日本発祥の医療専門国際NGOである「ジャパンハート」。
ラジオCMやネット広告などで、その名前を見たことがある、という方も多いのではないでしょうか?
「ジャパンハートってどんな団体なの?」という疑問をお持ちの方へ、団体の歴史や活動の内容、寄付の使い道について調べました。
目次
ジャパンハートとは?発展途上国に医療を届ける日本発祥のNPO
創業のエピソードから、今日に至るまでの歩みを紹介します。
吉岡秀人さんがミャンマーの貧しい人々を助けたのがきっかけ
「ジャパンハート」は、創設者である吉岡秀人さんが30歳のときに、単身ミャンマーへ赴き医療活動を始めたことがきっかけです。
1995年、私がアジアで医療を始めた頃は、バブルを終えた日本と違いまだまだ貧しい国が多かった。(中略)
アジアの貧国といわれていた国々はどこもそう大差はなかったと思う。
医療にアクセスできない人々、そういう国の人々に医療を届けようと志したとき、とにかく「医療を彼らの手の届くものにする」ということがこの活動の始まりであり、今もしっかりと続いている、活動の土台だ。
(創設者メッセージ − 同団体WEBサイトより)
スタートから15年、通算15万件以上の治療を行なった実績
同団体の歴史は、「源流期」「変遷期」「挑戦期」という三期に渡って変容してきました。
源流期
当初、創設者の吉岡秀人さんはミャンマーへ渡航し日本から持ってきたお金が尽きるまで治療を続け、その10年後に国際医療ボランティア団体ジャパンハートを設立。
同団体の活動は治療にとどまらず、視覚障がい者を支援する社会福祉、人身売買を食い止めるための養育施設運営などに拡大しました。
活動拠点もカンボジア、ラオス、日本国内へと広がったそう。

活動地域/同団体HPより引用
変遷期
「貧しい人々にも高度な医療を届ける」ことを目標に、多くの医療者と支援者の協力により、難病を抱える子どもたちの治療を実現。
また、ミャンマー政府からの要請でミャンマー人の小児生体肝移植(胆道閉鎖症などの肝機能が保たれない病気の子どもに、健康な肝臓を移植すること)を日本の大学病院にて実施するまでに至りました。
挑戦期
現在は、医療を「治療」という範囲だけでなく、一人ひとりの「人生の質の向上」という観点からもサポート。
医療の新しい概念を創り出すために、新たな挑戦をしていくそうです。
ジャパンハートの活動には、延べ3,500人以上の医師・看護師などのボランティアが参加、治療数は15万件を超えた。
そして現在、ジャパンハートには医療者にとどまらず各業界の専門家が参加し始めている。
これまで抱いてきた医療=治療という概念を変えていくというのがジャパンハートの新たな挑戦である。
(同団体WEBサイト より)
ジャパンハートが行なっている3つの支援と取り組み
ジャパンハートの活動内容を調べました。
障害のある人も安心して生活するための福祉支援
同団体では、2010年より「視覚障がい者の自立支援」を開始しました。
ミャンマーの視覚障がい者は統計上では約16万人とされていますが、実際には30~40万人いるとも言われています。(中略)
数少ない盲学校に入学できた者でも一般社会で自立できるのはほんの一握りで、職業教育を受けてもその技術が未熟なため、経済的自立には結びつかないのが現状です。
(同団体WEBサイト より)
そこで同団体では、ミャンマー社会福祉省の協力のもと、視覚障がい者らに医療マッサージの専門指導を受けさせ、リラクゼーションマッサージとの差別化を図り、一般社会へ医療マッサージの専門家として進出できるためのトレーニングセンターを開設するなど様々な取り組みを実施。
障害のある人に関わる人々や現地政府とともに、視覚障がい者を守るための政策を1から新しく築いているそうです。
平等な学びを子どもたちに提供する教育支援
また、教育・自立支援として「Dream Train」という養育施設の運営を行っています。
1990年半ばから深刻化したミャンマーでのエイズ感染。
貧困や人身売買、売春など悪循環な環境を打開するために当施設は設立されました。
人身売買に巻き込まれる可能性のある地域から敢えて子ども達を引き離す、日本人による里親制度を開始するなどの取り組みで、現在までにDreamTrainで生活する子どもたちは増え、より多くの子どもたちを対象に施設への受け入れを行っているそうです。

Dream Train / Instagramより引用
海外で医療を届けられる医療人材の育成
ジャパンハートの理念「医療の届かないところに医療を届ける」を軸に、世界の医療現場で活躍できる助産師を育む活動も行っていました。
あらゆる医療現場で活躍するために重要な、臨床判断・看護能力やコミュニケーション能力、それらを発揮するための意欲・忍耐力を助産師が身に付けられるような研修を実施。
「十分な医療物資や人材のない環境で、目の前の問題にどう対応すべきか」
解決するための情報を自らで得て考え、判断し、行動できる、自立した医療者を育てることを目的としているそうです。
『この世界のどこかでなくなっている、救えるはずの小さな命をひとつでも救いたい』
~ジャパンハート助産師海外研修~
“国際的なあらゆる医療現場で活躍する助産師”
を目指す研修プログラムです。詳細⇒https://t.co/vWXW2yO3hy pic.twitter.com/Y0wputzUym
— ジャパンハート (@japanhearttokyo) August 11, 2019
寄付する前に、チェックしたい3つのポイント
ジャパンハートへ寄付をする前に知っておきたい、寄付金の使途、寄附金控除、寄付の方法について調べてみました。
ポイント1:寄付金は子どもたちの食事、手術の費用などに
毎月の寄付の使い道は、以下が参考として挙げられています。
- 月1,000円:ミャンマーでは10日分の子どもの食事をまかなえます
- 月2,000円:カンボジアでは良性腫瘍の除去手術ができます
- 月3,000円:ミャンマーでは口唇裂(こうしんれつ)の子ども3人を手術できます
団体の信頼性や詳しい寄付の使途は、こちらも参考にされてみてください。

ポイント2:寄付金控除の対象になる
同団体は、東京都庁から認可を受けた認定NPO法人です。
そのため個人であれば所得税や相続税が、法人であれば法人税が優遇されます。
特定非営利活動法人ジャパンハートは、2011年11月16日より『認定NPO法人』として認定されています。
皆さまからの支援金が寄付金控除等の対象になります。
(同団体WEBサイト より)



ポイント3:「毎月」と「今回のみ」から選ぶ
毎月の寄付
HPで継続的な寄付を選択すると、毎月1,000円以上の任意の金額を寄付することができます。
方法は「オンライン決済(クレジットカード)」もしくは「口座振替」を選択できます。
今回の寄付
今回のみの寄付は、「クレジットカード」か「銀行振込」のどちらかを選択できます。
寄付金額と寄付カテゴリ(使途)を自分で決めることができます。
ジャパンハートの概要、寄付金の使い道、支援の方法をご紹介しました。
寄付を検討している方のお役に立てれば幸いです。