(出典:国連WFP協会HP)
【2024/11/18更新】
給食は日本では当たり前。しかし、世界の多くの子どもたちは給食を食べられない現実に直面しています。
2022年にユニセフや世界保健機関(WHO)による統計では、世界で約31億人もの人が十分な食事を摂ることができていないと発表されています。
栄養不足による成長遅延や学業成績の低下が懸念され、長期的には貧困の連鎖を引き起こす原因ともなります。
この状況を改善するために、多くのNPOやNGOが活動していますが、読者の方の中には、支援したいという気持ちはあっても、寄付に踏み出せないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では以下の項目を通じて、寄付に対する不安や疑問を解消し、どのようにして支援ができるのかを詳しく解説します。
- 世界で給食支援を行う団体の紹介
- 給食が食べられない途上国の現状
- 学校給食がもらたす効果やメリット
- 学校給食支援の事例
- 世界で給食支援を行う寄付先・募金先の選び方
あなたにぴったりの寄付先がきっと見つかるはずですので、ぜひ最後までご一読ください。
目次
食料や給食を届ける団体2選
まずは「すぐにおすすめの寄付先を知りたい!」という方のために、寄付ナビ編集部が厳選したおすすめの団体を2つご紹介します。
国連WFP協会:食糧援助を通じて、世界中の食糧難を改善する
国連WFP協会は、WFP(国連世界食糧計画)を支援する日本の認定NPO法人です。
WFP(国連世界食糧計画)は、飢餓・食料支援に特化し、「飢餓と貧困の撲滅」を使命に掲げる国連の機関のひとつ。
国連WFP協会を支援することで、国連世界食糧計画のサポートを行えます。
日本では、飢餓は比較的珍しいこと。
安全でおいしい食べ物が手軽に手に入れられるのが日常です。
一方で、世界中の少なくない国々では食糧不足にあえぎ、あまたの人々が飢餓に苦しんでいます。
世界には、子どもたちに栄養のある食べ物を与えられない親がたくさんいます。
すべての人が食べるのに十分な食料が生産されている一方で、6億9000万人がいまだに毎晩空腹を抱えたまま眠りについています。
国連WFP協会HP
減るどころか、増え続ける飢餓人口。
そんな中、国連WFP協会では飢餓に苦しむ人がさらに増えないよう、「飢餓をゼロにする」ための活動を行っています。
活動内容 | 緊急食料支援、学校給食支援、母子栄養支援、自立支援など |
活動地域 | アフガニスタン、イエメン、シリア、南スーダンなど123の国と地域 |
支援対象 | 飢餓で苦しむ子ども、妊産婦、大人など1億6,000万人(2022年) |
寄付の使途 | 食料・学校給食支援、栄養強化ペースト配布などの栄養支援 |
運営団体 | 認定NPO法人国連WFP協会(日本窓口) |
WFP(国連世界食糧計画)が行っているのは、食糧支援だけではありません。
地域が持続可能な食物生産を行うための活動や、栄養知識を広める活動、フードロス削減のための活動など、地域が自立していけるように包括的な支援を行っています。
編集長オススメのポイント!
流通網の整備や、大人への栄養指導も「飢餓をゼロにする」ための活動の一部。
本気でこの世から飢餓をなくしたい、そう思う方はぜひ支援を検討してみてください。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
TABLE FOR TWO:私たちの食事が、アフリカの給食を届ける寄付に
日本では当たり前の学校給食ですが、世界の国々には給食を食べることができない子どもたちがいます。
例えば、ウガンダ、ルワンダ、エチオピアなどの東アフリカでは、極度の貧困や栄養不良が深刻な問題となっていました。
TABLE FOR TWOプログラムは、対象となる定食や食品をご購入いただくと、1食につき20円の寄付金が、TABLE FOR TWOを通じて開発途上国の子どもの学校給食になります。
TABLE FOR TWO HP
20円というのは、開発途上国の給食1食分の金額です。
つまり、先進国で1食とるごとに開発途上国に1食が贈られるという仕組みです。
そこで、私たちがヘルシーな食事をとることで開発途上国の子どもへ学校給食をプレゼントできる「TABLE FOR TWOプログラム」を始めたのがTABLE FOR TWOです。
本プログラムに参加しているレストラン・カフェなどはHPをご覧ください。
普段の食事をヘルシーメニューに変えるだけで、アフリカの子どもたちの給食支援をすることができますよ。
活動内容 | 開発途上国への食料支援・先進国での啓蒙活動 |
活動地域 | ウガンダ・ルワンダ・エチオピアなど6ヶ国 |
支援対象 | 支援先の子どもたちと地域の学校や農家など |
寄付の使途 | 支援先の子どもたちの給食など |
支援方法 | お金・レストランでの食事・食品の購入など |
運営団体 | 認定NPO法人TABLE FOR TWO |
「毎月の支援で応援したい」という方には、個人サポータープログラムに参加する方法もあります。
月500円からの支援が可能で、子ども1人の1ヶ月分の給食になるそうです。
寄付の金額は、500円・2,500円・5,000円・10,000円の中から選択できました。
「給食でアフリカの子どもたちの栄養状態を改善したい」
そう感じた方は、一度HPをご覧になってみてはいかがでしょうか。
編集長オススメのポイント!
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
給食が食べられない途上国の現状
発展途上国に住む子どもたちの中には、栄養いっぱいの学校給食が食べられない子どもたちも少なくありません。
私たちにとっては、学校生活の中にある当たり前の「給食」が、なぜ提供されない事態に陥ってしまっているのでしょうか。
世界的な食糧危機によって引き起こされている給食問題
学校給食が十分に提供されない原因として、世界的な食糧危機が挙げられます。
国連WFPは、食糧危機の要因として以下4つを挙げています。
紛争
世界で飢餓に苦しむ最大8億2,800万人の約60%は紛争地域に住んでいる。
長期的に続く暴力は人びとから農地や仕事を奪い飢餓への悪循環を生み出してしまう。
気候変動
2022年に発生したパキスタンの大洪水をはじめ、世界各地で頻発する干ばつなどの気候危機が作物と生活を破壊。
新型コロナウイルス感染症
2019年のパンデミック以前と比べ、急性食料不安にあえぐ人の数は、この3年間で約2億人も増加。
価格高騰
上昇傾向だった食料・燃料・肥料の価格がウクライナ危機をきっかけにさらに高騰。
世界的な食料安全保障への脅威となっている。
これらの様々な要因が重なり、学校給食を取り巻く環境は、かつてない危機に見舞われていると言われています。
アフリカ・ルワンダにおける学校給食問題
2020年の国連WFPによるレポートでは、支援先であるアフリカはルワンダの学校給食の現状について報告されていました。
ルワンダでは人口の20%が毎日の食料がなく、子どもたちの35%が慢性的な栄養不良で苦しんでおり、 国連WFPが提供する学校給食が一日で唯一の食事という子どもが多くいるそうです。
そんな中、2020年3月16日に新型コロナウイルスの影響によりルワンダの全ての学校が閉鎖され、幼稚園、小学校、高校に通う350万人の子ども達が学校に通えなくなりました。
特に、難民キャンプ内にある学校に通う隣国ブルンジとコンゴ民主共和国の子ども達の食料安全に多大な影響を与えたそうです。
このように、普段から十分な食料を得られずに困窮した生活を送っている子どもたちが、パンデミックや自然災害によって更に事態が深刻化していく、という事例が多く存在します。
学校給食がもらたす効果やメリット
子どもたちにとって学校給食とは、どのような役割を担っているのでしょうか。
経済的に不安的な家庭の子どもたちにとって、学校給食は重要な栄養源です。
一日の食事の中で、栄養バランスの取れた食事は給食だけという子どもも多くいます。
前述の通り、栄養不足は身体的な発育に影響を与えるだけでなく、学業成績の低下や集中力の低下、健康上の問題を引き起こす可能性があります。
給食は、そのような健康問題のリスクを減らし、子どもたちの学習能力や集中力を向上させます。
また学校給食が提供されることで、出席日数が増加したり、免疫機能が向上するため病気も減少したりするメリットもあります。
子どもたちの健康状態を改善するだけでなく、
TABLE FOR TWO
給食があることで子どもたちが初めて学校に通うことができるようになり、
お腹が満たされることで学業にもより集中できるようになります。
このように、空腹を満たす目的のみならず、教育機会の増加や学力の向上、栄養いっぱいの食事により免疫機能を向上させるなど、様々なメリットが挙げられます。
学校給食支援の事例:国連WFP
途上国における学校給食支援をする団体の中で、最も有名な団体のひとつである国連WFP。
同団体は2023年、61カ国の2,140万人に学校給食を提供しました。
国連WFPの最終的な目標は、各国が独自で学校給食を実施できるようにすることで、過去60年間で国連WFPが支援してきた100カ国以上の国うち、1990年以降に支援を終了し、独自で学校給食を実施している国の数は44にのぼります。
中央アジアに位置するキルギス共和国では、2013年から政府の協力の下、国連WFPの支援がスタートしました。パンとお茶の提供から始まったキルギスの学校給食ですが、近年では豆や肉、野菜が入った栄養たっぷりのおかずもメニューに加わり、全国の約6割の学校で給食が導入されるなど、大きな成果を上げてきたそうです。
WFP HP
国連WFPの活動をもっと知りたいという方は、是非団体公式ページもチェックしてみてくださいね。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
支援先として信頼できる?3つのチェックポイント
ここまで読んでいただき、様々な支援の形や支援団体について知っていただけたかと思います。
しかし、中には「結局どこに支援したらいいかわからない」という方もいらっしゃるかもしれません
そんな方のために、寄付ナビが考える「支援先として信頼できるかのチェックポイント」をご紹介します。
一般的に、企業の良し悪しを判断する材料として「ひと・もの・お金」の3つが大切と言われます。NPOでは、それは「ひと・活動・お金」です。
企業で言うところの”もの”、すなわち”商品”は、NPOがどのようなアプローチで問題を解決しようとしているのか、つまり活動の内容です。
その活動内容に賛同することが、まさしく、寄付を通じた応援と言えると思います。
さらに寄付先として判断する上で、「ひと・活動・お金」を適切な言葉に言い換えると、「職員・活動・会計」です。
- 職員の顔が見えるか?
- 活動によって問題を解決しているか?
- 透明性の高い会計報告を行っているか?
支援を迷っている団体があれば、是非参考にしてくださいね。
まとめ:「食料や給食を届ける活動に寄付したい」という方の参考に
この記事では、「国連WFP協会」「TABLE FOR TWO」2つの団体をご紹介しました。
また途上国における学校給食問題の現状と支援事例、寄付の仕方などを解説してきました。
団体名 | 寄付ナビ編集部オススメのポイント |
国連WFP協会 | ① 毎年約80カ国で、女性や子どもなど、約8,000万人に食料を届けている ② 届けている食料の量は約150億食にものぼる |
TABLE FOR TWO | ① 世界の10人に1人が飢餓、4人に1人が肥満という食の不均衡の解消を目指す ② 普段の食事をヘルシーメニューに変えるだけで、アフリカの子どもたちの給食支援をすることができる |
自然災害や感染症で学校給食が提供されない地域に住む子どもたちについて知っていただき「何かしたい」と思った方は是非寄付をご検討ください。