食べ物・食料を支援するには?コロナ対策の寄付やフードバンクへの寄贈など選び方

食べものがなくて苦しんでいる方に、食事を届けたい。
栄養不良に陥っている子どもたちに、お腹いっぱい食べさせてあげたい。
 
そんな「食」を通じた支援をされたい方のために、現物の寄贈やお金の寄付などいくつかの方法をお伝えするとともに、「食」をテーマに取り組んでいる団体や活動をピックアップしました。

食料品の現物を、日本の困っている方へ届ける

「やむを得ない事情で廃棄予定の、食料品がある」
「まだ安全に食べられるけど、余ってしまった加工食品を寄贈したい」
「貯蔵していた防災備品でよければ、役立ててほしい」
 
まだ食べられるのに、さまざまな理由で処分されてしまう食品を、食べ物に困っている施設や人に届けたい。

そんな事情を抱えた食品企業や外食産業、個人の方などにお勧めしたいのが、「フードバンク」を通じた食料品の寄贈です。

フードバンクとは?

フードバンク(英: Food bank)とは、包装の傷みなどで、品質に問題がないにもかかわらず市場で流通出来なくなった食品を、企業から寄附を受け生活困窮者などに配給する活動およびその活動を行う団体。
Wikipedia「フードバンク」より)

従来は廃棄されていた食品を活用して、生活困窮者やホームレス、児童養護施設の子どもなど、食べ物を必要としている方に支援が届くのはよいですね。

ただし、「賞味期限切れなど品質に問題のある食品は対象としない」(Wikipediaより)ということで、古い食料品を持っている方は注意しましょう。

日本初のフードバンク、セカンドハーベスト・ジャパン

このフードバンクを日本で最初に展開、最も大規模に展開していると思われる団体が、認定NPO法人セカンドハーベスト・ジャパンです。

食品製造メーカーや農家、個人などから、まだ充分食べられるにも関わらず、さまざまな理由で廃棄される運命にある食品を引き取り、それらを児童養護施設の子供たちやDV被害者のためのシェルター、さらに路上生活を強いられている人たちなどの元に届ける活動を行なっています。

食べ物の寄付のほか、お金の寄付、時間の寄付(ボランティア)、企業としての協力などさまざまな支援の方法が紹介されているので、ご覧になるとよいでしょう。

セカンドハーベスト・ジャパンWEBサイトより

その他にも、日本でフードバンクの活動をする団体が、農林水産省のWEBサイトで紹介されていました。(若干古いようですが・・)
お住いの地域の団体を探されている方など、こちらから探されてみてもよいかもしれません。

ひとり親に食品を寄付、グッドネーバーズ・ジャパン

認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパンは、低所得なひとり親家庭を対象に、食品の寄付を行っています。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、派遣やパートなど、非正規の仕事に従事しているケースが多いひとり親は、急な収入の減少に苦しんでおり、緊急の支援を必要としています。
(グッドネーバーズ・ジャパンWEBサイトより)

新型コロナの影響で仕事がなくなったシングルマザーから、「生きていたくない」など、悲痛な声も寄せられているそうです。
食品の寄付が家計の助けになることはもちろんですが、誰かが自分たちのことを気にかけてくれるという”安心感”も、一緒に届けることができます。

グッドネーバーズ・ジャパンWEBサイトより

お米やレトルト食品などの食料の寄贈のほか、お金の寄付で活動を応援することも可能です。
新型コロナの影響で困っているひとり親家庭の支援先を探されている方は、WEBサイトで詳しくご覧になってみてください。

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寄付金控除の対象団体です

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途上国の飢餓や栄養不良の改善に、お金を寄付する

一方、アフリカやアジアの途上国など、遠い国で起こっている飢餓や栄養不良といった問題には、食べ物を直接に送るのは難しいもの。

そこで有効なのが、現地で活動をしている団体にお金を寄付して支援することです。
国際NGOで有名な3つの団体を、ピックアップしました。

国連WFP協会

世界ではおよそ8億人、9人に1人が飢餓に苦しんでいるそう。
特に、小さな子どもたちにとって「食べものがない」ことの悪影響は深刻です。
  • 5歳以下の子どもの4人に1人が慢性的な栄養不良の状態に
  • 世界の5歳未満の死亡原因の約半数は低栄養に起因
    (国連WFP協会WEBサイトより)

そんな“飢餓”を世界からゼロにすることを目指して、「災害や紛争時の緊急支援」「栄養状態の改善」、「学校給食の提供」といった活動を行なっているのが、国連WFP協会です。

国連WFP協会HP

アフリカやアジアなど毎年平均80ヵ国で、女性や子どもなど8,000万人に食糧支援を行っているとのこと。
毎月3,000円の寄付を1年間続けると「乳幼児の栄養不良を防ぐ栄養強化ペーストを75個届けることができる」そうです。(引用:国連WFP協会

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ユニセフ

子ども支援で有名なユニセフも、「世界中で1,600万人」と呼ばれる栄養不良の子どもたちの命を守るため、「治療食や医薬品の提供」や「定期的な発育観察や栄養指導」といった活動をしています。

ユニセフWEBサイトより

ナイジェリアの難民キャンプで、何日も食事らしい食事をとれていなかったウマラ(生後7ヶ月)は、体重が4.2kgしかない重度栄養不良に陥っていたそう。
「1日3袋の高エネルギー治療食による栄養治療」によって、体重も1kg近く増えて回復した、というエピソードは、心にずしりと感じてしまいました・・

彼のような重度栄養不良の子ども一人あたりの治療にかかる費用は、約18,000円。
1回1回のユニセフ募金のほか、毎月の寄付で継続的に支援する「マンスリー・サポートプログラム」も募集しています。

  • 月2,000円で、高エネルギー食59袋分
  • 月3,000円で、予防接種用ワクチン111回分
  • 月4,000円で、体重計2台

を届けられるとのこと。
2017年には、400万人の子どもが重度の急性栄養不良の治療を受けられたそうです。
組織の規模を活かして、スケールの大きな支援へと変わるのがメリットですね。

ユニセフ募金の使われ方が気になっていた私が、マンスリーサポートで寄付を始めた3つの理由

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セーブ・ザ・チルドレン

同じく、「世界の子どもを支援する」ために活動する国際協力NGOが、セーブ・ザ・チルドレンです。

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン WEBサイト

1919年、イギリス人エグランタイン・ジェブによって設立されました。
彼女は第一次世界大戦で荒廃したヨーロッパで、敵味方を超えて、栄養不良に苦しむ敵国の子どもたちの支援に取り組みました。

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン WEBサイト

現在、東南アジアでは、特に少数民族の子どもとその母親の健康状態の改善が課題となっています。

例えばベトナムでは、母親やその家族に対する保健教育や、医療スタッフに対する研修を通じた能力強化、必要な医療器材の提供などを実施したそうです。

セーブ・ザ・チルドレンも、月1,500円〜の寄付で活動を応援する「SCサポート」を募集しています。

セーブ・ザ・チルドレン「SCサポート」を申し込む前にチェックした、寄付の使い道と3つのポイント

「100年以上、一貫して子ども支援に取り組んでいる団体だから信頼できる」
こんな風に感じた方は、支援を検討されてみてはいかがでしょうか。

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「子ども食堂」など、食の支援では新しい取り組みも

「食べ物」や「食料」「食事」といった分野での、寄付を通じた支援について、これまで以下の2つの方法をお伝えしました。

  • 食べ物の現物を届ける:日本国内のフードバンク
  • お金を寄付する:アフリカやアジア等で活動する、国際的な食糧支援機関

これら以外にも、「食」をテーマとした新しい支援の方法が広がっているので、最後に紹介しますね。

TABLE FOR TWO

「世界の約70億人のうち、約10億人が飢餓や栄養失調の問題で苦しむ一方で、20億人近くが食べ過ぎが原因で肥満状態にある」
この深刻な食の不均衡を解消するため、2007年に日本で創設されたのが、TABLE FOR TWOです。

TABLE FOR TWO ウェブサイトより

ウガンダ・ルワンダ・エチオピア・ケニア・タンザニアの子どもたちに、学校給食を提供してるのですが、ユニークなのが支援の方法です。

TABLE FOR TWOプログラムは、対象となる定食や食品をご購入いただくと、1食につき20円の寄付金が、TABLE FOR TWOを通じて開発途上国の子どもの学校給食になります。
20円というのは、開発途上国の給食1食分の金額です。つまり、先進国で1食とるごとに開発途上国に1食が贈られるという仕組みです。

自分もヘルシーな食事をとることで、自動的に開発途上国の子どもへ学校給食をプレゼントできる。

そんな分かりやすさと楽しさが話題を呼び、参加企業・団体数は700を突破。
アメリカをはじめスイス、ドイツなどヨーロッパの国々、香港やサウジアラビアなど14カ国に広まっているようです。

子ども食堂

子ども食堂とは、「地域住民や自治体が主体となって無料または低料金で子どもたちに食事を提供するコミュニティの場」(認定NPO法人カタリバWEBサイトより)のこと。
2012年頃に始まってから、今や全国に150箇所以上も広がっているそうですが、その背景にあるのは「子どもの貧困」です。

子どもの貧困世帯はひとり親の家庭が半数を占めており、孤食も併せて問題として取り上げられるようになりました。(中略)
過去1年間に経済的な理由で家族が必要とする食料が買えなかったという経験を持つ世帯は14.8%という結果がでています。

子ども食堂の多くは無料で利用できる(有料の場合でも100〜300円という利用料が大半なため安価な料金)ため、寄付やボランティアによって支えられています。
寄付をするときの注意点などは、こちらのページに詳しく載っているので、ご参考にされるとよいでしょう。

さまざまな形がある「食べ物」「食料」の支援ですが、あなたのお考えに合う団体や活動が見つかることを祈っております。

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