発展途上国に寄付するなら?子ども支援の募金先、“日本発”NGO4選

(出典:シャンティ国際ボランティア会HP

アジアやアフリカなど「発展途上国」と呼ばれる地域には、飢饉や紛争、疫病や貧困などさまざまな困難に苦しむ子どもたちがいます。
ユニセフや国境なき医師団、セーブ・ザ・チルドレンなど、世界的なNGOがこれらの問題を解決するために国際協力活動を展開していますが、日本人が立ち上げたNGOにも、素晴らしい活動をしている団体がいくつかあります。

とりわけ厳しい課題に正面から向き合い、現地で成果を出している日本発NGOをピックアップしてご紹介します。

「子どもが売春宿に売られる」人身売買に挑む(かものはしプロジェクト)

かものはしプロジェクトHP

「子どもが、売春宿に売られてしまう」
日本では信じられないような行為が、今も世界中で起こり続けているのをご存知ですか?

「人身売買の被害にあい、売春宿で働かされている女性や子どもがいる」という問題の解決を目指すのが、認定NPO法人かものはしプロジェクトです。

世界中で人身売買の被害に遭う子供たちは、年間100万人にのぼると言われます。
特にひどいのは、「家が貧しい」「親戚にダマされた」といった理由で売春宿に売られ、性的サービスに強制的に従事させられていること。

かものはしプロジェクトが掲げるのは、こうした「児童買春」が起こっている現状を変え、「子どもが売られない世界」をつくることです。

2002年に活動を始めたカンボジアでは、「性犯罪の加害者の逮捕件数は2001年から9年間で大幅に増加。今では子どもを置く売春宿はほとんどなくなり、『人身売買の問題が解決した』と言えるまでになった」(同団体WEBサイトより)そう。
カンボジアで問題解決の目処がたった今、人身売買の規模は世界最大と言われるインドでの活動に注力しています。

活動内容 被害者の権利と正義を取り戻すための仕組み作りなど
活動地域 インド
支援対象 人身売買の被害にあった女性・子どもなど
寄付の使途 サバイバーのリーダーシップ研修、被害者の裁判費用など
運営団体 認定NPO法人かものはしプロジェクト

インドで子供が売られてしまう値段は、「1人2万円」とも言われています。
こういった悲しい現実を変えていくために、支援を呼びかけています。

私たちが学んだのは、「行動すれば、変えられる」ということです。
ご支援が集まれば、この問題は必ず解決できる。
たくさんのサポーター会員の皆様と一緒に歩んできたなかで、想いは確信へと変わっています。

かものはしプロジェクトHP

毎月1,000円〜の寄付で応援するサポーター会員。
私自身も、入会して継続的に支援しています。

かものはしプロジェクトへの寄付、「サポーター会員」に入会した3つの理由
編集部オススメのポイント!
人身売買を取り締まる法律を整備するためには、当事者の声を反映させることが非常に重要です。この考えの下、かものはしプロジェクトは、サバイバーのリーダーシップをサポートするプログラムを実施しています。
かものはしプロジェクトを支援している印刷会社から、寄付の一環として、無償で印刷していただいています。企業とのパートナーシップによって、間接費を減らす、素晴らしい取り組みだと思います。

「アジアの子どもたちのために、何かしたいと思っていた」「現地にいけないけど、頑張っている人を応援したい」という方は、ぜひWEBサイトで詳しくご覧になってください。

> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です

アジア8地域で子どもたちの「生きる力を育む」(シャンティ国際ボランティア会)

シャンティ国際ボランティア会HP

世界には学校に行って本を読むことが当たり前ではない子どもたちがいます。
今この瞬間にも、貧しさゆえに、ゴミ山で働く子どもたちがいるのです。

あるアジアの国のゴミ山。
そこで働くのは10歳のラタナちゃんです。

朝から晩まで、ビンやペットボトルを探し、それをお金に換えているのです。
1日働いて受けとるのはたった150円です。

本を読み、勉強し、友達と遊ぶ。
子どもにとって大切なたくさんの時間が奪われています。

シャンティ国際ボランティア会HP

貧しいから働き、読み書きが身につかず、良い仕事に就くことができない。
そんな負の連鎖から抜け出せずにいます。

日本生まれの公益社団法人シャンティ国際ボランティア会は、「教育には人生を変える力がある」という信念を持ち、設立以来約40年にわたりアジアの子どもたちに教育を届けてきました。

シャンティ国際ボランティア会の教育支援プログラム、キーワードは「場所」「本」「人」「活動」です。

  • 安心して学べる「場所」:学校・図書館の建設、図書館の整備など
  • 学ぶための「本」や教材:絵本や紙芝居の出版など
  • 学びを届ける「人」:学校教員や図書館員の育成など
  • 学びと出会うための「活動」:コミュニティ図書館や学校図書館の運営など

安心できる場所で、しっかりと研修を受けた教員や図書館員と、本に触れて読み書きを身につけることで、子どもたちは「生きる力を育む」ことができます。

活動内容 学校建設、図書館の運営、子どもへの読み聞かせなど
活動地域 アフガニスタン・カンボジア・ミャンマー・ネパールなど
支援対象 遠方や少数民族など、教育格差に苦しむ子どもたち
寄付の使途 学校建設や教員育成にかかる費用、災害の緊急支援など
運営団体 公益社団法人シャンティ国際ボランティア会

シャンティ国際ボランティア会は、毎月定額の寄付で支援するアジアの図書館サポーターを募集しています。
月1,000円〜、500円単位の任意の金額でご支援いただけます。

シャンティ国際ボランティア会「アジアの図書館サポーター」になって、私が毎月の寄付を始めた理由
編集部オススメのポイント!
シャンティ国際ボランティア会の活動は、1980年にカンボジアの難民キャンプで、子どもたちに本を届けたことに端を発します。現在はカンボジアの他に、アフガニスタン、ミャンマー、ネパール、ラオス、タイと活動が広がっています。
世界には、学校に行って本を読むことが当たり前ではない子どもたちがいます。現在はアジア7地域で活動し、本を読む機会を提供するだけでなく、学校建設や図書館の整備も行い、子どもたちが安心できる場所づくりにも注力しています。

例えば、月3,000円の寄付を1年間継続していただくことで、難民キャンプ内で運営する図書館で絵本を楽しみに待っている1,200人の子どもたちに60冊の絵本を贈ることができます。

小さい頃、新しい絵本を買ってもらった時のワクワク感。
あの気持ちを、困難な状況に置かれている子どもたちに届けるため、ぜひご支援ください。

> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です

発展途上国に産まれた子どもも、質の高い教育が受けられるように(e-Education)

e-Education HP

発展途上国の貧しい農村に産まれた子どもたちのなかには、十分な教育を受けられなかったために将来の可能性が奪われてしまうケースも少なくありません。

「なりたい夢があるのに、諦めるしかない・・」
「勉強したくても、勉強できない・・」

そんな子どもを一人でも減らすべく、バングラデシュやフィリピンなどの国で教育支援の活動をしているのが、認定NPO法人e-Educationです。

e-Educationが活動を始めたバングラデシュで課題になっていたのは、「先生の不足」。
農村部で勉強を教えられる先生が圧倒的に不足し、都市部との教育格差が深刻だったそうです。

ボロボロになった教科書を必死に音読する、高校生のアメリア。
「妹や弟を助けるために、良い仕事に就きたい」
「そのために、大学に受かりたい」
「でも、お金がないから予備校には通えない」
「勉強したい」 と泣きながら言いました。

でも、家庭の半分以上は電気が通らず、夜は暗いまま。
そして、教えてくれる先生もいません。

e-Education HP

こうした生徒たちのために、都市部の有名講師の授業を撮影。
撮影した映像教材を無料で視聴できるようにすることで、農村部でも思う存分勉強できる環境を整えているそう。

2010年の活動開始から、これまでに延べ3万人以上の生徒に、3,600本以上の映像教材を届けています。

活動内容 映像授業の提供など
活動地域 バングラデシュ、フィリピン、ミャンマーなど
支援対象 途上国の農村部に暮らす中高生
寄付の使途 映像授業の撮影、備品の購入など
運営団体 認定NPO法人e-Education

こちらも毎月1,000円からの「マンスリーサポーター」制度があります。

e-Education「マンスリーサポーター」になって、途上国の子供への寄付を始めた3つの理由
編集部オススメのポイント!
一流講師による授業を撮影し、貧困地域の子どもに届けるという画期的なアプローチをとっており、コロナ禍でも2,000の授業が詰まったスマホの学習アプリを開発するなど進化を続けています。
大学生のオンライン学習コーチによる個別サポートなど、生徒一人ひとりを丁寧にサポートし、累計300人以上が難関大学に合格という大きな成果を上げています。

「日本の教育モデルを恵まれない子どもに役立てたい」という職員の皆さんの情熱、「映像教材で教育格差をなくしたい」という取り組みに共感。
私もマンスリーサポーターとして支援しています。
e-Educationの活動に共感された方は、ぜひ寄付を検討してみてください。

> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です

水と医療が届かない地域で失われる命を救う(ロシナンテス)

ロシナンテス HP

認定NPO法人ロシナンテスは、アフリカに安全な水と医療を届ける、日本発祥の国際協力団体です。

ロシナンテスが活動しているスーダンでは、いまだに動物の糞尿が混じった、茶色い水を飲んでいる人びとがいます。

「子どもが喉を乾かせても、汚れた水を飲むしかない・・」
そうした不衛生な環境が原因で、下痢による脱水症などの病に苦しめられながら、命を落とす子どもたちもいます。

私たちロシナンテスでは、きれいで安全な水を提供することは、病気を予防するための一番の近道だと考えています。
まずは安全な水で病気そのものの数を減らしたうえで、かかってしまった病気をしっかり治療する。
この方法で良い循環を生み出し、目の前で失われる命を減らそうとしています。

ロシナンテスHP

ロシナンテスがスーダンで井戸を作ったところ、これまで何時間もかけて水汲みに行っていた子どもたち水汲みから解放されて、学校に通えるようになったそうです。

家の近くに給水所ができて嬉しいです!
以前は水汲みに1時間以上かかっていました。
新しい給水所ができて、15分程度ととても近くなりました。
勉強時間も増えたので、頑張って医師をめざします!

14歳のホイダちゃん
活動内容 医療が整っていない村への巡回診療や、給水所・診療所の建設など
活動地域 スーダン・ザンビアなど
支援対象 乳幼児とその母親・地域の村人など
寄付の使途 衛生知識を学ぶ講習や、医療施設の整備にかかる費用等
運営団体 認定NPO法人ロシナンテス

ロシナンテスの名前は、小説「ドン・キホーテ」に出てくるドン・キホーテの乗る痩せ馬のロシナンテに由来しています。

「私たち一人ひとりは痩せ馬ロシナンテのように無力かもしれない、しかし、ロシナンテが集まりロシナンテスになれば、きっと世界を笑顔にできるはず」という想いが込められています。

私も同じ日本人として、ロシナンテとして、頑張っている川原さんとロシナンテスを応援したいと思いました。

ロシナンテスへの寄付「チーム・ロシナンテス」に加入した3つの理由
編集部オススメのポイント!
アフリカで活動する団体は数多くありますが、中でも日本人が設立した団体は稀です。創設者であり代表の川原尚行医師は、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で取り上げられたことがあります。
ロシナンテスを毎月の寄付で応援する「チーム・ロシナンテス」に加入すると、限定イベントに参加でき、川原さんと直接お話しできます。イベントは基本的にオンラインで実施されますので、地方にお住まいの方も気軽にご参加いただけます。

「十分な医療を受けられずに、苦しい思いをしている人びとを助けたい」
「社会貢献のために、途上国で頑張っている日本人を応援したい」

こんな風に感じていただけた方は、ぜひロシナンテスのWebサイトもご覧になってみてください。


> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です

まとめ:有名ではないものの良い活動をしている団体

この記事では、発展途上国の子どもたちへの支援活動の例として、「認定NPO法人かものはしプロジェクト」「公益社団法人シャンティ国際ボランティア会」「認定NPO法人e-Education」「認定NPO法人ロシナンテス」の4つの団体を紹介しました。

団体名 寄付ナビ編集部オススメのポイント
かものはしプロジェクト ① 人身売買の被害者女性の中から、国を変えるようなリーダーが生まれている
② 細やかに活動を報告するため、支援企業の協力による、質の高い年次報告書が届く
シャンティ国際ボランティア協会 ① 設立以来約40年「教育には人生を変える力がある」という信念を持ち、アジアの子どもたちに教育を届けている
② 安心できる場所で、本に触れて読み書きを身につけることで、子どもたちは「生きる力を育む」ことができる
e-Education ①「映像授業」という画期的なアプローチ
② 成果への徹底的なこだわり
ロシナンテス ① 日本人医師が立ち上げた、日本発祥の団体
② 川原さん自ら寄付者向けに活動を報告

 発展途上国の子どもたちへの支援では、ユニセフや国境なき医師団など国際的に有名な団体が数多くあります。
一方日本発のNGOにも、有名ではないものの意義のある活動をしている団体が少なからずあります。

とりわけ、深刻ではあるものの支援の手が届いていなかった課題にフォーカスして、成果にこだわって活動していること。
そして、日本国内での課題の啓発にも熱心に取り組んでいることが素晴らしいなと感じています。

「発展途上国の子どもたちを支援したくて、寄付先を探している」
「子どもたちを助けたいと頑張っている、同じ日本人を応援したい」

そんな方々にとって、少しでも参考になりましたら嬉しく思います。