(出典:ワールド・ビジョン・ジャパンHP)
日本に住んでいるとイメージが湧きにくいのですが、世界には「スラム街」と呼ばれる場所が数多くあります。
スラム街とは、都市の一部に過度に人口が密集し、そこがさまざまな理由で荒れ果て、多くの問題を抱えるエリアを指します。
スラム街では公共サービスも受けられず、治安が悪く危険であり、不衛生なため病気にかかりやすいなど、命の危険とも隣り合わせです。
本記事では、スラム街で暮らす方々に支援を行う団体を紹介します。
スラム街がどのような状況なのかも含め、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
貧困・教育問題に取り組むため、バンコクのスラムで図書館を運営(シャンティ国際ボランティア会)
シャンティ国際ボランティア会は、アジアの7地域で教育文化支援を行う、日本発の国際NGOです。
1981年に設立され、学校建設や図書館整備など、教育文化にまつわる支援を幅広く行なっています。
東南アジアのスラム街では、学校に行ったり、本を読めるのが当たり前の状況ではありません。
例えばタイでは、貧困ゆえに働かなければならない子どもも数多くいますし、公教育の整備が不十分の地域も多くあります。
本どころか、絵本すら読んだことのない子どもも珍しくないのが現状です。
読書習慣がなく、文字の読み書きができないまま成長すると、子ども達の将来の道が狭まってしまいます。
その結果、よい仕事につくことが難しくなり、困難な状況から抜け出せないまま負の連鎖が起きてしまいます。
シャンティ国際ボランティア会では、
- 学校建設や図書館運営、移動図書館などの場づくり
- 絵本や紙芝居の出版、読み聞かせなど本を読む機会の提供
- 学校教員や図書館員の育成
- 移動図書館車を通じた読書推進活動
など、包括的な教育文化支援活動を続け、スラム街で暮らす子どもたちにも本を読む機会を提供する活動を行なっています。
活動内容 | 学校建設、図書館の運営、子どもへの読み聞かせなど |
活動地域 | アフガニスタン・カンボジア・ミャンマー・ネパールなど |
支援対象 | 遠方や少数民族など、教育格差に苦しむ子どもたち |
寄付の使途 | 学校建設や教員育成にかかる費用、災害の緊急支援など |
運営団体 | 公益社団法人シャンティ国際ボランティア会 |
子どもたちが学校や図書館に通い、生きる力を身につけ、卒業する。
教育支援には長い時間がかかります。
あなたの継続的なご支援が、
子どもたちに教育を届け続けるための大きな力になります。
シャンティ国際ボランティア会HP
月2,000円の寄付を一年間行うことで、移動図書館活動を12回実施できます。
図書館のない地域であっても、さまざまな場所で暮らす子どもたちに、本を読む機会を届けられるのです。
実際に、アジアの図書館サポーターを始めた体験談も、よかったらお読みください。
困難な状況にいる子どもたちに、本を読むワクワク感を感じてほしい……そう感じる方は、ぜひ支援を検討してみてください。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
不衛生な環境に暮らす子どもたちを守るため、インフラ整備や仕組み作りを(ワールド・ビジョン・ジャパン)
ワールド・ビジョンは、アメリカ生まれのキリスト宣教師ボブ・ピアスにより始められた、人道支援や開発援助を行う国際NGO団体です。
貧困や紛争などにより困難な状況で生きる子どもたちに向けて活動しています。
途上国の都市には、低賃金で暮らす人たちの住むスラム街が多くあります。
そもそも衛生環境が脆弱な途上国の中でも、スラムはとくに不衛生な状況で、リスクの高い生活をせざるを得ない状況です。
トイレや水浴び場を所有する家庭はほとんどなく、少ない数の衛生設備を大勢の地域住民で共有しています。
2つのトイレを30家族で使うケースもありますが、維持管理の知識や理解が乏しく、し尿等が未処理のまま排水溝に流れ込みます。
雨が降ると汚水が家の中に入ることもあり、汚れた水に起因する下痢性疾患で、命を落とす子どもたちがいます。
ワールド・ビジョン・ジャパンHP
ワールド・ビジョンでは、子どもたちを病気から守るため、衛生改善事業を行っています。
例えば、バングラデシュの都市スラムでは、
- 「子どもグループ」を結成して、手洗いの重要性等意識を醸成
- 地域内のゴミの管理・収集・費用について研修を実施
- 地方行政の担当者と協議して、ゴミ収集のスケジュールを設定
- 子どもたちの学校に手洗い場所を設置、衛生習慣の定着を図る
- 地域内のトイレや排水溝を修繕
など、啓発活動やシステム作り、インフラ整備の支援を行っています。
活動内容 | 子どもの教育支援・貧困支援など |
活動地域 | アフリカ・東欧・中東・アジア・中南米エリアの約40カ国 |
支援対象 | 貧困、紛争、災害で苦しむ子どもたち |
寄付の使途 | 子どもたちの支援活動全般 |
運営団体 | 認定NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン(日本窓口) |
手が汚れたら手を洗えること。
そしてきれいな水を飲めること。
私たちが当たり前のようにできていることが、当たり前でない環境が世界中にあります。
ワールド・ビジョンのチャイルド・スポンサーシップで支援を行うことで、子どもを取り巻く「社会」の改善へ繋げることができます。
サポートする子どもとは手紙のやりとりができるので、子どもがイキイキとしていく様子も実感できるのではないでしょうか。
なお、支援するチャイルドの住む国や地域によっては、支援金がスラム街ではなく農村部での必要な活動に使われることもあるので、注意が必要です。
子どもたちが安心して暮らし、学び、夢を見ていくために、ぜひ支援を検討してみてください。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
困難な状況に置かれた子どもたちが通う幼稚園で、教育支援や給食、医療支援を(グッドネーバーズ・ジャパン)
国際NGOグッドネーバーズ・ジャパンは、国内外で貧困家庭への支援活動を行う認定NPO法人です。
教育や医療のほか、栄養改善や所得向上の支援など、多角的な取り組みを行っています。
世界には、困難な状況におかれた子どもたちがたくさんいます。
発育不良と推定される子どもたちの数は1億人以上にのぼるそうです。
たとえば、グッドネーバーズの活動する国エチオピアでは、今だ半数近くの人々が安全な水を得られない状況で、さらに児童労働や人身売買などの問題も深刻です。
エチオピア・プロジェクトでの事例を紹介します。
フレイウォットちゃんのお父さんは、お母さんが仕事で足を怪我した後、2人を置いて家を去って行ったので、お母さんと二人で暮らしています。(中略)
この家で、お母さんがゴミ捨て場から集めてきたモノで生活をしていました。衛生的にも大変悪い環境です。雨が降れば、家の床か水浸しになってしまいます。そこにお母さんと二人で、寝ていました。
グッドネーバーズ・ジャパンHP
グッドネーバーズでは、定期的な健康診断や学校での給食の提供のほか、幼稚園の運営などを行っています。
フレイウォットちゃんも、この幼稚園に通う子どものひとりです。
幼稚園では、初等教育就学年齢に達しているのにもかかわらず貧困などの理由から小学校に通えなかった子どもたちに、文字の読み書き、簡単な計算、生活に必要な基礎知識などを指導しています。
それだけではなく、栄養不足の子ども達への給食事業、定期的な健康診断や保健医療サービスも実施しています。
メルカム幼稚園に通う子ども達は、非常に貧しい家庭で育っているため、家では食事をとれないことも多くあります。 子ども達が健やかに成長するため、栄養のある食事を提供することが大事です。
グッドネーバーズ・ジャパンHP
活動内容 | 子どもたちと居住地域の貧困状況の改善サポート |
活動地域 | インド・カンボジア・ネパール・バングラデシュ・エチオピア・チャド・モザンビーク |
支援対象 | 家庭の経済状況や家族構成などを考慮して、活動国で最もサポートを必要としている子ども |
寄付の使途 | 文具提供・健康推進活動費・浄水器の設置など |
運営団体 | 認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパン |
グッドネーバーズ・ジャパンの「子どもスポンサーシップ」には、月1,000円から参加することができます。
たとえば1,500円の支援を1年間続けると、11人の子どもの1ヶ月の学校給食になります。
子どもスポンサーシップとしての寄付金は、「きれいな水や衛生的なトイレの整備」「栄養のある食事や、健康診断・ワクチン接種による健康推進」「学校に通えるようにするための支援活動」などに活用されますので、地域全体の環境改善に役立ちます。
子どもたちと、子どもたちを取り巻く環境をよりよいものにしていくため、寄付を検討してみてはいかがでしょうか。
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寄付金控除の対象団体です
本記事では、スラム街で暮らす方々への支援を行う団体を紹介しました。
やむなくスラム街で生活する子どもや家族、あらゆる人々が、より安全で安心できる生活ができることを祈っています。
そのために、私たちもできることから行動を始めてみましょう!