(出典:日本WHO協会HP)
“すべての人々の健康を増進し保護するため互いに他の国々と協力する目的”で1948年に設立された世界保健機関(World Health Organization:以下、WHO)。
WHOは国連システムの一つの機関で、スイスのジュネーブに拠点があります。
なお、日本には「日本WHO協会」という民間団体があり、WHOの活動を支援しています。
主に、募金や広報活動のほか政策提言などを行なっています。
最近では、世界的な新型コロナウイルスのパンデミック宣言が出て以来、WHOという言葉を毎日のようにメディアで見聞きするようになりました。
しかし、実際どのような団体なのか実態が実はよくわからないという人も多いでしょう。
今回は、WHOに関する評判や口コミを集めて、支援先として信頼できるところかどうか調べてみました。
目次
ブログやSNSで見つかった、WHOの評判·口コミ
ネット上でWHOを検索してみると、圧倒的に各報道機関の記事にて引用されているものが多いです。
よく探してみると、個人のブログやその他の個別の記事などにポジティブなコメントや、効果の高い取り組みの紹介がいくつかありました。
ポジティブな評判·口コミ・取り組みの紹介
コロナウイルスの流行に伴うストレスへの対処法Coping with stress during the 2019-nCoV outbreak ということで、WHO(世界保健機関)から文書が出ていて、その内容がなるほどなあ、と感じられましたので西田なりに翻訳したものを以下に載せさせていただきますね。
自己啓発の専門家のブログ
(中略)*あなたが、過去に逆境を乗り越えたときのこと、そのとき、どうやって乗り越えられたのかを思い出してください。
いまこの時期を乗り越えていく際の、感情の安定に役立つことでしょう。
(中略) 「そりゃあそうだ、その通り!」と拍手したくなるような納得感がありますよね。
さすがは世界の保健機関。
感謝です。
WHO世界保健機関の皆さん、ありがとうございます
— 鷹百舌鳥 (@47B9GRf5GV41IiY) February 18, 2020
(出典:WHOに感謝する方‐Twitter)
新型コロナウイルス感染症と
日本WHO協会に寄付した方
戦われている方々に
微力ではありますが、
応援できればと思います。
子どもたちがパンデミックを理解するのに役立つ新しいストーリーブックがリリースされました#كوفيد19この本は、世界保健機関や国連児童基金など、人道部門で活動している50を超える組織間の協力の成果とのことです。 https://t.co/1iQf3B3bMJ
— 毒スリハン (@doukuman) May 6, 2020
(出典:成果のある取り組みを紹介している方‐Twitter)
また、世界的な企業からもWHOは信頼を得ているようです。
Googleは、検索やYouTubeで新型コロナウイルスの関連情報を検索する日本のユーザーには、最新のニュースや、厚生労働省、世界保健機関(WHO)といった公的機関が提供する信頼性の高い情報へのリンクを表示するとのことだ。
AMP 記事
WHOは、国際機関なのでこれまでは論文や研究者が引用として利用されることが多かったです。
しかし、コロナ禍により、一般の人がWHOとはどのような団体なのか興味を持った人が増えたようです。
SNSでは、WHOが示す健康の定義を調べたというコメントなどがよく見られました。
日本もWHOの加盟国の一つで、厚生労働省は国際的な保健に関わる信頼性の高い機関として連携をしています。
ネガティブな評判·口コミや、活動への批判·疑問
一方で、影響力の大きい団体であるからこそ、ネガティブな情報もありました。
WHOはもうダメなんじゃないかな。どう運用されてるのか透明性を保てなかった時点で不信感は拭えない。一度失った信用を取り戻すのって無理そうだし、そもそも「WHOって必要なの?」って思われてしまった。世界が足並み揃えないと解決できないこともあるが、新型コロナでその役割を果たせなかった。
— DTU-710 (@twittakaku) June 6, 2020
(出典:WHOに不信感を抱いた方‐Twitter)
ちょっと前CDCやWHOが「マスク意味ない」って言ってたけど、結局「マスク意味ある」に変わってる。乳酸が本当は疲労回復物質なのに疲労物質と言われてたようにFACTFULLNESS的な感覚常に持ってないと。経験則に基づいた意見で悪い方にいってる事例も多い気がするし。常識どんどん変わる。
— D.O.I. (@doiidp) June 6, 2020
(出典:WHOを疑問視した方‐Twitter)
世界の記者と各国政府は 素人でもわかる「中国の不手際は指摘せず ただ褒めるだけ」なので、「この人(テドロス氏)ダメだ?」「この人の言う事聞いてたら 取り返しがつかない事になる」と見切りをつけ始めているのだと思います。
note
また、大きく有名な団体であるからこそ「なりすまし」による犯罪も起こり、公式なステートメントで呼びかけがありました。
日本WHO協会の職員を装い、「コロナウイルスの患者が出たので調べている」として検査費用の名目で現金をだましとろうとした。
日本WHO協会HP
日本WHO協会は本件とは全く無関係であり、また、新型コロナウイルスの検査を当協会が行うこともありません。
今後、新たな手口の勧誘が行われる可能性があります。
少しでもおかしいと感じたら早めに最寄りの消費生活センター等にご相談ください。
現状では、ネットでは、WHOの新型コロナウイルスへの対応としてマスクの利用法に関する批判が多く見られました。
また、アメリカ合衆国やブラジルがWHOを批判し、加盟国から脱退するというニュースが流れたためか、便乗する形で批判するコメントもいくつかありました。
支援先として「日本WHO協会」は信頼できる?3つのチェックポイント
世間ではポジティブ・ネガティブな意見の双方がありますが、本当はどのような団体なのでしょうか。
信頼できるのかどうか、支援しても大丈夫かどうか、自分で実態を把握することが大切です。
そのためには、法人格、資金使途、活動報告の3つのポイントをしっかり調べるとよいでしょう。
日本からWHOを支援している「日本WHO協会」があります。
この協会をこの3つのポイントから調査しました。
ポイント1:団体として信頼できるか?
団体の信頼性を担保するのに「組織形態」は重要な要素になります。
ホームページでは、1965年に社団法人として設立され、2012年に公益社団法人に移行したとあります。
なお、協会への寄付金には、特定公益増進法人としての税法上の優遇措置が適用されます。

WHOの公式な「支部」ではなく民間団体でありながら、WHO本部から発信されるファクトシートの翻訳出版権を付与されています。
理事長は、甲南女子大学教授・大阪大学名誉教授であり、高い使命感をもっていることがメッセージからうかがえます。
日本WHO協会は、国際連合の専門機関である世界保健機関(WHO)の行っている活動や情報を多くの人びとに迅速かつ適切に伝えるという設立時からの使命を担っています。
日本WHO協会HP
ポイント2:団体の収支や寄付金の使途は、公開されているか?
ホームページには、収支報告書、決算報告、事業計画書と事業報告書が掲載されています。
収支報告に関しては、2019年度版が最新情報になっていました。
収支報告書を確認すると、収入は、主に会費が6割近くを占めており、残りが寄付金などでした。
費用は全て事業に使用されており、2019年度は収支が30万円程度の赤字でした。
会費や寄付金は、主にWHOからの情報を伝えるための、啓発事業やフォーラムの運営、人材開発事業に利用されています。
- 収入:約1,250万円
- 会費:58%
- 一般寄付:16%
- その他収入:24%
- 支出:約1,280万円
- 事業費:100%
(主な収支状況 2019年度 ※筆者による概算)
ポイント3:きちんと活動しているか?
ホームページは、毎年の事業報告書が掲載されています。
事業は、主に次の6つがありそれぞれにさらに細かく活動が報告されていました。
特に、啓発事業には力を入れているようで、積極的にWHOからの情報をウェブサイトやフォーラムなどを通じて伝えているようです。
また、人材開発事業では、WHOのインターンシップとして各国事務所で働く学生を支援(助成金の拠出)しています。
- WHO 憲章精神の普及及び健康に関するフォーラム等の開催並びに機関誌広報等の啓発事業
- ウェブサイトの拡充とメールマガジン発信
- フォーラムの開催
- 機関誌の発行
- ワン・ワールド・フェスティバルへの出展
- その他啓発事
- 研究事業
- 連携事業
- WHO の事業目的達成に寄与するための募金活動及び募金収益の拠出並びに活動協力等の支援事業
- 人材開発事業
- フォーラム「日本企業×SDGs~技術で迫る国際保健~」を開催
- WHO インターンシップ支援
- 関西グローバルヘルスの集い
- その他事業
(出典:日本WHO協会HPより)


(出典:日本WHO協会の季刊誌「目で見るWHO」より)
日本WHO協会には、専任の職員が2人ほどしかいません。
あとは、理事などを含め非常勤職員により運営されています。
少ないリソースではありますが、高い使命感をもってWHOの理解を広めようと懸命に活動しているようですね。
まとめ
WHOは、コロナ禍の前から私たち世界に暮らす人々の健康増進や途上国の保健・衛生の改善に向けて活動をしてきています。
そして、日本WHO協会も地道な活動を通じて、WHOの取り組みを日本に広めるべく活動しています。
今回は、ネットの中からあまたあるWHOへの口コミや意見を集めました。
賛否両論あるとは思いますが、この記事を通じて少しでもWHOや日本WHO協会の活動をご理解いただけたのではないでしょうか。
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