(出典:ワールド・ビジョンHP)
2011年に始まったシリアの紛争以来、日本でも「難民」という言葉を耳にすることが多くなってきました。
「自分にできる支援をしたい」と思っても、「どの団体を、支援先として選べばよいのか?」「どんな違いがあるのか?」は、一般の方には分かりにくいかもしれません。
そこで国際的に有名なNGOから日本生まれの団体まで、難民を支援している団体とその活動を5つピックアップしました。
目次
難民の子どもに、食料や水など緊急支援(ワールド・ビジョン)
難民キャンプなどの過酷な環境で生活している子どもたちに、食料や綺麗な水、薬といった緊急人道支援を届けているのが、認定NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパンです。
たとえば南スーダンでは、約2万人の少年・少女が兵士として武装勢力に徴用されるといった危険な環境での生活を余儀なくされており、学校に通うことはおろか、精神的・肉体的に大きく傷つけられています。
一瞬にして、少女の日常は、ズタズタになった。
(中略)こんな場所では、危険は至る所にある。なんでも突然、予告なしに起こり得る。
子どもも、家族も、誰も、破壊が続く人生を選んだわけじゃない。
(出典:ワールド・ビジョンHP)
紛争によって傷ついた子どもたちの心のケアなど、ワールド・ビジョンの支援によって、少しずつ元の生活を取り戻せるように、長期的な開発支援も同時に行なっているとのこと。
活動内容 | 食料や水の緊急支援・難民キャンプで教育支援など |
活動地域 | シリア・イラク・南スーダン・バングラデシュなど |
支援対象 | 紛争や災害の被害に苦しむ、難民の子どもたち |
寄付の使途 | 綺麗な水・薬・学用品など、現地に必要な物資 |
運営団体 | 認定NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン(日本窓口) |
「難民子ども支援」を通じて寄付をすると、寄付の使い道を”難民キャンプや避難先で生活している子どもたち”に限定することができます。
月1,000円からの寄付を1年間続けると、南スーダンの子ども4人に学用品を届けられます。
「困難な状況にある子どもたちに、今すぐ支援を届けたい」
「もし私が難民キャンプに生まれ落ちていたら・・」
こんな風に感じていただけた方は、ぜひ支援を検討されてみてください。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
難民支援を専門に、世界135カ国で活動(国連UNHCR協会)
まずは、難民支援を専門に幅広く支援している国連UNHCR協会のご紹介です。
難民の中には、親とはぐれてしまい、一人で避難所で生活しなくてはならない子どもたちがいます。
中には国外にたった一人で逃れ、暴力や搾取に怯える者も少なくありませんでした。
南スーダンから命がけで逃れてきたスーザンさん(20歳)。
武装勢力に襲われた際に夫や娘とはぐれ、赤ん坊を背負ったまま3日間歩き、ウガンダ国境へたどり着いた。
「夫も娘も生きているかすら分からないのです」と顔をおおった。
(認定NPO法人国連UNHCR協会WEBサイトより)
このような難民の人々に「緊急支援」と「自立支援」の両輪で支援を行っています。
緊急支援では、食糧物資の支給や避難場所の提供を実施。
子どもたちが将来的に自立できるように、学校教育の促進や保護者への働きかけも行っています。
活動内容 | 緊急支援、障がい者支援、地雷対策、感染症対策、啓発 |
活動地域 | アジアやアフリカ、旧ユーゴスラビアなど、これまで60を超える国や地域で活動 |
支援対象 | UNHCRの活動支援のため、日本国内での広報・募金活動など |
寄付の使途 | UNHCRが実施する難民援助プログラムなど(緊急支援として水や食糧を支給する他、健康管理や学校教育など、長期的に生活全般を支える活動など) |
運営団体 | 認定NPO法人国連UNHCR協会 |
ユニクロと国連UNHCR協会が連携して、服の寄付も受け付けています。
全国のユニクロとGUの店舗に、回収用のリサイクルBOXが設置されており、ユニクロとGUで販売された商品を寄付することができます。
(出典:ユニクロHP)
服の寄付を検討されている方は、こちらの記事もご参考にしてみてください。
他にもクレジットカードのポイントでも寄付できたりと、支援の方法はさまざまです。
ぜひあなたにあったカタチで、活動に参加してみてはいかがでしょうか。
紛争で危険に晒されている子どもを救う(セーブ・ザ・チルドレン)
難民支援のなかでも、子どもの安全に特化したサポートを実施しているのがセーブ・ザ・チルドレンです。
特に、難民キャンプでは清潔な食料や水を得ることが困難な状況にあります。
現地では感染症や栄養失調など、様々な課題に対応してきました。
私の名前はナビル、イエメン北西部のサアダ県出身です。
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンHP
紛争が始まるまで、私たち家族は平和に暮らしていました。
しかし、自宅は破壊され、私たちはアムラン県に引越さなければならなくなりました。
(中略)避難先では、私は学校に通うことができず、父が職を失ったので、家計を支えるために私が代わりに働かなければなりませんでした。
このような難民キャンプ地や、自然災害の被災地や紛争地域に、専門のスタッフを派遣し、人道支援を行っているのがセーブ・ザ・チルドレンです。
同団体では他にも、予防接種などの保健事業のほか、栄養食の提供や水・衛生環境の整備、心理ケアなど幅広く支援を実施しています。
活動内容 | 子ども達の保健・栄養支援・教育支援など |
活動地域 | シリア、ウガンダ、モンゴル、日本など約120ヵ国 |
支援対象 | 緊急支援、保健・栄養、教育、防災などの分野で支援が必要な子どもたち |
寄付の使途 | 緊急支援で食料など物資の支援を始め、子どもたちとその家族を守る活動 |
運営団体 | 公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン |
寄付の方法は、月1,500円から寄付ができる「SCサポート」がおすすめです。
難民支援以外にも、子どもの貧困や、防災(減災)といった取り組みにも支援を届けることができますよ。
例えば月1,500円の寄付を1年間続けると、清潔な衣類、石けんやおむつなどの新生児キットを7組の母子に提供することができます。
「世界の紛争地や難民キャンプで暮らす子どもたちを助けたい」
そう思われた方は、支援を検討してみてはいかがでしょうか。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
難民の自立を支援する、日本発祥の国際NGO(JEN)
JEN(ジェン)は国内外で緊急支援、自立支援に取り組む日本発祥の人道支援NGOです。
これまで25の国と地域で、紛争や自然災害により難民となった人びとへ支援を届けており、2021年2月現在は、アフガニスタン、パキスタン、日本(東北)の3箇所で活動を行っています。
JENの特徴は緊急時はもちろん、そこから最終的な自立まで長期的な視点に立った難民支援を行うことです。
例えば、アフガニスタンでは紛争から逃れた避難地帯で1日のほとんどを水汲みに使っている子どもたちの現状に着目し、安全な水を供給する供給機を設置。
さらには、空いた時間を教育に当てられるよう、そのための学習支援も行い、子どもたちの自立を支えています。
シェルターの近くに給水所ができたことで変わったのは、きれいで安全な水が手に入るようになったことだけではありません。
JEN HP
まず、家族が下痢になることはほとんどなくなり、医療費が大きく減りました。
節約したお金でニワトリを飼い始めた家族は、卵を売って得た収入で文房具を買い、子どもたちが学校に行く準備ができました。3人のお兄さんたちは、小学校に戻ることができました。
そしてハリーマちゃんは、初めて小学校に通学することができました。
安全な水が良い循環を生み出すスイッチになったのです。
活動内容 | 紛争地域や自然災害の被害を受けた地域の緊急支援から自立支援 |
活動地域 | アフガニスタン、パキスタン、トルコ、日本(東北) |
支援対象 | 紛争、自然災害により厳しい状況にある人びと |
寄付の使途 | 緊急支援時の物資調達費用、自立のための設備建設費用等 |
運営団体 | 認定NPO法人ジェン(JEN) |
JENでは、月々1,000円から活動を応援することができる「JENサポーター」を募集しています。
ホームページには、具体的にどのような活動に寄付が使われるのかが明確に示されています。
- 毎月1,000円で:173世帯に1カ月分の井戸水を提供することができます。
- 毎月1,500円で:アフガニスタンの家族1世帯に防寒セットを配布できます。
(防寒セットには、こたつと布団、炭、防水シート、スカーフなどが入っており、住む家を失った人びとも寒さをしのぐことができます。) - 毎月3,000円で:18人に衛生キットを配布することができます。
(衛生キットには、石鹸、爪切り、歯ブラシ、歯磨き粉、石鹸置き、タオル、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、水タンク、コップ、生理用ナプキンが入っています。)
年に4回のニュースレターと、年に1回の年次報告書で、最新の活動成果が報告されるのも嬉しいポイントですね。
難民の方々にとって、緊急時はもちろん、その後の自立まで息の長い支援を応援したい、という方はぜひ寄付を検討してみてはいかがでしょうか。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
日本に逃れてきた難民を、来日直後からサポート(難民支援協会)
難民がいるのは、海外だけではありません。
2019年には、10,375人が日本で難民申請を行いました。
しかし、認定されたのは44人。
日本では法的に難民と認められるためにはさまざまな壁があり、難民審査には平均3年かかるそうです。
そうした、日本に来た難民を支援しているのが、難民支援協会(JAR)です。
JARは、日本に逃れてきた難民を支援するために、難民保護の専門集団として、難民一人ひとりの来日直後から自立に至るまでの道のりに寄り添った活動をしています。
難民のように、支援が行き届きづらい人々を支援することは、JAR の事業の柱です。
しかし同時に、難民は支援されるだけの人ではありません。
支援を必要とする人はしっかりと支えられ、一方でそれぞれの持つ強みを活かして社会の一員となる、そのような未来を作ることを目指し、JAR は活動を展開しています。
(難民支援協会サイトより)
決して難民の受け入れが進んでいるとは言えない日本で、「難民が新たな土地で安心して暮らせるように支え、ともに生きられる社会を実現する」というミッションのもと、活動されています。
JARでは、来日直後の保護から、難民申請のための法的支援、就労して生活するため支援まで、難民が日本での「生活者」になるまでを継続的に支援しています。
活動内容 | 医食住の生活支援、難民認定の法的サポートなど |
活動地域 | 東京都など |
支援対象 | アフリカ・アジアなどから、日本に逃れた難民 |
寄付の使途 | 難民の申請手続きのための交通費、シェルターの宿泊費など |
運営団体 | 認定NPO法人難民支援協会 |
JARでは、都度の一般寄付に加え、「難民スペシャルサポーター」として毎月継続的に寄付する方法があります。
そのほかにも、バリューブックスを通じて本やDVDによる寄付や、チャリティラン&ウィークといったイベントも行ってます。
情報発信も積極的に行っているので、「日本にいる難民ってどんな人?」と思った方は、サイトをご覧になってみてください。