(出典:J.POSH HP)
乳がんの啓発運動の象徴「ピンクリボン運動」は、多数の団体が行っています。
そのうちの一つ、認定NPO法人J.POSH(日本乳がんピンクリボン運動)は「ピンクリボン基金」を設け、乳がん検診の推奨、乳がん患者やその家族の支援活動をしています。
「ちゃんとした団体なの?」「寄付で応援して大丈夫?」
そんな疑問を持つ方のために、ピンクリボン基金の評判や口コミ、支援先として検討する時にチェックしたい3つのポイントをまとめました。
目次
ブログやSNSで見つかった「ピンクリボン基金」の評判·口コミ
「ピンクリボン基金」について、ネット上で検索したり、ソーシャルメディアで探したりしてみると、さまざまな書き込みが見つかりました。
ポジティブな評判·口コミや、支援者からの応援メッセージ
まずはポジティブな評判から。
さまざまな支援方法で寄付をしている方々が、次のようにメッセージをつづっています。
ちいさな花屋さんで可愛らしいピンクのポインセチアを見つけました?
なまえは❛プリンセチア❜
ピンクリボン?基金に売り上げの一部が寄付されるそうです。可愛らしい色に惹かれて買ったのですが、ささやかな寄付になると知って、とても気分の良い一日になりました?
今年の秋もまた、
ピンクリボンチャリティーパーティー?オペラとバイオリンを聴きながら、
そしてみんなと大笑いなステキな夜でした♡自分らしく人生を楽しむ人たちのコミュニティが大好きです?
今年もピンクリボン基金のシャツ買おうかな #wwe_jp
— 渡邊将志@大英帝国の爆弾貴公子 (@dkid1130) October 23, 2014
有名な個人のサポーターとしては、タレントの山田邦子の講演会告知がfacebookに掲載されていました。
団体では、ワコールなどの企業が支援しているようです。
寄付をした個人や団体は年度別に掲載されていました。
ネガティブな評判·口コミや、活動への批判·疑問
「ピンクリボン基金」一団体を名指しした、疑問や不安などネガティブな批判は見あたりませんでした。
ただし、他の団体も行っている「ピンクリボン運動」自体へのものは、次のような口コミを見かけました。
ピンクリボン運動て発祥地の米国ではすっかり評判が良くない(活動で得た収益の使い道がはっきりしない…というか、十中八九主催者個人の懐に入っているようだ、との理由で)のだが、日本のはあまり関係ないのかな。
— 蜜蜂を弄ぶ (@liyehuku) October 1, 2015
(出典:米国本拠でのお金の使い道と不評を気にする方 – twitter)
【朝日がん大賞に山下俊一さん 被曝医療に貢献】なんじゃこりゃ。がん普及大将・山下俊一サン、被爆普及医療に貢献・・・の間違いじゃないのガク((( ;゚Д゚)))ブル 今後ピンクリボンには一切寄付しない!乳がん撲滅は他の団体に賛同する。 http://t.co/1N0um6M
— 清水喜美子 (@seesaw_tw) September 1, 2011
(出典:医師の報酬増加運動に傾いていると思う方 – twitter)
例えば、乳がん予防、サポートの「ピンクリボン」。ピンクリボンのスポンサーになって、あのマークを商品につけるとよく売れるそうだ。あまり健康ではない食品なんかにもついているけど、ピンクリボンをサポートしている企業ということで、批判を覆い隠してしまっているらしい。
— 谷口輝世子KiyokoTaniguchi (@zankatei) April 29, 2014
(出典:企業に商用利用されていると思う方 – twitter)
支援先として「ピンクリボン基金」は信頼できる?3つのチェックポイント
このようにポジティブ・ネガティブな評判や口コミがありますが、実際はどうなのでしょうか?
寄付をするかの客観的な判断材料として、法人格、資金使途、活動報告の3つのポイントを押さえることが大切です。
以下にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
ポイント1:団体として信頼できるか?
- 2002年、「J.POSH」設立。
「ピンクリボン基金」や「日本乳がんピンクリボン運動」と命名した時期、法人格になった時期は掲載されていませんでした。 - 2014年、認定NPO法人として認定。
J.POSHは2014年3月20日付で、大阪市より「認定NPO法人」に認定されています。
ピンクリボン基金または奨学金まなびに対して、ご寄附くださる皆様には所得税、法人税、相続税などの税制上の優遇措置を受けていただくことができます。
認定NPO法人の認可は、以下のような審査や過程を経て受けることができます。
申請にあたっては、「年間100人以上の方から、3,000円以上の寄付を受けている」といった実績が要件となり、また経理財務や情報管理など管理体制の整備が求められます。
認定元の自治体(例:東京都)から、「適正な法人運営をしているか?」をチェックされ、十分に行っていないと更新(5年ごと)がされません。
NPO法人や一般財団/社団法人よりも、寄付金控除が認められている認定NPO法人や公益法人の方が、より適切に寄付金を管理をしている可能性が高いです。
ポイント2:団体の収支や寄付金の使途は、公開されているか?
「ピンクリボン基金」や運営団体「J.POSH」の会計報告と監査については、公式サイトのどこを見ても見当たりませんでしたが、内閣府NPOホームページ内の「NPO法人ポータルサイト」で検索したところ、「特定非営利活動法人J.POSH」情報が見つかりました(2021年5月11日現在)。
その中の「2021年度事業報告書等」から主な情報を拾ってみました。
- 収益 5,850万円
- 会費 0.3%
- 寄付金 75.5%
- 事業収益 24.1%
- その他収益 0.001%
- 費用 7,059万円
- 事業費 85.4%
- 管理費 14.6%
広報や宣伝に関する費用の記載はありませんでした。また、監査に関する情報も見つかりませんでした。
ポイント3:きちんと活動しているか?
J.POSHでは、以下の3つの活動を柱としていると掲載されていました。
- ”すべての女性”に対する啓発活動
- ”乳がん患者さん”に対する活動
- ”乳がん患者さん家族”に対する活動
(出典:理念)
具体的な一例としては、以下のような活動をしているようです。
- 啓発グッズ販売
- 啓発リーフレット、ティッシュなどの配布やポスター掲示の推奨
- ピンクリボン検定(自己学習ページ)
- 乳がん患者が利用できる温泉施設の紹介
- 出版物の作成販売
- 「ピンクリボンNEWS」で医療関係者向け情報提供や医師の研修、他
公式サイト内に、全体的な活動概要をまとめて見れる、年次活動報告のようなものは作成していないようです。
「NPO法人ポータルサイト」内の「特定非営利活動法人J.POSH」ページには年度ごとの事業報告があります。
2021年度は、J.POSH奨学金「まなび」を85名の高校生に支給。さらに、2022年3月に卒業する38名に特別給付(5万円)を支給しました。
また、働く女性が乳がん検診を受けやすくなるよう10月の第3日曜日を「ジャパン・マンモグラフィー・サンデー(JMS)」として、全国3,000の病院に休日診療を呼びかけ、実際に380の医療機関がJMSを実施したと記載がありました。
最新の活動情報を知りたい場合は、「ニュース一覧」や「facebook」で確認できます。
(出典:認定NPO法人JPOSH – facebook)
以上、「ピンクリボン基金」の評判や口コミ、寄付先として信頼できるかをチェックした内容を紹介しました。
寄付先の検討材料として、お役に立てば幸いです。
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