(出典:ワールド・ビジョンHP)
新型コロナウイルスの感染拡大が長期化すると、衛生環境や教育環境が整っていない途上国では、事態がより深刻になっていきます。
特に、途上国の子どもたちは感染拡大の影響を大きく受けることになるでしょう。
このように途上国で困っている人たちを少しでも支援したいと思う方は多いのではないでしょうか。
ここでは、途上国でコロナ禍の困難に立ち向かう支援団体を4つ紹介します。
目次
故郷を追われた難民に、清潔な水など救援物資を届ける(国連UNHCR協会)
国連難民高等弁務官事務所/ The Office of the United Nations High Commissioner for Refugees (以下UNHCR)は、難民の支援に特化した国連機関のひとつです。
また国連UNHCR協会は、UNHCRの活動の広報機関であり、寄付の募集もしています。
現在、世界には自国から避難民や難民としての生活を余儀なくされている方も、少なくありません。
中低所得国で暮らしている場合は、衛生環境が整っていないこともあります。
こうした状況下で、さらに新型コロナウイルスの感染拡大によって、難民はこれまで以上に健康の脅威に晒されながら生活をしています。
UNHCRは、パンデミックに対応しきれない途上国の難民に対し感染の予防に向け、次の取り組みを実施しています。
活動内容 | 救援物資の手配、現金給付、情報共有の強化、現場体制の強化 ※ |
活動地域 | バングラデシュ、エチオピア、スーダンなどを含む7カ国 |
支援対象 | 紛争・災害により難民・国内避難民となった人々 |
寄付の使途 | 石鹸・清潔な水・マスクや消毒液といった衛生用品など ※ |
運営団体 | 認定NPO法人国連UNHCR協会(日本窓口) |
※ 新型コロナウイルス対策に関連する活動についての例
たとえば、スーダンでは26万人を超える難民やコミュニティに石けんを配布したり、健康に関する啓発活動として1万5,000通のメールをテキストで発信したり、感染予防の徹底を進めています。
また、UNHCRは、難民が受け入れ国家でいわれなき非難や排除を受けないよう国際的な連携を訴えています。
これは、国連機関であり、難民に特化した団体だからこその特徴的な取り組みです。
難民への新型コロナウイルスの緊急支援活動を進めていくためには、約804億6,000万円が必要になるとしています(UNHCRの試算に基づく)。
清潔な水を利用するなど、難民が感染の恐れのない生活を送れるよう、専用ページで寄付を受け付けています。
クレジットカードや振り込みなどが選択できます。
金額は、任意の金額を寄付することもできますが、下記の固定の金額を指定して寄付することもできます。
寄付は金額に応じて、次のような活動に利用されます
- 11,000円で250gの石けん10家族分(1世帯5人家族で約7週間使える)
- 35,000円で新型コロナ対策セット10セット(マスクやハンドソープ等)
- 87,000円で衛生施設の建設(公共施設に建てられるトイレ等)
(出典:国連UNHCR協会HP)
私たちが日本でも経験したように、新型コロナウイルス感染を抑えるには「予防」「衛生的な環境」が大切なのは明らかです。
しかし、途上国に暮らす難民の人々(半分は18歳以下の子ども)は、基本的な予防対策すらも届かない状況にあります。
こうした状況を少しでも改善したいと思った方は、難民の人々の未来のためにも、ぜひ寄付をご検討ください。
最も貧しい子どもたちを、コロナの感染から助ける(ワールド・ビジョン)
ワールド・ビジョンは、アメリカ生まれのキリスト宣教師ボブ・ピアスにより始められた、世界の子どものために活動する国際NGOです。
途上国の生活は、衛生環境がそもそも脆弱であるため、子どものいのちに関わるリスクが高い状態です。
また、地域によっては医療機関が整っていないところもあります。
今回の新型コロナウイルス感染拡大により、途上国の子どもの命はさらに危険になる可能性が高くなっています。
活動内容 | 子どもの教育支援・貧困支援など |
活動地域 | アフリカ・東欧・中東・アジア・中南米エリアの約40カ国 |
支援対象 | 貧困、紛争、災害で苦しむ子どもたち |
寄付の使途 | 子どもたちの支援活動全般 |
運営団体 | 認定NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン(日本窓口) |
コロナ対策の活動は、1月に中国から始まりました。
そして、3月にWHOが世界的に「パンデミック宣言」をしたタイミングからは、世界的な緊急支援の実施を決定しました。
4月16日までに、のべ700万人(うち子どもはのべ20万人)を超える人々に対し、支援を提供しました。
具体的には、感染予防プログラムの実施(600万人以上)、子どもの心のケアの実施(5万人以上)などがあります。
ワールド・ビジョンHPより
途上国では、コロナ禍以前から問題が山積みです。
依然として児童労働に従事したり、教育を受けられない子どもがいたりと、子どもの権利が守られていません。
途上国には、新型コロナウイルス対策だけでなく、長期的な支援が必要とされているのです。
ワールド・ビジョンには「チャイルド・スポンサーシップ」という寄付(支援)があります。
一人あたり、月々4,500円を寄付することで、チャイルドが暮らす地域全体の教育、保健衛生、水資源開発、 経済開発、農業など継続的な支援活動が実施されます。
寄付すると、活動レポートが定期的にメールで送付されるほか、年に1度チャイルドの成長報告が届きます。
支援者から、チャイルドへ手紙を送ることもできます。
その他、Web上で常時最新状況を確認することもできます。
ノワゼイちゃん (8歳)・4年目の支援(寄付)の成果
ワールド・ビジョンHP
地域内にある小学校3校にそれぞれ4教室を増築と、机や椅子などの学校家具を補充しました。
これまで教師1人に対して生徒80人とすし詰め状態で勉強していましたが、教師1人に対して生徒40人までに改善することができました。
途上国の子どもたちは、新型コロナウイルス感染が拡大する前からも困難な状況にありました。
パンデミックになった以降はさらに危機が増しています。
新型コロナウイルスの問題は世界が団結して対応する問題ですから、まずは弱い立場にある途上国の子どもたちを支援してみてはいかがでしょうか。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
日本を含む世界70カ国で、迅速・中立的な医療を届ける(国境なき医師団)
国境なき医師団(Médecins Sans Frontières=MSF)は、中立的な立場で医療や人道支援を行う民間の国際団体です。
日本は1992年に事務局が設立されました。
約4万7,000人のスタッフが世界70カ国以上で活動を行っています。
アフリカ・アジア・中東・中南米などの途上国では、紛争・災害や貧困などで、適切な医療サービスを受けることができない人々がまだまだいます。
日常的に医療にアクセスできない人たちにとって、新型コロナウイルス感染拡大は非常に脅威であり、早急な支援が必要です。
なお、途上国以外でも活動は行われており、日本国内でも5月から活動をしています。
国境なき医師団は、世界各地域で新型コロナウイルス感染に対応のため、次の活動を実施しています。
活動内容 | 難民の医療援助、医療従事者の安全確保、健康リスクのある人の援助 ※ |
活動地域 | アジア、アフリカ、中東、中南米など70か国 |
支援対象 | 世界各国でコロナ対策に当たる医療従事者とリスクの高い人々 ※ |
寄付の使途 | 防護服の寄付、医療体制の整備・アドバイス、市民への医療提供 ※ |
運営団体 | 認定NPO法人国境なき医師団日本 |
※ 新型コロナウイルス対策に関連する活動についての例
1月末、中国を皮切りに活動を始めて、医療用防護服の寄付などの活動をしています。
またイラクでは、隔離施設を建設し治療のサポートをしたほか、スーダンでは移動式治療ユニットを運営し、感染予防に取り組むなど、国境なき医師団の活動地域でそれぞれのニーズに合わせた活動が行われています。
欧州や北米などでも、同様に医療崩壊を防ぐべく、活動は続いています。
国境なき医師団は、専用のページで寄付を受け付けています。
今回の新型コロナウイルス対策の活動では、約120億円(1億ユーロ)で、日本からは約7億円(583万ユーロ)の調達を目指しています。
寄付金は、3,000円、5,000円、10,000円、30,000円、それ以上と選択ができるようになっています。
支払い方法も、クレジットカードからPayPayなど、多岐にわたっています。
また、それぞれの寄付金額に応じて、次のことができるようになります。
- 3,000円:医療用防護マスク12枚
- 5,000円:医療用フェイスシールド3点
- 10,000円:医療用防護ゴーグル6点
(出典:国境なき医師団HP)
新型コロナウイルス感染を抑えるためには、医療関係者の力無くしては実現しません。
医療サービスが整ってない途上国は言うまでもありませんが、コロナ禍では途上国以外でも医療の問題が大きくなりつつあります。
世界がひとつになって感染を抑えるためにも、グローバルで活動する国境なき医師団の活動を応援してみませんか。
バングラデシュで、学校に通えない子どもに映像教材を配布(e-Education)
e-Educationは、バングラデシュやミャンマーなどで、映像授業を提供することを通じて、子どもたちの教育機会を創出している認定NPO法人です。
貧しさから学校に通えない子どもたちが途上国にはたくさんいますが、今回の新型コロナウイルスの感染拡大によって、これまで学校に通っていた子どもまでもが授業を受けられないなど新たな問題に直面しています。
特にバングラデシュでは大学進学に関わる高校卒業試験(HSC)を控えている子どもたちが、e-Educationが提供する教室に通うことができず、満足に勉強ができない状況に陥っています。
活動内容 | 映像授業の提供など |
活動地域 | バングラデシュ、フィリピン、ミャンマーなど |
支援対象 | 途上国の農村部に暮らす中高生 |
寄付の使途 | 映像授業の撮影、備品の購入など |
運営団体 | 認定NPO法人e-Education |
バングラデシュへの緊急支援は、5月から開始されており、これから成果が出てくる予定です。
e-Educationは、これまでも、10年連続でバングラデシュ最高学府・ダッカ大学に合格者を輩出してきた実績があります。
今回も、緊急支援を実施することで、コロナ禍であっても学ぶ意欲がある子どもたちの支えになることでしょう。
e-Educationは授業が良いです。
元生徒・シャフィさん- e-EducationHP
教育システムはもちろんなのですが、私のマインドや考え方まで変えてくれました。
(中略)バングラデシュをもっと良い社会にしていくためには、良い教育を受けることが不可欠だと考えています。
だからこそ、バングラデシュ中の子どもたちが良い教育にアクセスできるようにしたいです。
クレジットカード、もしくは口座引き落としで寄付が可能です。
寄付金は、教材の制作や奨学金などに活用されるようです。
なお下記にあるように、寄付金でできることはたくさんあるので、参考にしてください。
- 月 1,000円で2,000の授業が詰まったタブレットを高校生2人に提供
- 月 3,000円で2,000の映像授業とオンライン学習コーチで受験生1人をサポート
- 月 10,000円で大学受験コース1科目の映像教材を制作
(出典:e-Education HP)
バングラデシュを始めとする途上国では、貧しさから教育を受けられない子どもがたくさんいます。
教育を受けられないことが就職に影響し、貧富の格差が生まれている現実があります。
また、貧しい家庭に生まれた子どもの中には、教育を受けることを諦めてしまう人もいます。
貧困の連鎖を止めるためには、誰もが教育を受けることができる環境の整備が求められます。
e-Educationは、日本の予備校の映像学習からヒントを得て、DVDによる授業の提供を実施しています。
有名な予備校の講師による授業を提供したことで初年度にはダッカ大学を含む18名が大学に進学しました。
寄付は月1,000円から行うことができ、こうした映像教育の教材作成や、視聴用タブレットの導入に活用されています。
どこに生まれても教育を受けられるよう支援することは、コロナ禍以降も必要になります。
「子どもが学ぶことを諦めるのがもったいない」と感じた方はぜひ寄付で応援してみませんか。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です