難民支援団体を調べている方からすれば、それぞれの組織概要や活動など、違いが分かりづらいですよね。
この記事では、代表的な団体の事例と、団体を選ぶ際のチェックポイントを解説します。
寄付を検討中の方は、こちらの記事もオススメです。
目次
難民支援団体の事例まとめ
難民支援を行なっている団体の活動を3つ、紹介させて頂きます。
団体例1:2018年に設立された、日本発の難民支援団体(WELgee)
NPO法人WELgeeは、日本企業と連携して、日本に逃れてきた難民の就労支援・難民による研修事業などを行う非営利団体です。
代表の渡部清花さんは91年生まれとお若いですが、フランスのパリで開催された「2018年女性起業家アワード」でグランプリを受賞するなど、活躍が際立っています。
WELgeeは、日本にいる難民が未来をデザインできる状態を作り、さらに日本人、日本社会と難民の人とのパートナーシップを生み出す活動を行なっています。
“難民”は、様々な可能性を秘めている。しかし、日本には彼らが“未来をデザインできる環境”がない。紛争・差別・迫害などから逃れ、日本にやってくる「難民」。彼らは、数日前までは当たり前の日常を母国で送っていました。夢見るITエンジニア、正義感に溢れるジャーナリスト、優しい牧師さん…多様なスキル・経験を持つユニークな人材です。
WELgee HP
2022年度の決算報告書からは、数千万円規模のベンチャー団体であると読み取れます。
ご興味のある方は、WELgeeのHPもご参考になさって下さい。
団体例2:世界的な難民支援を展開している国連機関(国連UNHCR協会)
認定NPO法人国連UNHCR協会は、世界約135カ国で難民支援を行なっている国連機関・UNHCRを支える、日本の公式支援窓口です。
UNHCR本部はスイス・ジュネーブにあり、集まった寄付の約80%が本部に送られます。
2018年の寄付金収入は約36億円、その91%が個人による寄付とのこと。
(出典:認定NPO法人国連UNHCR協会HP)
難民支援を行なっている非営利団体では、最大級の規模です。
UNHCRは、予定していた防寒支援をシリアとその周辺国で避難生活を送る人々に届けるだけでなく、豪雨や洪水などの不測の事態で被害を受けた人たちにも迅速に対応。パートナー団体とともに緊急援助物資やシェルターの支援を行うなど、すぐに必要とされている支援を届けました。
認定NPO法人国連UNHCR協会HP
団体の評判や信頼性をチェックしたい方は、こちらの記事もご参考になさってください。
団体例3:日本国内の難民を、総合的に支援する唯一の団体(難民支援協会)
認定NPO法人難民支援協会は、故郷を追われて日本に逃れてきた難民が保護されるよう、来日から自立まで総合支援を行う団体です。
難民が日本社会に受け入れられるよう、政府・市民への働きかけも行なっています。
日本難民支援協会の活動
- 法的支援:難民認定手続きの支援
- 生活支援:医療・食料・住居の支援
- 就労支援:難民に適した企業への就職・自立支援
- コミュニティ支援:難民同士の支え合いや日本語学習支援
- 政策提言・ネットワーク:日本で難民を受け入れやすくする法整備支援
- 広報活動:マスコミやSNSなどを通じて、難民問題の発信
事業規模は約1.8億円(出典:認定NPO法人難民支援協会HP)と、先程のUNHCR協会と比較すると小さいですが、日本の難民支援団体では名前が上がることの多い団体です。
あなたに合った、難民支援団体の選び方は?
数多の難民支援団体の中から、あなたにとって「これは!」と思える、団体の選び方のポイントを3つ解説します。
ポイント1:活動で選ぶ
団体の活動は「支援地域」と「援助方法」の2つの要素で考えると、整理しやすいです。
- 支援地域:地球単位、国単位、コミュニティ単位など
- 援助方法:救援物資の輸送、企業連携、国への働きかけで制度を変えるなど
難民問題の解決に対して、どんなアプローチをしている団体なのか。
それによって、支援先も変わってくることでしょう。
ポイント2:組織で選ぶ
組織概要も「規模の大小」と「法人格」で説明できます。
規模の大小
世界的な難民支援団体の日本支部なのか、日本独自の団体なのか。
団体の規模によって、支援対象となる難民も変わります。
「大きな団体の方が、安心して寄付できる」
「小さな団体の方が、同じ金額を寄付しても、有用感がある」
というように、寄付者によって、捉え方は様々です。
法人格
団体の法人格を確認するのと同時に、寄附金控除の対象かどうかも、確認しましょう。
「認定NPO法人」や「公益法人」といった、税制優遇のある法人格を有している団体は、寄付すると所得税や住民税などで節税できます。
寄付金の実質負担も軽くなるので、寄付者側のメリットが大きいです。
「寄附金控除の対象である」=「厳しい会計基準をクリアしている団体である」という信頼性の担保に繋がります。
ポイント3:かかわり方で選ぶ
支援方法は「行動で支援する方法」と「お金で支援する方法(寄付)」があります。
行動で支援する方法も、コミットの度合いによって様々です。
- 難民支援団体に雇用されて有給職員として働く
- 専門性を生かしてプロボノとして関わる
- 無償のボランティアとしてお手伝いする
などのアクションが考えられます。
「この難民支援団体は、正に私の考え方や価値観を体現してくれている」と感じられれば、行動とお金の両方で応援してもよいでしょう。
まずはできることから、アクションを
無理のない範囲で、日常の中に「小さなアクション」を導入することが肝要です。
「小さなアクション」を3つ、ご紹介します。
方法1:SNSでフォローする
NPOやNGOは、問題を知ってもらうことが、課題の解決に繋がります。
気になる団体が見つかったら、SNSをフォロー、投稿をシェアして応援しましょう。
事例として紹介した3団体のSNSは、こちらからどうぞ。
認定NPO法人UNHCR協会
認定NPO法人難民支援協会
NPO法人WELgee
方法2:イベントに参加する
イベントに参加すると、難民問題を専門に取り扱っている方から、詳しい説明を受けることができます。
中で働いている人の顔が見えて、団体の雰囲気も知れるのでオススメです。
他にも難民支援で私たちができることを、こちらの記事でご紹介しています。
方法3:少額から寄付してみる
あなたにとって無理のない金額で、全く問題ありません。
寄付をすれば、あなたも難民支援に参加した一員です。
難民支援団体でオススメの寄付先をまとめました。
寄付することで難民が救われることは勿論ですが、あなたの生活がちょっと豊かになることを祈っています。