子どもがだまされて売られないようにインドで活動する、認定NPO法人「かものはしプロジェクト」。
「かものはしプロジェクトとは?」「信頼できる団体?」
団体の沿革や活動内容、寄付金の使途、支援の方法を調べました。
目次
かものはしプロジェクトとは?売られてしまう女性や子どもを救う、日本発のNPO
かものはしプロジェクトとは?
その沿革を紹介します。
当時二十歳の女子大生が被害の現状に心を痛めたのがきっかけ
「かものはしプロジェクト」は、2002年に日本の大学生3人が子どもの人身売買をやめさせるために立ち上げた任意団体が始まりです。
世界では100万人の子どもたちが「商業的性的搾取」の被害にあっています。
「商業的性的搾取」とは、子どもたちがお金やものと引き換えに性的な行為を強要され、搾取されてしまうことです。国連の定義の中でも「最悪の形態の児童労働」であると言われており、かものはしはその中でも、子どもの「性的搾取を目的とした人身売買」(子どもが売られてしまう問題)を解決するために活動しています。
出典:かものはしが取り組む問題とは – かものはしプロジェクト
共同創業者の村田早耶香さんについて詳しく知りたい方は、こちらの記事でまとめていますので、よろしければお読みください。
活動開始から10年、カンボジアで子どもが売られない世界を実現
当初の活動は、子どもたちが売られる問題が極度に悪かったカンボジアから開始。
人身売買の主な原因の貧困問題を解決するために、ボランティアでなく自分たちで活動資金を調達する自立収益型のモデルも構築。
農村部にい草の雑貨工房を作り、職業訓練と収入向上の支援を行って製品を日本で販売しています。
その結果、女性や子どもが危険な出稼ぎに行かなくて済むようになったとのことです。
政府やパートナーNGOの協力を得て、子どもを買う人を逮捕するために警察の研修支援も行いました。
カンボジア経済の成長にも助けられ、活動開始から約10年後の2012年には子どもが売られるケースはほとんど確認できなくなったそうです。
かものはしプロジェクトは、2018年にカンボジア事業を終了。
一方、カンボジアに残る社会課題に向き合い、女性たちを応援するため、SALASUSUというカンボジア発のライフスタイルブランドが立ち上がり、バック・お財布・スカーフなどの小物を販売しているようです。
【ブランドSALASUSU発足!】
— 認定NPO法人 かものはしプロジェクト (@kamonohashiprj) 2018年11月9日
かものはしが以前活動していたカンボジア事業は、SALASUSUという別団体にその役割が引き継がれました!日本の百貨店でも随時ブースを出させて頂けるようにもなりました!とてもオシャレなブランドになっています、是非チェックしてみてください!https://t.co/ziDmLZ97eP pic.twitter.com/FcWJ21pzx4
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
インドでも子どもが売られない世界を
「かものはしプロジェクト」は、2012年からインドに活動の軸足を移します。
インドの貧困地域から都市部に売られているルートに焦点を当てる
西ベンガル州からマハラシュトラ州へのインド最大の人身売買ルートにおける被害者数の減少に注力しています。
【インドでは、被害者の約47%が西ベンガル州出身】
— 認定NPO法人 かものはしプロジェクト (@kamonohashiprj) 2018年11月13日
マハラシュトラ州から救出された被害者の47%以上が西ベンガル州出身です。理由として、災害の影響を非常に受けやすく、ネパール及びバングラデシュと国境を接していること、女性の移動性が高いこと等が考えられています。https://t.co/Cj15fzjMb3 pic.twitter.com/MFc30ViUCV
被害者に寄り添いながら、問題を予防する取り組みを行う
インドでの「性的搾取を目的とした人身売買」をなくすため、2つの活動をしているようです。
活動1:売春によって心身共に傷付いた「サバイバーに寄り添う」
サバイバー(人身売買被害者)が自分の人生を取り戻すため、心のケアや自立支援、被害者補償金の受け取り支援などをしています。
【事例:傷ついた心を癒す「ケアプログラム」】
貧しい農村で育ったルヒは、学校に行きたかったけれども両親が反対。
10歳の時、叔母に「学校に行かせてあげる」とだまされて薬で眠らされ、売春宿に売られて働かされたそうです。
幸い警察に助け出されてシェルターで生活し、学校には行けるようになります。
ですが、両親は迎えにきてくれない上に差別もあって友達もなしのぼっちに。
ケアプログラム 「ダンスムーブメントセラピー」 を始めて心を癒され、現在はその講師になるまでに至ったとのことです。
(出典:10歳にして味わった絶望と、支援の先にある希望-かものはしプロジェクトHP)
【インドのダンスムーブメントセラピー】
— 認定NPO法人 かものはしプロジェクト (@kamonohashiprj) November 8, 2018
かものはしが提携している現地NGOが、被害者女性への精神回復の一環でダンスムーブメントセラピーを施しています。ダンスによって心と体を一致させることで精神回復を促進させる取り組みです。下記のリンクから是非ご一読ください!https://t.co/5k5MgFXFkN pic.twitter.com/yz2Y1gHEd6
活動2:人身売買ビジネスが成り立たない「社会の仕組みをつくる」
被害者が罰せられるような法整備の支援や、弁護士による被害者の裁判支援といった法執行支援から「社会の仕組みを変える」アプローチを行なっています。
【事例:サバイバーが裁判で勝って補償金を獲得】
アリーシャは大親友に結婚保証人を頼まれて、大親友とその相手と一緒に列車に乗るものの、相手の彼から睡眠薬を飲まされて2人は売春宿に売られてしまいます。
2年後にお客と父と警察のおかげで救出されますが、差別・心の傷・社会復帰の難しさに直面。
かものはしプロジェクトからビジネス立ち上げの資金援助や被害者裁判の支援を受けて、インド政府から被害者補償金を勝ち取りました。
(出典:父と娘の絆、そして希望。-かものはしプロジェクトHP)
【被害者補償金の獲得!】
— 認定NPO法人 かものはしプロジェクト (@kamonohashiprj) 2018年11月30日
かものはしプロジェクトでは、人身売買被害者女性の権利回復のお手伝いをしています。インド政府が被害者にきちんと被害者補償金を支払ったことは、活動前では見られなかった画期的な出来事でした。詳しくは下記リンクからどうぞ。https://t.co/9X4VNJuRHm pic.twitter.com/MhMVQeJdcZ
かものはしプロジェクトへ寄付する前に、注意したいポイント3つ
かものはしプロジェクトへ寄付をする前に知っておきたい、寄付金の使途、寄附金控除、寄付の方法について調べてみました。
ポイント1:寄付は女性や子どもの裁判支援・自立支援などに使われる
かものはしプロジェクトの「2022年度年次報告書」に支援実績に関する説明がありました。
- インド事業:122人のサバイバーによる加害者逮捕・訴訟支援(2022年度)
- インド事業:246人のサバイバーがリハビリテーション支援を受ける(2022年度)
- 日本事業:子ども・家族を地域みんなで支える「地域エコシステム(生態系)」を育むことを目指し、地域の連携・協働を促進するコーディネーター役を担う6団体への支援を実施(2020〜2023年度)
(出典:2022年度年次報告書 P.11〜18 – かものはしプロジェクト)
詳しい寄付の使い道については、こちらの記事でまとめていますので、よろしければお読みください。
ポイント2:認定NPO法人として、寄付金控除の対象に
かものはしプロジェクトは東京都庁から認可を受けた、認定NPO法人です。
所得税、法人税、相続税、一部の住民税が控除の対象となります。
ポイント3:「毎月」や「今回限り」など、異なる支援方法
毎月の寄付
「サポーター会員」となって、毎月1,000円以上の任意の金額を「クレジットカード」もしくは「口座振替」で寄付することができます。
今回の寄付
今回の寄付(一回限りの寄付)は、「クレジットカード」か「銀行振込」のどちらかで任意の金額を寄付できます。
不要になった古本・CD・DVDで寄付
読み終えた本やいらなくなったCD・DVD・ゲームなどを、寄付して支援することも可能です。
以上、かものはしプロジェクトの成り立ち、寄付金の使い道、支援の方法について紹介させて頂きました。
寄付を検討されている方のお役に立てれば幸いです。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です