寄付金をしっかりと活用して社会のために役立ててくれる、そんな団体をどうすれば見分けられるでしょうか?
非営利団体が「信頼に値する団体か?」「きちんと活動しているか?」
逆に言えば、「寄付してはいけない団体ではないか?」
インターネット上だけで簡易的に見極める、5つのポイントをまとめました。
目次
ポイント1:財務情報を公開しているか?
言い換えれば、決算情報を公開していない団体は、透明性という観点から、疑問符を付けざるをえないでしょう。
寄付したお金がきちんと活用しているか?をチェックしてみましょう。
チェックするポイントは、活動内容によっても異なりますが、一般的には「事業費」と「管理費」の比率をみます。
(以下の区分は、 「NPO法人会計基準協議会」WEBサイトより)
- 事業費:目的とする事業を行うために直接要する人件費やその他の経費
(例)ある事業を遂行するために支出した人件費、Tシャツ等の売上原価(仕入れや製作費) - 管理費:各種の事業を管理するための費用
(例)総会及び理事会の開催運営費、管理部門に係る役職員の人件費
もちろん最終的には「寄付が何に使われたか?」より「どれだけ役に立ったか?」で評価すべきなので、「管理費の比率が低ければ低い方が良い」といった考え方に個人的には賛同しません。

ですが、「管理費の比率が高すぎる」「そもそも収支報告を公開していない」など、寄付してはいけない団体を見分けるには有効でしょう。
ポイント2:スタッフの「顔が見える」か?
スタッフ、なかでも理事や職員(特に代表や事務局長など経営層)の「顔が見える」か?を確かめてみましょう。
逆に、理事や事務局長など経営層さえも、名前や写真などが載っていない団体は、「後ろめたいことがあって隠れている」と捉えられてもおかしくありません。
ちなみに株式会社でも、「顔が見える」は株価とも相関するという傾向が判明したそう。
日本の株式時価総額の上位200社について、ウェブサイトに社長と役員の写真が載っている会社と、社長だけの会社、両方とも載っていない会社を過去に調べたことがありました。すると業種に関係なく、株価は写真があるほど高くなる傾向があった
(「社長の写真でわかる意外な投資の法則(藤野英人)」 より)
ポイント3:法人格は?
その団体の正式名称を調べて、どのような法人格をもっているか?をチェックしてみましょう。
また法人登記をしても、一般的な「NPO法人」は認証制度を取っているので、簡単に言えば提出した書類に不備がなければ法人の設立自体はできます。
したがって、「NPO法人」と名乗っていても、きちんと活動していなかったり、なかには反社会的活動の隠れ蓑に使われている場合すらあるみたいです。
一方「認定NPO法人」となると、話は別です。
認定NPO法人に寄付をすると税制優遇の対象になるのは、このような理由からです。



「社団法人」や「財団法人」についても、基本的な違いは同様に考えてよいでしょう。
- 一般財団法人・一般社団法人:事業の公益性の有無にかかわらず、準則主義(登記)により簡便に法人格を取得できる一般的な法人制度
- 公益財団法人・公益社団法人:民間有識者からなる第三者委員会による公益性の審査(公益目的事業を行うことを主たる目的とすること等)を経て、行政庁(内閣府又は都道府県)から公益認定を受ける
しかし、認定NPO法人や公益法人の方が、より適切に寄付金を管理をしている傾向があると推測しやすいでしょう。
ポイント4:協働先の企業・団体は?
どのような会社や団体と一緒に活動しているのか?を調べてみましょう。
- 行政との連携
- 企業・財団からの支援・協働
- メディアでの掲載
- 表彰歴
- 個人寄付者数
などが、(ポイント1と同じように)WEBサイトの「団体概要」や「○○(団体名)について」といったカテゴリに見つかることが多いはずです。
もちろん、「新聞で報道されている」「大手企業から支援を受けている」といっただけで、信頼できる活動をしているかは判定できません。
(私がNPO法人に在籍していたとき、何社か大手企業さんに初めてご支援いただいた時には、書類の提出や質問への回答など、毎回やりとりが大変でした。)
社会的に信頼されている団体と協働しているか?たくさんの個人から応援されているか?などをチェックしてみましょう。
ポイント5:活動報告を定期的にされているか?
ブログやニュースなどのコーナーを調べてみて、「月1回以上」など定期的に更新があるか?をチェックしましょう。
きちんと活動できていない団体は、ボロが出てしまいます。
また、「現場で手が回らないので、情報発信に時間がとれない」というケースもあります。
ただし、定期的に活動を報告している団体については、「情報公開を重視している」「支援者を大事にしている」「活動が、関係者の理解を得られている」(自信を持って発信できる)などの傾向と相関しやすいと感じています。
まとめ:お一人ひとりが、ご自身で評価する参考に
(団体のスタッフにも何らかのコストをかけてしまうので、できるだけ本来の活動の妨げにならないようにしたいですね。)
そう考えて、5つのポイントにまとめさせていただきました。
参考までに、5つのチェックポイントをすべてパスしていると私が思う、NPO・NGOのなかから2つご紹介すると・・
認定NPO法人かものはしプロジェクト
「だまされて売られる子どもを守る」というミッションのもと、人身売買という社会課題の解決に取り組んでいる団体です。
想像してみてください、泣く泣く売春宿で働かされている子どもを。
かものはしプロジェクトは、世界で最も被害者が多いと言われているインドで、主に活動しています。





設立から一貫して、「子どもが売られる問題」に取り組んできた、実績のある団体です。
インドで性犯罪を取り締まる法律の整備を支援するなど、社会の仕組みから変えることに注力しています。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
認定NPO法人カタリバ
貧困は、途上国だけの問題ではなく、日本も例外ではありません。
貧困の状態にある子どもは、教育を受ける機会を得づらいのが現状です。
一般的な収入水準で生活する子どもより、学力も低下する傾向にあります。
認定NPO法人カタリバは、日本国内の貧困や被災など、子どもたちのために教育支援を行なっている団体です。





本音を話せる居場所づくりなど、子どもたちが夢を諦めるようなことが決してないように、活動を継続しています。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
お一人ひとりが自分の目で判断するために、評価する軸として参考にしていただければ嬉しいです。