(出典:国土緑化推進機構HP)
学校や街頭などの募金活動でおなじみで、70年もの歴史を持つ「緑の羽根募金」。
現在は「緑の募金」という呼称で、公益社団法人「国土緑化推進機構」が運営し、「緑の募金法」に基づく緑化や森林整備をする団体への資金援助をしています。
その活動資金は、全額民間からの寄付。
「ちゃんとした団体なの?」「寄付で応援して大丈夫?」
そんな疑問を持つ方のために、緑の羽根募金の評判や口コミ、支援先として検討する時にチェックしたい3つのポイントをまとめました。
目次
ブログやSNSで見つかった「緑の羽根募金」の評判·口コミ
緑の羽根募金について、ネット上で検索したり、ソーシャルメディアで探したりしてみると、さまざまな書き込みが見つかりました。
ポジティブな評判·口コミや、支援者からの応援メッセージ
まずはポジティブな評判から。
さまざまな支援方法で寄付をしている方々が、次のようにメッセージをつづっています。
小学校の緑の募金で
次男坊がもらって帰った
#二十日大根 の種♡♡
植えて2日で芽が出てきて今日で4日目。
収穫出来たら次男坊がサラダを作ってくれるらしい
(出典:学校で子供が募金をしてタネをもらった方 - Instagram)
街にみどりがあふれますように!
#母校の子が駅前で募金活動頑張ってた
#思わず募金
#緑の羽根募金
(出典:母校生徒の募金活動で寄付した方 - Instagram)
日立駅で小さい子がやってた!
可愛かったから募金してきた~?
お花の種も一緒にもらった?
#緑の羽根募金
(出典:駅前募金をした方 - Instagram)
団体では、江崎グリコ、タマホームなどの企業や全労済などが支援しています。
ネガティブな評判·口コミや、活動への批判·疑問
その一方で、疑問や不安などネガティブな評判も、ブログやSNSで見つかりました。
(出典:強制的な寄付に疑問を持つ方 – twitter)
(出典:羽は実用的ではないと思う方 – twitter)
(出典:緑の羽は募金ではなく売っているように感じる方 – twitter)
支援先として「緑の羽根募金」は信頼できる?3つのチェックポイント
このようにポジティブ・ネガティブな評判や口コミがありますが、実際はどうなのでしょうか?
寄付をするかの客観的な判断材料として、法人格、資金使途、活動報告の3つのポイントを押さえることが大切です。
以下にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
ポイント1:団体として信頼できるか?
- 1950年、「国土緑化推進委員会」を結成し、「緑の羽根募金」運動開始。
- 1967年、「国土緑化推進委員会」が社団法人となる。
- 1995年、「緑の募金法」を政府が制定し、それに基づく活動をするようになる。
「緑の羽根募金」は「緑の募金」に改名。 - 2011年、公益社団法人となり、「国土緑化推進委員会」は「国土緑化推進機構」に改名。
公益社団法人国土緑化推進機構及び各都道府県緑化推進委員会は、寄附金について(中略)法人税、所得税及び個人住民税の優遇措置があります
(出典:税制上の優遇・顕彰制度)
公益財団法人は、以下のような審査や過程を経て、認可を受けることができます。
公益財団法人・公益社団法人:民間有識者からなる第三者委員会による公益性の審査(公益目的事業を行うことを主たる目的とすること等)を経て、行政庁(内閣府又は都道府県)から公益認定を受ける
もちろん、通常のNPO法人や一般財団/社団法人も、ほとんどの団体はきちんと活動をしているはずです。
しかし、認定NPO法人や公益法人の方が、より適切に寄付金を管理をしている傾向があると推測しやすいでしょう。
NPO法人や一般財団/社団法人よりも、寄付金控除が認められている認定NPO法人や公益法人の方が、より適切に寄付金を管理をしている可能性が高いです。
ポイント2:団体の収支や寄付金の使途は、公開されているか?
「緑の羽根募金」で集まったお金は、緑化や森林整備活動をする団体へ支援金として送られているようで、お金の流れは「緑の募金の仕組み」で図説されていました。
緑の羽根募金の資金の使い方は、ウェブサイト上の「数字で見る緑の募金」で公開されています。
令和元年度(2019年)の主な数値を拾ってみました。
支出の項目は、団体への支援金を公募の種類と事業別に分類したものです。
残った募金の使途についての説明は、見あたりませんでした。
- 募金額 21億円
- 支出 1.58億円
- 一般公募事業・森林整備 19.0%
- 一般公募事業・緑化推進 12.7%
- 一般公募事業・国際協力 27.8%
- 特定公募事業(国民参加による災害に強い森林づくり事業)・森林整備 10.8%
- 特定公募事業(国民参加による災害に強い森林づくり事業)・緑化推進 6.3%
- 子どもたちの未来の森づくり事業 23.4%
(出典抜粋・編集:令和元年度 緑の募金中央事業の実施状況)
「緑の羽根募金」の監査については、公式サイトでは触れていないようでした。
支援金を受け取った団体の中には、監査を個別で実施していて、監査報告を公開しているところも見かけました。
監査の基準は団体によって異なります。
埼玉県緑化推進委員会、静岡県グリーンバンク、公益社団法人高知県森と緑の会がその一例です。
ポイント3:きちんと活動しているか?
「緑の羽根募金」の活動の基本は、「緑の募金法」に則ったもので、国内外のNGOが行う森林整備や緑化の活動を支援することです。
2019年に支援した事業は、以下の通り。
- 地球温暖化防止や水源涵養等に資する森林の整備
- 東日本大震災や北海道胆振東部地震の被災地復興支援のための 海岸林再生、被災地域の学校緑化
- 子どもたちの森の学びの場となる森林づくり
- 災害跡地の復旧や災害に強い森林づくり
- 海外における砂漠化の防止や住民生活の向上に資する植林
(出典:平成年度 緑の募金事業 報告集)
その中から、具体的な事例をピックアップしてみました。
- 【森林の整備:横浜市】
企業ボランティア110人による間伐、下刈りなどの森林整備。 - 【緑化の推進:札幌市】
植えて育てる植樹等の森づくり活動、木と触れあい木を使う木育活動を実施し、1750人が参加。 - 【国際協力:フィジー・ビチレブ島】
15の学校及び周辺地域で植林活動及び実践的な環境教育を実施。
全体的な活動報告としては、「報告書」上に、年度別のプロジェクトの概要が記載されています。
個別プロジェクトの詳しい内容を知りたい場合は、都道府県の緑化団体や支援金を受けて活動した団体のウェブサイトなどから情報を得ることができます。
(出典:各地の取り組み)
以上、緑の羽根募金の評判や口コミ、寄付先として信頼できるかをチェックした内容を紹介しました。
寄付先の検討材料として、お役に立てば幸いです。
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