(出典:かものはしプロジェクト HP)
【2025/06/08 更新】
近年、子どもへの虐待に関連する悲惨なニュースを目にすることが多くなりました。
こども家庭庁によると、令和4年度の児童虐待相談対応件数は約21万9,170件で、前年度より11,510件(+5.5%)増え、過去最多を更新したそうです。
読者の方の中には、支援したいという気持ちはあっても、寄付に踏み出せないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では以下の項目を通じて、寄付に対する不安や疑問を解消し、どのようにして支援ができるのかを詳しく解説します。
- 児童養護施設の子どもを支援する団体の紹介
- 日本における虐待の現状と課題の整理
- 児童養護施設や孤児院/乳児院の違いや寄付の仕方
- 寄付先・募金先の選び方
あなたにぴったりの寄付先がきっと見つかるはずですので、ぜひ最後までご一読ください。
目次
児童養護施設の子どもを支援する団体3選
まずは「すぐにおすすめの寄付先を知りたい!」という方のために、寄付ナビ編集部が厳選したおすすめの団体を3つご紹介します。
かものはしプロジェクト:虐待を受け、児童養護施設で暮らす子どもの自立支援

日本では、児童相談所への虐待相談対応件数が年間20万件を超え、過去最多を更新し続けています。
虐待を受けた子どもたちは、身体的・精神的な傷を抱えながら施設での生活を余儀なくされ、その後の支援が十分でないケースも少なくありません。
多くの子どもたちが18歳になると児童養護施設を退所していきます。
かものはしプロジェクト
頼れる家族や相談できる大人とのつながりがなく、孤独の中、社会で必死で生きようとする若者たちもいるのです。また、虐待の精神的影響や、トラウマがふとした時に再発してしまうことなどから、対人コミュニケーションの難しさも抱えています。そのため、職場で人間関係がうまくいかず、心身の調子を崩し離職した若者が、仕事を失い、中にはその後ホームレス状態になってしまうというケースもあります。
こうした子どもたちの「帰れる場所」をつくるために、かものはしプロジェクトは、虐待を経験した若者のアフターケア支援を行っています。
かものはしプロジェクトは、虐待を受けた子どもたちが施設を出た後も安心して暮らせる環境を提供するため、以下のような活動を行っています。
- 住まいの支援:施設退所後の若者にシェルターや住宅支援を提供
- 就労サポート:就職・生活支援を行い、社会での自立を後押し
- メンタルケア:虐待の影響で苦しむ子どもたちに心理的サポートを提供
かものはしプロジェクトは、多くの退所者に対してアフターケア支援を実施。さらに、企業と連携した就職支援の取り組みを強化し、社会的自立に向けた支援を広げています。アフターケアにとどまらず、虐待の未然防止を目的とした妊産婦へのサポートにも力を入れています。
「かものはしプロジェクト」の活動は、活動に賛同する企業や個人の寄付によって支えられています。毎月1,000円で、退所後の若者がカウンセリングを受けるための支援や、住居支援プログラムの運営費に充当することができます。
活動内容 | 日本国内での子どもたちへの虐待防止、家庭環境の改善支援など |
活動地域 | 日本全国 |
支援対象 | 虐待リスクのある家庭、子ども、保護者など |
寄付の使途 | 施設を退所した若者のサポート、啓発活動、管理費用など |
運営団体 | 認定NPO法人かものはしプロジェクト![]() ![]() |

編集部オススメのポイント!
「虐待や、その経験から今まさに助けを必要としている子どもが同じ街にいるかもしれない、そんな子どもたちのために何かしたい」
「世界の問題も気になるが、自分の暮らす日本の未来も良くしていきたい」
そんな想いに共感された方は、是非団体公式ページから詳細をご覧ください。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
ブリッジフォースマイル:児童養護施設を出て自立を迫られる子どもたちを継続的にサポート


児童養護施設に入った子どもたちは、18歳になると施設を出て自ら稼いだお金で生活しなければなりません。
けれど相談できる大人も周りにみつからず、学歴・資格もなく途方にくれる子ども達が多い現実があります。
そこでブリッジフォースマイル(以下B4S)では、児童養護施設から社会へと巣立つ子どもたちが、笑顔で希望をもって生活できるようにする活動を行っています。
私たちは、大人の都合で児童養護施設に入所した子どもたちが、安心して社会に巣立ち、夢と希望を持って笑顔で暮らせる環境を作ることは、社会全体の責任だと考えています。
B4S HP
「子どもたちが笑って暮らせるように…」ブリッジフォースマイル(B4S)は、この強い思いを胸に活動しているNPOです。
施設を出た子ども達を継続的にサポートするためのB4Sのプログラムは多岐にわたっています。
たとえば一人暮らしの際に必要となる引越し手続き・金銭管理などもろもろの知識・スキルを教える「巣立ちプロジェクト」や、退所後にマンツーマンの個別サポート・交流会などを実施する「アトモプロジェクト」などなど。
これらのプログラムが、児童養護施設を巣立つ子ども達の大きな力となることは容易に想像できます。
活動内容 | 児童養護施設を出て自立する子ども達に対するサポートなど |
活動地域 | 東京・神奈川・千葉・埼玉など ※プログラムによる |
支援対象 | 児童養護施設を出て自立する(自立した)子ども |
寄付の使途 | 退所予定の子どもを支援するプログラムの運営費用など |
運営団体 | 認定NPO法人ブリッジフォースマイル ![]() ![]() |
B4Sを支援するための寄付方法はさまざまです。
好きなときに好きな額を寄付する一般寄付をはじめ、毎月・毎年一定の額を寄付する継続寄付も可能。
さらに古本やゲーム・DVD・書き損じはがきの寄付(到着後に換金して利用)や、退所後たちの子ども達の生活必需品(新品もしくは新品同様のもの)を寄付することもできます。
なお生活必需品の寄付は、受付時期など注意点がありますので、詳しくはB4S WEBサイトで確認してください。
フローレンス:“予期せぬ妊娠”などで授かった命に、「赤ちゃん縁組」を


子どもを虐待から守るためには何か事件が起きてからでは遅いものです。
虐待に至るまでに、それぞれの家庭では様々な理由で親子関係が悪化してしまっています。
最悪の結果を招く前に子どもたちを守る方法がありました。
それは「子どもが生まれる前から親のケアをする」というものです。
子どもの虐待死の背景には「予期せぬ妊娠」があります。
フローレンス HP
貧困、性犯罪の被害など様々な事情を背負い、相談できずに孤立した女性が、自宅や公園のトイレで出産を迎えてしまう。
そんな信じがたい悲劇が、今この日本で起きています。
残念ながら自分で我が子を育てることの出来ない親がいます。
そんな方たちが不安や悩みを一人で抱え込み、最終的には虐待につながってしまう。
そうならないために「赤ちゃん縁組」に取り組んでいるのが認定NPO法人フローレンスです。
フローレンスでは赤ちゃん・生みの親・育ての親、すべての人が幸せになる社会を目指しています。
生みの親に向けた「にんしん・養子縁組相談」や養子を迎えたい方に向けた「特別養子縁組」を通し、全ての子どもたちを虐待から守る活動を行っています。
活動内容 | 特別養子縁組、妊娠・特別養子縁組相談、養親研修 |
活動地域 | 日本各地 |
支援対象 | 赤ちゃん・妊婦、障害児家庭、ひとり親家庭など |
寄付の使途 | 生みの親の産前の生活支援費、育ての親への研修費、生みの親の相談時の出張費など※ |
運営団体 | 認定NPO法人フローレンス![]() ![]() |
※ 「赤ちゃん縁組」事業についての例



編集部オススメのポイント!
「子どもを持つ全ての親を応援したい」や「愛情ある家庭で育てられる子どもを増やしたい」と考えられる方は、支援先として検討してみてよいかもしれません。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
国内における虐待の現状と課題
近年、児童虐待の件数が増加しており、児童相談所への通報や相談件数も増加しています。
これは、社会的な認識が高まり、通報意識が向上した結果とも考えられますが、依然として虐待が深刻な問題であることを示しています。
なぜ虐待は増えているの?
家庭内での虐待は、決して家庭の問題だけではありません。貧困や子育て環境の孤立化といった社会的要因が背景にあることが多く、経済的・心理的なストレスが子どもへの虐待リスクを高めています(参照:日本財団ジャーナル)。


出典:児童虐待防止協会
また、近年「虐待」の定義が広がったことも、件数増加に見える一因です。
虐待の種類と増加した「心理的虐待」
児童虐待は大きく分けて次の4タイプがあります。
- 身体的虐待:暴力や傷害など、子どもに直接的な身体的損傷を与える行為
- 心理的虐待:言葉の暴力や脅し、無視など、子どもの精神に対する虐待
- 性的虐待:子どもに対する性的行為やその強要
- ネグレクト(養育放棄):食事や医療、教育など、子どもの基本的なニーズを満たさない行為
中でも、先ほど触れた「心理的虐待」は、暴言や侮辱、子どもの前での配偶者間暴力などを含み、近年もっとも件数が伸びています。


出典:オレンジリボン
心理的虐待が近年急増している背景については、様々あると考えられていますが、定義の拡大・法改正の影響が大きいのでは、と言われています。
当初の虐待防止法(2000)では、「心理的虐待」とは「児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと」と定義されていた(第二条四)。それが一部改正(2004)によって「児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力」も定義につけ加えられた。いわゆる「面前DV」だが、条文上の定義では子どもの「面前」でなくても配偶者間に暴力があれば、それだけで子どもへの「心理的虐待」とされる。〈児童虐待〉の範囲が、親子間の不全から、配偶者間の不全にまでおし拡げられたのである
〈児童虐待〉は増えているのか – 滝川一廣
このように、虐待はプライベートな“密室”で起こることが多いため、外部からの発見が遅れがちです。
たとえ通報があっても、支援体制の不足や連携の弱さから適切なサポートにつながらないケースも多く、早期発見・早期対応を阻む大きな課題となっています。
これらの虐待問題を解決するためには、多角的な支援が求められます。様々な支援がある中で、この記事では3つの支援の形を紹介します。
虐待の予防


フローレンスは児童虐待の防止のために3つの事業を行なっています。
1.赤ちゃん縁組事業
子どもの虐待死の中で最も多い年齢層は0歳児であり、特に生後0日目の赤ちゃんが多数を占めています。フローレンスは2016年から「赤ちゃん縁組事業」を実施し、予期せぬ妊娠に直面した女性を医療・福祉機関へ繋ぐ支援を行っています。また、出産後に母親が希望する場合には、特別養子縁組の制度を通じて里親を紹介しています。
2.経済的に苦しい家庭への支援
子育て中の親が社会的・経済的に孤立すると、虐待につながるリスクが高まります。フローレンスは、ひとり親家庭を支援するために、寄付を原資とした安価な病児保育を提供しています。また、「こども宅食」事業では、複数のNPOや自治体と共同で、ひとり親家庭に2ヶ月に一度、食品を届ける支援を行っています。
3.保育ソーシャルワーク
保育園に通う子どもの不適切な養育の実態を迅速に把握するために、保育園にソーシャルワーカーを配置し、園とフローレンス事務局、行政などの関係機関が情報を連携して家庭を支援する活動を行っています。
これらの活動を通じて、フローレンスは児童虐待の防止に努めています。



インケア:虐待を受けた子どもの支援
上記のような虐待防止の支援に加えて、実際に虐待を受けた子どもたちを支援する取り組みも存在します。その一つが「インケア」です。
インケアとは、虐待を受けた子どもが児童養護施設に入所した際に提供されるサポートのことです。児童養護施設の役割として、保護者のいない子どもに対して安定した生活環境を提供し、生活指導・学習指導・家庭環境の調整などを行いつつ、子どもたちの健やかな成長と自立を支援します。
児童養護施設は児童福祉法に基づく児童福祉施設であり、入所手続きは各都道府県に設置されている児童相談所が公的責任のもとで行っています。
児童養護施設や孤児院、乳児院の役割や、施設への寄付方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。



アフターケア:施設退所後も安心して生活できる社会を目指して


これまで、児童養護施設を退所した後の国からの支援はほとんどありませんでした。退所後も安心して生活できるよう、退所した若者に対して民間の支援が行き届くことを目指し、活動を始めたのが、かものはしプロジェクトです。
同団体はこれまでカンボジアやインドで人身売買撲滅活動を行ってきましたが、その経験を活かして2019年から国内で児童虐待の問題にも取り組み始めました。
かものはしプロジェクトの主な活動は次の二つです。
1.自立支援の専門家の派遣
児童養護施設に自立支援の専門家を派遣し、退所後に困難に直面した若者の支援を行っています。
2.支援ネットワークの構築と行政への働きかけ
退所後も安心して生活できる社会と仕組みを作るため、支援ネットワークを構築し、行政への働きかけを行っています。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
以上、虐待防止の支援の形をご紹介しました。
これらの支援は、国や地方自治体だけでなく、NPOや企業、市民の協力が不可欠です。子どもたちが安心して成長できる環境を整えるためには、社会全体が一丸となり、継続的な支援を行うことが求められています。
児童養護施設・孤児院/乳児院とは?
現在日本には、家庭だけで暮らすことが難しい子どもは約4万人いるといわれています。
孤児院という言葉は、法律の改正により、使われなくなりました。様々な理由で保護者による養育が受けられない子どもたちのうち、原則1歳未満の子どもは乳児院、1歳以上18歳未満の子どもは、児童養護施設で生活をします。
対象年齢 | 施設数 | 子どもの数 | |
児童養護施設 | 原則 1歳~18歳 | 610箇所 | 約23,000人 |
乳児院 | 原則 1歳未満 | 145箇所 | 約3,800人 |
乳児院や児童養護施設に入所するかどうかは、児童相談所が判断します。


施設に入所する理由
子どもたちが保護者と暮らすことができない理由は様々です。
- 母親・父親による身体的虐待やネグレクト
- 母親の精神疾患
- 経済的な問題
- 児童自身の問題 など
1歳未満の子どもが乳児院に入る理由として一番多いものは「母親の精神疾患」になります。(子ども家庭庁 令和4年度「児童養護施設児童等調査の概要」による)産後うつ等が理由となって一時的に預けられている子どもがいることも想像できます。
どのようなサポートが行われるの?
乳児院においては、家庭での引き取りや、里親家庭、児童養護施設等にうつることができるようにしていくことが求められます。そのため、医師や看護師、心理士などによる専門的なサポートが行われます。
児童養護施設においては、家庭に代わる生活の場となることが目指されています。そのため、児童は6人までで暮らすグループホームなど、小規模化が推奨されています。虐待等が理由で精神科に通院している子どもも多く、心理的なサポートも必要となります。
施設を運営する費用はどこから出ているの?
施設の運営資金は基本的には国と都道府県等による「措置費」です。しかし、制度を超える対応については、施設の持ち出しとなるため、手厚い支援を行おうとすればするほど、経営は苦しくなります。そのため、措置費に加えて、民間からの寄付金を募って運営している施設も多いです。
児童養護施設・孤児院に寄付するには?
児童養護施設に寄付する方法は2つあります。
児童養護施設に直接寄付をする
ご自身がサポートしたい施設があれば、直接の支援が可能です。HPからお金で寄付を行うことのほか、食品や生活用品など、物品の寄付を募っている施設もあります。
ただ、寄付であればなんでも贈って良いというわけではありません。食品であれば「賞味期限が 1 ヶ月以上あるもの」、生活用品であれば「未開封であること」、洋服であれば「新品でタグが付いている状態」など、施設ごとに寄付品についてのお願い事項が決まっていることがほとんどです。確認をしてから贈るようにしましょう。
HPに物品の寄付について記載がない場合には、電話等で問い合わせをしてみると良いでしょう。
児童養護施設をサポートする団体を通じて寄付をする
特定の施設を支援したいというわけではない場合、「社会福祉法人青少年福祉センター」など、児童養護施設を支援する団体を通じて寄付をする方法もあります。寄付してほしい物品などを一覧にして公開している団体もありますので、確認してみるとよいでしょう。
施設を支援するのではなく、施設で暮らす子どもたちを直接支援している団体もあります。


先で紹介したかものはしプロジェクトは、施設で暮らす子どもたちへの直接支援に加えて、退所後の支援としてネットワークづくりにも力を入れています。
- 困難に直面する若者への支援強化:児童養護施設に自立支援の専門家を派遣、退所後に困難に直面した若者からの相談対応や、金銭管理指導を支援。
- 対処後も安心して生活できる仕組みづくり:退所後にサポートが激減する状況を変えるため、退所後支援の充実に向けたネットワークづくりや政策提言などを実施。
一人ひとりの子どもを助け出すだけでは、決して解決しない。根本的な問題解決のため、これまでの海外事業での経験を活かし、社会の仕組みづくりに力を入れています。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
「金銭で支援したいのか?物品を寄付したいのか?」「子どもたちに直接届けたいのか?施設を応援したいのか?」等、ご自身のイメージする寄付の形を考えたうえで、サポートを方法を選択すると良いかもしれません。
支援先として信頼できる?3つのチェックポイント
続いて、寄付先を選ぶ際に「寄付してよかった」と感じられる3つのポイントを解説します。


企業の良し悪しを判断する材料として、一般的に「ひと・もの・お金」の3つが大切と言われます。
NPOでは、それは「ひと・活動・お金」です。
企業で言うところの”もの”、すなわち”商品”は、NPOがどのようなアプローチで問題を解決しようとしているのか、つまり活動の内容です。
その活動内容に賛同することが、まさしく、寄付を通じた応援と言えると思います。
さらに寄付先として判断する上で、「ひと・活動・お金」を適切な言葉に言い換えると、「職員・活動・会計」です。
以下に、それぞれについて解説します。
職員の顔が見えるか?


NPOの活動には、代表をはじめ、理事や職員、インターンやボランティアなど、多様なスタッフが関わっています。
団体の公式サイトで職員の顔を出していることは、活動に自信がある証拠です。
「自分のお金を誰に託すのか?」を知ることで、より安心して寄付を続けることができます。
その上で、職員数やボランティアの人数など、関わっている人の数も確認できると、なお良いと思います。
- 理事や職員などスタッフの顔が見えるか。
- どれくらいの人が関わっているか。人数が多ければいいわけではありません。
あなたと似たような想いを持って活動しているスタッフがいる団体なら、それはあなたの価値観とマッチする団体かもしれません。
活動によって問題を解決しているか?


同じ社会問題に取り組んだとしても、解決するアプローチは団体によって、実にさまざまです。
例えば「子どもの貧困」と一口に言っても、
- 学習支援を通じて、子どもの学力向上に資する
- 食品配付を通じて、健康や栄養状態を改善する
- 相談窓口を通じて、虐待や暴力などを予防する
というように、団体によって活動の領域は異なります。
そもそもNPOが取り組んでいる問題は、すぐに解決には至らず、長い時間がかかることが多いです。
寄付先として検討している団体の支援アプローチは本質的に問題を解決し得るのか、またそのアプローチに共感するかどうか、などを見ると良いでしょう。
- 寄付先の支援アプローチは問題を解決、もしくは改善しているか?
- しっかりと実績や成果を上げているか。
そうした活動の進捗を定期的に報告するプログラムが整っている団体であれば、自らのお金がどのように活用されたかの理解が進み、寄付をするモチベーションが増します。
透明性の高い会計報告を行っているか?


ほとんどのNPOは、会計報告を公式サイトで公開しています。
逆に会計報告を公開していない団体は、資金を不正に利用しているのではないかと、寄付者から疑問を持たれても仕方がないでしょう。
団体の公式サイトを確認すると「会計報告」や「年次報告」といった形で、会計や財務に関する情報を公開していることが多いので、チェックしてみましょう。
支出の内訳を、例えば事業費80%・管理費20%としている団体であれば、「1,000円寄付したら、おおよそ800円が直接的な活動に、200円が活動を継続していくために必要な費用に変わるんだ」と目安をつけることもできます。
- 透明性の高い会計報告を行っているか?
- 納得できるお金の使い方をしているか。
さらに、監査法人や公認会計士による監査を受けていることを確認できれば、より信用度は高まると思います。
まとめ:課題解決を通じて、より多くの子どもたちに広く支援を届ける
ここで紹介した3つのNPOの活動を通し、少しでも児童養護施設への支援に興味を持っていただけたら幸いです。
団体名 | 寄付ナビ編集部オススメのポイント |
かものはしプロジェクト | ① 日本でも、子どもの尊厳が踏みにじられている現状を変えたい、という想い ② 活動を直接聞けるイベントや説明会が随時実施されている |
ブリッジフォースマイル | ① 子どもたちが笑顔で社会生活を送るための知識と意欲をはぐくむ活動を行う ② 子どもを支える大人を増やす「伴走者の育成」にも注力 |
フローレンス | ① 幼児を虐待から守るための方策として、特別養子縁組を推進 ② 社会変革集団として、国の制度を変えることにも力を入れており、2018年には児童虐待防止法の改正案を提言 |
少し前に児童養護施設の子ども向けにランドセルを贈る、「タイガーマスク運動」が有名になったことがあります。
「学習用具をプレゼントする」「食料を寄贈する」といったように、モノを支援するのはたしかに分かりやすいですが、現場では活用法に困り支援が効果的に活用されない事例も。
この記事で紹介したように児童養護施設の子どもたちを支援するNPOを、「お金で応援する」ことを通じて、より多くの子どもたちに支援を届け、さらに背景にある社会課題の構造的な解決をサポートすることも有効と考えています。