フローレンスの駒崎弘樹、どんな人?寄付者の私が著書から学んだ3つの想い

「フローレンスの代表理事、駒崎弘樹さんってどんな人なの?」
「経歴や事業にかける想い、お人柄を知りたい!」

こんにちは、寄付ナビの鈴木大悟です。

認定NPO法人フローレンスは、訪問型病児保育をはじめ、サポートを必要とする親子に様々な事業を提供するとともに、制度改善に向けた政策提言活動を実施している団体です。

私自身、フローレンスのマンスリーサポーターを通じて、活動を応援しています。

そんなフローレンスの代表理事を務める、駒崎弘樹さんはどのような起業家で、どのような人物なのでしょうか?

本日は、このような疑問を持っている方へ向けて、著書『「社会を変える」を仕事にする-社会起業家という生き方』(筑摩書房)を読んで、私が学んだことをお話ししたいと思います。

駒崎 弘樹(こまざき ひろき)

  • 1979年、東京都江東区生まれ。
  • 2002年、慶應義塾大学総合政策学部卒業。
  • 2004年、病児保育の問題を知り、NPO法人フローレンスを設立。
  • 2008年、Newsweekの「世界を変える100人の社会起業家」に選出。
  • 2020年のコロナ禍には、ひとり親家庭の病児保育の月会費を無料にするなど、社会の変化に応じた様々な事業に取り組む。
  • 内閣府「子ども・子育て会議」委員、全国医療ケア児者支援協議会 事務局長、医療法人社団ペルル 理事長などを務める。
  • キーワード「世界で一番、子どもが幸せな社会を創る」

フローレンスの病児保育、創業の原点は「地域のおばちゃん」

2004年4月に活動をスタートした、フローレンス。

駒崎弘樹さんが大学在学中に、ベビーシッターをしていたお母様から、ある母子家庭の現状を聞いたことが創業のきっかけです。

その母親は、子どもが熱を出して保育園に行けず、会社を休んで看病をしていたところ、なんとそれを理由に、会社をクビにされてしまったというのです。

子どもが熱を出すことなんて当たり前の話だろうし、それを親が看病するっていうのも、当たり前の話だ。

当たり前のことをして職を失う社会に住んでいたなんて。

「社会を変える」を仕事にする P.69

この出来事から、自らが子ども時代に熱を出した際には「松永さん」という地域のおばちゃんが預かって、面倒を見てくれていたことを思い出します。

フローレンスHPより引用

この問題を見て見ぬふりをすることはできない、事業を通じて解決したい--。
その想いは、日に日に増していきます。

たぶん昔は、地域の人々が子育てで協力し合うということが、ごくふつうのことだったのだろう。
でもいまでは、ここ下町ですら、そういった営みは過去のものになりつつあるのだ。
松永さんに象徴される何かは、失われてしまったんだ。

社会問題、と言うほどたいした話ではないのかもしれない。
血が流れるわけでもなく、海面が五メートル上昇するわけでもない。
でもこれは放っておいていいことなのだろうか。
いまの自分の根っこには、ひょっとしたら地域のおばちゃんの、おせっかいな優しさとか、いたわりとか、そういったものが埋め込まれていて、それが僕というものを形づくっているのかもしれないのに。

「社会を変える」を仕事にする P.75

そしてついに、駒崎さんは当時経営していたITベンチャーの社長を辞め、病児保育の問題解決に向けて走り始めます。

「いろんな家族の笑顔があふれる社会を創りたい」
フローレンスの挑戦は、そんな1人の若者の想いから始まりました。

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『「社会を変える」を仕事にする』を読んで、私が学んだ3つのこと

ここからは、寄付ナビの私、鈴木大悟が著書を読んで、学んだこと、感じたことを共有させてください。

①計画を白紙にされても諦めない心

活動を始めた当初は、商店街の空き店舗を使って、病児保育サービスを提供することを考えていた駒崎さん。

しかし、区長のほんの一言で、計画が水の泡になってしまいます。

施設をつくるには莫大なお金がかかってしまうため、区からの補助金が出なければ、開業は実現できそうにない。
それに、補助金がなければ、事業モデル自体が成り立たない。
目の前が真っ暗になる。

(中略)「NPOは政治の失敗を補完する新たな可能性である」と社会学の本は励ましてくれるが、現実はそうでもないらしい。

いままで一年近くかけて積み上げてきたものが、がらがらと崩れていくのを感じた。

「社会を変える」を仕事にする P.135〜137

それでも駒崎さんは諦めず、病児保育の問題を解決するためには何を為すべきなのか、粘り強く向き合い続けました。

そして、日本初の「訪問型・共済型」の病児保育という画期的なアイディアに辿り着きます。

②保険のように助け合う”病児保育”

今では当たり前のように浸透しているサブスクリプション型(定額を継続的に課金する)事業モデルですが、当時はほとんど世間に知られていませんでした。

保険は、万一の事態が起こったときのためにお金をかけつづける。
そして本当に困ったときに、かけていたお金の何倍もかかるコストを負担してくれるのだ。
よく考えると、なんだか病児保育に似ている。
ふだんは別に必要ではないが、困ったときには切実に必要とされるのだ。

「社会を変える」を仕事にする P.160

始めた当初はまだ「病気の子どもは親が看るのが当たり前」という風潮があったそうです。
しかし、相互扶助の理念に共感してくれるご家庭は必ずいると信じて、サービスをスタート。

すると、入会希望者からのメールが殺到、予想を大幅に上回る声がありました。
病児保育はまさに子育て世代が待ち望んでいたものだったのです。

③寄付を通じて「社会を変える」

フローレンスは、ひとり親家庭に低価格で病児保育を提供しています。
それも、この活動があたたかい寄付によって支えられているからです。

僕は確信している。
なぜなら、僕のような門外漢のド素人によって東京の下町で始まったモデルが、政策化され、似たような事業が全国に広がっていったのだ。
自らの街を変える、それが世の中を変えることにつながっていったのだ。
だとしたら「社会を変える」ことは絵空事ではないはずだ。
一人ひとりが、自らの街を変えるために、アクションを起こせばいいだけなのだ。

「社会を変える」を仕事にできる時代を、僕たちは迎えている。

「社会を変える」を仕事にする P.241〜242

私も寄付ナビライターとして、何よりひとりの寄付者として「社会を変える」にチャレンジしたいと感じました。

実際に私がフローレンスのマンスリーサポーターを始めた体験記も、よかったらお読みください。

フローレンスへの寄付で、私がひとり親家庭へ支援を始めた3つの理由

日本の子どもたちに明るい未来を贈るために、あなたも一歩を踏み出してください。

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フローレンスの最新の取り組みは?コロナ禍での緊急支援

2020年のコロナ禍では、ひとり親家庭を対象に食糧や日用品を支援したり、病児保育の月会費を無料化するといった支援を実施しました。

フローレンスHPより引用

実はこのコロナ禍において、多くの女性たちが苦しい思いを抱えています。
とくに子育て家庭や母子家庭の女性、つまりお母さんたちの中にはコロナ禍によって追い詰められた環境に置かれている方々が増えているのが現状です

フローレンスHP

コロナ禍でも、親子の笑顔を絶やさない。
それは、駒崎さんがフローレンスを創業するきっかけとなった「母親がこんなにも困っている」「いま自分にできることをしたい」という母子家庭に対する想いそのものではないでしょうか。

フローレンスは病児保育以外にも、

  • 障害児保育:​​社会から孤立しやすい障害児家庭に保育を提供する事業
  • にんしん相談・特別養子縁組:「予期せぬ妊娠」に悩む方からの相談と、生みの親が育てられない場合に育ての親に託す事業
  • こども宅食:食品の配達を通じて困りごとを抱える家庭とつながりを作る事業

などといった、さまざまな社会的事業を展開しています。

たとえば月5,000円の寄付で、日々行う訪問看護の衛生環境を保つマスクを500枚購入することができます。

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ニューズウィーク日本版「日本を救う中小企業100」に選出

フローレンスは、2011年に日本を代表する企業として、ニューズウィーク日本版「日本を救う中小企業100」に選出されました。

フローレンスHPより引用

メディア掲載歴

  • 日本経済新聞、産経新聞、毎日新聞、朝日新聞など
  • NHKニュース、news zero、めざましテレビ、NEWS23など

加えて年間400件近くWEBやテレビ、新聞、ラジオでのメディア露出があります。

受賞歴

  • 2008年:「ハイ・サービス日本300選」NPO法人で全国初受賞
  • 2009年:経済産業省「ソーシャルビジネス55選」に選出
  • 2013年:日本経済新聞社「日経ソーシャルビジネスイニシアチブ大賞」受賞
  • 2016年:病児保育が第1回日本サービス大賞優秀賞(SPRING賞)受賞
  • 2017年:ペアレンティングアワード(こども宅食、おうち保育園)受賞
  • 2018年:第13回「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」日本特別賞を受賞

「すべての親子を置き去りにしない」、フローレンスの不断の取り組みが、社会的に評価されています。

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追記:誰もが、子育てと仕事を両立できる社会をつくりたい

最後に、駒崎弘樹さんより、これから寄付を検討されている方へ向けたメッセージが、フローレンスのホームページに掲載されていたので、ご紹介させてください。

私たちは社会問題の最前線にいます。

社会問題とはすなわち、泣いている人々の顔。

ある人は子どもが熱を出した時に、誰も助けてくれない。
ある人は子どもを預ける保育園がなく、仕事に復帰できない。
ある人は、子どもに障害があるというだけで、保育園に預けられない。

こうした人々と出会う度に、私たちは思います。「何とかしなきゃ」と。

けれど何とかするためには、アイディアとお金が必要。

そんな時に、皆さまからの応援のお気持ちがこもったご寄付をいただけることで、我々はアイディアを形にできます。
そして、そのアイディアは、困った誰かの顔を、笑顔にすることができます。

これからも、我々は1つでも多くの困った顔を、皆さまと共に笑顔に変えていきたい。変え続けたい。

だから、どうか皆さまの力を貸してください。
まだ見ぬ誰かの泣き顔を、笑顔にするために。

フローレンスHP

挑戦は、まだ始まったばかり。
これからも、私はマンスリーサポーターとして、駒崎弘樹さんとフローレンスを応援したいと思います。

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