認定NPO法人への寄付は「信頼できる?」「税金が安くなる?」を調べました

寄付金控除の話題で、必ず出てくるのが認定NPO法人という言葉です。
いわゆるNPO法人とは何がどう違うのか、ご存知でしょうか?
認定NPO法人は一般のNPOと何が違うのか、どんな基準をクリアして税制優遇の対象となるのか、についてまとめてみました。

認定NPO法人とは?寄付者への税制優遇のメリットも

NPOという言葉自体は法人格の有無にかかわらず、非営利活動を行う団体を指します。

各団体は、所轄庁(都道府県、あるいは指定都市)から「認証」を受けることで、「特定非営利活動法人(NPO法人)」という法人格を得られます。

そして、NPO法人のうち、所轄庁から一定の要件を満たしていると「認定」された団体が「認定NPO法人」となります。

法人化のための「認証」と、認定NPOになるための「認定」の2STEPあります。

認定制度

認定NPO法人の制度は、2001年にスタートしました。
NPO法人の制度が始まった、1998年の「特定非営利活動推進法」施行から3年後になります。
その後、2011年の大幅な法改正等によって「寄付金控除」の拡充や、所轄庁の地方自治体へ移管などの改善が行われ、今に至ります。

認定制度の概要について、内閣府ホームページでは以下のように説明されています。

認定特定非営利活動法人制度(認定NPO法人制度)は、NPO法人への寄附を促すことにより、NPO法人の活動を支援するために税制上の優遇措置として設けられた制度です。

この解説からもわかるように、税制優遇と、それによる寄付の促進が認定制度の主眼となっています。
NPO法人との違いという点でもここが大きなポイントです。

税制優遇

よく取り上げられるのは、寄付者が得られる所得税の寄付金控除についてです。
その概要は、認定NPOに対する寄付金額のうち、最大で約40%が税額から控除されるというものです。

その他に、企業などが寄付した場合の法人税の優遇や、遺産の一部を寄付した際の相続税の優遇もあります。

寄付で優遇される税金は?所得税・住民税・相続税・法人税などまとめ

注意
住民税の優遇措置については、「認定」制度とは異なる、都道府県や市区町村の条例による「指定」に基づくものですのでご注意ください。

 

更に、認定NPO法人自身にも「みなし寄附金」という法人税上の優遇措置があります。

参考

認定法人自身に対する税の優遇措置(みなし寄附金制度)内閣府NPOホームページ

高いハードルを超えた信頼性

現在、認証されているNPO法人は51,170件(2018年8月31日時点)あります。
そしてその内で、認定を受けている認定NPO法人は1,087件(2018年10月現在)です。
全体のわずか2%強という割合です。

この数字は、認定基準のハードルの高さを物語っていると言えます。
それは裏を返せば、認定NPO法人はその厳しい基準を満たしており、一定水準の信頼性が確保されていることを示します。
その信頼性こそ、一般のNPO法人との大きな差別化のポイントであり、税制優遇に並ぶ寄付促進の大きな原動力と言えるでしょう。

なぜ税金が安くなる?認定NPOに求められる4条件

では、気になる認定条件について、「公共性」「公益性」「健全性」「透明性」の観点でピックアップしてご紹介します。

条件1:【公共性】たくさんの人に支持されている

「多くの人たちの支えによって成り立っている」ということが、認定を受けるNPOかどうかの重要な条件となっています。
それを測る方法は、パブリックサポートテスト(PST)と呼ばれ、その団体の公共性を客観的に測る指標とされています。

PSTの代表的な例として、寄付者数によって測る基準(絶対値基準)を簡単に表すと、

・年間3,000円以上の寄付者が100人以上いる

つまり、認定を受けている時点ですでに不特定多数の人たちが一定額以上を寄付し、その組織を支えているということです。
そして、そのことが団体の公共性を示しているという考え方です。

PSTにはこの他に、収入に占める寄付金の割合(相対値基準)や、地方自治体からの指定(条例個別指定)などもあります。

条件2:【公益性】たくさんの人の役に立つ

団体の活動内容が特定非営利活動法人として適切かを判断する基準がいくつかあります。
その中には活動の公益性を測るものもあります。

・寄付者、会員を含む特定の関係者やグループに偏って利益をもたらす活動ではない

寄付者や会員に向けた活動ばかりだと、支援する側と支援の受け手が重なってしまい、特定の人たちのための活動になってしまいます。
そのような活動は「公益」ではなく、「共益」的とされ、一定範囲に制限されています。

認定NPO法人は、幅広い人たちに支えられ、かつ幅広い人たちの役に立っている団体ということが求められるわけです。

条件3:【健全性】法人の管理が適切になされている

法人として、組織運営が適正に行われているかどうかも重要なポイントとなります。
組織運営の健全性を測る基準としては、以下のようなものが挙げられます。

・役員の構成は、同じ親族や利害関係者ばかりで占められていない
・設立されてから1年以上の活動実績がある
・会計において、支出に不明な点や虚偽がなく、監査等のチェックを受けている
・法令違反、不正行為、公益に反する事実等がない

寄付を受ける組織としては会計の健全さは生命線とも言える部分ですね。

尚、認定資格は5年に1度の更新手続きが必要です。
そのため、認定を受けた後も各条件を満たした適切な組織運営が継続的に求められます。

条件4:【透明性】会計や事業の報告が公開されている

公共性を有する認定NPO法人にとって、説明責任も欠くことはできません。

認定NPOは事業年ごとに、所轄庁に対して各種報告書を提出しなくてはなりません。
それは活動に関する「事業報告書」や、会計に関する「活動計算書」「貸借対照表」などです。

これらの提出に加え、その情報が公開されていること、あるいは公開請求に対応できることが求められています。
そのため、ほとんどの認定NPO法人がホームページ上で、それらの資料を公開しています。

以上、たくさんある基準の中から、条件として4つのポイントに絞って解説しました。
これらの条件を満たしていることが認定NPOの「信頼性」を担保することで、税制優遇の対象とされているということになります。

あなたに合った支援先の選び方と、オススメの認定NPO法人の例

寄付を通じて社会貢献をしたい、と考える方のために、支援先団体を探すポイントについてもいくつかご紹介したいと思います。

取り組む社会課題で選ぶ

支援先の選び方としてわかりやすいのは、自分が関心の高い社会問題に取り組んでいる団体を選ぶという方法です。
この場合は課題をネットなどで調べていく過程で出会うケースが多いと思います。

例えば、寄付ナビの過去記事から3分野の団体紹介記事をご案内します。

女性に関する問題

女の子(女性)への寄付で、教育・自立や虐待防止を!支援団体3選

子どもに関する問題

途上国の子供に寄付するなら?“日本発”子ども支援NGO3選

難民に関する問題

難民へ寄付するなら?シリア・ロヒンギャ・日本など、難民支援NGO3選

人や団体への共感で選ぶ

団体のホームページを見ると、創設者の想いや団体のミッションやビジョン、スタッフ紹介などがあります。
それらを読んで、自分にとって共感度が高い団体を支援先として選ぶのは、寄付の効果をより身近に感じられる方法だと思います。

個人的に共感している団体を挙げると、例えば・・

認定NPO法人ロシナンテス

創設者の川原氏が外務省の医務官として赴任したスーダンで一念発起して立ち上げた団体です。
川原氏のエピソードはもちろん、ホームページにある「団体名の由来」や「哲学」などは国際協力NGOの中でも独特で、共感ポイントです。


認定NPO法人 シャイン・オン!キッズ

創設者のご夫妻が、小児がん患児の親という当事者としての経験をされています。
活動の原点として、困難よりも、それと向き合うことで得られた気づきや経験への感謝が多く綴られています。
ホームページの文章を読んで共感を超えて、励まされます。

使途や活動の報告の信頼性で選ぶ

共感だけでなく、判断材料となる情報を団体のホームページなどで確かめ、信頼して寄付を託すことも大事なことです。

以下の点は確認しておきたいポイントです。

・会計について、わかりやすい形式で内訳(事業費と管理費など)が示されているか。
・活動について、どのような媒体を通じ、どのくらいの頻度で報告が届けられるか。
寄付を考えているNPO/NGOが「信頼できる?」「怪しい?」と思った時、WEBサイトで簡単に確かめる5つのポイント

また、これらの確認を行うことの意味は、事前に信頼度を確かめるだけではありません。
寄付の使途を知り、それによって得られた成果を知ることで、自分の寄付の価値をより実感できるようになるはずです。

最後に

世の中のNPOは、日々課題に取り組みながら団体の信頼性の確保にも向き合っています。
それは法人格の有無、認定の有無にかかわりません。
ぜひその点も考慮に入れて、自分に合った団体を選んで、支援を検討してみてください。

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