(出典:テラ・ルネッサンスHP)
紛争地帯では殺傷だけではなく様々な問題が起きます。
たとえば、食糧不足、難民の発生、病気や感染症、子どもたちへの教育の機会の喪失などが挙げられるでしょう。
「紛争で苦しんでいる人のために何かしたい!」
「紛争地に寄付を届けてくれる団体はどこ?」
そのような思いや疑問をお持ちの方に向けて、紛争に巻き込まれた方への支援を行う3つの団体をご紹介します。
今あなたにできることを考える材料にしてみてください。
目次
シリア難民の支援など、紛争下の子どもの命と未来を守る(ユニセフ)
ユニセフは、紛争下で最も脆弱な存在になってしまう子どもたちの命と権利を守るために活動を続ける国連組織です。
例えばユニセフの活動地域の一つ、シリアでは2011年3月に勃発した内戦が現在も続き、多くの子どもたちが犠牲となっています。
ユニセフによると、2017年は1,118名、2018年は1,106名、2019年には897名の子どもが内戦により命を落としました。
(出典:ユニセフ HP)
さらに、戦闘や暴力による心的外傷や、争いに伴う国内外への避難、教育の機会の喪失、医療の崩壊なども相次いでいます。
シリアの子どもたちは、子ども時代に与えられるべき「安心して暮らせる環境」や「医療・福祉」「教育」をすべて奪われているといっても過言ではありません。
そんな生活が想像できるでしょうか?
ユニセフはシリアの子どもたちをはじめ、紛争下で怯えながら暮らす子どものために活動しています。
(ユニセフ HP)
ユニセフの主な取り組みは下記の4つ。
- 教育
- 子どもの保護・心理社会的ケア
- 病気の予防・治療
- 水と衛生
前述したシリアとシリアからの難民を受け入れている周辺国では、子どもへの心理的ケアや予防接種の実施、医薬品や栄養補助食品の提供、給水施設やトイレの設置など、子どもの健康を守る人道支援を展開しています。
また、戦闘により破壊された校舎の補修作業を行ったり、仮設学級の開設や教材の提供など子どもの未来を拓く教育活動にも精力的です。
活動内容 | 医療・保健・衛生・教育など多岐に渡る |
活動地域 | ガーナ、パキスタン、バングラデシュなど世界190ヶ国 |
支援対象 | 貧困・紛争・緊急支援が必要な国に住む子どもたち |
寄付の使途 | ワクチン・医療器具・研修実施費用など |
運営団体 | 公益財団法人日本ユニセフ協会(日本窓口) |
ユニセフは国連組織ということもあり、その活動地域は約190カ国と広範囲です。
大きな団体のため、「寄付したお金は紛争下の子どもたちにちゃんと届けられるの?」とかえって心配になる方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方はこちらの記事もぜひ参考にしてみてくださいね。
「紛争に苦しむ子どもたちを一人でも多く助けたい!」という方は継続的な支援を検討されてみてはいかがでしょうか。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
子ども時代を戦場で過ごした”元子ども兵”を支援(テラ・ルネッサンス)
「兵士」と聞くと、たくましい大人の男性を想像される方が多いかと思いますが、実は世界には「子ども兵」と呼ばれる少年・少女の兵士が存在しています。
彼ら彼女らは誘拐などによって無理やり武器を持たされます。
そして軍の先頭を歩かされ、真っ先に地雷を踏む”地雷除去装置”として、また、敵軍の弾を受ける”人間の盾”として使われるのです。
映画の中の話のようですが、これは今世界で起きている残酷な紛争の現実です。
戦場で負傷したところを保護されたり、軍を命がけで脱走することで子ども兵は軍を離れることができますが、帰還後も数々の弊害を抱えます。
たとえば教育の面では、学校に通っていたはずの時期に兵士となってしまったため読み書きや計算など基礎的な学力に課題が。
さらに周囲の人々から見ると無理やり戦わされたとはいえ、元子ども兵は人を殺めた”加害者”。
生まれ故郷に戻ったとしても、村の人から後ろ指を差され、差別を受けることは珍しくありません。
結果的に孤立を深め、安定した職業に就けないなどの困難にぶつかります。
そんな元子ども兵たちが周囲とのつながりを再び築き、自立することを目指す団体が、テラ・ルネッサンスです。
(テラ・ルネッサンスHP)
心のケアをはじめ、基礎教育や職業訓練を受ける機会を提供し、元子ども兵たちの経済的自立や社会復帰を支えています。
活動地のひとつ、ウガンダではテラ・ルネッサンスの支援により、元子ども兵の平均収入が現地の公務員と同程度にまで改善。
また、近隣住民からの差別や疎外感を感じずに生活できるようになったと答える元子ども兵の割合が増加するなどの結果も生まれているそうです。
支援対象 | 元子ども兵など |
活動地域 | カンボジア、ラオス、コンゴ(民)、ブルンジ、ウガンダ、日本 |
事業内容 | 社会復帰支援、地雷撤去活動支援、平和教育や武器輸出に関わる政策提言 |
寄付の使途 | 社会復帰施設での給食、洋裁店や木工店などの開業資金など |
運営団体 | 認定NPO法人テラ・ルネッサンス |
テラ・ルネッサンスが目指すのは、「元子ども兵の自尊心の回復をサポートし、手に職をつけ自らの力で収入を得られるようになる」こと。
こちらの記事には、この「自立のための支援」に共感し、マンスリーサポーターになった体験談を掲載しています。
あわせてご覧ください。
「戦場で生きた元子ども兵たちにもう一度自分の人生を取り戻してほしい!」そう感じる方は毎月の定額寄付を検討してみてください。
設立から100年以上、世界の子どもたちを救う(セーブ・ザ・チルドレン)
紛争地に生きる子どもたちにとって、医療や保健・衛生の課題はもっとも身近で、そして深刻な課題です。
目の前で起こる爆撃や銃撃、空襲。
衛生環境の悪い難民キャンプでの生活。
食糧不足による栄養失調。
4億1,500万人、実に世界の子どもの約6人に1人が紛争地域で生活しています。
爆発がよく起こっていたデリゾールから避難する生活を始めて、生きていて楽しいことがありません。
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンHP
(中略)冬の寒さをしのげる服も持っていません。
お腹が空いたまま学校に行くときもあり、家に食べ物が無ければ1日中空腹のまま過ごすことになります。
セーブ・ザ・チルドレンは、紛争が起きている現場に、栄養補助食品や水・衛生設備、そして緊急物資を届ける国際団体です。
セーブ・ザ・チルドレンは、1919年にイギリス人女性のエグランタイン・ジェブさんによって設立されました。
第一次世界大戦で荒廃したヨーロッパで、敵味方を超えて、栄養不良に苦しむ敵国の子どもたちの支援に取り組んだそうです。
活動内容 | 子ども達の保健・栄養支援・教育支援など |
活動地域 | シリア、ウガンダ、モンゴル、日本など約120ヵ国 |
支援対象 | 緊急支援、保健・栄養、教育、防災などの分野で支援が必要な子どもたち |
寄付の使途 | 緊急支援で食料など物資の支援を始め、子どもたちとその家族を守る活動 |
運営団体 | 公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン |
セーブ・ザ・チルドレンは「すべての子どもにとって、生きる・育つ・守られる・参加する『子どもの権利』が実現されている世界」をビジョンに掲げています。
たとえばシリア国内の避難民支援では、脆弱な立場に置かれた子どもとその家族を対象に、精神保健・心理社会的支援(こころのケア)を届け、子どもたちが安心・安全に暮らせるように支援しています。
特に、セーブ・ザ・チルドレンの活動拠点となっている「こどもファミリーセンター」では、子どもたちの笑顔も垣間見れるそうです。
リスクも高い紛争地での活動は並大抵の覚悟ではできません。
「自分は戦場には行けないけれど、現地の活動を応援したい」
そんな風に思われた方は、定額の寄付「SCサポート」に参加するのはいかがでしょうか。
たとえば月1,500円の寄付を1年間続けると、清潔な衣類、石けんやおむつなどの新生児キットを7組の母子に提供することができます。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
本記事では紛争地で傷ついた人々に寄り添う支援団体3選をご紹介しました。
紛争を経験していない日本人にとって、紛争下での状況を想像することは難しく、また現地での直接的な支援活動も、誰にでもできるものではありません。
しかし、日本から今できる応援をすることも立派な支援方法のひとつ。
ぜひ、あなたにできる一歩を踏み出してみてください。