(出典:国連WFP協会HP)
2011年3月から起きたシリア国内の内戦により避難を余儀なくされているシリア難民。
「何か自分にできることはないか」といざ募金しようとしても、なかなかどの団体に募金したらいいのかということが見えてこないかもしれません。
代表的な募金先の支援団体を、3つをピックアップしてご紹介します。
目次
難民生活で学校へ通えない子どもに教育を(ワールド・ビジョン)
国際NGOワールド・ビジョンは、シリア難民を受け入れているヨルダンで、教育支援事業を行なっています。
シリア難民とは、2011年から続くシリア内戦から逃れるために、国内外の安全な地域へと避難したシリアの人々のことを指します。
避難を余儀なくされている多くの住民が不自由な生活を強いられ、大多数が貧困を下回るレベルでの生活を送っています。
国から命からがら逃げてきたシリア難民の子どもたちは、長期間学校に通えなかったため、学習に遅れが生じています。
ワールド・ビジョンは、ヨルダンの学校に子どもたちが追いついていくための補習授業の実施や、避難生活によるストレスを和らげるようなレクリエーション活動をおこなっています。
活動内容 | 食料や水の緊急支援・難民キャンプで教育支援など |
活動地域 | シリア・イラク・南スーダン・バングラデシュなど |
支援対象 | 紛争や災害の被害に苦しむ、難民の子どもたち |
寄付の使途 | 綺麗な水・薬・学用品など、現地に必要な物資 |
運営団体 | 認定NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン(日本窓口) |
現在、難民は増え続けており、教室の不足も続いています。
子どもたちの教育環境と心の平安を守るため、月1,000円からでも支援を始めてみてはいかがでしょうか。
学校は子どもの安全が守られる場所を選んで作られています。
子どもが未来を向いて、希望を持って学び続けられるよう、ぜひ寄付を検討してみてください。
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寄付金控除の対象団体です
飢えや貧困に直面する人々に、⾷糧の⽀援を(国連WFP協会)
シリアでは、現在人口の半分以上に当たる1200万人が食糧難の状態にあり、2019年から51%も増加しています。
記録的な食料と燃料価格の高騰、継続しているインフレ、国内の一部地域で今も続く紛争、悪天候、ウクライナでの戦争が、シリア国内の最も脆弱な立場にある人びとに大きな負担を強いています。
国連WFP協会HP
そんな絶望的な状況の中、飢えに苦しむ難民への食料支援をしているのが国連WFP協会です。
「飢餓と貧困の撲滅」を使命に掲げる国際連合の機関で、緊急時に食料支援を届けるとともに、途上国の地域社会と協力して栄養状態の改善と強い社会づくりに取り組んでいます。
国連WFPは、シリア国内全14県で560万人に主要な食料を提供し、飢餓のさらなる悪化を防いでいます。主な支援先は、紛争や経済衰退、気候変動の影響を受け、最も脆弱な立場にある家庭です。
国連WFP協会HP
国連WFPは、資金不足やサプライチェーンの混乱など厳しい状況に立たされながらも、シリア国内の毎月560万人の人々に食料を支援しています。また、物資としての支援だけでなく、受益者の方が地域でそれぞれのニーズに合った食料を購入できるバウチャー(食料引き換え券)も配布し、地元経済にも貢献できる仕組みを作っています。
活動内容 | 緊急食料支援、学校給食支援、母子栄養支援、自立支援など |
活動地域 | アフガニスタン、イエメン、シリア、南スーダンなど123の国と地域 |
支援対象 | 飢餓で苦しむ子ども、妊産婦、大人など1億6,000万人(2022年) |
寄付の使途 | 食料・学校給食支援、栄養強化ペースト配布などの栄養支援 |
運営団体 | 認定NPO法人国連WFP協会(日本窓口) |
毎月3,000円の寄付を1年間することで、乳幼児の栄養不良を防ぐための栄養強化ペーストを120個届けられます。
WFPは「ないと死んでしまう食料」を重点的に、緊急に、最も必要とされている場所に支援しています。
飢えによる苦しみ、命を落としている方々を一刻も早く「支援したい」という方は、その募金が直接誰かの命を使うことにつながるかもしれません。
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寄付金控除の対象団体です
日本に逃れた難民の、衣食住や就労などサポート(難民支援協会)
シリアから国外に逃げた方は、2016年10月の時点で568万人を超えたそうですが、その一部は日本にも逃れています。
日本には400人以上のシリア人が暮らしていますが、そのうち80人以上は難民申請を出しています。
2018年6月までに、シリア難民で日本で「難民」と認定されているのはたったの「15人」といわれており、他の欧米先進国と比べると非常にショッキングな数字と言えるでしょう。
裕福な家庭生まれで、何不自由なく暮らしていたジュディさんは、罪のない子どもが殺される光景を目の前にして、反政府デモに参加するようになりました。地元の有力者だったたため、影響力があると政府から狙われ、出国を決意。
彼が話せるのはクルド語とアラビア語。来日してすぐ、難民支援協会(JAR)につながります。
しかし、ジュディさんの難民申請の結果は不認定となりました。
理由は、反政府デモへの参加を呼びかけたりデモへ参加した程度のことです。
そんな日本に逃れてきた難民が強制送還されずに、安心して暮らしていけるように活動するのが、難民支援協会です。
難民支援協会は、1999年に日本で設立。日本を訪れた難民支援を専門に、累計6,000人以上・107ヶ国の方々をサポートしてきてきたそうです。
- 1,000円の寄付で、難民申請手続きのための、交通費を支払えます。
- 3,000円の寄付で、路上生活に耐えている難民が宿で1泊休むことができる。
- 5,000円の寄付で、成田空港に出向き、とどめ置かれた難民に面会できます。
活動内容 | 医食住の生活支援、難民認定の法的サポートなど |
活動地域 | 東京都など |
支援対象 | アフリカ・アジアなどから、日本に逃れた難民 |
寄付の使途 | 難民の申請手続きのための交通費、シェルターの宿泊費など |
運営団体 | 認定NPO法人難民支援協会 |
2017年3月28日にはトルコにいた難民となっているシリアからの留学生の受け入れをするなど、「留学生」という形ですが、徐々にシリア難民の受け入れを開始しています。
シリア難民の日本への窓口を広げることも、シリア難民の支援の一つの形です。
日本人として、日本のこのような態度と状況を少しでも改善したいと思われる方は、是非ご覧になってみてください。
まとめ:人類史上に残る悲劇を救うために
シリア難民のうち人道支援が必要とされている人の数は1,310万人、そしてそのうちの極度の貧困状態で暮らす人は70%と言われています。
冒頭でも述べた通り、シリア危機は2011年3月から始まり2020年の今、約9年ほど続いていると言えます。
これは6年間続いた第二次世界大戦を上回る長さになり、まだまだ長期化し、被害は拡大する一方です。
この未曾有の「人災」は、長期化に伴いその関心が徐々に失われてきていると言います。
まだまだシリア難民の方々には、支援が必要です。
「この状況を改善するために、何か少しでも力になれたら」と思われている方にとって、支援先選びの参考に少しでもなりましたら嬉しいです。