ワールド・ビジョンに寄付をする前に、確認しておきたいのが「寄付金控除」です。
減税される税金や手続きの方法について調べました。
目次
「チャイルド・スポンサー」や「今回の寄付」など、支援方法別に見ると・・?
ワールド・ビジョンへの寄付は、基本的に寄付金控除の対象となります。
支援方法別に解説します。
発展途上国の子どもを1:1で支援「チャイルド・スポンサーシップ」
ワールド・ビジョンの「チャイルド・スポンサーシップ」とは、特定のチャイルドが住む地域全体を包括的に支援して自立できる仕組みをつくる支援です。
一時的に局部解決するような支援ではなく、長期的に「貧困」「保健」「児童労働」「教育」「栄養」「水衛生」の分野を改善していきます。
支援者の特定のチャイルドと任意で手紙などを通じた1:1の交流をして、チャイルドの成長を見守る仕組みです。
寄付金自体はチャイルド個人の学費や食費になるのではなく、チャイルドを取り巻く環境の向上に使われます。
寄付金額は毎月4,500円となっており、税額控除方式で確定申告すれば節税効果は高いと言えます。
プロジェクトを選ぶ寄付
4つのプロジェクトから寄付の使い道を指定することも可能です。
- 難民のための募金(シリア・南スーダン・アフガニスタンの難民支援)
- 危機にある子どもたちのための募金(天災の多いネパールでの防災支援など)
- 水と食糧のための募金(幼児の栄養補助食・児童の学校給食の提供など)
- 緊急人道支援のための募金(災害・紛争の緊急時に、食糧・衣料・テントなどを支給)
「今回の募金」(一回限り)と「毎月の募金」の両方あるのは、「1.難民のための募金」と「2.危機にある子どもたちのための募金」。
「今回の募金」のみ受け付けているのは、「3.水と食糧のための募金」と「4.緊急人道支援のための募金」。
いずれも寄付金控除の対象です。
ウェブサイトから申し込みできる寄付金額は、1,000円単位で以下の通り。
今回の募金
クレジットカードは1,000円以上100万円まで、コンビニ・郵便局での払込は1,000円以上30万円までとなっています。
毎月の募金
1,000円以上3万円までで、クレジットカード・書面での手続きが可能です。
その他
その他の寄付に対しても、寄付金控除の対象となります。
- 特別プロジェクト支援(学校・診療所の建設などの大口寄付)
- 法人寄付(会社に見合ったプロジェクトへの寄付)
- 遺贈寄付(相続財産・香典・お花料の寄付、特定寄附信託)
ワールド・ビジョンに寄付するとどれくらい税金が減らせる?所得税や住民税などを確認
ワールド・ビジョンは、認定NPO法人なので、各種税金の控除対象となります。
個人の場合
所得税
「税額控除」か「所得控除」のどちらかを選択。
ほとんどの方にとって、「税額控除」のほうがお得です。
「税額控除」を選ぶと、(寄付額-2,000円)×40%が控除されます。
ただし、年間所得金額は40%に相当する額、控除額は所得税額の25%が限度です。
ワールド・ビジョンの「チャイルド・スポンサーシップ」(毎月4,500円)をして、「税額控除」を選んだ場合の控除額を試算してみました。
参考例:毎月4,500円ずつ、年間総額で54,000円を寄付した場合
【年間寄付額】 【控除額】
(54,000円 ー 2,000円)× 40% = 20,800円
住民税
一部の自治体では、個人住民税の寄付金控除があります。
都道府県民税
(寄付額-2,000円)×4%、が控除されます。
埼玉県・東京都・神奈川県・岡山県が対象です。
参考例:毎月4,500円ずつ、年間総額54,000円を寄付した場合
【年間寄付額】 【控除額】
(54,000円 ー 2,000円)× 4% = 2,080円
市町村民税
(寄付額-2,000円)×6%、が控除されます。
札幌市、仙台市、港区、広島市などが対象です。
参考例:毎月4,500円ずつ、年間総額54,000円を寄付した場合
【年間寄付額】 【控除額】
(54,000円 ー 2,000円)× 6% = 3,120円
相続税
相続したお金から寄付をした場合、相続税非課税が適用されて節税できます。
相続財産全体から基礎控除と寄付金額を差し引いた額が、課税遺産総額です。
基礎控除額は、3,000万円 +(600万円 x 法定相続人数)。
参考例:相続財産8,000万円で、配偶者と子2人が相続して、200万円寄付した場合
相続財産 | 8,000万円 |
基礎控除額 | -4,800万円(3,000万円 +(600万円x3人) |
寄付額 | -200万円 |
課税対象額 | =3,000万円 |
法人の場合
寄付金は「損金算入」の対象です。
一般寄付金の損金算入限度額に加え、特別損金算入限度額も損金を計上できます。
チャイルド・スポンサーの領収書や確定申告など、気になる疑問に答えます
領収書はいつごろに届くのか、確定申告の仕方など、よくある疑問にお答えします。
疑問1:領収書はもらえる?
個人には、領収書は毎年1月に前年1月から12月までの1年分が届きます。
企業には、あらかじめ伝えておいた決算月の翌月に届くとのことです。
疑問2:確定申告が必要?
確定申告は必須です。
企業や団体で年末調整をされている方でも、それとは別に確定申告をする必要があります。
確定申告の期限は例年2月16日から3月15日までの1ヶ月間。
ただし、還付のみの申告の場合は、それ以前から受け付けていますので、早めの申告をお勧めします。
提出方法は所轄税務署への「持参」か「送付」、電子申告の「e-tax」の3通り。
確定申告で選ぶ「寄付金の種類」は「認定NPO法人等に対する寄附金」となります。
疑問3:「税額控除」と「所得控除」はどちらがお得?
ほとんどの方にとっては、「税額控除」のほうが「所得控除」よりお得で、おすすめです。
課税所得金額が4,000万円(目安)以下の方は「税額控除」のほうがお得、それ以上の方は「所得控除」がお得な計算になります。
以上、ワールド・ビジョンへ寄付をしたときの寄付金控除や、対象となる募金の税制優遇について解説しました。
寄付を検討されている方のご参考になれば幸いです。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です