「子ども、特に女の子を支援する活動に興味・関心がある」
「アジアの貧困問題のために、何かアクションを起こしたい」
「できれば、同じ日本人が運営している、日本発祥の団体が知りたい」
こちらの記事は、このような想いをお持ちのあなたに、ぜひ読んでいただきたいです。
こんにちは、寄付ナビの鈴木大悟です。
今回ご紹介する寄付先は、認定NPO法人シャプラニール=市民による海外協力の会です。
私自身も、シャプラニールを毎月の寄付で応援するマンスリーサポーターとして活動を支援しています。
この記事を書いた人
鈴木大悟
収入の10%を寄付することを5年以上継続中。「あなたにぴったりの寄付先を見つけていただきたい」そんな想いから、ひとりでも多くの方へ寄付によって得られる幸福をお届けするために、このサイトを運営しています。
冒頭にご紹介したような想いをお持ちの方へ向けて、シャプラニールが執筆協力をした著書『わたし8歳、職業、家事使用人』(合同出版)を読んで、私が学んだことをお話ししたいと思います。
先に結論をお見せすると、以下の3つです。
今日この記事を開いてくださったことをきっかけに、家事使用人という児童労働の問題について理解を深めていただき、あなたも問題の解決のために何か行動を起こしていただければ幸いです。
目次
13歳で家事使用人になった少女、ベグンさんの過酷な運命
子どもたちが働いている、という児童労働の現実は、遠い国の悲しい物語ではありません。
日本から1日足らずで行ける同じアジアの国、バングラデシュで、今この瞬間に起きている問題です。
例えばベグンさん(16歳)は、家が貧しかったため、13歳の頃、近所のおばさんの紹介でお金持ちの家に連れていかれ、その家に住み込みで働くように言われました。
家事使用人は、掃除、洗濯、買い物、食事の支度、子どもやお年寄りの世話など、家の仕事を一手に引き受けます。
朝から晩まで週7日間、ほとんど休むことなく働き続け、決まった休憩時間はありません。
雇い主の家で寝起きをしているので、いつでも用事をいいつけられるのです。
ベグンさんも「それでも生きるためには仕方がない」と自分に言い聞かせて働いていたのですが、雇い主から性的ないやがらせを受けてしまいます。
13歳で雇い主に性的いやがらせを受けたベグンさん
雇い主が何度もベグンさんにいやらしいことをしようとしたので、耐えきれずお母さんにそのことを話し、仕事をやめて村に帰りました。
村に帰ってしばらくすると、親せきや村の人たちの間で、ベグンさんが「働いた家でレイプされた」というウワサが流れはじめ、村の人たちが白い目でみるようになりました。
そんな事実はなかったのですが、「火のないところに煙は立たない」とばかりに、ウワサが一人歩きし、両親さえもベグンさんを疑いの目でみるようになりました。
わたし8歳、職業、家事使用人 P.17,18
バングラデシュの農村では、結婚するまでの女の子の「純潔」を重視する人が多くいます。
女の子が性的被害に遭った場合、家族や親戚の間でウワサになり、被害者にも関わらず、村に居場所がなくなってしまうことがあるそうです。
本来であれば、ベグンさんは学校に通っている年齢です。
雇い主の子どもが学校に通い、休日には動物園や遊園地に行ったりと、たくさんの経験をしているのを横目に「なぜ私はこんな目に遭わなければいけないのか」と思うことでしょう。
家事使用人の少女にとって外で遊ぶことは切なる願い
ベグンさんは、村に居場所がないことに耐えきれず、家にあったお金を持ち出して家出し、路上でホームレスになってしまいました。
もう村には絶対に戻らない。
親も親戚も許せない。
今はひどい生活だけど、
私は誰の助けも借りずに、
こうやって一人で生きていくつもり……
ベグンさんの言葉は、やさしい口調や眼差し、かわいらしい顔かたちとは裏腹に、激しい怒りに満ちていました。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
『わたし8歳、職業、家事使用人』から、私が学んだ3つのこと
ここからは、この記事を書いている私が、本を読んで学んだことや感じたことを3つご共有します。
①バングラデシュで33万人の「みえない女の子」が家事使用人として働く
ベグンさんのような例は、けっして稀ではありません。
家事使用人は圧倒的に女の子が多いです。
家事使用人として働く子どもの中には男の子もいますが、ILO(国際労働機関)の調査によると、バングラデシュで家事使用人として働く18歳未満の子どもの数は約42万人で、78%が女の子とされています。
18歳未満で家事使用人として働く42万人に78%をかけてみると、バングラデシュ国内では約33万人、ダッカ市内だけで約11万5000人の女の子が家事使用人として働いていることになります。
これだけの数がいながら、家の中で働いているため、外の店や路上で働いている子どもとはちがい、人目に触れることなく、その実態もほとんど把握されていません。
この33万人の「みえない女の子」がバングラデシュの家事労働を担っているといえます。
※参考文献 Baseline Survey on Child Domestic Labour in Bangladesh (ILO,2006)
わたし8歳、職業、家事使用人 P.85
33万人と言うと、およそ東京都新宿区の人口と同じくらいです。(2023年現在)
私は、新宿の人混みを、バングラデシュの家事使用人の少女たちに置き換えて想像し、とても恐ろしくなりました。
また、学校に通わせなければいけない年齢の子どもを住み込みで働かせていることを隠そうとする雇い主もいて、調査をしてもきちんとした答えが返ってくるわけではありません。
そのため、家事使用人は「隠された」児童労働と言われています。
実態は、みえないままなのです。
②少女たちが家事使用人以外の人生を歩めるように、支援センターを開設
シャプラニールは、家事使用人として働く少女たちが、少しの間でも過酷な労働から解放されて、子どもらしい遊びや学びの時間を持てるように「支援センター」をダッカ市内に開設しました。
センターでは週5日、家事がひと段落する午後の数時間に、
- 学習支援:英語とベンガル語での簡単な読み書きと計算
- 技術研修:料理やミシンなど家事使用人以外の人生を歩むための支援
- 自由時間:ゲームで遊んだり歌や踊りのレクリエーションの時間
などのカリキュラムを通じて、女の子が自信を持つことができ、仕事の技術を上げて、家事使用人以外の人生を歩めるようになるための支援を行っています。
第1回スポーツ大会/交流会の様子ーシャプラニールHP
センターは学校に行っていない女の子が、同年代の女の子と遊んだり、学んだりして、自分の可能性を広げる場所です。
また、友だちをつくったり、センターのスタッフから愛情を受けることで、他人との信頼関係をはぐくみ、自己肯定感を育てていく場になっています。
わたし8歳、職業、家事使用人 P.98
少女たちにとって、家事使用人として雇われて働く以外の場所にも、居場所やコミュニティがあること自体が心の拠り所になるはずですし、人生は自分の力で変えることができるということを知るきっかけになると、私は思います。
③家事使用人として働く少女を児童労働から守るのは、今の私たちの行動
『わたし8歳、職業、家事使用人』を読んで、本のタイトルにあるような現実があることを私も知りました。
そして、より多くの人たちにこの家事使用人という児童労働の問題を知っていただきたい、シャプラニールの活動を詳しくお伝えしたいと思い、この記事を書きました。
世界には、家事使用人の女の子のように、人知れず苦しんでいる人がまだまだたくさんいます。
その存在を知ること、そして彼女たちの日常や苦しみに想像力を働かせることによって、助けるべき対象が、距離の近い・遠いや民族、宗教のちがいによって区別されることはなくなります。
大切なことは、知ることを通じて人びとの苦しみを理解しようとする「共感力」です。
わたし8歳、職業、家事使用人 P.125
あなたがスマホやパソコンの前にいるこの今も、バングラデシュで家事使用人として働く少女がいます。
しかし、それを止める力があなたにはあります。
私が学んだのは、「行動すれば、少女たちの未来を変えられる」ということです。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
活動を応援する方法は?月1,000円からの「マンスリーサポーター」
シャプラニールの活動にかかる費用は、支援者からの寄付によって賄われています。
その中でも、私が参加しているのが、毎月の寄付で支援するマンスリーサポーターです。
あなたもその一人として、寄付を始めていただけたなら、例えば以下のような支援を実現することができます。
- 月1,000円(1日あたり33円):家事使用人の少女たちのために読み書きの授業を30回行うことができます。
- 月1,500円(1日あたり50円):家事使用人の少女たちのために料理教室を18回行うことができます。
- 月3,000円(1日あたり100円):家事使用人の少女たちのために縫製の職業訓練を78回開催できます。
- ※ ご寄付金額は1,000円以上1円単位でお選びいただけます。上記は1年間続けていただいた場合にできることの例です。
また、マンスリーサポーターとして支援を始めると、
- 1ヶ月に2回:イベント情報等が分かる「支援者限定メールマガジン」の配信
- 1年に4回:最新の活動報告や南アジアの文化等をお伝えする会報誌「南の風」の郵送
- 1年に1回:海外の活動現場の様子をより詳しくお伝えするため直接「海外駐在員からお手紙」を郵送
などの特典があり、定期的に活動報告を受け取ることができます。
こちらの写真は、実際に頂いた会報誌「南の風」です。
2022年12月発刊の「南の風 vol.298」
表紙はバングラデシュ、サンタル民族の少女たち
マンスリーサポーターは、月々1,000円(1日あたり約33円)から、ご参加いただけます。
またシャプラニールへの寄付は、寄付金控除の対象です。
毎年1〜2月頃に、1年分の寄付金受領証明書(寄付の領収書)が郵送で届きますので、確定申告して頂くことで税金が一部還付されます。
2022年の寄付金受領証明書
実際に行動を起こし、マンスリーサポーターを始めた方が1,000人以上います。
ぜひ仲間の声を紹介させてください。
以前から寄付に興味を持っていたのですが、なかなかきっかけがありませんでした。
ある時期に病気になり、人工透析、移植手術を経て社会復帰することができたのですが、その間、たくさんの方に支えていただきました。
その後、自宅療養中にシャプラニールのホームページが目にとまり、色々なサポートの方法があるのだと気づきました。
たくさんの方に支えていただいたから、今度は誰かの支えになりたい・・と思いサポーターになろうと思いました。
ホームページに載っているキラキラとした素敵な笑顔の子どもや女性の写真を見る度に、サポーターになって良かったなと思います。(40代男性)
私も、2022年2月10日、28歳の誕生日にシャプラニールのマンスリーサポーターを始めました。
昨年に大病を患ったこともあり、平穏に誕生日を迎えられたことに心から感謝し、改めて児童労働の問題や世界の貧困問題の解決のために何かアクションを始めたいと思い、マンスリーサポーターになりました。
まだ1年弱と寄付を続けた時間は短いですが、隔週で届く支援者限定メールマガジンを拝読するたび元気と勇気をいただいています。
ぜひあなたにも、私にできること、その一歩を踏み出して頂けたら幸いです。
あなたの寄付が、家事使用人として働く少女たちの未来を変えます。
マンスリーサポーターの申し込みを検討される方は、ぜひシャプラニールのWEBサイトもご覧になってみてください。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
最後に:支援センターは私らしくいられる大切な場所
支援センターに通えるようになったことで、人生を変えたタスリマさん(15歳)の声をご紹介させてください。
私は新しい人生を手に入れました。
今は、支援センターのスタッフと雇い主の助けもあり、週に3日公立の学校に通うようになりました。
初めての登校日は私の人生で最も幸せな1日でした。支援センターでは、先生のサポートをするチャイルドリーダーとして子どもたちに勉強を教えています。
そこで得たお金で学費を払ったり、ノートやペンを買ったりしています。支援センターは私らしくいられる大切な場所。
シャプラニールHP
私はここで、夢を追いかけることができます。
あなたのご寄付を待っている家事使用人の少女がいます。
マンスリーサポーターとして活動を支える仲間になっていただけませんか?
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です