「子どもの貧困」を支援したい!と思った方のために、現在活動中の主な支援について解説します。
「どんな種類の支援の方法をどのような団体がしているの?」
「その支援はいったいどのような状況の子供たちに届くの?」
「具体的に自分はどのような支援ができるのか?」
という疑問に答えます。
目次
支援の方法は、食事の提供や教育・福祉などさまざま
NPOなど支援団体では、子どもの貧困対策として、主に食の支援、教育の支援、体や心を守る支援をしています。
様々な違った方法で、子供の貧困を支援する団体を一例としてピックアップしてみました。
それ以外でも、子どもの貧困対策に取り組んでいる団体を「子供の未来応援国民運動」のサイトで探すことができます。
食事・食べ物の支援
子どもの貧困で、健康や生命にかかわる重要な課題が食です。
定期的に食品を配付
たとえば「グッドネーバーズ・ジャパン」では、貧困を抱えているひとり親家庭を対象に、食品の寄付を行っています。
東京都で支援をスタートし、現在は東京都以外に大阪府などへも活動を広げているそうです。
「子ども食堂」で食事を提供
「子ども食堂」は子どもが1人でも安心して、栄養のバランスの取れた食べ物を無料か低額で食べに来れるつどいの場です。
草の根活動から全国に広がっていき、特にまとめ役はいないので形態は様々。
週に数回〜月1回くらいの割合で、全国の公共施設、個人宅、私営カフェやショップなどで開催。
地元の有志が集まり、食材を調達して、独自の運営をしているようです。
教育や学習の支援
貧困する子供の主な教育支援は、勉強を無償で教える支援と、学校外での学習費用を提供する支援があります。
学校外での教育費用の負担
たとえば「チャンス・フォー・チルドレン」は、子どもたちが行きたい塾や習い事に通えるように、提携スクールで使えるクーポン券を提供するかたちで学ぶ費用を支援しています。
勉強などを教えるサポート
たとえば「カタリバ」では、小学生から大学生まで、放課後学校の運営や出張授業を行い、塾の代わりになる学習支援をしています。
虐待防止など福祉の支援
子どもたちを虐待から守るための支援は、事前回避や現状対策が行われています。
「子どもを育てられない」を回避
たとえば「フローレンス」では、予期せぬ妊娠により産まれた赤ちゃんを、生まれる前に特別養子縁組をして、妊婦や育ての親を支援をしています。
貧困、性犯罪の被害など様々な事情を背負い、相談できずに孤立した女性が、自宅や公園のトイレで出産を迎えてしまう。
そんな信じがたい悲劇が、今この日本で起きています。(出典:フローレンスHP)
親の貧困・予期せぬ妊娠による社会的孤立など、困難を抱える妊婦の相談を受け付けているそうです。
虐待への相談
たとえば「3kyes」では、虐待などをされても、頼れる人がいない子どもからの相談を受けています。
解決に向けて、アドバイスや支援をしているようです。
裏切られる辛さを思ったら「どうせこの人もいなくなるんだ」と先回りして考えて、自分の心を防御するために心を開かない。だから、子どもは単に拒絶しているわけではない。それをしっかり信頼関係をつないでいかないと、すれ違いで残念なことになってしまいます。
(出典:「もっと大人を信じてもらえる社会に」虐待・貧困の子どもを支える3keys-HUFFPOST)
行政では、「児童相談所」も同様の対応をしています。
「ひとり親」はじめ貧困家庭や、児童養護施設の子ども等をサポート
貧困する子どもたちは、どこにいる、どのような子たちなのでしょうか?
大別すると3種類の環境のもとに貧困の子どもたちがいます。
ひとり親家庭(母子・父子家庭)
親が死別、離婚、蒸発をして、父か母のひとり親に育てられる子どもです。
普段の食事は、ホットケーキの粉を水だけで溶いて焼いたものだったり、乾麺タイプのうどんを茹でたりしたものが中心です。
ご飯は二日に一回2合炊いて、2人の子供に食べさせ、残ったら自分も食べる(中略)
調味料を買うおカネがないので、(中略)ここ4年で一度しか買ったことがありません。(中略)
子供におなかいっぱい食べさせてあげたい……それが一番の望みです
(出典:【一例】2人の子どもがいるとある母子家庭の母親の話 – フライデー 5月28日号)
親を亡くした子どもや児童養護施設に通う子
事故、病気、震災などで両親を亡くした孤児や、両親に虐待や育児放棄などをされて児童養護施設に通う子どもです。
ある孤児は、父が津波にのまれながら自分の名前を叫んだ場面を語り、「引き取られた親戚に虐待されて家出した」と明かした。
(出典:【一例】震災孤児で現在は里親に育てられている子供 – 朝日新聞)
児童養護施設は(中略)「虐待された子どもが行く場所」と思われていることも多いかと思うのですが、保護者が子育てに困っているとか、経済的な面で余裕を持って子育てができないとか、入院しているとか、施設に預けられる事情も本当に様々です。
(出典:父親はいたが、乳児院・児童養護施設で18歳まで生活した方の話 – UMU)
その他の貧困家庭
両親がいても、病気だったり、職に就けなかったり、フルタイムで働いていても低収入だったりして、食事や学費が不足する貧困状態にある家庭の子供たちです。
この他、貧困はしていないけれども前述した支援団体では以下のような子供たちも支援しています。
- 両親が共働きなどの不在で、簡素な食事や孤独な食事をする子ども
(みんなで出来立ての食事をするのは、ドラマの中だけと思っている子供に食事を提供) - 塾の費用を捻出しにくい家庭の子ども
(貧困層に近い家庭や予備軍の子どもに教育指導) - 両親にあまりかまってもらえない子ども(食事の提供や心のケア他)
- 学校や家庭などの環境に馴染めない子供(相談にのる)
ボランティア・寄付など、私たちができること
前述の団体の支援関連ページを見ると、様々なかたちの支援を求めていることがわかります。
ボランティアなどで参加
ボランティアに関しては、常時参加を呼びかけている団体が多いです。
子供の貧困関連では、前述のNPOや自治体で次のようなボランティアを募集しています。
- 食事を作る
- 食材の調達・梱包・分配をする
- 食べる場所(憩いの場)を貸す
- 勉強を教える
- 心のケアをする
- 運営の企画手伝いをする
- 啓蒙宣伝活動をする
その他、コンピューター関連の知識などの特殊技能や知識があれば、子どもの貧困対策を支援している団体システムを裏方として支える、といったようなボランティアもあります。
社会人のプロボノと呼ばれる、自分の専門分野や技能を生かした、社会貢献ボランティアがその一例です。
学生なら、インターンを受け付けている団体もあるので、専攻分野や、興味・得意分野で仕事を手伝うことも可能です。
寄付によるお金の支援
自分に時間や体力がなくても、お金で食べ物やほぼ全ての労力が買えるので、寄付をして支援することが可能です。
寄付は全ての団体が常時受付中。
どの子どもの貧困分野に支援したいのか、どの団体が良いのか、どこと自分は合うのか、などを考慮して検討されるとよろしいと思います。