ロシナンテスってどんな団体?川原尚行さんに医療活動のリアルを聞いてみた

皆さんは「ロシナンテス」という団体をご存知でしょうか?
スーダンとザンビアに医療を届ける、日本発祥のNPO法人です。

「どんな考えをもった人たちが働いているの?」
「途上国での医療はどういったことが大変なの?」

そんな疑問にお応えすべく、理事長の川原尚行さんにお話を伺ってきました。
ロシナンテスの最新の取り組みについても教えていただけたので、ぜひ最後まで読んでいただけたら幸いです。

そもそもロシナンテスとは?水と医療を届ける国際NGO

ロシナンテスは2006年に設立され、アフリカの貧しい地域に「医療」を届けることで、大切な命を守っている団体です。

こちらがロシナンテスのロゴ。
団体名は、ロバではなく、痩せ馬を意味しています。
小説「ドン・キホーテ」に出てくる、痩せ馬のロシナンテに由来しているそうです。

「私たち一人ひとりは痩せ馬ロシナンテのように無力かもしれない、しかし、ロシナンテが集まりロシナンテスになれば、きっと世界を笑顔にできるはず」という想いをこめて「ロシナンテス」と名付けました。

ロシナンテスHP

と、名前から「良い団体」であることが伝わってきますが、果たして寄付先としても信頼できるのでしょうか?

今日は、理事長兼スーダン現地代表の川原尚行さんにお話を伺うことで、途上国のリアルを明らかにしたいと思います。

川原尚行さんは、なぜロシナンテスを立ち上げたのか?

  • 川原尚行(かわはら・なおゆき)
  • 1965年、福岡県北九州市生まれ。
    福岡県立小倉高校、九州大学医学部卒業。
  • 1998年、外務省に医務官として入省。
  • 2005年、ロシナンテスの活動をスタートする。

「今日はよろしくお願いします!なぜ日本人の川原さんが遠く離れた異国の地で、医療支援をやろうと思ったのか、想いを聞かせてください。」

「そうですね、まず外務省の医務官として、2002年にスーダンへ赴任したのが最初のきっかけです。現場では患者さんが病院に溢れてましてね。建物に入りきれないんです。患者さんは木の下にベッドを並べて、1つのベッドに2〜3人が寝てる状況で。」

「日本では考えられない光景ですね…。」

「はい。何とかせねばと思ったのですが、外務省としての立場では何の医療行為もできないんですよ。どうしようか悩んだのですが一念発起、外務省を辞めて、ロシナンテスを立ち上げました。」

「スーダンは医療設備の不足の他に、どんな課題があるんですか?」

「やはり、不衛生で濁った水を使わざるを得ないのが根本の問題だと思います。いまだに動物の糞尿が混じった、茶色い水を飲んでいるんです。」

「……、想像を絶する世界です…。」

「私たちロシナンテスでは、綺麗で安全な水を提供することは、病気を予防する近道だと考えています。現地で調達できる材料を使ってため池の水を濾過したり、動物用の水場を別に作ったりして対策しています。」

「地道でも一歩ずつ進んでいるんですね。」

「はい、これまで何時間もかけて水汲みに行っていた子どもたちが、近所に給水所ができたことで学校に通えるようになりました。」

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ザンビアでも医療を届ける!”先端技術”で安全に出産を

「スーダン事業も成長し、現在はザンビアでの母子支援にも裾野が広がっていると伺いました。ザンビアには、どんな課題があるんですか?」

「ザンビアも貧しい村落になると医療施設が不足していて、お母さんが安全に出産するのが困難な状況です。ザンビアは法律で自宅出産が禁止されていて、違反すると罰金が科されます。」

「そんな!病院もなければ、自宅もダメって、お母さんはどうするんですか?」

「自宅で出産したことを隠すために出生届を提出せず、子どもが本来受けられる保障を受けられないというケースもあります。仮に医療施設で出産できたとしても、宿泊設備がない場合、産後2〜3時間も休憩したら家に帰らなくてはならず、厳しい環境です。生まれる直前に施設に向かうため、途中で出産してしまう人もいます。」

「ロシナンテスでは村落にマザーシェルター(宿泊可能な出産待機施設)を用意して、出産が近くなってきた妊婦さんをそこで受け入れ、安心安全に出産してもらえるよう準備を整えています。現地スペックの医療機材を持ち込んで、助産師さんでも対応できるような体制を整える予定です。」

「まさに「アフリカの産婦人科」って感じですね。」

「そうとも言えますね!今は紙で新生児の身長や体重などの成長を記録しているのですが、長崎大学が『デジタル母子手帳』を開発していて、将来的にはこういったものも導入していきたいと考えています。日本は紙文化ですが、案外アフリカの方がデジタルへの移行が早いかもしれないなぁと思案してます。」

「日本の技術が、途上国でも活かされようとしてるんですね!」

「はい、私の地元でもある九州とアフリカが学術研究でつながるのは本望です。九州は中村哲先生(ペシャワール会)の故郷でもあります。心から尊敬している方の遺志を引き継げるように、ロシナンテスの活動も継続していきたいです。」

「なんていうか川原さんの想いに尊敬します…!でも、そんなにアフリカを支援したら、かえって彼らの自立につながらない、なんてことはないんですか?」

「確かに、慎重に進めていく必要はあります。住民参加型のヘルスボランティア(通称SMAG・Safe Motherhood Actions Group)にも活躍してもらうなど、なるべくその地域の住民に関わってもらえるような組織運営を意識しています。」

「なるほど。」

「子どもは自分が産まれてくる地域を選べません。スーダン、ザンビア、日本、どこに産まれようと母子の愛情は変わりませんので、命を大切にしていきたいですね。」

新型コロナウイルスの対策は?現地の方々の協力も

「取材日の3日後から、またアフリカへ出張されると伺いました。今回は、どんな活動をする予定なんですか?」

「実は今回の渡航が、コロナ禍以降、初めての渡航になります。まずはザンビアで、新型コロナウイルス対策に注力します。」

「現在、ザンビアではマスクをしていない子どもは、学校に来てはいけないことになっています。貧しい家はマスクを用意できないので、学校に通えない子どもが大勢います。」

「確かにコロナの影響で、学校どころではなくなってしまいますよね。」

「そう。感染予防のための啓発活動や、衛生用品を届ける活動をすでにスタートしているので、その経過観察も行います。成果が出ているようであれば、継続します。」

「できればマスクも日本から持っていくのではなく、現地でミシンを購入して、現地の方に生産を依頼しようと思っています。製作したマスクは、子どもたちの手に届くように配布できたらなと。」

「仕事を任せることで、現地の方々の収入向上にもつながる、ってことですね!」

「おっしゃる通り!マスクの製作以外にも、母子保健事業の準備など、今まで以上にローカルスタッフには活躍してもらわねばなりません。」

スーダンの活動を通じて出会った、ある子どもの夢

「スーダンではどんなことをするんですか?」

「引き続き水の事業に注力する予定です。スーダンの北コルドファン州で井戸を作ったのですが、その界隈に住んでる子どもたちが水汲みから解放されて、学校に通えるようになりました。」

「活動の効果が表れ始めているんですね。」

「はい。子どもたちがよく熱心に勉強しているのを見かけるので、将来何になりたいのって聞いたら、『お医者さんになりたいんだ』って、夢を話してくれた子もいました。」

「おお!それは嬉しいですね!」

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あなたも「チーム・ロシナンテス」の仲間になりませんか?

ロシナンテスでは、毎月の寄付で活動を応援する「チーム・ロシナンテス」を募集しています。

みなさんの温かいお気持ちを、スーダンとザンビアにつなげるため、最後に川原さんからのメッセージを、ご紹介させてください。

私たちが目指す社会では、支援した地域の人たちが、「医療」を自分たちのものとし、地域の人たちだけで医療を継続できる仕組みが根付いています。

その社会の実現には、どうしても時間がかかります。

今日は、ロシナンテスのこれまでの歩みと、今後の展望について主にお話ししましたが、ご支援くださった方には、ぜひ失敗したことも含めて共有したいと思っています。

あなたの想いをつなげるのが、私たちの仕事です。
お寄せいただいたお気持ちを胸に、目指す将来に至るまでの過程をご報告させてください。

喜びも悲しみも、必ず明日の笑顔につながっていくと信じています。
ともにロシナンテスの活動をつくる仲間になってください。

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