(出典:ワールド・ビジョン・ジャパンHP)
紛争のニュースを目にして、心を痛めたり無力感にさいなまれたりすることはないでしょうか?
爆撃や、行列をつくって避難する人びとの映像は、たとえ遠い国のできごとであっても「自分に何かできないのだろうか?」と私たちに考えさせます。
現地に赴いて支援活動をすることや、戦争当事国のトップに会って説得することは誰でもできることではありません。
しかし、「募金」という方法なら、日本にいながらも紛争下で苦しい思いをする人に支援を届けられます。
この記事では、紛争地域やその周辺国で紛争被害者の方々のために活動する団体を3選ご紹介します。
募金先を探す際の参考にしてみてください。
目次
紛争から逃れる難民の命と教育を守る、子ども支援専門の国際NGO(ワールド・ビジョン)
紛争や暴力などの混乱から身を守るため他国に逃れる人は、「難民」と呼ばれます(国境を越えず、国内で避難生活を送る人たちは「国内避難民」と定義されます)。
住む場所も、財産も仕事も失い、争いからは逃れられても人びとの心には常に不安がつきまといます。
安心できる居場所を失うことが、特に子どもたちにどれだけのストレスを与えるでしょうか。また、避難のために教育が中断されたり、その後も家族を支えるために働きに出たりするケースも。
難民となった子どもが生活を建て直し、教育の機会を取り戻すには多くの支援が必要です。
ワールド・ビジョンはそんな難民や避難民など、紛争地で厳しい状況に置かれる子どもたちの心身と教育を守る、子ども支援専門のNGOです。
ワールド・ビジョンは設立以来、シリア、南スーダン、ソマリア、アフガニスタンなど、最も危険な地域やその周辺国を含む国々で活動を展開しています。
難民の子どもたちへの支援内容は、主に下記の3つ。
1. 緊急支援
避難生活を送る子どもとその家族に食料や衛生用品、医療用品などが含まれる緊急支援キットを提供します。難民・避難民居住地では医療体制も不十分であることから、病気を予防するために衛生環境の整備も行います。
2. 心のケア
これまでの生活を失い、悲惨な光景を目にした子どもたちの心のケアのため、「チャイルド・フレンドリー・スペース(CFS)」を設置し子どもたちが安心して過ごす場所を作ります。子どもたちはCFSでのアクティビティや遊び、友だちとの交流を通じて少しずつ心を癒やし、心の安定へ繋がります。
3. 教育支援
避難により教育を中断した子どもたちが通う学校を運営したり、補習クラスを開講するなど、避難した子どもたちが再度学ぶ機会を得る環境を整えます。通学用のバッグや文房具などの物資の支援も同時に実施しています。
活動内容 | 食料や水の緊急支援・難民キャンプで教育支援など |
活動地域 | シリア・イラク・南スーダン・バングラデシュなど |
支援対象 | 紛争や災害の被害に苦しむ、難民の子どもたち |
寄付の使途 | 綺麗な水・薬・学用品など、現地に必要な物資 |
運営団体 | 認定NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン(日本窓口) |
ワールド・ビジョンは、紛争下の子どもたちのための支援を毎月の募金で支える「プロジェクト・サポーター」を募集しています。
たとえば、1日100円(月3,000円)の募金を1年間続けると、ウクライナの紛争難民となった子ども52人に、教材セットを提供できます。
また、プロジェクト・サポーターになると年に一度の年次報告書が届くほか、現地の子どもの様子が伝えられるメールマガジンが届きます。
「何かしたい」という気持ちで行った寄付がどのように使われ、子どもを支えているかが実感できるのではないでしょうか。
ぜひ検討してみてください。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
飢餓に苦しむ紛争下の人びとの命をつなぐ、国連唯一の食料支援機関(WFP)
世界では、9人に1人が飢餓状態にあると言われていますが、そのうち6割の人は紛争地域に住んでいます。
紛争から逃れるために住まいや農地を手放して避難する人は、職や収入を失い避難先でも食料を手に入れられません。
避難しなかったとしても、危険と隣り合わせの環境での農作業の厳しさは容易に想像できます。
またその反対に、食糧不足が社会の緊張を煽り、紛争の火種となることも。
紛争と飢餓は密接な関係にあるのです。
国連唯一の食料支援機関であるWFP(世界食糧計画)は、80カ国以上の国に活動拠点を持ち、紛争をはじめとする様々な要因から飢えに苦しむ人びとを支援しています。
たとえば活動地の1つであるナイジェリア。
イスラム過激派ボコ・ハラムによる暴力と、関連する武力衝突に何百万人もの民間人が巻き込まれています。
500万人以上が飢餓に直面し、45万人以上の子どもが栄養不良状態にあると言われています。
WFPは、難民となった人びとに食料支援を行うほか、子どもや妊婦、授乳中の母親に栄養強化食品を提供。
この支援により、とある国内避難民キャンプでは栄養不良状態を劇的に改善できたそうです。
また、WFPは他の人道支援組織とも連携し、ヘリコプターで食料輸送を手配するなど、アクセスの悪い地域であってもより迅速に食料を届けられるよう様々な取り組みを試みています。(出典:WFP HP)
活動内容 | 緊急食料支援、学校給食支援、母子栄養支援、自立支援など |
活動地域 | アフガニスタン、イエメン、シリア、南スーダンなど123の国と地域 |
支援対象 | 飢餓で苦しむ子ども、妊産婦、大人など1億6,000万人(2022年) |
寄付の使途 | 食料・学校給食支援、栄養強化ペースト配布などの栄養支援 |
運営団体 | 認定NPO法人国連WFP協会(日本窓口) |
WFPは2020年にノーベル平和賞を受賞。
その理由には、「飢餓と闘う努力、紛争の影響を受けた地域の平和のための条件の改善への貢献、そして飢餓を紛争の武器としての使用を防ぐための原動力としての役割を果たした」(引用:WFP HP)とありました。
WFPへの寄付は、人びとの命に直結する食料支援として紛争地域の人に届けられます。
実際にWFPへ寄付した体験記はこちら。
WFPとともに飢餓、そして紛争と闘う方法として、継続寄付を検討してみてはいかがでしょうか。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
緊急期から復興期まで長期的に支える、日本発の国際NGO(JEN)
紛争が起きた地域では、様々な社会的インフラが破壊されます。そのダメージは、戦闘が終息した後も長期的に現地に残り、人びとが安全な暮らしを安心して送る妨げとなります。
紛争地において緊急的な支援から復興期にかかる支援まで長期的な視点に立って行うのが、日本の東京に本部を置く国際NGO、JENです。
たとえば、長期間の紛争や政治不安が続くアフガニスタンにおいて、JENは2001年から支援を開始。
一例ですが、現在までに下記のような活動を行っています。
1. 難民への緊急支援
難民キャンプで避難生活を送る人びとが厳しい冬を越えられるよう、毛布や子ども用の衣料品、暖房器具などの生活必需品を支援しました。
2. 衛生施設、インフラ、居住地の再建
長期に及ぶ戦闘で破壊された公衆衛生インフラを整え、合わせて地元住民をはじめ、教師やコミュニティの指導者に衛生教育を実施し、衛生環境の向上に貢献しました。また、避難地から帰還したものの、自力では自宅の再建が難しい世帯に対して、住宅再建支援を行いました。
3. 教育支援
破壊された学校の再建とともに、紛争により教育が中断された住民に識字教育事業を実施し、さらに就労の機会を得られるよう、裁縫教室も開催しました。社会的制約から教育を受けられない女性に対しても教育・自立支援を行うことで女性の能力向上にも繋がりました。
4. 食糧危機支援
2021年のタリバンによる政変に伴い、アフガニスタンでは深刻な食糧不足が起こっています。JENは現地のニーズに合わせ、米、小麦、塩、砂糖、豆類などの食糧と物資を、脆弱な立場に置かれた人びとに届けています。
(出典:JEN HP)
JENは、現地に暮らす人びとが支援に頼ってしまうのではなく、自分たちの力で自立できるよう、事業実施の際には極力住民参加を促し社会参加や自治に対する意識を高めているそうです。
また、自然災害や感染症の流行に対応する緊急支援も適宜実施しています。
活動内容 | 紛争地域や自然災害の被害を受けた地域の緊急支援から自立支援 |
活動地域 | アフガニスタン、パキスタン、トルコ、日本(東北) |
支援対象 | 紛争、自然災害により厳しい状況にある人びと |
寄付の使途 | 緊急支援時の物資調達費用、自立のための設備建設費用等 |
運営団体 | 認定NPO法人ジェン(JEN) |
「緊急支援だけでなく、息の長い支援を行う団体を応援したい」という方には、「JENサポーター」へのお申し込みがおすすめです。
クレジットでも申し込める毎月の定額募金でJENを支援できます。
JENの継続的な活動を、あなたの継続的な募金で支えてみませんか?
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
この記事では、紛争下の人々のために活動する団体を3つご紹介しました。
紛争が起きている地域では、あらゆるものが破壊されて人も土地も傷つき、食料、医療、インフラ、教育などたくさんのものが必要です。
そんな時、状況に合わせて物資にも医療にも人手にもなる「募金」は、現地の人々を支える有効な手立てではないでしょうか。
「何かできることはないだろうか」と考えてる方は、ぜひ募金も視野に入れて検討してください。