なぜ難民支援が必要なのか?「遠い国の他人ごと」ではない理由と、私たちにできること

難民問題はニュースでよく見かけるけど、遠い国の話だし、自分にできることなんてあまりに微力で意味がないと感じていませんでしょうか。
そんなことはありません、難民問題は深刻さを増していて、世界中の人々のサポートを必要としています。

深刻化する難民問題の現状

難民問題はかつてないほど危機的な状況にあるため、国際社会は新しい支援の枠組みをつくり、あらゆる人たちの力を合わせて事態に対処しようとしています。

難民問題の現状

まずは、現在の難民問題の深刻さを確認しておきたいと思います。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の報告によると、2017年末時点で住んでいた土地を追われ、国境を越えて逃れた「難民」は2,540万人にのぼるとされています。
この人数は2012年からの5年間で1.5倍に急増しています。

また、国境を越えない国内避難民約4,000万人と庇護申請中の310万人を併せると、約6,850万人、日本の人口の半分以上の人々が紛争や迫害等の理由で移動を強いられています。

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国際社会が直面している課題

難民問題はかつてないほど危機的な状況にあるため、国際社会は新しい支援の枠組みをつくり、あらゆる人たちの力を合わせて事態に対処しようとしています。

負担の偏り

難民受け入れの負担が一部の国、特に発生国の隣国に偏っていることは大きな課題の一つです。

UNHCRの報告によれば、2017年末時点で、難民受け入れの上位10ヵ国で、全世界の難民の63%(約1,250万人)を受け入れているとされています。

資金不足

支援の必要性は認知されているものの、発生する難民問題の範囲や規模の拡大、長期化や複雑化に対し、リソースが著しく不足しています。

それを示すデータの一つとして、ここ数年、難民支援を専門とするUNHCRは、活動資金として必要な額の半分〜60%弱しか調達できない状態が続いています。

参考

大幅な資金不足の犠牲となる難民国連UNHCR協会 HP


なぜ私たちが難民を支援するのか

新しい支援の枠組み「難民に関するグローバルコンパクト」

上記のような状況を打開するため、2018年12月に「難民に関するグローバルコンパクト」という新しい国際的な取り決めが国連総会で採択されました。
これは難民を取り巻く状況を改善し、難民の保護や自立を促すために世界中が負担を分担して、公正かつ公平な社会の実現を目指すものです。

参考

難民に関するグローバル・コンパクト国連UNHCR協会 HP


そして、難民に関するグローバルコンパクトには、冒頭の問いかけの答えが示されています。

難民問題は遠い国の他人事ではない

このグローバルコンパクトには以下のような4つの目的が掲げられています。

  1. 難民受け入れ国の負担を軽減する
  2. 難民の自立を促進する
  3. 第三国における解決策へのアクセスを拡大する
  4. 難民の安全かつ尊厳ある帰還に向けて、出身国の状況整備を支援する

目的の3つ目にある第三国とは、難民の出身国でも最初に逃れた先でもない国を指します。

つまり地理的な近さ、遠さにかかわらず、積極的に負担を分担することが求められているのです。

日本にいる私たちも、難民支援機関や団体への資金的なサポートや、自国への受け入れの拡大などを真剣に考えていかなくてはなりません。

難民支援は人類共通の課題

また、このグローバルコンパクトでは難民支援において国際社会が取るべきアプローチとして以下の4点が示されています。

  1. 多様なステークホルダーのかかわり
  2. 革新的な人道支援 ~民間セクターとの連携、多様な投資形態など
  3. 包括的なアプローチ ~人道支援と開発援助の連携など
  4. 長期的な解決策の計画/出身国・受け入れ国・第三国の責任と国際社会による支援

第一として「多様なステークホルダーのかかわり」が挙げられており、国だけでなく、企業や地方自治体、市民社会や市民団体についても明記されています。

つまり、「遠い国の話として他人事にせず、市民一人一人もそれぞれができる範囲で関わっていくことで、解決に向けて進んでいきましょう」と呼びかけているのです。

私たちにできることは?支援団体の活動とかかわり方をチェック

では、具体的には私たちに何ができるでしょうか。

まずは難民問題に取り組んでいる団体のホームページにアクセスすることをオススメします。

そうすると、活動団体だからこそ発信できる現場の情報などが得られ、難民問題に関する理解をより深めることができます。

また、最初の一歩としてホームページからその団体の活動をサポートするための寄付ができます。

さらに、寄付だけでなくイベント情報やボランティアの機会など、もう一歩主体的に取り組むためのきっかけも得ることができます。

というわけで、以下3つの団体を紹介します。

支援団体1:認定NPO法人 難民支援協会(JAR)

難民が新たな土地で安心して暮らせるように支え、ともに生きられる社会を実現する。をミッションとして掲げる団体です。
日本における難民申請の支援から、申請者の生活支援や医療支援、難民の自立やコミュニティへの参画支援など、幅広い活動を展開しています。
また、制度の改善を求める政策提言なども行っているため、ホームページでは制度的な課題がわかりやすく解説されています。

実際に「難民スペシャルサポーター」として支援された方の記事もありますので、そちらも参考にしてみてください。

難民支援の寄付先を選ぶなら?私が「難民スペシャルサポーター」になって、毎月の募金を始めた3つの理由

支援団体2:NPO法人 WELgee(ウェルジー)

「ともにカラフルなセカイをつくる」を合言葉に、難民の社会参画を促す取り組みを行う団体です。
主な活動は以下の3つです


難民申請者が日本社会へと繋がるための対話の場である「Talk with」、

緊急で住む場所を必要とする難民申請者を迎え、次への一歩を一緒に考える「Live with」、

そして働くことを通じて自らの専門性や経験を生かす「work with」

の3つの柱で事業を展開しています。


出典:WELgeeホームページ

定期的に開催されているWELgeeサロンには、筆者も一度参加したことがあります。
実際に難民の方と会って話すというのは、理解のためには一番の近道だと実感できた貴重な機会でした。

支援団体3:認定NPO法人 難民を助ける会(AAR Japan)

1979年にインドシナ難民を支援するために、政治・思想・宗教に偏らない市民団体として設立された団体です。
難民が最も困難に直面する、国境を越えてすぐの難民キャンプや難民居住地における活動を中心としています。
難民が国境を越える際に被害に遭いやすい「地雷」の問題や、地雷被害者をはじめとする「障がい者」の支援にも力を入れています。

参考

日本生まれの国際NGO AAR Japan難民を助ける会 HP


最後に:小さな支援の積み重ねが大きなサポートになります

難民問題を知れば知るほど、規模が大きすぎて自分にできることの小ささを感じてしまうこともあるかもしれません。
ですが、私が以前お話を聞いたことのあるNPOの方はこのように語られていました。

「私たちは微力かもしれないが無力ではない」

あのイチロー選手も引退会見で「小さなことを積み重ねること」の大切さを語ってましたよね。

ぜひ、小さくても確実な一歩を踏み出してみてください。

難民支援の寄付先を選ぶなら?

> 私が「難民スペシャルサポーター」になった3つの理由