(出典:ワールド・ビジョン HP)
【2024/11/22 更新】
日本で暮らす子どもたちのように学校で勉強したり、友だちと遊んだりできない世界中の子どもたち。
そんな子どもたちを支援するためにお金による寄付を考える人もいます。
一方で、寄付金以外にもこのような想いを持っている人も少なくありません。
「寄付を通じて、恵まれない子供と手紙のやり取りをしたい」
「世界の貧しい子どもたちへ手紙を送る方法を知りたい」
しかし読者の方の中には、支援したいという気持ちはあっても、寄付に踏み出せないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では以下の項目を通じて、寄付に対する不安や疑問を解消し、どのようにして支援ができるのかを詳しく解説します。
- 寄付して手紙のやり取りができる団体4選
- 手紙のやり取りを始める方法
- 寄付者によるインタビュー
- 寄付先・募金先の選び方
あなたにぴったりの寄付先がきっと見つかるはずですので、ぜひ最後までご一読ください。
目次
寄付して手紙のやり取りができる団体4選
まずは「すぐにおすすめの寄付先を知りたい!」という方のために、寄付ナビ編集部が厳選したおすすめの団体を4つご紹介します。
ワールド・ビジョン:手紙やプレゼントなど、チャイルドと1:1の心温まる交流を
世界には、児童労働を強いられている子どもや、紛争地で生活している子どもたちがいます。
彼らは十分な食事もなく、衛生的な水を手に入れることすらできません。
例えば、バングラデシュでは790万人もの子どもたちが今日を生きるために働いているのです。
モスミちゃん10歳。
ワールド・ビジョン HP
売れるものを探しにひとりで危険なゴミ山に通っています。
腐った自ら有毒ガスが発生し、鋭いガラスや金属がたくさん落ちています。
ケガによる感染症がもとで命を落とす子どももいます。
でも今日食べて行くのがやっとで、どうすることもできません。
彼女はバングラデシュに住むたった10歳の女の子。
このような生きるために危険な場所で働く子どもたちに継続的な支援を行っているのがワールド・ビジョンです。
同団体では、チャイルド・スポンサーシップというプログラムで子どもたち一人ひとりの成長を応援しています。
活動内容 | 子どもの教育支援・貧困支援など |
活動地域 | アフリカ・東欧・中東・アジア・中南米エリアの約40カ国 |
支援対象 | 貧困、紛争、災害で苦しむ子どもたち |
寄付の使途 | 子どもたちの支援活動全般 |
運営団体 | 認定NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン(日本窓口) |
本プログラムでは、自分の支援したいチャイルドを選んで、1対1で交流しながら寄付を続けることが可能です。
プレゼントや手紙を交換したり、チャイルドに直接会いに行くことのできるプログラムもあり、月4,500円からスタートすることができますよ。
また、私たちの寄付金は直接チャイルドに渡るわけではありません。
寄付金はチャイルドの住む地域の支援活動の費用として、地域全体の生活を支援する形で使用されます。
チャイルド・スポンサーシップの申し込みの流れやよくある質問に関する内容は、こちらの記事も参考にされてみてください。
編集部オススメのポイント!
「寄付金だけでなく、世界の子どもたちと交流したい」
「子どもの成長を長期的に応援したい」
と考えられた方は、一度ホームページをご覧になってみてはいかがでしょうか。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
チャイルド・ファンド・ジャパン:海外の恵まれない子供の「里親的」支援
生きるために、幼い頃から学校に行かずに家事をしなくてはいけない子どもたちがいます。
日本から遠く離れたネパールでも、家族のために勉強の合間に必死で家事を行う子どもがいました。
ネパールに暮らすリンマヤは10歳の時、支援を受けるチャイルドになりました。
チャイルド・ファンド・ジャパン HP
地域の他の子どもたちと同じように、家庭の収入は少なく、とても厳しい生活を強いられていました。
両親を助けるため、水汲みや薪集め、幼いきょうだいの世話などたくさんのお手伝いをしなければなりませんでした。
それでも、「友だちの病気を治してくれたから」と、看護師になることを夢みて、一生けんめい勉強していました。
貧困によって学校に通うことが困難になったり、勉強する時間が取れなくなる子どもたちに勉強する機会を与える活動を行っているのがチャイルド・ファンド・ジャパンです。
彼女はスポンサーシップ・プログラムの支援によって勉強を続け、無事、修了認定試験という難関試験に合格したそう。
現在は勉強を続けながら識字教室の先生として、字が読めない地域の女性たちに読み書きを教えるアルバイトもしています。
活動内容 | 教育、保健・栄養、自己啓発、組織づくり、生活改善、子どもの保護 |
活動地域 | フィリピン・ネパール・スリランカ |
支援対象 | 貧困の中で暮らすアジアの子どもたち |
寄付の使途 | 学用品の配布・職業訓練・健康診断など |
運営団体 | 認定NPO法人チャイルド・ファンド・ジャパン |
スポンサーになると、ひとりの子どもと一対一の関係でつながり、「手紙での交流」や「成長記録」などを通じ成長を見守ることができます。
本プログラムは月4,000円から始めることが可能です。
編集部オススメのポイント!
支援するチャイルドへの手紙は、日本語でも英語でもOKです。
翻訳が必要な場合は、団体のスタッフが翻訳をつけてチャイルドに届けてくれるそうですよ。
「すべての子供に、開かれた未来を」
この団体のビジョンに共感される方は、寄付をされてみてはいかがでしょうか。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
グッドネーバーズ:月1,000円のスポンサーシップで、無理のない継続的な支援を
「まずは少額で継続的な支援をしたい」という方に、月1,000円から始める子どもスポンサーシップという取り組みをご紹介します。
世界の子どもたちにとっても「教育」は自分の将来を左右する大切な要素。
しかし、世界には十分な教育を受けられない、読み書きや計算もできない子どもたちが多く存在します。
希望の仕事に就くことが難しいばかりでなく、日常生活でも大きなハンディキャップを負い、貧困のスパイラルに陥ってしまうのです。
グッドネーバーズ・ジャパン HP
世界中のすべての子ども達には教育を受ける権利があります。
しかし、貧困、児童労働や児童婚、差別等の問題から小学校にすら通えない子ども達がたくさんいるのが現状です。
そこで、子どもの教育を受ける権利を守るため、学校や図書館の建設や運営、校舎の増築などを行っているのがグッドネーバーズ・ジャパンです。
同団体では、教育分野に限らず、医療・保健や水・衛生、収入向上のための活動も世界で数多く実施しています。
活動内容 | 子どもたちと居住地域の貧困状況の改善サポート |
活動地域 | インド・カンボジア・ネパール・バングラデシュ・エチオピア・チャド・モザンビーク |
支援対象 | 家庭の経済状況や家族構成などを考慮して、活動国で最もサポートを必要としている子ども |
寄付の使途 | 文具提供・健康推進活動費・浄水器の設置など |
運営団体 | 認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパン |
寄付方法の一つに「子どもスポンサーシップ・プログラム」があります。
途上国の子どもとの交流を通して子どもの住む生活環境の改善を支援できるため、子どもの成長を通して支援の成果を実感し、国際協力がより身近に感じられるプログラムとなっていました。
メールもしくは郵送の成長報告や年次報告書で、支援する子どもたちの生活が変わっていく様子を身近に感じながら支援を行うことができるそうです。
こちらの記事では、詳しい申込方法や申込前に気になったことをまとめています。
気になる方は一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。
編集部オススメのポイント!
「子どもたちのこころと身体を守りたい」
「学校で学ぶ子どもたちを増やしたい」
と考えられた方は、寄付を検討してみるのも良いかもしれません。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
“女の子”に焦点を当てた「プラン・スポンサーシップ」(プラン・インターナショナル)
「13歳で結婚。14歳で出産。恋は、まだ知らない。」という言葉を、ポスターや広告をご覧になった方も、いらっしゃるかもしれません。
南アジアなど途上国では、女の子や女性たちは貧しさの中にありながら「女の子だから」という理由で社会の底辺に置かれることが少なくないそう。
学校へ行くことがより難しかったり、医療を受けられなかったり、十分な食事を与えられなかったり普通の生活を送ることすら困難な状況にいます。
様々な機会を制限されながら、さらに暴力や性的嫌がらせを受けやすく、早すぎる結婚や家事労働を強いられます。プラン・インターナショナル・ジャパン HP
途上国の女の子に代表されるように、「声を上げる手段も情報も持たない人々が、以前にも増して『見落とされ、疎外され、取り残される存在』へ追いやられる現実」を変える。
そのために、1937年以降世界70カ国以上で活動を展開してきたのが、国際NGO「プラン・インターナショナル」です。
「プラン・スポンサーシップ」の特長は、子どもたち、とりわけ女の子たちがもつ可能性を、十分に発揮できる村づくりを支援すること。
支援対象の村では、住民たち同士の話し合いを重視したり、プロジェクトにジェンダー平等の視点が盛り込まれるよう配慮したりなどによって、
- 就学前教育を受ける子どもの数が87倍(インドネシア)
- 低体重児の割合が18%減少(ベトナム)
- 女の子の早すぎる結婚を200件阻止(バングラディッシュ)
といった成果が生まれてきたそうです。
活動内容 | 支援地の社会基盤を構築するための「開発支援プロジェクト」 |
活動地域 | スリランカ・中国・エジプト・ルワンダ・ハイチなど |
支援対象 | 活動地域に住む0〜12歳(登録時)までの子ども |
寄付金額 | 3,000円・4,000円・5,000円/月から選択 |
運営団体 | 公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン (日本窓口) |
支援者は、毎月3,000円・4,000円・5,000円から寄付金額を選択。
スポンサーシップを開始すると、手紙のやり取りなどを通じてチャイルドと交流できます。
(※活動自体は女の子にフォーカスしていますが、男の子のチャイルドを指定することも可能とのこと)。
- 年に1度年次報告書(活動報告・決算報告)
- 年に3回の機関誌
- 1年の歩みとして、チャイルドの成長と地域の活動状況が分かるレポート
これらによって、チャイルドの住む地域における「開発支援プロジェクト」の成果を確認できます。
チャイルドは「プラン・インターナショナルの活動に主体的に関わる各地域の代表」という立場だそう。
スポンサーシップを介して彼女たちの人生を応援しつつ、その地域社会全体の支援にも関われるという考え方が、素敵に感じました。
手紙のやり取りはどうやって行われる?
まずは、チャイルドと手紙のやり取りを始めるまでの3つのステップを、プラン・インターナショナルの事例を基に解説します。
プラン・インターナショナルのスポンサーになると、
- 毎月の寄付によって資金面からチャイルドたちの活動を支えることができます。
- 1年~1年半ごとに、地域やチャイルドの近況報告を受け取ることができます(チャイルドと家族の近況写真が添付されています)。
- 手紙を通じてチャイルドと交流し、エールを送って応援することができます。
ステップ1:プラン・スポンサーシップに申し込む
プラン・インターナショナル・ジャパンの公式WEBサイトから、支援を申し込みます。
プラン・インターナショナル・ジャパンではプラン・スポンサーシップの他に、「プロジェクトを支援する」という寄付方法もありますが、手紙のやり取りをご希望の方はプラン・スポンサーシップを選択してください。
ステップ2:郵送で「スポンサー・キット」が届く
WEBサイトでの申し込みが終わると、2週間以内に「スポンサー・キット」が郵送で届きます。
スポンサー・キットには、ハンドブック・便箋・チャイルドのプロフィール・活動地域の紹介・手紙用宛名ラベル等、手紙を送る上で必要なものが同封されています。
ステップ3:手紙を送ってみる
スポンサー・キットが届くと、チャイルドとの交流がスタートします。
手紙の送り方は、2種類あります。
- オンラインフォームに入力:フォームに沿って必要な情報を入力していただくと、簡単に手紙を送ることができます。
- 郵送で送る:お好きな便箋やカードを使用して手紙を送ることができます。書いたお手紙は、事務局に郵送すると、まとめて現地へ発送されます。
お手紙の宛先
プラン・インターナショナル・ジャパン「チャイルドへの手紙」係
〒154-8545 東京都世田谷区三軒茶屋2-11-22 サンタワーズセンタービル10F
手紙の書き方は、ご友人やご家族に手紙を書くときと相違ありませんが、宛名ラベルをダウンロードして貼付(又は宛名を表記)する必要がありますので、忘れないようにご注意ください。
手紙の送り方について簡単にまとめましたが、公式WEBサイトの方にも説明がありますので、詳しく知りたい方はそちらをご覧ください。
どんな人が寄付している?寄付者インタビューを紹介
続いて、ワールド・ビジョンのチャイルド・スポンサーシップを通じてチャイルドと手紙のやり取りを行っている寄付者のインタビューを紹介します。
お話をうかがった寄付者プロフィール
大柿千裕さん 支援歴:11年
・10年間以上カンボジアの子どもを支援。支援している子どもの成長を感じている。
・1児の親として自分の子どもと支援先をいつか訪問してみたい。
支援しているチャイルドのプロフィール
名前:チャニちゃん 地域:カンボジア トモ・プオ地域 年齢:2006年8月生まれ(現在17歳) 11年生 家族構成:両親と姉妹1人。両親はどちらも農業に従事。 |
大柿さんが途上国の状況に関心を持ったのは小学生のころ。
テレビで流れる途上国の状況を知り、自分は学校にも行け、ご飯もたくさん食べられるのに、途上国の子どもにはできないのはなぜだろうと不思議に思ったそうです。
その後、大人になって行ったカンボジア旅行で、生活が困難な子どもたちと出会い、帰国後すぐに何か支援ができないかと思い、寄付を決意したそうです。
大柿さんが、チャイルド・スポンサーシップを選んで良かったと思う点は、長期的に現地の子どもたちと交流できる点だそうです。
寄付をし始めた当初は「寄付が使われているか大丈夫かな」という不安があったそうですが、その後チャイルドからの翻訳付きの手紙などを受け取っていく中で、安心して寄付を続けられるようになったようです。
支援当初の手紙
また、支援をする中で子どもの成長が見えることも嬉しいことだと、大柿さんはインタビューで答えられていました。
これまで送られてきた写真や手紙を大切に保管されていて、チャイルドとの繋がりをとても大切されていました。
これまでに送られてきた写真
大柿さんがこれまで受け取った手紙。大切に保管している。
インタビューの全文を読みたい方は、是非以下の記事をご覧ください。
大柿さんは「一瞬でも想いがあればまずは行動に移すことが重要」だといいます。
少しでも活動に興味がある方は、是非団体公式ページもご覧ください。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
支援先として信頼できる?3つのチェックポイント
ここまで読んでいただき、様々な支援の形や支援団体について知っていただけたかと思います。
しかし、中には「結局どこに支援したらいいかわからない」という方もいらっしゃるかもしれません
そんな方のために、寄付ナビが考える「支援先として信頼できるかのチェックポイント」をご紹介します。
一般的に、企業の良し悪しを判断する材料として「ひと・もの・お金」の3つが大切と言われます。NPOでは、それは「ひと・活動・お金」です。
企業で言うところの”もの”、すなわち”商品”は、NPOがどのようなアプローチで問題を解決しようとしているのか、つまり活動の内容です。
その活動内容に賛同することが、まさしく、寄付を通じた応援と言えると思います。
さらに寄付先として判断する上で、「ひと・活動・お金」を適切な言葉に言い換えると、「職員・活動・会計」です。
- 職員の顔が見えるか?
- 活動によって問題を解決しているか?
- 透明性の高い会計報告を行っているか?
支援を迷っている団体があれば、是非参考にしてくださいね。
まとめ:文通や報告書によって、支援する子どもの成長が感じられる
この記事では、世界の子どもたちと文通をしながら継続した寄付ができる、4つの団体をご紹介しました。
団体名 | 寄付ナビ編集部オススメのポイント |
ワールド・ビジョン | ①年に1度の写真付き成長報告 ②チャイルドとの手紙のやりとり ③支援地を訪問してチャイルドに会うことも可能 |
チャイルド・ファンド・ジャパン | ①子どもたちの成長の過程に合わせた支援 ②子どもとの手紙を通した一対一の交流で、成長を実感することができる |
グッドネーバーズ・ジャパン | ①「教育」「医療・保健」「水・衛生」などを通じて子どもたちの「こころ」と「身体」の成長を見守る ②毎月1人の子どもから手紙と写真付きの成長報告がメールで届き、子どもたちの成長を実感できる |
プラン・インターナショナル | ①世界137万人のチャイルドを支援 ②1年の歩みとして、チャイルドの成長と地域の活動状況が分かるレポート |
お金以外の寄付で、支援する子どもたちの成長する姿を見たいという方にとって、少しでも参考になれば幸いです。