毎月クレジットカードで寄付する「マンスリーサポーター」、10年間続けて分かったこと

「少しずつの金額でも継続的に、活動を応援したい」
「クレジットカードの引き落としで、手間なく募金したい」
といった方に人気なのが、NPO/NGOの「マンスリーサポーター」制度。
その概要と、個人的に10年近く支援を続けて実感したメリットを紹介いたします。

「マンスリーサポーター」とは?

マンスリーサポーターとは、非営利団体の活動を支援するために、「毎月1,000円」など少額から定期的に寄付をする、会員制度のことです。

多くのNPO/NGOでは、その時々に自由な金額を募金するだけでなく、「1,000円」や「2,000円」なかには「10,000円」など一定額を継続的に寄付できる仕組みを用意しています。

そのなかで、1年間で更新する「年会費」ではなく、クレジットカードや口座引落などで毎月寄付する支援者を「マンスリーサポーター」といいます。

団体によっては、「サポーター会員」や「○○(団体名や受益者の名前)サポーター」、「賛助会員」 といった呼ばれ方もしています。

有名な NGO の例では、ユニセフは「マンスリーサポート」、国連UNHCR協会では「国連難民サポーター」という独自の名前もつけられていますね。

難民スペシャルサポーター」(難民支援協会)、「子ども支援サポーター」(キーパーソン21)といった、受益者の名前を冠した支援メニューを用意している団体もあります。

10年間続けて実感した、3つのメリット

寄付するなら「1万円」など普通にお金を渡すのが一般的ですが、 あえて毎月の支援を続けることで、どんな意味があるのでしょうか?

私自身いくつかの団体のマンスリーサポーターとなってきたなかで、実感したメリットをご紹介します。

メリット1: 自動引き落としで負担なく寄付を続けられる

ほとんどの団体では、マンスリーサポートの支払い方法として、クレジットカードや口座振替などの自動的な引き落としを採用しています。
寄付者にとっては、支援するたびに振り込みやオンラインでの登録手続きなどする必要なく、手間や時間がかからずに支援を続けられます。

寄付の重要性を実感している人や「団体を応援し続けよう」と心に決めている人でも、いざ支払いとなると失われるお金を思い浮かべて、手が止まってしまったご経験もお持ちかもしれません。
自動引き落としにすれば、「毎月一定額を貯金する」と同じような感覚で、その時々の判断を差し挟むことなく寄付を続けられます。

以下の記事にも書きましたが、「寄付をした人は、幸福度が上がる」という傾向が、いくつもの実験で証明されています。

なぜ「寄付すると、幸せになれる」と断言できるのか?心理学実験で分かった、意外な事実

つまり、心理的な抵抗感に惑わされずに寄付を続けることは、「自分自身が幸せになるために、有効なお金の使い方」と言えるかもしれません。

もちろん「自動引落しだと、金額や時期などが見えずに心配・・」という方もいらっしゃるでしょう。
クレジットカードや銀行口座の明細を定期的に確認したり、万が一事前の約束と異なる金額が引き落とされていた場合などは、カード会社に支払いを止めてもらったりといった手段でも防げるはずです。

メリット2:団体側からより喜んでもらえる

NPO/NGO にとっては、マンスリーサポーターからの寄付によって、毎月一定額の収入を予測できます。

同じ寄付でも、単発での寄付からの収入については「今は十分にお金があるけど、将来は分からない・・」となってしまい、長期的な計画を立てることが難しい場合もあります。
毎月の寄付が一定額集まれば、継続的に活動を続けられる見通しができるのです。

もしあなたが3万円を寄付するとして、「1年間で毎月2,500円ずつ寄付する」のと「1回に3万円を寄付する」のでは、毎月少額の方が負担感なく支払えますね。

一方、マンスリーサポーターを増やそうと頑張っているNPO/NGOからは入会すれば「その場で3万円」と同じように、もしくはそれ以上に喜んでもらえるはずです。
(もちろん、すぐに3万円寄付してもらった方が助かるという団体もありますが)

同じ金額を出すのでも、負担感のない方法で、受け手にとってより喜んでもらえるのだったら、嬉しいですね。

寄付の使途と言うと、「食料」や「ワクチン」などの物資、「学校の建設」といった箱物が頭に思い浮かびやすいですが、実はたくさんの人たちを助けるために大事なのは、団体の組織基盤を整えること。

「寄付金を人件費に使うのはダメ」は本当?“使途”や“使いみち”の大きな誤解

「優秀なスタッフを採用する」
「ITを活用して業務を効率化する」
「経理を充実して資金の流れをより透明化する」
といった必要不可欠な投資も、継続的な収入が見込めれば思い切って踏み切ることができます。

つまり、 もしマンスリーサポーターになれば、「活動を真に発展させる、後押しをできる」とも考えています。

メリット3: 「一体感」や「参加感」を抱きやすい

マンスリーサポーターになると、団体から定期的な報告がメールや郵送などで届くでしょう。
年次報告会や支援した子ども達の発表会など、イベントの招待が届くことがあります。

これらは支援者全体に届く場合もありますが、「マンスリーサポーター限定の特典」や「優先してのご案内」としている団体もあります。
特にマンスリーサポーターを「社会課題解決の同志」と捉えて、とりわけ大事にしている団体やスタッフの方も少なからず知っています。

レポートに目を通したりイベントに参加したりすれば、「寄付が何に使われたのか?」「本当に子ども達の役に立ったのか?」の理解が深まりますし、支援の実感を持てますね。

そんな時に私が実感するのは、寄付者はNPO/NGOとともに「社会を良くしていく」「課題を解決していく」仲間なんだ、という感覚を抱けること。

「活動に参加している」という参加感や「 一緒に変えて行く」という一体感を持てると、寄付をしている嬉しさも増すでしょう。

私自身も、学生時代にボランティアをしていた団体を会社に勤めながら毎月の寄付で応援していた時、報告書やメールなどに目を通しては「頑張って得られた報酬が、自分以外の大切なもののために役立つ」という感覚に活力をもらっていましたし、イベントに参加しては「自分も負けないように走ろう!」と力をもらっていました。

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オススメの支援先団体を、4つピックアップしました

最後に、具体的にどんな団体が、マンスリーサポーターでの支援先としてオススメか?
私自身の体験を踏まえて、お伝えしますね。

かものはしプロジェクト

インドなどで、「女性や子どもが売春宿に、だまされて売られてしまう」という課題の解決を目指すNGOです。
創業者の方々が私と同年代で、学生時代から活動に尽力されていたのを応援したい、という想いもありサポーター会員に入会しました。
かものはしプロジェクトへの寄付、「サポーター会員」に入会した3つの理由

毎年送られてくる年次報告書のクオリティが高く、 課題解決に向けて一歩ずつ前進している様子が分かります。

> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です

e-Education

発展途上国の子どもたちが、「勉強したくてもできない」「夢があっても諦めざるを得ない」・・
“教育格差”の問題を解決するため、バングラデシュやフィリピンなど世界各地で活動する団体です。
e-Education「マンスリーサポーター」になって、途上国の子供への寄付を始めた3つの理由

私たち日本人が受けてきた高度な教育を世界に役立てたい、というスタッフの方の情熱や、「映像授業」という技術を使って“教育格差”の問題を解決していこうという姿勢に共感しています。

> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です

カタリバ

学生時代にボランティアをしていたご縁から始まり、2009年からサポーター会員を続けています。

カタリバに寄付する「サポーター会員」を10年以上続けての感想と、申込前のチェックポイント

日本国内で、被災や貧困などハンデを抱えた子どもたちを支援。
学習や食事などを提供する、放課後学校のプログラムで主に寄付を募集しています。

> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です

チャンス・フォー・チルドレン

日本の低所得世帯の小学生から高校生を対象に、塾や習い事の受講料として活用できる「スタディクーポン」を支給している団体です。
親の経済格差が子どもの教育格差につながる「貧困の再連鎖」を解決する活動に共感。
以来「CFCサポート会員」として継続的に寄付しています。
チャンス・フォー・チルドレンへの寄付で、日本の「相対的貧困」の子どもたちへ支援を始めた理由

実際にスタディクーポンで塾に通うことができるようになった生徒から、お礼の手紙が届き、とても嬉しかったです。

> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です

マンスリーサポーターとして寄付を続けると、団体からの報告やお礼に目を通しながら「こんな未来になったらいいな」「社会をこう良くしていきたい」といった思いが、着々と現実に近づいていっていると実感できます。
ぜひあなたの課題意識や実現したいことに添うような NPO/NGOを探してみてください。

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