児を40%減らす」(WHO国際栄養目標2025)という目標。
機関紙『ユニセフ・ニュース』より引用
世界銀行は、5歳未満の子ども1人あたり年間8.50米ドルの追加投資をすることで達成できる、と予測しています。
また、発育阻害を減らすために1米ドル投資するごとに、まん延率が高い国々に18米ドル相当の経済的利益が生まれる、とも推定しています。
この文章を読んで、私たちにとっては少額でも、世界の子どもたちにとっては生命線なのだと学びました。
月1,000円の寄付ですが、これからも細く長く、続けていこうと思います。
また年明けに、寄付金受領証明書(寄付の領収書)も届きました。
日本ユニセフ協会への寄付は、寄付金控除の対象ですので、確定申告することで税金の一部が還付されます。
いくら税金が戻ってくるかは、所得やお住まいの地域によっても変わりますので、詳しくは日本ユニセフ協会の公式サイトをご参照ください。
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ユニセフとは?世界の子どものために取り組んでいる活動内容をSDGsとともに紹介
ユニセフの概要
ユニセフの正式名称は「国際連合児童基金」と言い、国連の下部機関のひとつです。
「United Nations International Children’s Emergency Fund」の頭文字から、ユニセフ(UNICEF)と呼ばれています。
ユニセフは、すべての子どもの命と権利を守るため、 最も支援の届きにくい子どもたちを最優先に、約190の国と地域で活動しています。
その活動資金は、すべて個人や企業・団体・各国政府からの募金や任意の拠出金によって賄われています。
ユニセフは第二次世界大戦で被災した子どもたちへ緊急援助を行うことを目的に、1946年12月11日の第1回国連総会で創設されました。
実は、戦後の日本もユニセフの支援を受けています。
1949年に「ユニセフミルク」と呼ばれた脱脂粉乳が、児童向けの給食として配給されました。
現在のユニセフは、主に途上国の子どもたちへの支援に注力しています。
現地の人たちによる自治をサポートし、最終的にユニセフの支援を卒業できることを目標にしています。
活動内容
2015年、世界の17の目標を定めた「持続可能な開発目標(SDGs)」が国連総会で採択されました。
ユニセフが支援の現場で取り組んでいる活動を、SDGsと関連付けながら解説します。
水と衛生(SDGs目標6)
子どもたちが健やかに成長していくうえで、水と衛生の問題は非常に重要です。
汚れた水や不衛生な環境は、感染症や下痢など、子どもの命に関わる病気を引き起こします。
世界には、安全な飲み水が手に入らない地域も少なくありません。
そして、水汲みは多くの場合、女性や女の子の仕事です。
世界中の女性や女の子が毎日、水汲みに費やす時間は、約2億時間とも言われています。
また、家や近所に利用できるトイレがなく、屋外排泄をしている地域も少なくありません。
排泄物が安全に処理されていなければ、免疫力の低い子どもは下痢を発症してしまいます。
世界では、年間約52万5,000人の5歳未満児が、下痢によって命を落としています。
ユニセフは子どもたちのため、以下3つの柱で問題の解決に取り組んでいます。
- 安全な飲み水の確保
- トイレの設置の促進
- 手洗いなどの衛生習慣を広める
これらの対策はそれぞれが独立しているわけではなく、相互に補い合い、組み合わさることで、感染症や病気の予防に繋がります。
ユニセフは井戸などの給水設備を設置するだけでなく、住民自身で井戸の管理や修理を行えるよう、住民への研修も行っています。
関連するSDGs
- SDGs 6:2030年までに、すべての人々の、適切かつ平等な下水施設・衛生施設へのアクセスを達成し、野外での排泄をなくす。女性及び女児、ならびに脆弱な立場にある人々のニーズに特に注意を払う。
- 6.1:2030年までに、すべての人々の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ衡平なアクセスを達成する。
- 6.2:2030年までに、すべての人々の、適切かつ平等な下水施設・衛生施設へのアクセスを達成し、野外での排泄をなくす。女性及び女児、ならびに脆弱な立場にある人々のニーズに特に注意を払う。
子どもたちが水汲みから解放されることで、単に安全な飲み水を確保できるようになるだけではなく、学校に通えるようになり、教育を受けられることにも繋がります。
教育(SDGs目標4)
教育は、子どもたちが貧困から抜け出し、自分自身の手で未来を切り開いていく力となります。
しかし、小学校に通うことのできない子どもの数は、世界で約5,900万人もいます。
特に紛争や災害などの緊急事態が発生したとき、子どもは最も脆弱な立場に置かれます。
そして子どもたちへの教育は、緊急時だけでなく、復興の最中でも後回しにされがちです。
ユニセフは、人道危機下にある子どもたちへ、校舎の建設や、鉛筆やノートなどの学用品の提供を行っています。
他にも、教員研修の実施や、教育の大切さを理解してもらうために保護者や住民への啓発に取り組んでいます。
また、女の子、障がいのある子ども、少数民族や難民・避難民の子どもなど弱い立場にある子どもたちに重点を置いて支援しています。
関連するSDGs
- SDGs 4:すべての人びとに包摂的かつ公平で質の高い教育を提供する
- 4.1:2030年までに、すべての子どもが男女の区別なく、適切かつ効果的な学習成果をもたらす、無償かつ公正で質の高い初等教育及び中等教育を修了できるようにする。
- 4.2:2030年までに、すべての子どもが男女の区別なく、質の高い乳幼児の発達・ケア及び就学前教育にアクセスすることにより、初等教育を受ける準備が整うようにする。
教育は、子どもたちの平穏な生活を取り戻す大切な時間であるだけでなく、将来、国の再建を担う子どもたちにとって必要不可欠なものです。
保健(SDGs目標3)
世界で5歳の誕生日を迎えることなく亡くなる子どもは年間520万人にのぼります。
その内訳は、最貧困層の家庭や農村部、教育を受けていない母親を持つ子どもたちの間で最も多くなっています。
子どもの命を守るためには、安全な水の提供や栄養状態の改善など、さまざまなアプローチが必要ですが、特に、予防可能な病気から子どもを守る予防接種(ワクチン)が非常に有効です。
ユニセフは、世界で最も多くのワクチンを子どもたちに提供している組織です。
2020年は約19億回分のワクチンで、子どもたちを病気から守りました。
関連するSDGs
- SDGs 3.2:2030年までに、新生児及び5歳未満児の予防可能な死亡を根絶する。
- すべての国が、新生児死亡率を少なくとも出生1,000件中12件以下まで減らし、5歳未満の死亡率を少なくとも出生1,000件中25件以下まで減らすことを目指す。
5歳未満児の死亡数を減らすために、ワクチンの提供に加えて、妊産婦・新生児ケアの拡充に取り組んでいます。
その代表的な取り組みのひとつが、母乳育児の推進です。
母乳は、赤ちゃんが生きていくうえで必要な栄養素や病気を防ぐ抗体なども含まれています。
ユニセフは、地域の病院や保健施設、保健員を通じて、正しい栄養に関する知識を広め、母乳育児の方法を指導しています。
栄養(SDGs目標2)
良質な栄養を摂ることは、子どもたちの健全な成長の第一歩です。
しかし、世界の5歳未満児の約22%にあたる、1億4,920万人が発育阻害の状態にあると言われています。
発育阻害とは、日常的に栄養を十分に取れずに慢性栄養不良に陥り、年齢相応の身長まで成長しない状態のことを指します。
栄養不良の子どもは成長に問題を抱えてしまうだけでなく、感染症にかかりやすくなり、命を落とす危険性も高まります。
ユニセフはこのような栄養不良の状態にある子どもたちに、プランピー・ナッツなどの栄養治療食を提供し、緊急度の高い子どもたちに支援を届けています。
栄養治療食「プランピー・ナッツ」
関連するSDGs
- SDGs 2.2:5歳未満の子どもの発育阻害や消耗性疾患について国際的に合意されたターゲットを2025年までに達成する。
- 2030年までにあらゆる形態の栄養不良を解消し、若年女子、妊婦・授乳婦及び高齢者の栄養ニーズへの対処を行う。
また昨今の新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、ユニセフの支援対象となるようなご家庭の家計が逼迫しています。
母親は食料品と衛生用品のどちらを購入するか迷わざるを得ないような状況にあるそうです。
ユニセフは緊急の治療以外にも、オンラインを活用して栄養士のアドバイスを届けるなど、子どもたちや女性が、新型コロナウイルス危機の最中でも必要な栄養支援・育児ケア支援を行っています。
子どもの保護(SDGs目標16)
ユニセフは、暴力・搾取・虐待などあらゆる不条理から子どもたちを守るために、心理的ケアや医療ケアを提供するなどの支援を行っています。
現在、移民・難民の数は、第二次世界大戦以降、最大規模となっていて、紛争下の国や地域で暮らしている子どもの数は、推定約2億4,000万人にも上ると言われています。
また、紛争により家族と離れ離れになった子ども、兵士として徴用された子ども、性的搾取や児童婚に直面している子どもたちもいます。
ユニセフは、たとえば移民・難民の子どもたちに対して、彼らを保護し、親や養育者との再会支援や学校教育の継続などの支援を行っています。
関連するSDGs
- SDGs 16.2:子どもに対する虐待、搾取、取引及びあらゆる形態の暴力及び拷問を撲滅する。
ユニセフは、子どもへの暴力を終わらせるために、世界各国で実行力のある法施行・法整備の強化に取り組んでいます。
また、ソーシャルワーカー及び教員への支援、暴力を受けている子どもたちが必要とするサービスの拡充などを行っています。
緊急支援(SDGs目標1)
紛争や武力衝突、災害や感染症の流行など、人道危機の影響を受ける国で暮らしている子どもは、およそ4億2,000万人に上ると言われています。
ユニセフが現在、最も注力する緊急支援のひとつが「新型コロナウイルス感染症」の対策です。
新型コロナウイルス感染症を予防するためには、手洗いの方法を指導し、習慣化してもらうことが欠かせません。
ユニセフは、学校や地域コミュニティに給水設備を整備し、正しい手洗い習慣を広める活動を行なっています。
また、先進国でワクチンの接種が進む一方で、途上国では医師や看護師を含め、多くの人びとが一回目の接種も受けられていません。
ユニセフは、迅速なワクチンの供給に加えて、すべての人びとにワクチンを届けるための「コールドチェーン」と呼ばれる低温物流システムの整備、保健員のトレーニング、 接種に不可欠な医療器具の提供などを行っています。
関連するSDGs
- SDGs 1:あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ。
- 1.1:2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。
- 1.2:2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。
特に難民・避難民の方々は、テントの中で密集して生活しているため、感染リスクが非常に高い状態にあり、予防に必須の手洗い用水や石鹸も手に入りません。
ユニセフは、こうしたご家庭に対して、例えば浄水剤や石鹸が入った衛生キットなどを提供しています。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に関連した学校閉鎖の結果、子どもたちは、世界全体のGDPの約14%に相当する、17兆米ドル(現在価値)の生涯年収を失う恐れがあるという試算もあります。
途上国や紛争地域での感染拡大を防ぐことは、まさに喫緊で必要な支援と言えます。
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ユニセフとユニセフ協会の関係は?日本ユニセフ協会の活動内容とは?
国連の下部機関であるユニセフには、それとは別に、各国でユニセフの広報や募金の窓口となるユニセフ協会があります。
この章では、ユニセフ協会とは何か、そして日本ユニセフ協会の活動内容について詳しくお伝えします。
ユニセフ協会とは?
ユニセフ協会は、世界の子どもたちへの支援の輪を広げる広報・募金活動を担っています。
また、子どもの権利を守るために、積極的な政策提言(アドボカシー)活動にも取り組んでいます。
世界33の先進国と地域にユニセフ協会が設置されていて、日本ユニセフ協会もそのうちのひとつです。
ユニセフの活動は、国連本体から財政的な支援を受けることなく、すべて個人・企業・団体など民間から預かった募金と、各国政府の任意の拠出金により、成り立っています。
そうした民間からの募金を推進するために、1950年代よりヨーロッパを中心に、各国でユニセフ協会が設立されてきました。
日本ユニセフ協会とは?
日本ユニセフ協会は、日本において民間で唯一ユニセフを代表する公式支援機関です。
その前身は、第二次世界大戦後、日本がユニセフから支援を受けていた時代にボランティアとしてユニセフを支えていた人びとが設立した任意団体です。
沿革
- 1950年:任意団体として設立される
- 1955年:財団法人化
- 1977年:ユニセフ協会として認定される
- 2011年:公益財団法人に移行
団体概要
名称 | 公益財団法人日本ユニセフ協会 |
住所 | 〒108−8607 東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス |
電話 | 0120-88-1052(平日10時〜17時) |
日本ユニセフ協会によって集められたユニセフ募金の総額は約224億円、そのうち84%が個人の支援者によるものです(2020年度)。
なぜ日本ユニセフ協会が必要なのか?
「日本ユニセフ協会」は、世界の子どもたちにより多くの支援を届けるために必要な存在です。
私たちは日本ユニセフ協会の広報・募金活動のおかげで、世界の子どもたちの現状を知り、支援に参加する機会を得ることができます。
日本ユニセフ協会が、ユニセフへ拠出したユニセフ募金は、世界33のユニセフ協会の中で、アメリカに次ぐ2番目に多い額となり、1億8,000万米ドルとなっています。
もし日本ユニセフ協会の活動がなければ、このユニセフ募金は生まれず、その分、世界の子どもたちへの支援は遅れていたと言っても過言ではありません。
日本ユニセフ協会について詳しく知りたい方は、以下記事もご覧ください。
定期的な寄付を申し込むなら、チェックしておきたい3つの注意点
最後に、マンスリーサポートの寄付を始める際に、チェックしておきたい3つの項目についてご紹介します。
寄付金控除は受けられる?領収書はちゃんともらえる?
「ユニセフ・マンスリーサポート・プログラム」での寄付は、寄付金控除が受けられます。
対象となる税金は、所得税(税額控除か所得控除を選択)・法人税・相続税、一部の自治体での個人住民税です。
領収書は前年1年分が、毎年1月に送られてくるようです。
1年間毎月3,000円を寄付して「税額控除」を選択した場合、「所得税」は年間最大13,600円が控除されます。
源泉徴収では控除されず、還付を受けるには確定申告が必須です。
解約はできる?支援をやめるときの手続き方法
「ユニセフ・マンスリーサポート・プログラム」の解約は、名前と住所かマンスリーサポーター番号のどちらかを以下のいずれかの方法で伝えれば、簡単にできます。
- 電話
- FAX
- Eメール
寄付を始めたら、どうなる?郵送やメールで届く活動報告
「ユニセフ・マンスリーサポート・プログラム」を始めると、受け取る資料は次の通り。
- 申込直後、自宅に「ウェルカムキット」が届く。
- 年4回、広報誌「ユニセフ・ニュース」と各種資料が届く。
- 希望すれば、その他の各種資料がもらえる。
広報誌やウェブサイトには、現地での活動報告、会計報告などが掲載されています。
現地での活動例
- マリで遠隔学習を支援し、教育へのアクセスを向上
- ナイジェリアで、重度の栄養失調の子どもの回復治療
- バングラデシュのロヒンギャ難民キャンプで、重度の栄養失調の治療、水・衛生・安全の確保、教育支援、など
会計報告(寄付の使途)
2022年度は、ユニセフ募金約333億円のうち、日本での人件費・運営費・広報費を除いた87.4%(約291億7,000万円)がユニセフ本部に送られて、現地での活動費用として活用されました。
まとめ:ユニセフへの寄付に向いている人はこんな人
この記事では日本ユニセフ協会の評判や口コミを、インターネット上で分かる範囲でまとめました。
そのうえで、書き込みが正しいか?適切な評価がされているか?を判断するうえで拠りどころとなる情報ソースを提示させていただきました。
ユニセフの募金活動に関して言えば、インターネット募金や街頭募金キャンペーン、遺産寄附プログラム、外国コイン募金など多種多様な方法で募金受付、および活動を積極的に行なっています。
様々な寄附や支援の仕方が用意されているので、自分にあった支援方法を見つけられるのではないでしょうか。
もし、あなたも、
「世界の子どもたちのために、私にできることをしたい」
「信頼できる寄付先を探していた」
とお考えでしたら、ぜひ今回を機に、ユニセフ・マンスリーサポート・プログラムへの参加をご検討ください。
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寄付金控除の対象団体です