絶滅の危機に瀕している動物の保護や、環境保全活動を行なっているWWF(World Wide Fund for Nature・世界自然保護基金)。

「寄付は何に使われてる?」「活動の実績は?」
そんな疑問を持つ方のために、WWFジャパンを支援する前にチェックしたいポイントをまとめました。
目次
WWFとは?世界約100か国で活動する環境保全団体
WWF(世界自然保護基金/ World Wide Fund for Nature )は1961年に設立された、環境保全・自然保護を専門とする国際NGOです。
主な活動内容をピックアップしてご紹介します。
地球温暖化を防ぐため、自然エネルギーを推進
私たちが排出する二酸化炭素や温室効果ガスによって、地球の平均気温は過去130年の間に約0.85度、上昇してしまったそうです。
その影響によって、北極の氷が溶けたり、島国が海に沈んだりといった問題が発生しています。
WWFは現在、地球温暖化を引き起こす二酸化炭素などの排出を抑え、地球の平均気温の上昇を、産業革命以前のレベルに比べて2度未満に抑えることを目標にした活動を行なっています。
地球温暖化とWWF
WWFは地球温暖化を防ぐために、省エネルギー化を推進しています。
自然エネルギー100%を実現するための国際的なアドボカシー活動を行なっているそうです。
絶滅危惧種の野生動物を、密猟などから守る
「絶滅の危機にある種のリスト(通称レッドリスト)」には、絶滅のおそれの高いとされる種が、動物だけで1万種以上の名前が挙がっています。
たとえば野生のトラ。
過去100年で個体数が97%も減少していることはご存知でしょうか。
美しい毛皮や漢方薬の原料とされる骨を狙って密猟が繰り返されています。


野生動物を守る-WWF YouTube
今から半世紀前、WWFが設立された最初のきっかけは、急激な減少を見せていたアフリカの野生生物を保護する活動を行うためでした。
野生動物を守る
なぜ、野生生物を絶滅から守るのか。
(中略)私たち人間の生活にとっても欠かすことのできない地球の自然が、少しずつ、しかし、確実に失われている証拠なのです。
WWFは現地政府と協力して密猟を防ぐパトロールを実施しています。
自然保護区の設立や、レンジャーの育成といった活動も同時に行い、環境保全に努めているそうです。
より詳細な活動内容は、以下の団体WEBサイトも、ご参考になさってください。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
支援先として「WWFジャパン」は信頼できる?3つのチェックポイント
WWFの日本窓口を担っているのが、公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)です。
寄付する前に押さえたいチェックポイントを解説します。
ポイント1:団体として信頼できるか?
WWFは国連に公認・登録された団体です。
WWFジャパンは、WWF創立者のオランダ王配故ベルンハルト殿下の働きかけをきっかけに、東京で1971年に設立。
いつからかは明記されていませんが、ある時期に特定公益増進法人となり、2011年には、内閣府から公益財団法人として認可を受けます。
WWFは内閣府認定の公益法人(中略)として免税団体に認定されております。
税法上の優遇措置について
したがって、 WWFへの寄付金には(中略)税法上の優遇措置が適用(中略)されます。
WWFジャパンへの寄付者は、所得税の控除を受けることが可能です。
公益財団法人の認可は、以下のような審査や過程を経て受けることができます。
・公益財団法人・公益社団法人:民間有識者からなる第三者委員会による公益性の審査(公益目的事業を行うことを主たる目的とすること等)を経て、行政庁(内閣府又は都道府県)から公益認定を受ける



NPO法人や一般財団/社団法人よりも、寄付金控除が認められている認定NPO法人や公益法人の方が、より適切に寄付金を管理をしている傾向があると推測しやすいでしょう。
ポイント2:団体の収支や寄付金の使途は、公開されているか?
WWFジャパンの寄付金の使い方はウェブサイト上の事業計画・報告書 で公開されています。
決算報告書(2021年6月期)から、主な数値を拾ってみました。
- 収益 15.1億円
- 寄付金 47.3%
- 会費 36.1%
- 事業収益 7.7%
- 補助金 4.8%
- 受託事業収益 1.9%
- その他(運用益・負担金・雑収益)2.2%
- 支出 14.4億円
- 事業費 99.2%
- 管理費 0.8%
広報・広告費については、掲載されていませんでした。
監査については、外部の監査法人と内部の監事による監査報告書の両方が添付されていました。
ポイント3:きちんと活動しているか?
WWFジャパンは、自然資源の再利用、環境汚染やエネルギー問題の解決、動物保護活動や人間との共存などのプロジェクトを企業、政府機関、研究機関などと共に進めています。
2020年の活動の一例をピックアップしてみました。
- 【森林火災】ブラジル、ボリビア、オーストラリアなど現地での消火活動や野生動物の救護活動の支援などを実施
- 【新型コロナウイルス感染症】野生生物の違法な取引(密猟や密輸など)は、衛生管理などが行き届かず、動物由来感染症の拡大につながるリスクがあると声明を発表
- 【森林保全】極東ロシア唯一の自治州であるユダヤ自治州で、初の本格的なトラ調査を実施し、約20頭の生息と繁殖を確認
具体的な活動内容は、さまざまな媒体で知ることができます。
- WWFの活動(活動報告・ニュース・イベント情報)
- 事業計画・報告書(1年の活動のまとめ、年次報告は英文)
- 資料室(調査資料、記者会見資料)
- スタッフブログ(スタッフの活動や日常)
- YouTube(活動・関連動画)
- Twitter / Instagram / Facebook / LINE(関連ニュース・画像など)


WWFの活動-WWF HP
一般会員、ユース会員へは、会報「地球のこと」(年4回発行)、15歳以下のジュニア会員へは、ニュースレター「パンダニュース」を発送。
その他、全会員にグッズ販売ショップ「PANDA SHOP」の通販カタログ(年2回)や寄付関連資料も、合わせて送られます。
しかし、WWFジャパンの資料では、進行中のプロジェクト総数の掲載が見当たらないなど、総括的な全体像は見えにくい状態です。
特定のプロジェクト支援を検討している場合については、寄付をするかしないかの判断は比較的しやすいです。
関係資料やページをご覧になり、検討されるとよろしいかと思います。
WWFジャパンへの寄付は、以下から申し込みできるようです。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
環境保全を継続的に支援する「WWF会員」とは?
具体的な支援の方法について、解説します。
WWFジャパンを支援するには、毎月少額を寄付する「WWF会員」がおすすめです。
定期的に活動報告が届くように
「WWFジャパン」への毎月の寄付を始めると、年4回のペースで会報『地球のこと』が届きます。
WWFジャパンでは、一般会員、ユース会員の皆さまに年4回の会報誌をお送りしています。
WWFジャパンHP
国内外で取り組んでいるWWFの活動や、環境関連の情報、絶滅のおそれのある野生動物などについての記事を掲載しています。
大人から子供まで、環境問題について知識のある人もない人も楽しみながら、今地球で起きていることを知っていただける内容になっております。
団体HPはもちろん、InstagramなどのSNSでも活動の状況を報告。
支援を続けるための情報が足りない、といったことはなさそうです。



寄付金は地球を守るために必要な費用に
寄付は野生生物の保護活動や、密猟を防ぐパトロールなど、地球の豊かな自然を守るために使われます。
WWFは個人の方からの寄付が半分以上を占めています。
WWFジャパンHP
多くの方からのご支援が集まることで、WWFは大きな力を持って活動を推進することができています。
たとえば月1,000円の寄付を1年間続けると、南米のチリで海の大切さを伝え、地域の人たちにもその保全に参加してもらう普及活動を1回実施することができます。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
WWFのパンダロゴの意味は?グッズで支援できる通販ショップも
WWFといえば、パンダのロゴをイメージされる方も多いのではないでしょうか。
WWFのロゴでありつつ、環境保全を願うマークに


ロゴの変遷-WWF HP
WWF創設者の一人、ピーター・スコット氏が、ロンドン動物園のジャイアントパンダを元にデザインしたそうです。
現在はエコマークやグリーンマークなどと一緒に、環境保全のシンボルとして使用されています。
Tシャツやぬいぐるみの売上がWWFへの寄付に
グッズの購入から気軽に支援に参加できる「PANDA SHOP」もあります。
ショップから発生した利益は、すべてWWFに寄付されます。


今のまま資源の大量消費を続けていけば、2030年代の半ばには、地球の資源を使い果たし、もう1個地球が必要になると言われています。
PANDA SHOP だからできること
それほど、私たちは、便利さや快適さのために地球を浪費しているのです。
パンダのロゴが入っている商品には、一目でわかるラベルが付いているなど、工夫が施されていました。
日常の購買行動から社会を変えるアクション、そんなコンセプトに共感される方はぜひチェックしてみてください。
WWFジャパンの取り組みに関する詳しい情報は、団体WEBサイトもご覧になってみてください。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
ここまでWWFの活動内容、寄付する前のチェックポイント、パンダのロゴと気軽にできる支援の方法について、解説して参りました。
寄付先探しのご参考になれば幸いです。