(出典:国連WFP協会HP)
飢餓と貧困を世界からなくすべく、途上国などで食糧支援を行なっている国連WFP(World Food Programme・国連世界食糧計画)。
「財務情報はオープンに公開されている?」
「寄付金は何に使われている?」
そんな疑問を持つ方のために、国連WFP協会を支援する前にチェックしたいポイントをまとめました。
目次
WFPとは?毎年8,000万人以上に食料を届ける国連機関
「WFP国連世界食糧計画(正式名称)」は、世界中でお腹を空かせている人々のために、食料支援を専門に行う国連機関です。
2022年度には、約1億6000万人に支援を行いました(出典:国連WFP協会)。
主な活動は、以下の5つがあります。
- 学校給食支援:子どもたちの栄養状態の改善&出席率の向上
- 緊急支援:難民の方々などに、迅速に食料を供給
- 母子栄養支援:最も飢餓に晒されやすい母親と乳幼児を支援
- 自立支援:労働の機会を提供し、対価として食料を配給する
- 輸送・通信支援:食料を届けるべく港・道路・橋などの改修
WFPの食糧援助量は毎年約150億食にも及ぶそうです。
1食あたりの平均コストは0.61米ドル(日本円で約70円)となっており、世界最大の食糧供給機関と言って差し支えないでしょう。
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寄付金控除の対象団体です
支援先として、日本の「国連WFP協会」は信頼できる?3つのチェックポイント
「WFP国連世界食糧計画」の日本窓口を担っているのが、認定NPO法人国連WFP協会です。
寄付する前に押さえたいチェックポイントを解説します。
ポイント1:団体として信頼できるか?
1999年、当初は任意団体「日本WFP友好協会」として設立し、2001年に特定非営利活動法人として認証。
2003年、「国際連合世界食糧計画WFP協会(通称:国連WFP協会)」に名称を変更。
2005年には、認定NPO法人として認可され、現在に至っています。
国連WFP協会は2005年に国税庁の審査により「認定 NPO 法人」として認可され、2014年に改正NPO法により横浜市認定となりました。
寄付金控除・税制優遇措置についてのご案内
認定NPO法人への寄付は寄付金控除等の対象となります。
認定NPO法人に認定されるには、以下のような審査や過程を経て受けることができます。
申請にあたっては、「年間100人以上の方から、3,000円以上の寄付を受けている」といった実績が要件となり、また経理財務や情報管理など管理体制の整備が求められます。
認定元の自治体(例:東京都)から、「適正な法人運営をしているか?」をチェックされ、十分に行っていないと更新(5年ごと)がされません。
NPO法人や一般財団/社団法人よりも、寄付金控除が認められている認定NPO法人や公益法人の方が、より適切に寄付金を管理をしている傾向があると推測しやすいでしょう。
ポイント2:団体の収支や寄付金の使途は、公開されているか?
国連WFP協会の寄付金の使い方は年次・収支報告や、年次報告書で公開されています。
年次報告書は、ウェブサイト上の資料 で検索をかけて見つける仕組みです。
国連WFP協会年次報告書2022
国連WFP協会年次報告書2022によると、2022年度の国連WFP協会への寄付総額は約43.7億円(経常収益は47.6億円)。そのうち19.4億円はウクライナ緊急支援への寄付だったとのこと。
また寄付金総額のうち、個人による寄付は47%で、法人は53%となっています。
経常費用は45.5億円となっており、同団体では寄付のうち75%以上は必ず活動費に充てられ、国連WFP本部へ送金されます。
国連WFP本部との取り決めにより、寄付金収入のうち75%以上は途上国での支援活動のため国連WFP本部に送金しており、残り25%(上限)は国連WFP協会が国内で行う募金活動、広報宣伝活動、管理費等の国内事業費等に活用しています。
国連WFP HP
監査については、認定NPO法人としての責任を果たし、内部監査と外部監査を行なっています。
国連WFP協会は、法人の監事が内部監査を行うとともに、監査法人に依頼して外部監査を受けています。事業報告書や財務諸表および財産目録は、所轄庁である横浜市に提出され、またウェブサイトにも掲載されています。
国連WFP協会年次報告書2022 p29
認定NPO法人であり、日本国内での処理に関しては、一定の透明性はあるように見えました。
ポイント3:きちんと活動しているか?
日本の国連WFP協会は広報・募金活動に徹し、飢餓と貧困を削減する実際の支援活動はWFPが担当しています。
2020年の活動の一例としては、ミャンマー・フィリピン・ルワンダ・ブルンジなどでの学校給食支援、レバノン・イエメン・パキスタンなどでの緊急食料支援が挙げられます。
具体的な活動内容については、ウェブサイト上の「国連WFPの活動」メニューにカーソルを当て、サブメニューの各プログラムをクリックすると、説明ページが表示されて、観覧することできます。
「ニュース」ページでは、最新ニュースやプレスリリースが掲載され、リンクされている「ブログ」では現地で働く日本人からの報告などが発信されています。
「資料(印刷物)」から、パンフレット、チラシ、各種プログラム紹介、年次報告などを検索できます。
国連WFP協会ページのフッターには、Twitter、Facebookほか、WFP日本事務所の Instagramなどがリンク。
#ごちそうさまチャレンジがスタートしました!
— 国連WFP (@WFP_JP) September 29, 2023
食品ロス削減のアクションや、ごちそうさまポーズ🙏を#ごちそうさまチャレンジで飢餓をなくそう
をつけて投稿すると、1投稿につき150円が国連WFPの学校給食支援に寄付されます🍽️
詳細はこちら👇https://t.co/MFCOP5ulmb
皆様の投稿をお待ちしてます❣ pic.twitter.com/FyUnELMe06
年次報告書に活動報告がわかりやすくまとまっているので、まずこちらを確認されることをおすすめします。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
身近な方法で支援に参加するには?WFP協会によるチャリティー企画
国連WFP協会は企業と連携し、さまざまチャリティーを主催しています。
今回はそのなかから3つご紹介します。
ハイキングの参加費が寄付に「ウォーク・ザ・ワールド」
WFPウォーク・ザ・ワールドは、参加費の一部が寄付になるチャリティーウォークイベントです。
寄付金はWFPの学校給食支援に活用されるとのこと。
2023年度は、大阪、名古屋、横浜の3会場で開催。
支援実績
大阪では1,452人、名古屋では888人、横浜では3,728人、3会場の合計で6,088人が参加し、5,486,260円が国連WFPの途上国における学校給食支援へ寄付されました。
これにより、およそ18万3千人の子どもたちに栄養たっぷりの給食を届けることができました。
家族で一緒に参加すれば、子どもが世界の問題に目を向ける、良いきっかけになるかもしれませんね。
ファッションブランドとコラボ「バレンシアガのパーカー」
バレンシアガ(BALENCIAGA)は、毎年WFPのロゴが施されたチャリティ商品を発表しています。
パーカーやTシャツ、靴下やバッグなどの対象商品の売り上げの一部がWFPに寄付されます。
身に付ける服から食糧問題への関心を発信することができます。
日常のなかで、ちょっとした話のネタにできるかもしれません。
応募数に応じて協賛企業が寄付「エッセイコンテスト」
WFPチャリティーエッセイコンテストでは、食に関するエッセイを募集、1作品につき60円(給食2日分)が協力企業からWFPに寄付されます。
悲しいとき、前に進む力をくれたり、楽しいとき、喜びを分け合ったりしたごはんの思い出。
コンテストについて
こうした経験を未来につなげるために、皆さんの食にまつわる伝えたい気持ちや
心に残る話を待っています。
HP上では過去の入賞作品も公開されています。
心が温まる素敵なエッセイばかりですので、ぜひご一読を。
ここまで、WFPの活動内容・寄付する前のポイント・身近な支援方法について解説して参りました。
ぜひできる範囲で、あなたなりのアクションを起こしてみてください。
寄付先探しのご参考になれば幸いです。
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寄付金控除の対象団体です