(出典:フローレンスHP)
「子どもの貧困」や「児童虐待」などのニュースを見かける機会が多くなってきましたが、発展途上国だけでなく日本にも、教育や医療など支援が必要な子どもたちが増えてきていると言われます。
「寄付するなら、日本の子供を支援したい」という声もたくさんの方から聞きましたが、ユニセフやWorldVisionなど大規模な団体が活躍する国際協力の分野と違って、「どの団体を、支援先として選べばよいのか?」「どんな違いがあるのか?」は一般の方には分かりにくいかもしれません。
個人的に応援している、日本国内の子供たちを支援している団体とその活動をピックアップしました。
目次
貧困や被災などに苦しむ子どもたちに、教育の機会を(認定NPO法人カタリバ)

「勉強したいのに、できない・・・」
生まれ育った家庭や地域のために、苦しい思いをしている子どもたちが、この日本にもいることをご存知ですか?
日本全体で、子どもたちの9人に1人が「貧困」。
ひとり親家庭では、2人に1人に及ぶそうです。
※厚生労働省「令和4年国民生活基礎調査」より
「母子家庭のため、進学をあきらめた・・」「アルバイトに追われ、高校を中退してしまう」
そんな子供たちも含めて、小学生から高校生まで学習サポートや心のケアを行うのが、認定NPO法人カタリバです。
「勉強する機会を奪われた子どもたちを、サポートしたい!」そんな想いのもと、私たちが始めたのが無料の放課後教室です。(中略)
日本中の子ども達が、生まれ育った環境や家庭などの格差によって、夢や可能性を閉ざされてしまうことが決してないように、活動しています。カタリバ HP
2000年に活動をスタートして、高校生のキャリア学習支援など行なっていたカタリバですが、子どもたちの学習サポートをはじめたのは、東日本大震災がきっかけだったそう。
岩手県や宮城県など被災地で、仮設住宅に住むなど十分な学習環境がない子供たちに、放課後学校を開いてきました。
現在では、東京都足立区や熊本地震の被災地などにも活動が広がっています。
活動内容 | 安心できる居場所の提供、学習支援、食事支援、災害時の居場所の提供や学習支援、探究学習の実践支援など |
活動地域 | オンライン(全国)、岩手県、宮城県、福島県、東京都、島根県に加え、各地域団体を後方支援 |
支援対象 | 主に日本の小学生〜高校生など |
寄付の使途 | 人件費、教材・備品・消耗品費、移動・交通費など |
運営団体 | 認定NPO法人カタリバ![]() |
日本中の子どもたちが、生まれ育った環境や家庭などの格差によって、夢や可能性を閉ざされてしまうことが決してないように、活動しているそうです。

編集長オススメのポイント!
全国の子どもたちに支援を広げるため、特に募集しているのが、月1,000円から応援するサポーター会員。
「教育に課題意識を抱いてきた」「子供たちの夢を応援したい」といった方は、サイトをご覧になってみてください。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
「赤ちゃんの虐待死」や「ひとり親家庭の貧困」などに挑む(認定NPO法人フローレンス)


生まれたばかりの赤ちゃんの命を、お腹を痛めて産んだお母さん自らが断ってしまう。
そんな悲しい出来事が、この日本にも起こっていることをご存知ですか?
2週間に1人、0歳児が虐待や遺棄によって、死亡している。
そんなショッキングな統計の背景にあるのは、「予期せぬ妊娠」です。
貧困、性犯罪の被害など様々な事情を背負い、相談できずに孤立した女性が、自宅や公園のトイレなどで出産を迎えてしまうことさえあるそうです。(認定NPO法人フローレンス WEBサイトより)
罪のない赤ちゃんの命を救うために、「赤ちゃん縁組」つまり、子どもを望む育ての親に赤ちゃんを託せるように取り組みをしているのが、認定NPO法人フローレンスです。
「赤ちゃん縁組」では、予期せぬ妊娠や、出産しても育てられないなど、妊娠・子育て期に課題を抱える女性の相談を受けています。
相談の結果やはり育てられない、となった場合には、育ての親を希望する夫婦に託すことで、「すべての子どもが愛情あふれる家庭で育つ社会」の実現を目指します。
妊婦の出産にかかる費用は、育ての親による自己負担で行うものの、縁組に至らない相談や相談員にかかる費用は賄えないとのこと。
生みの親の産前の「生活支援費」や育ての親への「研修費」などに、寄付を充てているそうです。
フローレンスは、2004年に法人設立以来、訪問型病児保育や障害児保育、ひとり親家庭支援といった事業を展開。
「親子の笑顔をさまたげる社会問題を解決する」をミッションとして活動しています。
活動内容 | 特別養子縁組、妊娠・特別養子縁組相談、養親研修 |
活動地域 | 日本各地 |
支援対象 | 赤ちゃん・妊婦、障害児家庭、ひとり親家庭など |
寄付の使途 | 生みの親の産前の生活支援費、育ての親への研修費、生みの親の相談時の出張費など※ |
運営団体 | 認定NPO法人フローレンス![]() ![]() |
※ 「赤ちゃん縁組」事業についての例
この他にも、広く「子どもの虐待」や「子どもの貧困」「ひとり親家庭の孤立」といった、子ども・親子をめぐる幅広い社会課題に取り組んでいます。



編集長オススメのポイント!
フローレンスの活動全体を応援するマンスリーサポーター(1,500円〜/月)も募集しているそうです。
「子どもの命を助ける」や「保育を受けられるようにする」といった趣旨に共感する方は、支援先として検討してみてよいかもしれません。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
ひとり親世帯など、貧困家庭の子どもに学校外教育を提供(チャンス・フォー・チルドレン)


次に紹介するのは、低所得世帯の子どもを対象に、塾や習い事で使えるスタディクーポンを支給している公益社団法人チャンス・フォー・チルドレンです。
所得水準や家庭環境などを勘案して、支給する子どもが決定されていますが、結果的にひとり親世帯の利用が多いそうです。
たとえば渋谷区では、利用者の6割近くがひとり親世帯であることが分かっています。
(出典:渋谷スタディクーポン事業 中間評価報告書ダイジェスト版)
3歳の頃に父を亡くしました。
母は生活保護と事務のパートで生計を立て、僕を育ててくれました。
家計に余裕があるはずもなく、幼い頃から貧しい生活でした。(中略)「今、しっかり勉強して大学を卒業し、会社に入れば母を支えられるかもしれない」と思い、CFCのクーポン利用に応募しました。
チャンス・フォー・チルドレン HP
クーポンをもらってからは予備校と自宅で懸命に勉強しました。
おかげで大学に合格することができました。
母子家庭などの困難な状況にある子どもであっても、スタディクーポンがあれば「やりたいことにチャレンジする」ことができます。
学力の向上に資するのもさることながら、子どもの自己肯定感にも良い影響があります。
活動内容 | スタディクーポンの支給、大学生ボランティア等による相談支援 |
活動地域 | 岩手県、宮城県、福島県、東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県、兵庫県、大阪府、京都府など |
支援対象 | 経済的困難を抱える子ども・被災した子ども |
寄付の使途 | クーポン発行費、大学生ボランティアの相談支援費、スタッフ人件費など |
運営団体 | 公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン![]() ![]() |
CFCサポート会員に申し込むと、毎月1,000円からの寄付で、こうした活動を応援することができます。



編集長オススメのポイント!
チャンス・フォー・チルドレンへの寄付は寄付金控除の対象です。
確定申告すれば、寄付した金額の約半分ほどが還ってくるのもポイントです。
「家庭環境にかかわらず、子どもがやりたいことを応援したい」
「貧困の連鎖を断ち切れるのは、教育の支援だと思う」
こんな風に感じていただけた方は、ぜひ寄付を検討されてみてはいかがでしょうか。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
孤立しがちな”ひとり親家庭”へ、温かい食事を(グッドネーバーズ・ジャパン)


認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパンは、低所得のひとり親世帯で生活する子どもたちを対象に、定期的に食品を無料で配付する「グッドごはん」という活動を行っています。
グッドごはんによって、子どもは生まれた家庭の状況にかかわらず、お腹いっぱい食べることができます。
以前は食費節約のために美紀さんだけが食事を抜くこともあり、そんなときに、葵ちゃんからこう聞かれたそうです。
グッドネーバーズ・ジャパン HP
『ママ、どうしてご飯たべないの?』
食品を受け取るようになってから、母娘はいつも一緒に食事をとれるようになりました。
このように、社会的に孤立しがちなシングルマザーを助けることができます。
食品の配付は、家計の支援にとどまらない、精神的な繋がりを生み出します。
活動内容 | 低所得のひとり親家庭に食料を届ける |
活動地域 | 東京都・神奈川県・大阪府周辺など |
支援対象 | 経済的に困窮しているひとり親と子ども |
寄付の使途 | 食品の調達、食品を保存する設備費や輸送費、人件費など |
運営団体 | 認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパン![]() ![]() |
私自身グッドネーバーズ・ジャパンのことは以前から知っていたのですが、実際にボランティアに参加させていただいた際に信頼できると感じ、毎月の寄付をスタートしました。



編集長オススメのポイント!
社会の仕組みを変えるような川上の支援ばかりに注目が集まりがちですが、グッドごはんのように目の前で困っている人を助ける活動は、とても本質的だと感じました。
「いま、目の前で困っている親子を助けたい」「お腹を空かせている子どものために行動したい」といった方は、ぜひサイトで詳しくご覧になってみてください。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
まとめ:「国内の子どもを支援したい」という方の参考に
この記事では、日本国内の子どもたちへの支援活動の例として、「認定NPO法人カタリバ」「認定NPO法人フローレンス」「公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン」「認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパン」の4つを紹介しました。
団体名 | 編集長オススメのポイント |
カタリバ | ① 10代を対象としたキャリア教育で、子どもの意欲と創造性を引き出し、育む ② 創業者とスタッフの皆様の情熱が共感を呼び、3万人以上の支援者が活動を支えている |
フローレンス | ①ひとり親家庭が“貧困の連鎖”から抜け出すため、病児保育など支援 ②「親子の笑顔をさまたげる社会問題を解決する」をミッションとして活動 |
チャンス・フォー・チルドレン | ①低所得世帯の子どもを対象に、塾や習い事で使えるスタディクーポンを支給 ②「家庭環境にかかわらず、子どもがやりたいことを応援したい」という方にオススメ |
グッドネーバーズ ・ジャパン | ① ひとり親家庭との密なコミュニケーション ② 積極的な事業展開で、コロナ禍で困窮するひとり親家庭を支援 |
途上国や紛争地帯の子供たちへの支援を行う団体は、ユニセフや国境なき医師団など有名な団体が多くありますが、国内支援についてはなかなか参考になる情報が多くないようにも感じていました。
「日本の子どもを寄付で応援したい」という方にとって、支援先選びの参考に少しでもなりましたら嬉しいです。