国境なき医師団の実態は?活動内容と寄付の使い道を、5分でチェック

緊急性の高い紛争や災害時を中心に、医療・人道援助活動を行う国際NGO、「国境なき医師団」(MSF=Médecins Sans Frontières)。
日本の窓口は、認定NPO法人「国境なき医師団日本」(略称:MSF日本 )が担っています。

「国境なき医師団とは?」「寄付しても大丈夫?」
団体の成り立ち、活動内容、寄付金の使途、支援方法を調べました。

国境なき医師団とは?中東やアフリカなど、約70カ国に医療を届ける国際NGO

国境なき医師団とは?
成り立ちや、日本の窓口について調べました。

フランスの医師とジャーナリストが創設

1971年、ナイジェリアのビアフラ内戦終結の翌年にフランスの医師とジャーナリストによって創設されました。

1975年、ポルポト政権下のカンボジアで、初の大規模な医療援助活動を実施。
1976年には内戦下のレバノンに56人の医師・看護師を派遣して、初めて紛争地で援助活動を行うなど、設立当初から緊急援助が必要なその場所へ出向いて活動をしているようです。

MSFは世界各地に38事務局を設置しています。
主な活動地はアフリカ・アジア・中東・中南米で、2018年は70ヵ国以上で活動しました。
約4万7000人の海外派遣スタッフ・現地スタッフ・事務局スタッフが世界各地で働いています。

出典:国境なき医師団とは – MSF日本

日本事務局も、開設から30年近い歴史がある

1992年、東京に国境なき医師団日本が開設されました。
2018年には日本から106人のスタッフを派遣。
派遣回数はのべ148回で、27の国と地域で活動したとのことです。

海外に加えて、日本でも活動をしています。
東日本大震災時には岩手県南三陸町と宮古市田老地区で診療所2ヵ所の建設・改修やカフェの設置などをして、医療支援を行なった実績があります。

有事の際は、事態発生から48時間以内に現場に急行し、必要な医療支援を届ける

国境なき医師団の活動内容を調べました。

紛争地などに緊急医療チームを派遣

国境なき師団には直ぐに出動できる緊急医療チームと医療キットが準備されています。
紛争・天災・感染症の流行など、集中的にたくさんの命に危険が迫る緊急事態に備えているとのことです。

人道危機の際は必要な援助ニーズを確認した上で、48時間以内に事故現場に駆けつけ、命を救っているようです。

【事例1】 エボラ出血熱 はしか同時流行、暴力行為激化のコンゴにおける緊急援助

WHOの発表によると、2020年3月2日までに2264人がエボラに関連して亡くなっている。
流行の中心地は北キブ州とイトゥリ州で、南キブ州でも症例が報告されている。

国境なき医師団(MSF)は、コンゴ北東部にて、エボラ治療センターを運営するとともに、既存の病院等に一時受け入れ施設を設置。
また、医療施設と医療従事者の感染予防・制御(患者のスクリーニング、消毒・除染)や、ワクチンの接種、疫学的サーベイランス(調査・監視)、住民への啓発活動などを行っている。 

出典:活動ニュース – MSF日本

【事例2】 ハイチ大地震から10年 安定とはほど遠い現実

10年前の2010年1月12日、マグニチュード7.0の大地震がハイチを襲った。何十万人もの命が奪われ、数百万人が住まいを失った。インフラへの打撃も大きく、医療機関の6割が被害を受けたとされる。 

外国人スタッフ数百人とともに、自らも被災者である数千人のハイチ人が緊急対応に参加し、26の病院と数十カ所での移動診療に従事。
MSFが地震から10カ月の間に治療した人びとは35万8000人に上った。
さらに、団体として2010年末までに1億400万ユーロ(約121億円)超をハイチへ寄贈した。
出典:活動ニュース – MSF日本

国際社会に協力を仰ぐための調査活動

国境なき医師団では、医療支援を通じて得られたデータを分析して、より良い課題解決アプローチを模索しているようです。
各国政府などに協力を要請するための提言活動にも注力しています。

一例としては、紛争下の医療活動の安全性の確保を求める署名運動が挙げられます。
2015年にアフガニスタンにあった国境なき医師団の病院が、米軍に空爆されたことがきっかけで始まった活動です。

国境なき医師団に寄付する前に、押さえたいポイント3つ

寄付をする前にチェックしておきたい寄付金の使い道、寄附金控除、支援方法を調べてみました。

ポイント1:「予防接種」や「栄養治療食」など、寄付の使い道

毎月寄付をした場合の具体的な使い道を、金額別にピックアップしてみました。

  • 毎月1,500円で、清潔な飲み水63人分
  • 毎月3,000円で、はしかの予防接種を毎月120人分
国境なき医師団に「毎月の寄付」を決める前に調べた、リアルな活動現場と寄付金の使い道

ポイント2:認定NPO法人として、寄付金控除の対象に

国境なき医師団の日本窓口に当たる「国境なき医師団日本」は認定NPO法人です。

所得税、法人税、相続税、一部の住民税が控除の対象となります。
ポイント寄付や他団体の募金サイトからの寄付などは、控除の対象外です。

国境なき医師団で寄付金控除は受けられる?税金や領収書について調べました

ポイント3:支援方法は「毎月の寄付」や「今回の寄付」などから選ぶ

毎月の寄付

毎月任意の金額(デフォルトは1,000円から)をクレジットカード、もしくは口座振替で寄付できます。
寄付の使い道は指定できず、さまざまなプロジェクトにお金が使われます。

今回の寄付

任意の金額をクレジットカード、コンビニエンスストア、ペイジー、楽天edy、auキャリア決済などの支払い方法から選んで寄付できます。
支援したいプロジェクトを指定して、寄付することも可能です。

その他

その他、さまざまな寄付の方法が用意されています。

  • 企業・団体からの寄付
  • 遺贈
  • 相続財産の寄付
  • お香典・お花料の寄付
  • 募金サイトから寄付
  • ポイントで寄付
  • お祝いから寄付
  • 古本で寄付
  • “お宝”で寄付
  • 従業員募金
  • お買い物で寄付
  • チャリティモバイル
  • Famiポート募金
  • 特定寄付信託で寄付

この他にも学校や団体で募金箱を設置したり、チャリティバザーを開いたりして集まったお金を寄付する自主的な支援方法があります。
国境なき医師団日本にウェブサイトから申込をすれば、募金活動のやり方のガイドラインや、ポスターなどのツールの提供をしてくれます。

以上、国境なき医師団の活動の成り立ち、寄付金の使い道、支援の方法について解説させて頂きました。
寄付を検討している方のお役に立てれば幸いです。

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