(出典:ユニセフ HP)
【2025/04/28 更新】
世界には、紛争や貧困、自然災害などの影響で、基本的な生活や教育、医療にアクセスできない子どもたちが多く存在します。
ニュースやSNSで「世界の子どもの貧困」という言葉を目にするたびに、心が痛む方も多いでしょう。でも、どう支援すればいいのか、実際にはわからない──
そんなあなたに向けて、この記事では以下の内容を解説します。
- 海外の子どもを支援する団体の紹介
- 寄付先の選び方ガイド
- 課題別おすすめ寄付先
- 支援のカタチ「チャイルド・スポンサーシップ」
あなたにぴったりの寄付先がきっと見つかるはずですので、ぜひ最後までご一読ください。
目次
海外の子どもの支援先としておすすめの団体4選
まずは「すぐにおすすめの寄付先を知りたい!」という方のために、寄付ナビ編集部が厳選したおすすめの団体を4つご紹介します。
ユニセフ:世界190の国と地域で、子どもを支援する国連機関

世界では、紛争、貧困、自然災害などにより、数千万人の子どもたちが命の危機にさらされています。
アフリカでは今、干ばつや紛争を背景とする大規模な食料危機が発生し、何百万人もの子どもたちが、栄養不良や感染症などで命の危険にさらされています。(中略)エチオピア、ソマリア、マダガスカルの3カ国だけでも、165万人以上にのぼる子どもが重度の急性栄養不良の治療を緊急に必要としています。
アフリカ栄養危機緊急募金 – ユニセフ
このような危機的状況に対応するため、ユニセフ(国連児童基金)は、世界190以上の国と地域で以下のような活動しています。
- 保健・栄養支援:重度の栄養不良に苦しむ子どもたちに対し、栄養治療食やビタミンAのサプリメントを提供し、健康な成長を支援しています。
- 水と衛生の改善:清潔な水を届けられるよう井戸などの給水設備を設置し、衛生的な生活が送れるようトイレを整備するなど、衛生環境の向上に努めています。
- 教育支援:紛争や自然災害で被害を受けた地域の子どもたちに、学用品の提供や学校の修繕、教師の研修を行い、教育の機会を確保しています。
- 子どもの保護:暴力や搾取から子どもたちを守るため、法制度の整備や社会的支援体制の強化、意識啓発活動を行っています。
- 緊急・人道支援:紛争や自然災害などの緊急事態において、子どもたちに必要な支援を迅速に届けるため、物資の備蓄や物流システムの構築、パートナー機関との連携を強化しています。
これらの活動により、数多くの子どもたちが健康に成長し、未来への希望を持つことができています。
活動内容 | 医療・保健・衛生・教育など多岐に渡る |
活動地域 | ガーナ、パキスタン、バングラデシュなど世界190ヶ国 |
支援対象 | 貧困・紛争・緊急支援が必要な国に住む子どもたち |
寄付の使途 | ワクチン・医療器具・研修実施費用など |
運営団体 | 公益財団法人日本ユニセフ協会(日本窓口)![]() |

編集部オススメのポイント!
「いま、目の前で困っている子どもたちを助けたい」「未来を担う子どもたちのために行動したい」とお考えの方は、ぜひユニセフへのご支援をご検討ください。
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ロシナンテス:医療と水を届ける日本発の国際NGO


スーダンやザンビアなどのアフリカ諸国では、医療施設の不足や不衛生な水の問題が深刻です。多くの地域では、診療所まで数時間かかることもあり、病気や怪我をしても適切な治療を受けることができません。
また、清潔な水源へのアクセスが限られており、感染症のリスクが高まっています。
巡回診療を行っているワッドアブサーレ区は、月に一度の医療しか受けられません。そのため、緊急対応や継続的な診療ができず、救うことのできない命がありました。
ロシナンテスHP
ロシナンテスは、スーダンやザンビアなどアフリカの医療が届かない地域で、巡回診療や診療所建設、給水所の整備などを通じて、現地の人々が自ら医療を継続できる仕組みづくりを行っています。これらの活動は、現地の保健省や住民と協力しながら進められており、持続可能な医療支援のモデルとなっています。
ロシナンテスの活動は、寄付を通じて支えられています。月々1,000円からのご寄付で、衛生知識を学ぶ講習の実施に繋り、また妊産婦が安心して出産できる施設の提供や、地域住民への医療サービスの提供が可能となります。


活動内容 | 医療が整っていない村への巡回診療や、給水所・診療所の建設など |
活動地域 | スーダン・ザンビアなど |
支援対象 | 乳幼児とその母親・地域の村人など |
寄付の使途 | 衛生知識を学ぶ講習や、医療施設の整備にかかる費用等 |
運営団体 | 認定NPO法人ロシナンテス![]() ![]() ![]() ![]() |



編集部オススメのポイント!
「医療が届かない地域に医療を届けたい」「水と医療の支援を通じて命を守りたい」とお考えの方は、ぜひロシナンテスへのご支援をご検討ください。
> 団体公式サイトで詳しくみる
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グッドネーバーズ・ジャパン:アジア・アフリカの子どもたちを支援するNGO


世界中の貧困地域では、教育の機会が限られ、児童労働や栄養不足、社会的な孤立に苦しむ子どもたちが多く存在します。これらの地域では、家庭の事情や社会的背景により、子どもたちが学校に通うことなく働かされ、未来を切り開くチャンスが奪われています。
「小学校4年生の時、アリフ君は学校をやめ、年老いた祖母に代わり一家の長になりました。妹に本や鉛筆、ノートを買って学校に通わせ、祖母の薬代を稼ぐために、今日を生き延びるために働いています。」
グッドネーバーズ・ジャパン
グッドネーバーズ・ジャパンは、これらの課題に立ち向かうため、現地のNGOと連携し、教育支援や児童労働削減活動を行っています。具体的には、教育機会の提供、学用品の支給、家庭訪問を通じた支援などを行い、子どもたちが健やかに成長できる環境作りを進めています。
これらの活動は、寄付を通じて支えられています。月々1,000円からのご寄付で、児童労働から解放された子どもたちへの教育支援や生活支援が提供されます。


活動内容 | 子どもたちと居住地域の貧困状況の改善サポート |
活動地域 | インド・カンボジア・ネパール・バングラデシュ・エチオピア・チャド・モザンビーク |
支援対象 | 家庭の経済状況や家族構成などを考慮して、活動国で最もサポートを必要としている子ども |
寄付の使途 | 文具提供・健康推進活動費・浄水器の設置など |
運営団体 | 認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパン![]() ![]() |



編集部オススメのポイント!
「アジア・アフリカの子どもたちを支援したい」「教育の機会を提供したい」とお考えの方は、ぜひグッドネーバーズ・ジャパンへのご支援をご検討ください。
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ワールド・ビジョン:子どもたちの命と未来を支える国際NGO


世界では、紛争、貧困、教育の機会不足、栄養不良などが原因で、多くの子どもたちが命の危険にさらされています。特に、アフリカ、アジア、中南米などの地域では、教育を受けることなく働かされる子どもたちや、清潔な水が手に入らない環境で生活する子どもたちが多く存在します。
「栄養不良が免疫力の低下を招き、下痢や肺炎などの予防可能な病気で亡くなる子どもたちがいます。急性栄養不良と診断される5歳未満児は、世界で4500万人にのぼります。」
ワールド・ビジョンHP
ワールド・ビジョン・ジャパンは、これらの課題に立ち向かうため、開発援助、緊急人道支援、アドボカシー活動の3本柱で世界100カ国で活動しています。具体的には、チャイルド・スポンサーシップを通じて教育支援や栄養改善、清潔な水の提供などを行い、地域社会の自立を支援しています。
これらの活動は、寄付を通じて支えられています。月々1,000円からのご寄付で、子どもたちへの教育支援や生活支援が可能となります。
また、チャイルド・スポンサーシップを通して、支援地域に住む子ども「チャイルド」とつながることができます。


活動内容 | 子どもの教育支援・貧困支援など |
活動地域 | アフリカ・東欧・中東・アジア・中南米エリアの約40カ国 |
支援対象 | 貧困、紛争、災害で苦しむ子どもたち |
寄付の使途 | 子どもたちの支援活動全般 |
運営団体 | 認定NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン(日本窓口)![]() ![]() |



編集部オススメのポイント!
「世界の子どもたちを救いたい」「健康と教育の支援を通じて未来を変えたい」とお考えの方は、ぜひワールド・ビジョン・ジャパンへのご支援をご検討ください。
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海外の子ども支援に最適な寄付先の選び方ガイド
続いて、寄付先を選ぶ際に「寄付してよかった」と感じられる3つのポイントを解説します。


企業の良し悪しを判断する材料として、一般的に「ひと・もの・お金」の3つが大切と言われます。
NPOでは、それは「ひと・活動・お金」です。
企業で言うところの”もの”、すなわち”商品”は、NPOがどのようなアプローチで問題を解決しようとしているのか、つまり活動の内容です。
その活動内容に賛同することが、まさしく、寄付を通じた応援と言えると思います。
さらに寄付先として判断する上で、「ひと・活動・お金」を適切な言葉に言い換えると、「職員・活動・会計」です。
以下に、それぞれについて解説します。
職員の顔が見えるか?


NPOの活動には、代表をはじめ、理事や職員、インターンやボランティアなど、多様なスタッフが関わっています。
団体の公式サイトで職員の顔を出していることは、活動に自信がある証拠です。
「自分のお金を誰に託すのか?」を知ることで、より安心して寄付を続けることができます。
その上で、職員数やボランティアの人数など、関わっている人の数も確認できると、なお良いと思います。
- 理事や職員などスタッフの顔が見えるか。
- どれくらいの人が関わっているか。人数が多ければいいわけではありません。
あなたと似たような想いを持って活動しているスタッフがいる団体なら、それはあなたの価値観とマッチする団体かもしれません。
活動によって問題を解決しているか?


同じ社会問題に取り組んだとしても、解決するアプローチは団体によって、実にさまざまです。
例えば「子どもの貧困」と一口に言っても、
- 学習支援を通じて、子どもの学力向上に資する
- 食品配付を通じて、健康や栄養状態を改善する
- 相談窓口を通じて、虐待や暴力などを予防する
というように、団体によって活動の領域は異なります。
そもそもNPOが取り組んでいる問題は、すぐに解決には至らず、長い時間がかかることが多いです。
寄付先として検討している団体の支援アプローチは本質的に問題を解決し得るのか、またそのアプローチに共感するかどうか、などを見ると良いでしょう。
- 寄付先の支援アプローチは問題を解決、もしくは改善しているか?
- しっかりと実績や成果を上げているか。
そうした活動の進捗を定期的に報告するプログラムが整っている団体であれば、自らのお金がどのように活用されたかの理解が進み、寄付をするモチベーションが増します。
透明性の高い会計報告を行っているか?


ほとんどのNPOは、会計報告を公式サイトで公開しています。
逆に会計報告を公開していない団体は、資金を不正に利用しているのではないかと、寄付者から疑問を持たれても仕方がないでしょう。
団体の公式サイトを確認すると「会計報告」や「年次報告」といった形で、会計や財務に関する情報を公開していることが多いので、チェックしてみましょう。
支出の内訳を、例えば事業費80%・管理費20%としている団体であれば、「1,000円寄付したら、おおよそ800円が直接的な活動に、200円が活動を継続していくために必要な費用に変わるんだ」と目安をつけることもできます。
- 透明性の高い会計報告を行っているか?
- 納得できるお金の使い方をしているか。
さらに、監査法人や公認会計士による監査を受けていることを確認できれば、より信用度は高まると思います。
課題別でみるおすすめの寄付先NGO・NPO
ここからは課題別で、おすすめの寄付先を紹介します。
医療
世界中の多くの地域では、基礎的な医療サービスへのアクセスが不足しており、予防可能な病気や感染症が命を奪っています。
特に途上国では、限られた資源の中で、医療従事者や設備が不足しているため、命を救うための適切な治療が受けられないケースが多く見られます。
ジャパンハート:病気と闘う人の”命”と”こころ”を救う日本発祥のNPO


ジャパンハートは、日本人医師の吉岡秀人さんが創設した、日本発祥の認定NPO法人です。ミャンマーで医療を受けられない人々に無償で治療を行ったことから活動を開始し、現在はミャンマー、カンボジア、ラオスで医療活動を展開しています。
さらに、2030年までにアジア全体のサバイバルギャップ(がんをはじめとする高度な医療が必要な病の生存率の差)をゼロにすることを目指し、カンボジアのプノンペン近郊に200床規模の「アジア小児医療センター」の開設プロジェクトを推進しています。



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ロシナンテス:水と医療が届かない地域で失われる命を救う


認定NPO法人ロシナンテスは、アフリカに安全な水と医療を届ける、日本発祥の国際協力団体です。
安全な水で病気そのものの数を減らしたうえで、かかってしまった病気をしっかり治療する。この方法で良い循環を生み出し、目の前で失われる命を減らそうとしています。



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教育
教育は、子どもたちの未来を切り開くために不可欠な要素ですが、世界中の多くの子どもたちが、教育の機会を得ることができずにいます。
経済的な困難や戦争、自然災害、または偏見により、教育を受けることができない子どもたちは、将来の選択肢が大きく制限されてしまいます。
シャンティ国際ボランティア会:アジア8地域で子どもたちの「生きる力を育む」


日本生まれの公益社団法人シャンティ国際ボランティア会は、「教育には人生を変える力がある」という信念を持ち、設立以来約40年にわたりアジアの子どもたちに教育を届けています。



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e-Education:発展途上国に産まれた子どもも、質の高い教育が受けられるように


バングラデシュやフィリピンなどの国で教育支援の活動をしているのが、認定NPO法人e-Educationです。
教育が受けられない地域の子どもに向けて、都市部の有名講師の授業を撮影。撮影した映像教材を無料で視聴できるようにすることで、農村部でも思う存分勉強できる環境を整えています。



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シャプラニール:過酷な環境で働かされている”家事使用人”の少女を救う


シャプラニールは、バングラディシュで暮らす少女たちのための支援センターを開設し、自立に向けたサポートを提供しています。
支援センターでは、アクセサリー製作・ペーパークラフト・絞り染めなど手工芸技術から、料理・ミシン・裁縫といった実用的なものまで、様々なテーマで技術研修を行っています。



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早すぎる結婚
世界の一部では、13歳から15歳という若さで結婚させられる子どもたちが後を絶ちません。早すぎる結婚は、健康、教育、自由の権利を奪うだけでなく、子どもたちの人生に深刻な影響を与えます。
プラン・インターナショナル:女の子が自らの意思で未来を選択できる世界を


教育を通じて世界の女の子のエンパワーメントを進めるNGO、プラン・インターナショナルは地域に「女の子クラブ」を結成し、子どもの権利や児童婚のリスクを女の子自身が学ぶ機会を提供しています。
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紛争
世界各地で続く紛争は、子どもたちにとって最も過酷な環境を作り出しています。戦争や暴力によって家族を失い、避難生活を強いられる子どもたちが数百万単位で存在します。
アクセプト・インターナショナル:紛争の解決を目指し、元テロリストの社会復帰を支援


世界の紛争地では、現地の政治への不満や貧困、テロ組織からの脅迫によって、多くの若者がテロ組織に加入していく現状があります。
アクセプト・インターナショナルが行なっている活動は大きく分けて「脱過激化」と「社会復帰」の2つです。
テロ組織に所属する若者を減らしていくこと、また、組織を脱退した若者たちが社会に安心して戻れるように支えることが活動の軸となっています。



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テラ・ルネッサンス:紛争で心身に傷を負った、元”子ども兵”の社会復帰を支援


テラ・ルネッサンスは、1980年代後半のウガンダ内戦で誘拐され子ども兵として戦わされ、家族を殺すことを強要された子どもたちに社会復帰支援を行っています。
その他にも、地雷撤去活動支援、平和教育や武器輸出に関わる政策提言も行っています。



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健康・保健
貧困層や物的支援が届きづらい地域では、基本的な健康管理が届いていないため、感染症や予防可能な病気による死亡率が高く、特に子どもたちや妊婦が深刻な影響を受けています。
ユニセフ:世界中の子どもたちに、健康と安全な生活を届ける


すべての子どもの命と人権を守るため、約190の国と地域で活動する国連機関、ユニセフ。
第二次世界大戦終戦後の1946年に誕生し、現在その活動範囲は保健・水と衛生、教育など多岐にわたります。
ユニセフでは乳幼児期の子どもに適切なケアを届け、健やかに成長できるよう、ワクチンの普及や清潔な水や環境の確保、栄養改善など、総合的に支援を行っています。



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セーブ・ザ・チルドレン:100年以上の歴史を持つ、子ども支援専門の国際NGO


子どもたちが直面する様々な課題に対し、子ども支援専門の国際NGOとして、100年の歴史を持ち活動するのがセーブ・ザ・チルドレンです。
日本を含む29ヶ国に地域オフィスを持ち、約120ヶ国で支援活動を展開しており、世界的にも有名な国際NGOです。
保健・栄養の分野では、栄養不良、感染症の予防や治療などで、世界中の子どもたちを支援しています。



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子どもへの寄付が必要な理由とは?海外支援にまつわる疑問
「寄付によって世界は本当に良くなっているの?」「世界規模の課題は解決が極めて困難な上に、寄付の効果が見えないのでは?」「そもそもなぜ日本人が寄付をする必要があるの?」そんな疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
寄付に対する不安や疑問をお持ちの方に向けて、ここではその疑問を分かりやすく解説します。
世界は豊かになっているのでは?なぜ寄付が必要なの?
『ファクトフルネス』(ハンス・ロスリング著)では、世界全体の貧困層が減少し、生活水準が向上していることが示されています。例えば、1990年には世界人口の43%が極端な貧困状態(1日1.90ドル未満)にありましたが、2015年にはその割合が21%に減少しました。また、2000年から2019年にかけて、極端な貧困状態にある人々の割合は29%から9%へと大幅に減少しました。
しかし、すべてが順調というわけではありません。依然として多くの子どもたちが命の危険にさらされ、基本的な生活必需品や教育へのアクセスがない状況にあります。特に、紛争や自然災害、食糧危機などが続く地域では、その影響を受けている人々の生活は厳しく、改善には時間がかかります。これらの地域では支援が必要不可欠であり、寄付による支援は引き続き重要です。
個人寄付は意味があるの?その国の政府が変わらないと結局問題は解決しないのでは?
確かに、政府の変革が最終的には重要な要素となりますが、寄付はその改革を促進する大きな役割を果たします。寄付がなければ、さらにひどい状況が続き、改善のペースも遅くなります。寄付を通じて、教育や医療、生活支援が行われ、それが社会全体に変革をもたらすことがあります。
例えば、チャイルドスポンサーなどの寄付を募っているワールド・ビジョン・ジャパンは、2019年にラオスのサバナケット県タパントン郡で、政府と連携しながら初等教育の学習環境改善事業を実施しました。
このプロジェクトでは、学校のインフラ整備や教員研修、地域住民との協力を通じて、教育の質の向上を図りました。ラオス政府とワールド・ビジョン・ジャパンの協力により、少数民族の子どもたちがより良い学習環境で教育を受けられるようになりました。


日本NGO連携無償資金協力・贈与契約署名式(ワールド・ビジョン・ジャパン) – 在ラオス日本国大使館
このように、寄付がNGOを通じて政府の政策形成や社会改革に影響を与えることがわかります。
日本からわざわざ寄付をする必要があるの?本当に役に立つの?
途上国の問題は、私たち日本人にも無関係ではありません。例えば、私たちが日常的に使用しているスマートフォンやパソコン、電気自動車に使われている「レアメタル」。これらの鉱物は、アフリカの一部地域で採掘されており、その採掘現場では環境破壊や権益争いが問題となっています。このような状況を改善するために、テラ・ルネッサンスは支援を行い、寄付がその活動を支えています。
また、日本は過去に多くの国から国際的な支援を受けてきました。特に戦後の復興期において、海外からの支援が日本の発展を支えました。
ララ物資とは”Licensed Agencies for Relief in Asia”(アジア救済公認団体)の頭文字をとった「LARA」のことです。1946年にアメリカで設立され、カナダ、メキシコ、ブラジル、アルゼンチンの人々も協力して、日本に物資を送ってくれました。
国際協力とは? 日本はなぜ国際協力をするの? – ワールドビジョン
今度は日本がその支援を他国に返す番であり、それが国際社会での責任を果たすことでもあります。日本が受けた支援を踏まえ、他国への支援は「恩返し」として重要な意味を持ちます。寄付を通じて、私たちはその社会的な責任を果たすことができます。
支援のカタチ:チャイルド・スポンサーシップ
途上国の子どもを支援する方法として、毎月の寄付によって支援に参加する「スポンサーシップ制度」があります。
いくつかNGO・NPOが運営している支援プログラムのうち、特に有名な3つをご紹介します。
グッドネーバーズ・ジャパン:1,000円/月から成長を見守る「子どもスポンサー」


子どもたちの未来を変えるために大事なのが、「こころと体の成長を支え、見守ること」。
その信念のもと、アジア・アフリカなど世界各国で活動するのが、国際NGOのグッドネーバーズ・インターナショナル」です。
日本事務局である認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパンは「子どもスポンサーシップ」の支援を受け付けています。
子どもスポンサーとしての寄付金は、支援する子どもの居住地域・コミュニティの環境改善に向けて「きれいな水や衛生的なトイレの整備」「栄養のある食事や、健康診断・ワクチン接種による健康推進」「学校に通えるようにするための支援活動」などに活用されます。



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寄付金控除の対象団体です
ワールド・ビジョン:「チャイルド・スポンサーシップ」は、手紙のやりとりなど1対1の支援


アジアやアフリカなど発展途上国の一部では、厳しい環境で育つ子どもたちが今も少なくありません。
- 児童労働を強いられている子ども:1億5100万人
- 紛争や武力衝突に巻き込まれている子ども:2億5000万人
- 教育を受けられない子ども:6100万人
そんな子どもたちを支援するのが、チャイルド・スポンサーシップ制度。
国際NGO「ワールド・ビジョン」が提供しています。
チャイルド・スポンサーシップでは、子ども1人1人の成長を見守る支援の形が取られています。
毎月4,500円の寄付で支援するスポンサーは、支援地域に住むチャイルド(子ども)の成長を支援します。



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寄付金控除の対象団体です
チャイルド・ファンド・ジャパン:子どもの教育を支援する「スポンサーシップ」


チャイルド・ファンド・ジャパンは、「すべての子どもに開かれた未来を約束する国際社会の形成」をビジョンに掲げて活動しています。
チャイルドからは、クリスマスや新年などに、シーズンズ・グリーティングス(季節の挨拶)が届きます。
交流を続けていくと、最初は字が上手に書けない子も、少しずつ字が上手になっていく様子がわかるなど、成長を実感することができます。



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寄付金控除の対象団体です
チャイルド・スポンサーについてさらに詳しく知りたい方は、是非こちらの記事もご覧ください。



まとめ:「海外の子供に寄付したい」という方の参考に
この記事では、海外の子どもたちへの支援活動の例として、「ユニセフ」「ロシナンテス」「シャプラニール」「グッドネーバーズ・ジャパン」「ワールド・ビジョン」を紹介しました。
また寄付先の選び方や、課題別でみる活動・団体の解説もしていきました。
改めておすすめ寄付先のポイントをおさらいします。
団体名 | 寄付ナビ編集部オススメのポイント |
ユニセフ | ①すべての子どもの命と権利を守るため、 約190の国と地域で活動 ②月2,000円の支援を1年間続けると、栄養治療食720袋が届けられ、栄養不良の子ども5人を助けることができる |
ロシナンテス | ① 日本人医師が立ち上げた、日本発祥の団体 ② 川原さん自ら寄付者向けに活動を報告 |
グッドネーバーズ・ジャパン | ①「教育」「医療・保健」「水・衛生」などを通じて子どもたちの「こころ」と「身体」の成長を見守る ②毎月1人の子どもから手紙と写真付きの成長報告がメールで届き、子どもたちの成長を実感できる |
ワールド・ビジョン | ①年に1度の写真付き成長報告 ②チャイルドとの手紙のやりとり |
今回の記事を読み「海外で困っている子どもたち子どもたちのために何かしたい」とお考えの方にとって、少しでも参考になれば幸いです。