赤十字に募金する前に!寄付金・義援金の使い道や支援方法など、5分でチェック

(出典:日本赤十字社 寄付するページ)

「災害の発生」や「チャリティイベントをする」など、寄付をしたいときに、一般の方にとって思い浮かびやすい赤十字。

意外と知られていない「赤十字とは?」から、「義援金」「救援金」「寄付金」募金の支援先や使い道、口コミと評判、募金方法と金額の目安や税制優遇まで、解説します。

そもそも「赤十字」とは?

赤十字は、赤十字社と赤新月社を合わせて、世界191の国と地域に広がっています。
そのネットワークを生かして、どのような状況下でも人命を救うことを目的として活動する組織です。

赤十字とは?19世紀の戦争で、人命救護を訴え誕生

赤十字を設立したのは、スイス人の実業家で後の第1回ノーベル平和賞受賞者でもある、アンリー・デュナン氏です。

1859年、イタリア統一戦争で「4万人以上の死傷者が放置」されていた現場を見て驚愕。
人々に呼びかけて、負傷者を手当します。

「傷ついた兵士はもはや兵士ではない、人間である。人間同士としてその尊い生命は救われなければならない」との信念のもとに救護活動にあたりました。

その後、デュナンは、戦場の負傷者は敵味方関係なく救護する国際条約を締結し、各国に救護団体を予め組織しておくことを提案。
1863年にそれが実現して、赤十字の前身が組織されたようです。

日本では「日本赤十字社」が、病院や献血などの事業も

日本では、日本赤十字社が、災害救護などの人命救助活動をしています。

現在全国に91の赤十字病院を所有していて、救急医療も担当。
地域血液センターも47ヶ所で運営し、各地で献血を実施して、日本で唯一献血の血液が原料の製剤も製造。
必要に応じて、血液を全国の病院に届けているとのことです。

国内外の災害や紛争などの支援に、募金を活用

日本赤十字社は、緊急医療に尽力。
国内外の災害救護、紛争、貧困などにおいて、物資の配給から、救護や復興支援まで、募金を活用しているようです。

「義援金」や「救援金」、「寄付金」などで使い道が異なる

日本赤十字社への募金は、大別すると3種類。
「赤十字活動へのご寄付」、海外への「救援金」、国内への「義援金」があります。

「赤十字活動へのご寄付」は使途の指定なし

「赤十字活動へのご寄付」を選ぶと、特に支援先を指定をしない募金となります。
以下は、使途の一例です。

  • 被災地への医療救護や物資の供給:毛布、緊急セットなどの配布
  • 子供の防災教育:起こりえる自然災害と防災対策の教育
  • 応急手当て5種類の講習:救急法、水上安全法、雪上安全法、幼児安全法、健康生活支援講習

海外の災害や難民支援などへの「救援金」

海外への「救援金」は、被災・紛争地域の赤十字社・赤新月社にお金が送金されて、物資の供給や救援活動に使われるようです。
平成30年度の業務報告書からピックアップしてみました。

バングラデシュ南部避難民支援

  • 状況:ミャンマーからの暴力被害による難民90万人以上、水・食料・住む場所・医療機関などが不足。
  • 支援:医師・看護師を切れ目なく派遣し、保健医療を提供。

インドネシア・スラウェシ島地震被災者救援

  • 状況:津波・地震・火山噴火により多くの人々が被災。
  • 支援:日赤職員、医師・看護師5名を継続的に派遣し、インドネシア赤十字社の保健医療活動に協力。

ネパール地震復興支援

  • 状況:8,856人死亡、被災者560万人。
  • 支援:診療所14棟・学校1校を再建、農業・畜産業の技術指導と資金面での支援。

国内の災害などへの「義援金」

国内向けの「義援金」は、災害で被災した都道府県に設置された義援金配分委員会に全額を一旦送金。
そこから、市区町村を経由した上で、被災した方々に届けられます。

詳しくは、義援金と支援金(寄付・募金)の違いや、どちらを選べばいいかを別記事で解説していますので、ご一読ください。

義援金と支援金(寄付・募金)の違いは?震災や台風などの緊急支援で、どちらを選べばよい?

募金の使われ方は、大丈夫?評判や口コミを検証しました

募金の使われ方の評判や口コミと、公表されている収支報告や監査情報を検証してみました。

「怪しい」「詐欺」といった批判をする人々も

赤十字の歴史や認知度などにより、「募金するなら赤十字」という認識のある方が多いです。
一方、「官僚的な体制」「支援の遅さ」や「お金の流れの不透明さ」などに、疑問を持つ方の口コミもありました。

日本赤十字社の評判や口コミは?寄付先として、信頼できるかをチェック

収支報告や監査情報などをチェックしてみると?

日本赤十字社は、平成30年度の業務報告書によると、募金などで集まったお金の72.5%(次年度繰越し金含む)を支援に当てているそう。
管理費の比率は19.6%、広報・普及活動費は7.9%となっています。

監査体制ページによると、本社と支部で内外の監査を、会計と運用の両面からしているとのこと。
細かい収支報告については、上記のリンク先でも検証していますので、ご参照ください。

支援の方法は?インターネットや郵便振替、コンビニ端末などさまざま

日本赤十字社への支援は、「インターネット送金」「銀行振込」「郵便振替」「コンビニ端末」「赤十字社の窓口」「町内会他の集金」など、さまざまな方法で可能です。

インターネットから申込(クレジットカード・銀行振込・コンビニ・ペイジー)

インターネットからの申込では、まず「マイページに登録する」「しない」を選びます。
そのうえで、クレジットカード・銀行振込・コンビニ・ペイジーで募金できます。

寄付先ごとに口座番号が分かれているので、支援したいプロジェクトがある場合は、口座番号を間違えないように要注意です。

銀行振替やゆうちょ振替で直接送金

銀行振込やゆうちょ振替の場合、口座から直接引き落としされて直接送金されます。
支払いは毎月か毎年1回のどちらかが選べ、会員加入申込みが必須です。

コンビニ端末で手続き

ファミリーマートとローソンに設置されたコンビニ端末から、気軽に募金ができます。

赤十字社の窓口に持ち込む

日本赤十字社は、各都道府県に支部の問い合わせ先があります。
窓口に、募金を直接持ち込めるそうです。

町内会などでまとめて集金

所属する町内会や会社などで、日本赤十字社への寄付を募っている場合は、その機会を利用して寄付することができます。

寄付をするならチェック!金額の目安や税制優遇など

最後に、気になる金額の目安、赤十字の表彰制度、寄附金控除について解説します。

いくら募金すればよい?金額の目安は・・・

目安の金額が書いてあるサイトや募金箱、定額を徴収する町内会を見かけることがあります。
ですが、募金の金額はあくまでも個人の意思に委ねられるものだそうです。
(参考:募金の強制的な徴収などは、「違法」という判決も出ているとのこと)

日本赤十字社のウェブサイトを通じて募金する場合は、最低金額が2,000円以上。
コンビニ端末では、500円以上になっています。

勲章や感謝状はもらえるの?金額ごとの表彰制度

日本赤十字社の活動資金へ募金をすると、希望者へのみ表彰されます。

日本赤十字社の表彰(個人・法人対象で一時または累計額)

  • 銀色有功章:20万円以上50万円未満
  • 金色有功章:50万円以上
  • 社長感謝状:金色有功章受章後に50万円以上

国の表彰

  • 厚生労働大臣感謝状(同一年度内の一時または累計額):個人100万円〜500万円未満、法人300万円〜1,000万円未満
  • 紺綬褒章/状(一時または3年以内の累計額):個人500万円以上、法人等1,000万円以上

(参考:表彰制度について

領収書をもらっておけば、寄附金控除の対象に

日本赤十字社は認可法人なので、募金をすると税金控除が受けられます。

日本赤十字社は、受領証(領収書)を希望者にのみ発行。
募金時に受領証を要にチェックしておくか、後日FAXでの請求が必須です。
(後日FAXでの発行請求は時間がかかるようなので、ネット上で寄付を申し込む場合は、その時に申請したほうがいいようです。)

その他、受領書(領収書)の代わりに、税金控除の申請に使えるものは次の通り。

  • ゆうちょ銀行の振込用紙の半券
  • 金融機関の振込時の利用明細票
  • ネットバンキングの確認画面を印刷したもの

この記事では、赤十字への支援を検討するに当たって知っておきたい項目をまとめました。
募金をするか?しないか?の判断材料として、お役に立てれば幸いです。

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