(出典:日本ユニセフ協会HP)
SDGsについて、毎日の暮らしの中で、意識していることはありますか?
政府や自治体、企業がSDGsへの取り組みを行うだけでなく、世界中の私たち一人ひとりが意識し、アクションを継続的に続けていくことで、SDGsの目標達成を果たすことができます。
しかし、私たち一人ひとりだけではなかなかできることが見つからず、思い悩む方も多いのではないでしょうか?
この記事では、SDGsの目標達成に資する活動を行っている団体を、4つご紹介します。
目次
世界中の子どもたちに、健康と安全な生活を届ける(ユニセフ)
すべての子どもの命と人権を守るため、約190の国と地域で活動する国連機関、ユニセフ。
第二次世界大戦終戦後の1946年に誕生し、現在その活動範囲は保健・水と衛生、教育など多岐にわたります。
「ユニセフといえば子どもの支援」というイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。
(出典:日本ユニセフ協会HP)
SDGs:3「すべての人に健康と福祉を」
・予防接種やワクチンの普及
・新生児や5歳未満児の予防可能な死亡を根絶
ユニセフでは乳幼児期の子どもに適切なケアを届け、健やかに成長できるよう、ワクチンの普及や清潔な水や環境の確保、栄養改善など、総合的に支援を行っています。
この活動は、SDGsのゴール3「すべての人に健康と福祉を」に貢献する活動です。
SDGs:6「安全な水とトイレを世界中に」
・安全な水へのアクセス
・安全な衛生設備へのアクセスと野外排泄の根絶
世界ではいまだ多くの人々が安全な水を飲むことができません。
>SDGsのゴール6では、 2030年までに世界中すべての子どもが身近な場所で、きれいな水が使えるようになることを目指しています。
ユニセフは、汚れた水を綺麗な水にかえる浄水剤や、井戸の基材などを届ける活動も展開しており、2022年には、人道危機下で生きる2,300万人に安全な飲料・生活用水を届けました。(出典:日本ユニセフ協会HP)
SDGs:16「平和と公正をすべての人に」
・あらゆる場所であらゆる暴力と、暴力による死を減らす
・子どもへのあらゆる形の暴力を撲滅
世界での活動に注目が集まるユニセフですが、実は日本もその活動地の一つです。
日本でもしばしば子どもへの虐待やいじめが報道されますが、SDGsのゴール16では子どもへの虐待や搾取など、あらゆる形態の暴力を撲滅することが掲げられています。
日本ユニセフ協会(ユニセフ本部の日本窓口)では、アドボカシー(政策提言)活動として「子どもの権利条約」の普及・啓発や、「子どもの権利条約」を基盤とした「こども基本法」の制定を日本政府に働きかけてきました(「こども基本法」は2022年6月に成立、23年4月施行)。(出典:日本ユニセフ協会HP)
活動内容 | 医療・保健・衛生・教育など多岐に渡る |
活動地域 | ガーナ、パキスタン、バングラデシュなど世界190ヶ国 |
支援対象 | 貧困・紛争・緊急支援が必要な国に住む子どもたち |
寄付の使途 | ワクチン・医療器具・研修実施費用など |
運営団体 | 公益財団法人日本ユニセフ協会(日本窓口) |
「ユニセフ・マンスリーサポート・プログラム」で、継続的に寄付ができます。
申し込み後に「ウェルカムキット」を、その後は年4回、子どもたちの状況とユニセフの活動を伝える広報誌「ユニセフ・ニュース」が届きます。
編集部オススメのポイント!
寄付金の領収書は年1回、1月中に前年1月~12月分をまとめて発行されます。
税控除の手続きの際、必要になりますので、大切に保管してください。
SDGsに関する活動のうち、特に子どもを守る活動に寄付をしたい方は、ぜひユニセフへの支援を検討してみてください。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
飢餓を終わらせることを使命にする国連唯一の食料支援機関(国連WFP)
(出典:国連WFP HP)
国連WFPは飢餓のない世界を目指して活動する国連の食料支援機関として、災害や紛争時の緊急支援、母子の栄養支援、学校給食支援などを通じて120以上の国と地域に食料を届けています。
SDGs:2「飢餓をゼロに」
・安全で栄養のある食料を、だれもが十分に手に入れられるようにする
・小規模の食料生産者の生産性と収入を倍にする
国連WFPにおいても、このSDGsゴール2は特に重要な指針に位置づけられています。
緊急支援を例に挙げると、たとえば2015年から紛争が続いているイエメンでは1ヶ月の間で1,000万人以上に食料品の配給を届けています。(出典:国連WFP HP)
また、小規模農家に対してもビジネススキルのトレーニングを提供したり、生産物を直接購入するなどして支援を行っています。(出典:国連WFP HP)
このようなWFPの活動はSDGsのゴール2を達成する具体的な行動であると言えるでしょう。
SDGs:12「つくる責任 つかう責任」
・小売店や家庭での食品廃棄、生産から流通の間での食品ロスを減らす
約8億人の人が飢餓に苦しんでいる一方、世界では生産された食料の3分の1が捨てられています。
世界中の食品の廃棄は気候変動の原因にもなり、その気候変動が農業や流通に影響を与え、さらなる飢餓を引き起こす可能性につながります。
SDGsのゴール12「つくる責任 つかう責任」のターゲットの1つには、小売店や家庭での食品廃棄を半分にし、さらに生産から流通の間で発生する食品ロスを減らすことが掲げられています。国連WFPは食料支援と同時に、農産物の生産、加工、貯蔵、流通、利用において食料の廃棄が生まれないような取り組みにも力を入れています。
例えば日本では、飢餓と食品ロスの両方に関心を持ってもらうためのキャンペーンを展開。
2023年は「ごちそうさまチャレンジ」と銘打ち、食品ロスを減らすためのアクションを「#ごちそうさまチャレンジ」のハッシュタグを付けてSNSに投稿すると、1投稿につき5人分の給食支援が途上国に届く仕組みを民間企業と連携して実施しました。(出典:ごちそうさまチャレンジ-国連WFP HP)
SDGs:17「パートナーシップで目標を達成しよう」
・効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップをすすめる。
WFPの食料支援の現場においては、現地の政府・自治体、NGOとのパートナーシップも重要視されています。
現地事情をよく知るNGOと協働することで、支援を受ける人々とのつながりができやすくなり、国連WFPだけでは届けられない地域にも効率的に支援を送ることができます。
一方、現地NGOにとっては、大きな存在感と資金力を持つ国連WFPと組むことでNGOが独自に行なっていた活動の範囲を広げることが可能です。(出典:国連WFP協会 HP)
まさに、パートナーシップで飢餓の撲滅に取り組んでいる様子がわかります。
活動内容 | 緊急食料支援、学校給食支援、母子栄養支援、自立支援など |
活動地域 | アフガニスタン、イエメン、シリア、南スーダンなど123の国と地域 |
支援対象 | 飢餓で苦しむ子ども、妊産婦、大人など1億6,000万人(2022年) |
寄付の使途 | 食料・学校給食支援、栄養強化ペースト配布などの栄養支援 |
運営団体 | 認定NPO法人国連WFP協会(日本窓口) |
国連WFPへの支援は、毎月定額を寄付する「WFPマンスリー募金」がおすすめです。
毎月1,000円を1年間続けると、栄養不良状態にある子どもたち480人に、栄養強化ペーストを届けられます。
実際に国連WFPに寄付した体験記もぜひご一読ください。
食糧問題に関心のある方、そして、強力なパートナーシップで「飢餓をゼロに」を目指す国連WFPの活動を応援したい!という方は、ぜひ国連WFPへの寄付を検討してください。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
企業や自治体への働きかけで、地球規模の環境問題を食い止める(グリーンピース・ジャパン)
(出典:グリーンピース・ジャパン)
グリーンピースは、55カ国・地域で地球の環境と動物を守るために活動する国際NGOです。
1971年に設立されて以来、気候変動、森林保護、海洋生態系保護など、地球規模の環境問題に取り組んでいます。
SDGs:13 「気候変動に具体的な対策を」
・それぞれの国で、気候変動への対応を政策、戦略、計画に組み込む。
グリーンピース・ジャパンは市民がそれぞれの自治体から脱炭素を進めるためのプラットフォーム、「ゼロ・エミッションを実現する会」を立ち上げています。
「ゼロ・エミッションを実現する会」は全国規模で活動しており、他の団体とも協力しながら各自治体や都道府県のパブリックコメントの参加や首長への直接のメール送付などを呼びかけています。
長野県ではこうした活動の結果、2030年温室効果ガス削減目標を「マイナス48%」から「マイナス60%」に引き上げることに繋がったそうです。(出典:グリーンピース・ジャパンHP)
住んでいる自治体に意見を出したり提案を出すことも、ゆくゆくは国の政策を変えることにつながります。
グリーンピースの国内の活動も、SDGsゴール13につながっていると言えるでしょう。
SDGs:14 「海の豊かさを守ろう」
・海と海洋資源の保護、持続可能な利用を強化する。
グリーンピースは、長年取り組んでいることの一つが、海洋保護区制定に向けての活動です。
海洋保護区とは、海の保全と持続可能性を維持するため、資源開発、漁業、観光などの活動を規制した区域のことを指します。
グリーンピースは、世界の海の30%を遅くとも2030年までに海洋保護区にするよう働きかけを行っており、これまでに各国政府に海洋保護区への賛同を促す署名キャンペーンなどを実施してきました。
2023年3月には、公海の生物多様性保護のための国際協定「海洋保護条約」に各国が同意。
海洋保護区の拡大に向け、大きな前進が見られました。(出典:グリーンピース・ジャパンHP)
グリーンピースの、SDGsゴール14に沿った活動が少しずつ結実していると言えるかもしれません。
SDGs:15 「陸の豊かさも守ろう」
・森林の持続可能な形の管理をすすめ、森林の減少をくいとめる。
グリーンピースも、森林を守る活動を展開しており、特にブラジルでは20年以上もアマゾンの熱帯雨林を守るための活動と調査を行っています。
具体的な例を挙げると、「森林破壊ゼロ」を求める署名を140万筆以上集めてブラジルの連邦議会に届けたり、アマゾンの森林破壊に由来した肉製品の販売を規制するようファーストフード企業に働きかけたりしています。(出典:グリーンピース・ジャパンHP)
森林の保護には国や企業などによる対策が不可欠です。
法整備や規制を求めることが森林の減少をくいとめることにつながります。
活動内容 | 地球環境や生態系の保護、自然エネルギーの推進など |
活動地域 | 北極やアマゾンなど、世界55以上の国と地域 |
支援対象 | 危機に瀕している野生動物をはじめとする、地球上の生命 |
寄付の使途 | 環境調査・分析、自然保護を求める提言などの活動費全般 |
運営団体 | 一般社団法人グリーンピース・ジャパン |
グリーンピースは活動の中立性を守るため、企業や政府からの財政支援は受けておらず、すべて個人の寄付から成り立っています。
気候変動を食い止めることは、そのまま私たちの命と暮らしを守ることに直結しています。
各国政府や企業、国際社会に対して呼びかけ続けるグリーンピースの活動を応援したい方は、ぜひ毎月の寄付を検討してみてください。
スタディークーポンの配布で子どもの教育格差を解消(チャンス・フォー・チルドレン)
公益社団法人チャンス・フォー・チルドレンは、低所得世帯の子どもたちに「スタディクーポン」を配布することで、家庭の所得格差から生じる教育格差の解消に取り組む団体です。
(出典:チャンス・フォー・チルドレンHP)
SDGs:1 「貧困をなくそう」
・それぞれの国の基準で「貧しい」とされる男性、女性、子どもの割合を少なくとも半減させる。
SDGsが1番目に掲げる「貧困をなくそう」では、1 日1.9ドル未満で生活する「極度の貧困状態」にある人をなくすことに加え、各国で定められている「貧困状態」(相対的貧困)にある人の割合を少なくとも半減させることを目標にしています。
日本では、約9人に1人の子どもが相対的貧困の状態にあると言われています。
チャンス・フォー・チルドレンによると、親の経済的困難が子どもから学習の機会や体験活動の機会を奪い、その結果、子どもの低学力や低学歴につながるそう。そして、子どもが大きくなったときには所得の低い職業に就労せざるを得ず、その子どもたちへも貧困が連鎖してしまいます。(出典:チャンス・フォー・チルドレンHP)
チャンス・フォー・チルドレンは経済的に困難を抱える子どもたちに学校以外の教育機会を提供することで貧困の連鎖を断ち切ることを目指しています。
SDGs:4「質の高い教育をみんなに」
・すべての人が男女の区別なく、技術や職業に関する教育や高等教育を受けられるようにする。
チャンス・フォー・チルドレンが配布する「スタディクーポン」は、塾や予備校をはじめ、スイミング、英会話、ピアノ教室、キャンプなどの体験活動、パソコン教室など、様々な教育活動に利用できます。
現金給付ではなくクーポンという形を取っているのは、教育以外の目的に使用されることがなく、確実に教育機会を提供できるから。
SDGsのゴール4「質の高い教育をみんなに」を、スタディクーポンによって実現しようとしています。
SDGs:10 「人や国の不平等をなくそう」
・すべての人が、置かれている状況に関わらず能力を高め、社会的、経済的、政治的に取り残されないようにする。
SDGsのゴール10は各国内および各国間の不平等を是正することを目的としており、すべての人の能力強化と社会的包摂にも言及しています。
チャンス・フォー・チルドレンのスタディクーポン事業は、日本における経済格差による教育格差が学校外教育で生まれやすくなることに着目して生まれた事業です。
スタディクーポンによって得られる学校教育は、教育格差を解消するだけでなく、家庭と学校以外に社会とのつながりを持ちづらい低所得家庭の子どもたちに、第3の居場所や頼れる大人との出会いを提供することにもつながります。
活動内容 | スタディクーポンの支給、大学生ボランティア等による相談支援 |
活動地域 | 岩手県、宮城県、福島県、東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県、兵庫県、大阪府、京都府など |
支援対象 | 経済的困難を抱える子ども・被災した子ども |
寄付の使途 | クーポン発行費、大学生ボランティアの相談支援費、スタッフ人件費など |
運営団体 | 公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン |
貧困問題と、格差の問題、そして教育の問題は密接に関わっています。
「寄付で子どもの学びを支えて、貧困を解決したい!」という方は、ぜひチャンス・フォー・チルドレンへの寄付を検討してください。
毎月定額を寄付するCFCサポート会員になると、子どもたちの成長や事業の進捗などが分かる、メールマガジンが届きます(希望者のみ)。
年に数回ほどのペースで、支援者限定のイベントにも参加することができます。
編集部オススメのポイント!
「子どもたちの学びの機会が、貧困の脱却にもつながる」という考えに共感する方は、寄付を検討されてみてはいかがでしょうか。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
まとめ:「SDGsの目標達成を果たすための寄付をしたい」という方の参考に
今回は、SDGsの目標達成に向けて活動を続ける団体を4つ紹介しました。
団体名 | 寄付ナビ編集部オススメのポイント |
ユニセフ | ①すべての子どもの命と権利を守るため、 約190の国と地域で活動 ②月2,000円の支援を1年間続けると、栄養治療食720袋が届けられ、栄養不良の子ども5人を助けることができる |
国連WFP |
①飢餓のない世界を目指して活動する国連の食料支援機関 |
グリーンピース・ジャパン |
①気候変動、森林保護、海洋生態系保護など、地球規模の環境問題に取り組む |
チャンス・フォー・チルドレン | ①低所得世帯の子どもを対象に、塾や習い事で使えるスタディクーポンを支給 ②「家庭環境にかかわらず、子どもがやりたいことを応援したい」という方にオススメ |
今回の記事が、SDGsの目標達成に向けて「自分も何かアクションをおこしたい」と考えている方の参考になれば幸いです。