児童養護施設・孤児院の子どもに寄付を届けたい!支援団体3選

(出典:フローレンス HP

「生まれた家庭で生活することが困難」と判断された、子どもたちが生活する児童養護施設。

一昔前まで「孤児院」と呼ばれていていましたが、昨今は親がいても虐待などが原因で入所する子どもが多くなっているとのこと。

そんな児童養護施設の子どもたちを支援しているNPO団体について、団体・活動の事例や寄付で応援する方法を紹介します。

児童養護施設を出て自立を迫られる子どもたちを継続的にサポート(ブリッジフォースマイル)

B4S HP

児童養護施設に入った子どもたちは、18歳になると施設を出て自ら稼いだお金で生活しなければなりません。
けれど相談できる大人も周りにみつからず、学歴・資格もなく途方にくれる子ども達が多い現実があります。

そこでブリッジフォースマイル(以下B4S)では、児童養護施設から社会へと巣立つ子どもたちが、笑顔で希望をもって生活できるようにする活動を行っています。

私たちは、大人の都合で児童養護施設に入所した子どもたちが、安心して社会に巣立ち、夢と希望を持って笑顔で暮らせる環境を作ることは、社会全体の責任だと考えています。
「子どもたちが笑って暮らせるように…」ブリッジフォースマイル(B4S)は、この強い思いを胸に活動しているNPOです。

B4S HP

施設を出た子ども達を継続的にサポートするためのB4Sのプログラムは多岐にわたっています。
たとえば一人暮らしの際に必要となる引越し手続き・金銭管理などもろもろの知識・スキルを教える「巣立ちプロジェクト」や、退所後にマンツーマンの個別サポート・交流会などを実施する「アトモプロジェクト」などなど。
これらのプログラムが、児童養護施設を巣立つ子ども達の大きな力となることは容易に想像できます。

活動内容児童養護施設を出て自立する子ども達に対するサポートなど
活動地域東京・神奈川・千葉・埼玉など ※プログラムによる
支援対象児童養護施設を出て自立する(自立した)子ども
寄付の使途退所予定の子どもを支援するプログラムの運営費用など
運営団体認定NPO法人ブリッジフォースマイル

B4Sを支援するための寄付方法はさまざまです。

好きなときに好きな額を寄付する一般寄付をはじめ、毎月・毎年一定の額を寄付する継続寄付も可能。
さらに古本やゲーム・DVD・書き損じはがきの寄付(到着後に換金して利用)や、退所後たちの子ども達の生活必需品(新品もしくは新品同様のもの)を寄付することもできます。
なお生活必需品の寄付は、受付時期など注意点がありますので、くわしくはB4S WEBサイトで確認してください。

子どもの貧困を削減するための事業を実施(Living in Peace)

Living in Peace HP

Living in Peaceは、全ての子どもに機会の平等がある社会をつくることを究極の目標とし、子ども達の貧困を削減するための事業を展開する認定NPO法人です。
現代の日本では、子どもの貧困が社会問題化しています。厚生労働省の調査によると令和4年の子どもの貧困率は11.5% ()にもなってます。

※厚生労働省 WEBサイトより

そしてLiving in Peaceが展開する事業は3つあります。

まずは児童養護施設の建物を、20名以上の子どもが一同に生活する「大舎」というタイプから、子ども1人1人へのケアがしやすい小規模な施設へ建て替えること。
2つ目は児童養護施設を自立する子どもたちに向けた返済不要の奨学金制度。
そして3つ目は、児童養護施設に暮らす子ども達が多様な職業観を知る機会を得てもらうための職業体験などのキャリアセッションです。

保護者のない児童や被虐待児などの社会的養護が必要な児童は、全国で約46,000人にのぼっておりますが、私たちは、皆が本業を別に持っている強みを活かした事業活動を通じ、子どもの暮らす環境や可能性を高め、機会の平等を実現することを目標に据えています。

私たちは、世の中は1人の英雄によって変わるのではなく、大勢の人々が参加する一つ一つの小さな取り組みを一つの流れとすることによって変えることができると信じて、これからも活動していきます。

Living in Peace HP

Living in Peaceが特徴的なのは、専従職員がゼロでメンバー全員が本業の仕事を持っていることです。
そのため人件費が発生せず、寄付金のほとんどを子ども達のために使えるメリットがあります。
また全員がビジネスの世界にいるスタッフだからこそ、その経験を生かしたキャリアセッションが構築できるのも強みです。

活動内容児童養護施設の建物の小規模化・奨学金の運営など
活動地域※ WEBサイトの記載からは見つけられませんでした
支援対象児童養護施設や施設で暮らす子どもなど
寄付の使途児童養護施設の建替え資金・奨学金の運営費用など
運営団体認定NPO法人Living in Peace

寄付の対象は、施設の建替え資金・施設を退所する子ども向けの奨学金いずれかからえらぶことができます。
また寄付金を継続して支払う登録をすると、登録したメールアドレス宛に支援先施設の状況や奨学生の様子などをまとめたニュースレターが送られます。
随時、寄付した対象の状況がわかるので寄付のしがいがあるでしょう。

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“予期せぬ妊娠”などで授かった命に、「赤ちゃん縁組」を(フローレンス)

フローレンス HP

最後に紹介するのは、認定NPO法人フローレンス。
児童養護施設に通う子どもたちを直接に支援対象にはしていませんが、子どもたちが児童養護施設に通わざるを得ない環境に置かれないように、活動しています。

子どもが児童養護施設に引き取られたり、虐待を受けたりする原因の1つは、「予期せぬ妊娠」。
母親や父親が育てる意思や能力を持たないまま、子どもを授かってしまうケースです。

貧困、性犯罪の被害など様々な事情を背負い、相談できずに孤立した女性が、自宅や公園のトイレなどで出産を迎えてしまうという事態まであるそうです。(フローレンス HP)
2週間に1人の0歳児が虐待によって、死亡しているそうです。

そこで「赤ちゃん縁組」、つまり子どもを望む育ての親に赤ちゃんを託せるように取り組みをしているのが、認定NPO法人フローレンスです。

「赤ちゃん縁組」では、予期せぬ妊娠や、出産しても育てられないなど、妊娠・子育て期に課題を抱える女性の相談を受けています。
相談の結果やはり育てられない、となった場合には、育ての親に託すことで、「すべての子どもが愛情あふれる家庭で育つ社会」の実現を目指します。

妊婦の出産にかかる費用は、育ての親による自己負担で行うものの、縁組に至らない相談や相談員にかかる費用は賄えないとのこと。
生みの親の産前の「生活支援費」や育ての親への「研修費」などに、寄付を充てているそうです。

フローレンスは、2004年に法人設立以来、訪問型病児保育や障害児保育、ひとり親家庭支援といった事業を展開。
「親子の笑顔をさまたげる社会問題を解決する」をミッションとして活動しています。

活動内容 特別養子縁組、妊娠・特別養子縁組相談、養親研修
活動地域 日本各地
支援対象 赤ちゃん・妊婦、障害児家庭、ひとり親家庭など
寄付の使途 生みの親の産前の生活支援費、育ての親への研修費、生みの親の相談時の出張費など
運営団体 認定NPO法人フローレンス

※ 「赤ちゃん縁組」事業についての例

この他にも、広く「子どもの虐待」や「子どもの貧困」「孤育て問題(ひとり親家庭の支援)」「障害児保育」といった、子ども・親子をめぐる社会課題に取り組んでいます。
月1,500円から寄付を募集しているマンスリーサポーターは、クレジットカードで簡単に申し込めるそうです。

フローレンスへの寄付で、赤ちゃんの虐待死をなくす支援を始めた3つの理由
編集部オススメのポイント!
日々大きくなっていくお腹と、孤独という闇の中で、不安に押しつぶされそうになっている女性がいます。フローレンスの赤ちゃん縁組は「命」を救う取り組みです。縁組が1組成立するごとに、確実に1人の命を救うことにつながります。
フローレンスが取り組んでいるのは、赤ちゃんの虐待死問題だけではありません。ひとり親家庭が低価格で利用できる「病児保育」や、経管栄養やたんの吸引など、医療的なケアが必要な子どものための「障害児保育・支援」など、さまざまな事業を展開しています。

「子どもの命を助ける」や「保育を受けられるようにする」といった趣旨に共感する方は、支援先として検討してみてよいかもしれません。

> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です

まとめ:課題解決を通じて、より多くの子どもたちに広く支援を届ける

ここで紹介した3つのNPOの活動を通し、少しでも児童養護施設への支援に興味を持っていただけたら幸いです。

団体名寄付ナビ編集部オススメのポイント
ブリッジフォースマイル① 子どもたちが笑顔で社会生活を送るための知識と意欲をはぐくむ活動を行う
② 子どもを支える大人を増やす「伴走者の育成」にも注力
Living in Peace① 「機会の平等を通じた貧困削減」を目指す
② すべてのメンバーが本分を別に持ちながら、互いの時間と小さな力を持ち寄って活動を行う
フローレンス① 幼児を虐待から守るための方策として、特別養子縁組を推進
② 社会変革集団として、国の制度を変えることにも力を入れており、2018年には児童虐待防止法の改正案を提言

少し前に児童養護施設の子ども向けにランドセルを贈る、「タイガーマスク運動」が有名になったことがあります。

「学習用具をプレゼントする」「食料を寄贈する」といったように、モノを支援するのはたしかに分かりやすいですが、現場では活用法に困り支援が効果的に活用されない事例も。
この記事で紹介したように児童養護施設の子どもたちを支援するNPOを、「お金で応援する」ことを通じて、より多くの子どもたちに支援を届け、さらに背景にある社会課題の構造的な解決をサポートすることも有効と考えています。

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