(出典:グリーンピース・ジャパンHP)
みなさんは、普段、地球環境について考えることはありますか?
あまりにも規模が壮大すぎて考えつかなかったり、身近に感じられなかったりという方も少なくないかもしれませんが、ゲリラ豪雨などの異常気象、絶滅していく野生動物、枯渇していく資源……など、生活に密接なところに着目すると、より課題感を感じやすいと思います。
地球や環境を保護するために、NPOなどの団体が活動を行い、私たちは寄付という形でその活動を応援することができます。
しかし読者の方の中には、支援したいという気持ちはあっても、寄付に踏み出せないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では以下の項目を通じて、寄付に対する不安や疑問を解消し、どのようにして支援ができるのかを詳しく解説します。
- 環境保護と平和を目指し活動する団体の紹介
- 環境問題と具体的な活動の事例
- 私たちができること
- 寄付先・募金先の選び方
あなたにぴったりの寄付先がきっと見つかるはずですので、ぜひ最後までご一読ください。
目次
環境保護と平和を目指し活動する団体3選
まずは「すぐにおすすめの寄付先を知りたい!」という方のために、寄付ナビ編集部が厳選したおすすめの団体を3つご紹介します。
Earth Company:リジェネラティブな未来を創る日本発祥のNPO
アース・カンパニーは、インドネシアのバリ島と日本で活動する日本発祥の団体です。
「人と社会と自然が共鳴しながら発展する世界=リジェネラティブな世界」を目指して、アジア太平洋のチェンジメーカーたちを支援する活動を行っています。
アース・カンパニーは、SDGsに取り組み未来を大きく変えることができる人材であるチェンジメーカーたちを「インパクトヒーロー」として選出し、3年間とことん寄り添い、彼らの活動の効果を最大化するための支援を行っています。
例えば国面積の半分が森林である森林大国インドネシアでは、荒廃が加速しています。
1970年代からの開発によりすでに天然林の70%を失っているそうです。
森林は「地球の肺」。
アース・カンパニーHP
健全な森なしに、人類は生き延びることができません。 2050年には地球の土地の95%が荒廃すると予測されています。
そんなインドネシアで注目されているのが、成長が早く、木材に置き換わる可能性を秘めた竹。
竹を育てる村、バンブービレッジをを作ることで、気候変動、森林伐採などの課題解決に挑むチェンジメーカー、アリーフさんの活動をアース・カンパニーが支えています。
目指しているのは、インドネシアを含む10カ国1,000のバンブービレッジをつくる取り組みによって、インドネシアの荒廃地の8%を再生し、年間温室効果ガスの約16%を削減すること。
さらにはそのバンブービレッジで雇用する100万人(主に女性)の収入を向上させることで、貧困とジェンダー格差解決をも実現しようとしています。
活動内容 | 主にアジア太平洋のチェンジメーカー支援 |
活動地域 | インドネシアと日本を中心としたアジア太平洋の国々 |
支援対象 | SDGsの多くの目標に取り組むチェンジメーカー |
寄付の使途 | チェンジメーカーにとことん伴走するため必要な費用 |
運営団体 | 一般社団法人Earth Company |
アース・カンパニーでは、毎月の寄付で活動を応援するEarth Lovers(アース・ラバーズ)を募集しています。
寄付は上記でご紹介したインドネシアの事例の他にも、カンボジアやベトナムで活動するチェンジメーカーたちを応援する費用として使われるそうです。
編集部オススメのポイント!
「チェンジメーカーたちを応援することで、人と社会と自然にとって良い未来を実現したい」と思われた方はぜひ寄付を検討してみてはいかがでしょうか。
WWF:世界各地で、絶滅の恐れのある野生動物を保護
WWFは、約100カ国で活動している環境保全団体です。
地球上の生物多様性を守り、人の暮らしが自然環境や野生生物に与える負荷を小さくすることによって、人と自然が調和して生きられる未来を目指しています。
野生動物を守る、保護するというと「アフリカや、アマゾン地域のことかな?」と思う人もいるのではないでしょうか。
実際は、私たち日本人も大きく関わっていることで、無関係ではありません。
例えば、輸入される野生生物。
日本は食品、ペット、伝統薬や装飾品など、さまざまな形で野生生物を輸入している、世界でも有数の野生生物消費国です。
WWF HP
その中には違法なもの、あるいは持続性や野生生物への影響が考慮されていないものも少なくありません。
さらに、日本でも絶滅危惧種の密猟・盗掘が起こります。
毎年多くの観光客が訪れる沖縄県の石垣島には、多種多様な固有の動植物が生息・生育しています。
WWF HP
そうした野生生物が今、密猟・盗掘の標的とされ、実際に国内はもちろん、海外でも取引されていることが報告されています。
(中略)高値で取引されている昆虫を採るために樹皮を剥がし、枝を伐採し、その後、枯死した樹木もありました。
WWFは、生物の過剰な利用や乱獲、密輸などの調査やパトロール活動を支援し、取引規制についての提言を行なうことで、野生生物の保護活動に取り組んでいます。
活動内容 | 絶滅の危機にある野生動物の保護などを通じて、生物の多様性を守る |
活動地域 | 世界約100カ国以上 |
支援対象 | パンダやトラ、ペンギンなどの野生動物及び自然環境 |
寄付の使途 | 密猟を防ぐパトロールなど、生態系を保護するために必要な活動全般 |
運営団体 | 公益財団法人世界自然保護基金ジャパン |
WWFへの毎月の寄付で、継続的に活動を支援することができます。
1年間支援を継続すると、以下のような環境保全活動をサポートできます。
- 月1,000円:南米のチリで海の大切さを伝え、地域の人たちにもその保全に参加してもらう普及活動を1回実施
- 月5,000円:ロシアでケガをしたトラを野生復帰させるためのリハビリ活動を6日間、支えることが可能
- 月10,000円:スマトラの熱帯林で、違法伐採や野生動物の密猟を防ぐパトロールを14日間、支えることが可能
編集部オススメのポイント!
「人と自然が調和して暮らせる、多様な生き物の残る未来であってほしい」そう感じる方は、支援を検討してみてください。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
グリーンピース・ジャパン:地球環境や生態系の保護を、中立的な立場で
グリーンピースは、世界55の国と地域で環境保護活動に取り組む国際NGOです。
1971年の設立以来、海洋生態系保護、森林問題、気候変動といった地球規模の環境問題に取り組んでいます。
過去30年の間に、北極の夏の海氷の75%が消えてしまったことはご存知でしょうか。
北極地域では「北極の温暖化増幅」として知られている現象が原因で、地球全体の平均の2倍以上のスピードで温暖化が進んでいます。
海氷の上で暮らすホッキョクグマの数は、過去10年間で半分近く減っています。
とはいえ、環境をいくら脅かすものであっても、経済活動について提言するのは簡単なことではありません。
国家や企業、様々な思惑や事情があります。
しかし、グリーンピースは個人からの寄付のみに支えられています。
政府や企業からの財政支援は受けていません。
つまり、しがらみのない状態で活動できるのです。
そのことにより、中立的な立場から環境の保護について粘り強く提言できます。
核実験の反対にはじまり、原子力、海洋生態系保護、森林問題、有害物質、遺伝子組み換え問題、オゾン層保護、そして気候変動といった地球規模の環境問題を解決するため、専門的な知識をもとに粘り強く大胆に、人々を巻き込んだキャンペーン活動を展開しています。
グリーンピース・ジャパンHP
活動内容 | 地球環境や生態系の保護、自然エネルギーの推進など |
活動地域 | 北極やアマゾンなど、世界55以上の国と地域 |
支援対象 | 危機に瀕している野生動物をはじめとする、地球上の生命 |
寄付の使途 | 環境調査・分析、自然保護を求める提言などの活動費全般 |
運営団体 | 一般社団法人グリーンピース・ジャパン |
グリーンピースへは、月1,000円からの寄付が可能。
資金の使い道は年次報告書などで定期的に報告されています。
お預かりするご寄付は、地球の環境を守るために大切に使わせていただきます。
グリーンピース・ジャパンHP
例えば、自然エネルギーの推進、リユース・リフィルの働きかけを通じたプラスチック問題への取り組み、アマゾンの森林火災を止める取り組み、海と海の生きものを守る活動などに力を入れています。
編集部オススメのポイント!
「利害関係などの制限なく、自由に活動する団体を応援したい」という方は、ぜひWEBサイトを確認し、支援を始めてみてはいかがでしょうか。
私たちを取り巻く環境問題
地球温暖化や異常気象、生物の絶滅等、自然環境についてのたくさんの問題があります。
海や川の汚染
川や海の汚染の問題も深刻です。例えばプラスチックごみにより海が汚染されており「2050年には、海へのプラスチックの流出量が、海の魚の量より多くなるかもしれないともいわれています。」(環境省)
森林の減少
世界の森林は毎年520万ヘクタールが減少しています。これは東京ドームが大体110万個分です。森林が減ることで、気候変動、生態系の破壊、洪水や土砂崩れ、地下水の枯渇等、様々な深刻な問題が起きています。
地球温暖化
石油や石炭、ガソリン等の資源を大量に使用することにより、大量の二酸化炭素が排出されています。二酸化炭素が増え続けることにより地球に熱がこもり、地球温暖化が加速しています。世界の平均気温は、工業化前と比較して、2100年までに最大5.7℃上昇するといわれています。
1℃の気温上昇で、日本の猛暑日発生回数は1.8倍増え、1.5℃の気温上昇で、地中海の平均的な夏の山火事による焼失面積は今よりも41%増加すると言われています。少しでも早く、地球の気温の上昇を止めることが必要です。
生物の絶滅
川の汚染も深刻で、世界の淡水(川など、塩分を含まない水)域の野生生物は19870年~2018年までで、平均83%減少しているそうです(WWF生きている地球レポート)。
環境保護の活動にはどんなものがある?
前章で紹介したような課題の対策を行い、地球上の自然を保護し、持続可能な状態を維持するために、様々な活動が行われています。
海や川を守る活動
海や川を綺麗にするために、すでに捨てられているごみを回収する活動が各地で行われています。また、ゴミの排出量を減らすためにマイバック・マイボトルの持参を促すといった活動も、海や川を守ることに繋がります。
森林を守る活動
森林を守るために必要なことは、ただ木を切らないということではありません。木を植え、手入れをしながら育てることや、森林のある地域の人々が森林についての知識をもち、森と共に暮らすことができるようになることも必要です。そうして森林を守ることができるように、世界中でたくさんの団体が活動しています。
気候変動の対策
二酸化炭素の排出量を抑えるための自然エネルギーの活用の推進や、環境に配慮した商品開発など、支援団体や企業が様々な取り組みを行っています。気候変動や地球温暖化の問題を伝える教育活動も、その対策の一環です。
生物の多様性を守る活動
絶滅危惧種を守るために、絶滅危惧種を保護、育成したうえで自然に返す活動のほか、外来種の駆除、各地域での専門家による調査等が行われています。自然栽培での農業なども、生物の多様性を守る活動に繋がります。
政府や企業はどのような取り組みをしてるの?
政府や企業は、具体的にどのような取り組みをしているのでしょうか。
政府の取り組み
政府は環境保護の問題の解決に向け、国際的な取り組みのパリ協定やSDGsの取り組みに積極的に参加しています。また、企業や地方自治体への法規制や助成金の支給なども行っています。その他の活動は以下のようなものがあります。
- 地球温暖化対策推進法を改正し、2050年までに「温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、実質排出量をゼロにする」ことを目指す、カーボンニュートラル実現を基本理念として設定
- 企業や自治体のプラスチックゴミ削減活動の支援
- 中小規模の事業者でも取り組みやすい日本独自の環境経営の仕組みとして「エコアクション2021」を設定
企業の取り組み
多くの企業が環境保護に取り組んでいます。環境保護への取り組みはそれ自体が価値があるだけでなく、ブランドイメージの向上や、従業員満足度の向上にも寄与しています。具体的な活動としては以下のようなものがあります。
食品メーカー
- 2030年度までにCO2排出量を2018年度比50%削減する目標を設定している。
- 工場のボイラーを都市ガス仕様に変更し、太陽光パネルの設置による再生可能エネルギー利用を推進している。
自動車メーカー
- 2050年に向けた長期的な環境チャレンジ計画を策定し、持続可能なモビリティ社会の実現を目指している。
老舗製菓会社
- 2023年8月までに主要工場と生産関係会社でISO14001認証取得
- 環境管理システムの導入により、組織かつ継続的な環境保全活動を推進している。
環境保護の活動に寄付するにはどんな種類がある?
それでは環境保護のために私たちができることはなんでしょうか。まずは日常生活の中でできることがたくさんあります。
- エネルギーの消費を減らす:節電、適切な冷暖房温度の設定、省エネタイプの家電に買い替える
- 資源を無駄にしない:お風呂の残り湯を洗濯に使う、エコバッグを持ち歩く、詰め替え製品を利用する
- 買い物や食べ物を工夫する:食べ残しをしない、食べ切れる量だけを買う、有機野菜や無農薬野菜を選ぶ、地産地消を心がける
- 自然環境に配慮した製品を選ぶ:環境だけでなく人権にも配慮した製品・サービスを選ぶ、過剰包装の製品は避ける
このような日常の地道な行動の積み重ねも、地球環境を守るために大切なことです。上記以外にも、寄付よって環境保護団体の活動を応援することもできます。
例えばWWFに寄付をする場合、毎月の寄付会員「WWF会員」と、都度寄付などの種類があります。
毎月の寄付:環境保全を継続的に支援する「WWF会員」
WWFジャパンを支援するには、毎月少額を寄付する「WWF会員」がおすすめです。
「WWFジャパン」への毎月の寄付を始めると、年4回のペースで会報『地球のこと』が届きます。
実際に届いた『地球のこと』
WWFジャパンでは、一般会員、ユース会員の皆さまに年4回の会報誌をお送りしています。
WWFジャパンHP
国内外で取り組んでいるWWFの活動や、環境関連の情報、絶滅のおそれのある野生動物などについての記事を掲載しています。
大人から子供まで、環境問題について知識のある人もない人も楽しみながら、今地球で起きていることを知っていただける内容になっております。
団体HPはもちろん、InstagramなどのSNSでも活動の状況を報告。
支援を続けるための情報が足りない、といったことはなさそうです。
また寄付金は、野生生物の保護活動や、密猟を防ぐパトロールなど、地球の豊かな自然を守るために使われます。
WWFは個人の方からの寄付が半分以上を占めています。
WWFジャパンHP
多くの方からのご支援が集まることで、WWFは大きな力を持って活動を推進することができています。
たとえば月1,000円の寄付を1年間続けると、南米のチリで海の大切さを伝え、地域の人たちにもその保全に参加してもらう普及活動を1回実施することができます。
WWFが持つ国際ネットワークを生かして、世界に働きかける活動を応援したい、という方はぜひ支援を検討してみてはいかがでしょうか。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
その他の寄付:都度の寄付や遺産・遺贈など
WWFジャパンは毎月の寄付以外にも、寄付者の気持ちにあった支援方法が用意されています。
都度寄付は、500円以上の自由な金額を寄付することができます。活動全般への寄付のほか、特定の活動への寄付、特別な機会に際しての寄付があります。
既に説明した個人でできること以外にも、自分の興味や関心がある団体を調べて、寄付で応援することも環境保護につながります。
支援先として信頼できる?3つのチェックポイント
ここまで読んでいただき、様々な支援の形や支援団体について知っていただけたかと思います。
しかし、中には「結局どこに支援したらいいかわからない」という方もいらっしゃるかもしれません
そんな方のために、寄付ナビが考える「支援先として信頼できるかのチェックポイント」をご紹介します。
一般的に、企業の良し悪しを判断する材料として「ひと・もの・お金」の3つが大切と言われます。NPOでは、それは「ひと・活動・お金」です。
企業で言うところの”もの”、すなわち”商品”は、NPOがどのようなアプローチで問題を解決しようとしているのか、つまり活動の内容です。
その活動内容に賛同することが、まさしく、寄付を通じた応援と言えると思います。
さらに寄付先として判断する上で、「ひと・活動・お金」を適切な言葉に言い換えると、「職員・活動・会計」です。
- 職員の顔が見えるか?
- 活動によって問題を解決しているか?
- 透明性の高い会計報告を行っているか?
支援を迷っている団体があれば、是非参考にしてくださいね。
まとめ:「地球を守る寄付をしたい」という方の参考に
以上、環境保護と平和を目指し活動する団体を3つ紹介しました。
団体名 | 寄付ナビ編集部オススメのポイント |
Earth Company | ① 「人と社会と自然が共鳴しながら発展する世界=リジェネラティブな世界」を目指す ② その国々を担うチェンジメーカーたちを寄付で応援することができる |
WWF | ① 絶滅の危機にある野生動物の保護などを通じて、生物の多様性を守る ② 世界中にネットワークをもち、さまざまな国の専門スタッフが国境を超えて力を合わせ、行動を起こすことができる |
グリーンピース・ジャパン | ① 北極やアマゾンなど世界55以上の国と地域で、野生動物をはじめとする、地球上の生命を守る活動 ② 政府や企業からの援助を受けず、市民の力だけに支えられて、独立して環境保護に取り組んでいる |
「頑張る若者を応援したい」「海外支援や国内支援など、何かアクションを起こしたい」と考えている方にとって、少しでも参考になれば幸いです。