アフリカに寄付して役立つの?募金を有効に使ってくれる国際NGO4選

(出典:ロシナンテスHP

「アフリカ支援なんて、もう何十年も前から続いているのに、どうして状況は良くならないの?」そんな疑問を抱いたことはありませんか?

支援によって救われた命や希望を取り戻した人々も存在する一方で、今も飢餓や医療不足、教育格差など深刻な問題が続いています。

「何か力になれないだろうか」「でも、どこに寄付すればいいの?」と感じている方へ。

この記事では、以下を通じてアフリカが抱える課題の解決に取り組んでいる活動や寄付の方法について解説していきます。

  • アフリカへの支援を続ける団体の紹介
  • アフリカに寄付する意義
  • 寄付が必要とされる具体的な課題(食料・医療・教育・水・気候)
  • 信頼できる寄付先の選び方

あなたにぴったりの寄付先がきっと見つかるはずですので、ぜひ最後までご一読ください。

目次

アフリカへの支援を続ける団体6選

まずは「すぐにおすすめの寄付先を知りたい!」という方のために、寄付ナビ編集部が厳選したおすすめの団体を6つご紹介します。

ユニセフお腹を空かせて亡くなる子どもに”栄養治療食”を支給

ユニセフ HP

今すぐ手を打たなければ命を落としてしまうような、重度の栄養不良に苦しむ子どもは、世界に1,660万人もいると言われています。
紛争や災害など、さまざまな要因によって、満足に食事を取ることができません。

こうした子どもたちに栄養治療を行なっているのが、ユニセフです。
より緊急度の高い地域から優先的に支援を届けることで、一人でも多くの命を守る活動をしています。

紛争により、ナイジェリア北東部から避難した村で苦しい生活を送る一家。
モハメドをはじめ、4人の子どもたちに食べさせるため母親は毎日必死に働いています。
それでも十分な食料を手に入れられず、幼いモハメドが衰弱し、体重は同年齢の子どもの半分にまで落ちていました。

(出典:日本ユニセフ協会HP)

モハメドもユニセフの支援を受けた子どもの一人。
6週間にわたる栄養治療を受けて、元気を取り戻すことができたそうです。

活動内容医療・保健・衛生・教育など多岐に渡る
活動地域ガーナ、パキスタン、バングラデシュなど世界190ヶ国
支援対象貧困・紛争・緊急支援が必要な国に住む子どもたち
寄付の使途ワクチン・医療器具・研修実施費用など
支援方法お金ポイント外国コインなど(モノの寄贈は不可)
運営団体公益財団法人日本ユニセフ協会(日本窓口)

ユニセフへの寄付は「ユニセフ・マンスリーサポート・プログラム」がおすすめです。
たとえば、月2,000円の支援を1年間続けると、栄養治療食720袋を届けることができ、栄養不良の子ども5人を助けることができます。

ユニセフのマンスリーサポーターとして私が世界の子どもを支援する3つの理由
編集部オススメのポイント!
ユニセフは、すべての子どもの命と権利を守るため、 最も支援の届きにくい子どもたちを最優先に、約190の国と地域で活動しています。その活動資金は、すべて個人や企業・団体・各国政府からの募金や任意の拠出金によって賄われています。
初回のお引き落とし前に「ウェルカムキット」を、その後は年4回、子どもたちの状況とユニセフの活動を伝える広報誌「ユニセフニュース」を郵送、Eメール配信で届けます。また、日本ユニセフ協会が発行する各種資料の最新版が無料で提供されます。

途中で金額を変更することも、退会することも可能です。
希望される方には領収書も発行してもらえます。

「飢餓で亡くなるような子どもを助けたい」
「今すぐ現地に必要な支援を届けてほしい」

こんな風にお考えの方は、ぜひ支援を検討されてみてはいかがでしょうか。

> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です

グッドネーバーズ・ジャパン学校へ通えない子どもにも、教育を届ける

グッドネーバーズ・ジャパン HP

「治療」だけでなく「教育」も、現地の方々が自立して発展していくには必要不可欠です。
認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパンは、貧しさゆえに学校に通えない子どもたちに教育支援を届けています。

「村にいる同い年の女の子のほとんどが、結婚して子どもを産んで、家事をしています。
大人たちは、『女の子は13歳、14歳で結婚するものだ』と言うの。」

ジャンヌさん(14歳、アフリカ・チャド)

ジャンヌさんはグッドネーバーズの支援により中等教育まで教育を受けることができました。
しかし、世界には小学校に通えない子どもが少なくありません。

こうした子どもたちが生活している地域に、たとえば学校や図書館を建設し、大人たちの理解も得ながら、子どもたちが学校に通えるように環境を整えているそうです。

活動内容子どもたちと居住地域の貧困状況の改善サポート
活動地域チャド・インド・インドネシア・カンボジア・ネパール・バングラデシュ・エチオピア
支援対象家庭の経済状況や家族構成などを考慮して、活動国で最もサポートを必要としている子ども
寄付の使途文具提供・健康推進活動費・浄水器の設置など
支援方法お金・切手・ハガキ・金券など
運営団体認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパン

グッドネーバーズ・ジャパンを支援する際の最大の特長は、途上国の子どもの顔が見える「子どもスポンサー」です。
月1,000円から”みんなの成長を見守るコース”と、月4,000円から”ひとりの成長を見守るコース”の2種類があり、どちらも子どもたちからお手紙を受け取ることができます。

グッドネーバーズ ・ジャパン「子どもスポンサー」を申し込む前に調べた4つの疑問
編集部オススメのポイント!
グッドネーバーズの海外での活動は「教育」「医療・保健」「水・衛生」「収入向上」「アドボカシー」の5つに分かれます。これらの活動を通じて、子どもたちの「こころ」と「身体」の成長を見守るため、活動を続けています。
月々1,000円から始められ、複数のスポンサーで複数の子どもの成長を見守る「みんなの成長を見守るコース」と、ひとりの子どもの成長をじっくりと一対一で見守る「ひとりの成長を見守るコース」の2つから、ご自身に合ったコースを選ぶことができます。

月1,000円の支援でも、40人のクラス全員に文房具セット(ノート、ペン、鉛筆など)を配ることができるそうです。

「長期的に発展していくためには、土台となるような”教育”が必要だ」
「生まれた場所に関わらず、子どもの教育を受ける権利を守りたい」
そんな風に感じていただけた方は、ぜひ支援を検討されてみてください。

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寄付金控除の対象団体です

セーブ・ザ・チルドレン最も支援が必要な地域に生まれた子どもを支援

セーブ・ザ・チルドレン HP

毎年推定540万人の子どもたちが、5歳の誕生日を迎える前に、命を落としていることはご存知でしょうか。
貧困や災害などの様々な理由で、子どもたちが危険な状態に晒されています。

ザガリアさんは、2013年11月、ソマリアのプントランドにあるガルド総合病院で生まれました。

ザガリアさんが生まれた時、なかなか産声をあげなかったため母親はとても心配しましたが、助産師の適切な処置により、無事に産声をあげることができました。

ザガリアさんは、セーブ・ザ・チルドレンが、この病院の産科病棟への支援を始めてから、最初に生まれた新生児の1人です。
今では、より多くの母親が安全に出産できるようになりました。

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン HP

セーブ・ザ・チルドレンは、100年以上の歴史を持つ、子ども支援専門の国際NGOです。

現在はアフリカのソマリア・南スーダン・コンゴ民主共和国などを始めとする、世界120ヶ国の子どもたちに、保健や栄養・教育などの支援を届けています。

活動内容子ども達の保健・栄養支援・教育支援など
活動地域ウガンダ・南スーダンなど約120ヶ国
支援対象貧困・被災・医療機関の不足に苦しむ子ども達
寄付の使途食料・診察代・学用品など子ども達の支援活動全般
支援方法お金Tポイントメルカリなど
運営団体公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン

毎月1,500円〜の寄付で活動を応援する「SCサポート」を募集しています。
申し込む前にチェックしたいポイントを、以下の記事にまとめましたので、よかったらお読みください。

セーブ・ザ・チルドレン「SCサポート」を申し込む前にチェックした、寄付の使い道と3つのポイント
編集部オススメのポイント!
緊急・人道支援、保健・栄養、教育、子どもの保護、防災など、さまざまな分野で包括的な子ども支援を実施しています。セーブ・ザ・チルドレンの活動は、全世界200万人以上の支援者によって支えられています。
第一次世界大戦で社会が荒廃した時代、栄養不良に苦しむ子どもたちの支援に敵味方の区別なく取り組んだイギリス人女性エグランタイン・ジェブさんの活動からセーブ・ザ・チルドレンは始まりました。

例えば月1,500円の寄付を1年間続けると、清潔な衣類、石けんやおむつなどの新生児キットを7組の母子に提供することができます。

「世界で最も脆弱な立場に置かれている子どもたちを助けたい」
こんな風に感じていただけた方は、ぜひ支援を検討されてみてはいかがでしょうか。

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ロシナンテス貧しい村を巡回して、質の高い医療を提供する

ロシナンテス HP

途上国では医療インフラが整っていない地域が少なくなく、たとえ怪我や病気をしたとしても、適切な治療を受けられずに取り残されてしまう人たちがいます。

認定NPO法人ロシナンテス・創始者の川原尚之さんは、当時状況のひどかったスーダンに外務省の医務官として赴任したのをきっかけに、活動を開始しました。

当時は内戦の只中でした。
日本政府からの支援は、欧米諸国と同じく1992年から途絶えており、医療施設は全くと言ってよいほど十分なものではありませんでした。
「目の前に病んだ人がいても何もできない!」
2005年に外務省を辞して、スーダンで医療活動を開始しました。

ロシナンテスHP

ときには、住民から診療を拒否されてしまうこともあるとのこと。
現地の住民に、医療の大切さを伝え、彼らの手によって活動が続くようにサポートしているそうです。

活動内容貧しい村への巡回診療や、給水所・診療所の建設など
活動地域スーダン・ザンビアなど
支援対象乳幼児とその母親・地域の村人など
寄付の使途マラリアの予防接種や、医療施設の整備にかかる費用等
支援方法お金切手やハガキなど
運営団体認定NPO法人ロシナンテス

寄付の使い道は実際の診療以外にも、巡回車両の整備費・購入費や、スーダンの医師が日本の医療を学ぶための研修渡航費用などにも使われるとのこと。

私も月1,000円の寄付で活動を応援しています。

ロシナンテスへの寄付「チーム・ロシナンテス」に加入した3つの理由
編集部オススメのポイント!
アフリカで活動する団体は数多くありますが、中でも日本人が設立した団体は稀です。創設者であり代表の川原尚行医師は、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で取り上げられたことがあります。
ロシナンテスを毎月の寄付で応援する「チーム・ロシナンテス」に加入すると、限定イベントに参加でき、川原さんと直接お話しできます。イベントは基本的にオンラインで実施されますので、地方にお住まいの方も気軽にご参加いただけます。

”世界のどこにでも「医」を届ける!”という団体のミッションに共感された方は、ぜひHPもご覧になってみてください。

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WWF:政策提言を軸に世界各国で環境保護活動を展開

WWF HP

WWFは、1961年に設立され、「生物多様性の保全」をミッションに掲げ、世界190ヵ国で自然環境と野生生物の保護に取り組んでいます。

気候変動は、私たちの暮らしだけでなく、野生動物たちの命や生息地にも深刻な影響を与えています。

WWFは現在、アフリカで象牙密猟や農地拡大によって絶滅の危機にあるアフリカゾウの保護や、人とゾウのあつれき解消に取り組んでいます。

タンザニアやケニアでは被害状況の調査や自治体向けワークショップを実施し、共存のための対策を推進。また、広域保全を担う地域事務所を拠点に、生態系と人間活動が共存できる“ランドスケープアプローチ”を展開しています。

その他にも、生態系を守る活動の一環として以下のような活動を実施しています。

  • 森林の保全と再生(REDD+):熱帯林や北方林を守りながら、二酸化炭素を吸収する“地球の肺”を再生。森を守ることは、そこに暮らす野生生物の命を守ることにもつながる
  • 政策提言・企業との連携:政府や企業に対して脱炭素への取り組みを呼びかけ、社会全体での温暖化対策を加速
  • 再生可能エネルギーの普及:太陽光や風力といった自然エネルギーの活用を促進し、化石燃料からの転換を後押し
  • 市民への啓発活動:「未来47景」などを通じて、日々の暮らしの中でできる温暖化対策を広く発信
活動内容 絶滅の危機にある野生動物の保護などを通じて、生物の多様性を守る
活動地域 世界約100カ国以上
支援対象 パンダやトラ、ペンギンなどの野生動物及び自然環境
寄付の使途 密猟を防ぐパトロールなど、生態系を保護するために必要な活動全般
運営団体 公益財団法人世界自然保護基金ジャパン
WWFへの寄付で、絶滅の危機に瀕している「野生生物」へ支援を始めた理由
編集部オススメのポイント!
会員として支援を始めると、希望者に会報誌「地球のこと」が年4回、郵送で届くようになります。団体の活動報告はもちろんのこと、気候変動の国際会議など今知りたいニュースの特集も組まれていますので、環境問題をわかりやすく学ぶことができます。
野生生物を守るためには自然環境全体の保護が不可欠という考えから、活動範囲を発展させた経緯があります。その際に名称も「世界野生生物基金」から現在の「世界自然保護基金」に改名されました。パンダのロゴは世界中の人々が環境保全を願うシンボルです。

「自然や野生動物を守りたい」「未来の世代に豊かな地球を残したい」そんな想いをお持ちの方は、ぜひWWFジャパンの活動へのご支援をご検討ください。

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ワールド・ビジョン:子どもたちの命と未来を支える国際NGO

ワールド・ビジョンHP

世界では、紛争、貧困、教育の機会不足、栄養不良などが原因で、多くの子どもたちが命の危険にさらされています。特に、アフリカ、アジア、中南米などの地域では、教育を受けることなく働かされる子どもたちや、清潔な水が手に入らない環境で生活する子どもたちが多く存在します。

「栄養不良が免疫力の低下を招き、下痢や肺炎などの予防可能な病気で亡くなる子どもたちがいます。急性栄養不良と診断される5歳未満児は、世界で4500万人にのぼります。」

ワールド・ビジョンHP

ワールド・ビジョン・ジャパンは、これらの課題に立ち向かうため、開発援助、緊急人道支援、アドボカシー活動の3本柱で世界100カ国で活動しています。具体的には、チャイルド・スポンサーシップを通じて教育支援や栄養改善、清潔な水の提供などを行い、地域社会の自立を支援しています。

これらの活動は、寄付を通じて支えられています。月々1,000円からのご寄付で、子どもたちへの教育支援や生活支援が可能となります。

また、チャイルド・スポンサーシップを通して、支援地域に住む子ども「チャイルド」とつながることができます。

ワールド・ビジョンHP

活動内容 子どもの教育支援・貧困支援など
活動地域 アフリカ・東欧・中東・アジア・中南米エリアの約40カ国
支援対象 貧困、紛争、災害で苦しむ子どもたち
寄付の使途 子どもたちの支援活動全般
運営団体 認定NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン(日本窓口)
入会キットなど届いた郵送物
チャイルド・スポンサーシップでの寄付、申し込む前に調べた3つの疑問
編集部オススメのポイント!
第二次世界大戦後、米国人のキリスト教宣教師が創設した団体で、朝鮮戦争の遺児や未亡人、ハンセン病や結核患者を救う活動をしたのがはじまりです。現在はアフリカやアジアを中心に、約100カ国に活動が広がり、大規模な国際NGOに成長しています。
「チャイルド・スポンサーシップ」に登録すると、一年に一回グリーティングカード(クリスマスカード・年末年始のご挨拶)がチャイルドから届きます。その他にも、チャイルドに手紙を送ると、4~5カ月で返事が届くので、支援先の子どもとやりとりができるとともに、成長を感じることができます。

「世界の子どもたちを救いたい」「健康と教育の支援を通じて未来を変えたい」とお考えの方は、ぜひワールド・ビジョン・ジャパンへのご支援をご検討ください。

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アフリカへの寄付は、本当に意味があるの?

「アフリカ支援なんて、何十年も言われているのに、なぜいまだに貧困がなくならないの?」

そんな疑問を抱いたことがある方も多いのではないでしょうか。ここでは、アフリカへの寄付の成果と課題について、最新のデータや現地の実情をもとに解説します。

これまでの支援で改善した面もある

過去数十年の支援により、アフリカの社会には明らかな進展が見られます。

例えば、初等教育の完全普及については進展が見られ、就学率は1999年の57%から2005年には70%へと上昇しています。(出典:国際連合広報センター

またマラウイやルワンダでは、2000年以降、5歳未満児の死亡を75%以上も削減することができているとも言われています。(出典:国際連合広報センター)。

テクノロジーの普及でも、携帯電話を活用したモバイル送金サービス「M-Pesa」のようなイノベーションにより、金融サービスの恩恵を受けられる人々も増えました。

これらの発展の背景には、過去の寄付や国際支援が必要不可欠であり、教育や医療の分野で確実な成果が出ていると言えるのではないでしょうか。

それでも、いまだに貧困や紛争は深刻な課題

一方で、アフリカの多くの地域では、今もなお深刻な課題が残っています。

ユニセフによると、極度の貧困状態(1日あたり2.15米ドル以下)で暮らしている人は6億3,040万人で、その半分がサハラ以南のアフリカ地域に暮らしているとされています。

また、気候変動の影響により、サヘル地域(ブルキナファソやマリ、ニジェール、モーリタニア)を中心に干ばつや食糧危機が深刻化しており、栄養失調に苦しむ子どもたちは今も多数存在します。

さらに、政治的不安定、汚職、武力紛争などにより、支援が届きにくい地域も少なくありません。

このように、課題が複雑であるからこそ、「何を支援するか」「誰に託すか」が今まで以上に重要になってきます。

現代の寄付は「自立支援」や「仕組みづくり」へと進化

かつての国際支援は、食料や衣類などの「物資を届ける」ことに重点が置かれていました。

しかし現在は、アフリカの人々が自らの力で課題を解決し、未来を切り拓いていけるような「自立支援」や「仕組みづくり」に重きを置く支援が主流となっています。

改めて、寄付ナビがおすすめする国際NGOの活動についておさらいします。

ユニセフ:学校を整備し、地域全体で子どもの未来を支える

ユニセフは、単に教育資材を提供するだけでなく、学校の建設や教員の研修、水・衛生施設の整備まで含めた包括的な教育環境の整備を行っています。

© UNICEF/UNI582516/Keïta セグーで武装勢力に襲われ、両親とはぐれてしまった女の子たち。両親と再会することができず、里親に引き取られた。(マリ、2024年5月27日撮影)

例えばマリでは、子どもが安全に学べる環境を整えることで、就学率の向上だけでなく、地域全体の防災・保健の意識向上にもつながっています。

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グッドネーバーズ・ジャパン:井戸建設から収入創出まで、地域の生活を支える

グッドネーバーズはアフリカのチャドやエチオピアなどで、安全な水を得るための井戸建設を支援していますが、それだけにとどまりません。

グッドネーバーズ・ジャパンHP

水を得たあとの生活改善として、菜園づくりや収入向上のための職業訓練を提供し、住民自身が自立して生活を向上させられるようサポートしています。
また「チャイルドスポンサーシップ」を通じ、地域全体の教育・医療・生活インフラを改善する持続的な仕組みを構築しています。

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ロシナンテス:地域に根ざした医療人材を育て、継続可能な医療体制を

医師不足や医療インフラの欠如に悩むスーダンなどでは、ロシナンテスが現地で看護師や医師の育成を行い、住民が自国の医療を担えるよう支援しています。

ロシナンテスHP

また、単発の医療ミッションではなく、保健センターを建設し、住民が定期的に医療サービスを受けられる体制を整えており、まさに「仕組みとしての支援」を実践している団体です。

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セーブ・ザ・チルドレン:教育だけでなく“学びを止めない”ための社会的仕組みも支援

セーブ・ザ・チルドレンは教育支援だけでなく、災害や紛争時にも学びを継続できるような教育支援体制づくりに取り組んでいます。

セーブ・ザ・チルドレンHP

ウガンダなどでは、避難民の子どもたちが仮設の教室で学べるようにするだけでなく、地域の教員を対象にしたトレーニングや教材配布を行い、非常時でも教育が継続できる地域づくりを支援しています。

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WWF:アフリカゾウを守り、人と野生動物の共存を目指す

WWF(世界自然保護基金)は、アフリカで絶滅の危機にあるアフリカゾウの保護や、人と野生動物の衝突(あつれき)解消に取り組んでいます。

WWF HP

タンザニアやケニアでは被害マッピングや自治体向けワークショップを行い、農地拡大や密猟による生息地減少からゾウを守ると同時に、地域住民との共存を推進。

さらに、広域保全を担う地域事務所を拠点に、生態系と人間活動が共存できる「ランドスケープアプローチ」を展開しています。

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ワールド・ビジョン・ジャパン:アフリカの子どもたちの命と未来を守る

ワールド・ビジョン・ジャパンは、アフリカの貧困地域で子どもの命と未来を守る活動を行っています。

ワールド・ビジョン・ジャパン HP

南スーダンやエチオピアなどでは、食料支援や安全な水の供給、予防接種や栄養改善などの保健医療活動を実施。

教育支援にも力を入れ、学校建設や学用品の提供、教師の育成を通じて、紛争や貧困で学びの機会を失った子どもたちが将来に希望を持てる環境づくりを進めています。

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寄付金控除の対象団体です

このように、物資支援にとどまらず、教育・医療・収入創出といった、人と仕組みを育てる支援が主流になりつつあります。

支援を受ける側が、将来的には支援に頼らず自立できるよう設計された取り組みだからこそ、寄付の価値もさらに持続的で実感のあるものになるはずです。

アフリカへの支援はどんな分野がある?どんな課題がある?

アフリカ支援とひと口に言っても、その対象となる課題はさまざまです。貧困という言葉の裏には、「食べるものがない」「病院に行けない」「学校に通えない」といった具体的な困難が存在しています。

ここでは、特に支援ニーズの高い主要な5つの分野を紹介します。

食料:干ばつと紛争が深刻な飢餓を招いている

WFP HP

アフリカでは今も何百万人もの人々が飢餓の危機に直面しています。
特に東アフリカでは、干ばつ・バッタの大量発生・内戦などの複合的要因により、深刻な食料危機が続いています。

FAOとWFPの「Hunger Hotspots」レポートでは、スーダン、南スーダン、マリ、ナイジェリアなど複数国で飢饉リスクの高まる地域(ホットスポット)が22か所以上と指摘されています。

特にナイジェリアでは、約3,100万人が急性食料不安定状態にあり、飢餓リスクが高まっています。

医療:医師不足と感染症リスク、届かない基礎医療

WHO HP

医療分野でも支援が必要な理由は明白です。アフリカの多くの地域では、病院や診療所が不足しており、医師や看護師などの人材も極端に少ない状況にあります。

WHOによると、2024年には全世界で1億5,020万人の5歳未満児が、栄養不良などの発育阻害にあえいでおり、そのうちアフリカ地域では約30%が該当すると報告されていますサハラ以南アフリカでは、人口1万人あたりの医師数が2人未満とされ、26人程度と言われる日本と比べても圧倒的な不足状況です。

教育:学校に通えない子どもたちの未来

UNESCO HP

アフリカでは、貧困やジェンダー差別、家族の労働力不足などの理由で、学校に通えない子どもたちが今も数千万人います。

また、教育機会の格差だけでなく、教員・教材不足も深刻で、「学びの質」の改善が大きな課題となっています。

水・衛生:安全な水が得られず、命のリスクに直結

© UNICEF/UN0559930/Dubourthoumieu 栄養不良の検査を受ける子ども。中央カサイ州カナンガ近郊にある村では、52人の子どもが深刻な急性栄養不良に陥っていた。(コンゴ民主共和国、2021年10月撮影)

清潔な水が手に入らないことで、下痢やコレラなどの水因性感染症が多発しています。これは子どもたちの健康にとって、深刻なリスクです。

WHO/UNICEFの「JMP」(Joint Monitoring Programme)によれば、サハラ以南アフリカでは約25%の人々が安全な水源にアクセスできないとされています。

衛生施設(特にトイレ)が整備されていないことにより、下痢やコレラなど感染症が子どもたちの命を脅かす原因となっています。

気候変動:干ばつ・洪水が日常に、農業や生活を直撃

アフリカは気候変動による影響を最も受けやすい地域の一つです。とくに農業に依存する地域では、気温の上昇や降水パターンの変化が、作物の収穫や生活に直結しています。

セーブ・ザ・チルドレンHP

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、アフリカは気候変動の影響を最も受けやすい地域の一つとされており、干ばつ・洪水・熱波が作物生産や食料価格に直結すると警告されています。

また、ザンビアやジンバブエなど南部アフリカ諸国では、数百万人が深刻な栄養不良に陥る極度の干ばつ被害が報告されており、水・食料・収入が常に危機にさらされる状況です。

食料、医療、教育、水、気候。どれか一つだけを支援すればいいわけではありません。これらはすべて相互に関連しており、包括的な支援が求められています

そのためにも、自分が特に関心を持てる分野、心が動く課題から寄付を始めることが、アフリカの支援に参加する第一歩になります。

分野別に見るアフリカ支援団体まとめ

アフリカが抱える課題は多岐にわたりますが、だからこそ、あなたの関心に合った分野から支援を始めることができます。以下では、それぞれの分野で確かな実績をもつ支援団体を紹介します。

食料支援:グッドネーバーズ・ジャパン

エチオピアやチャドなどで、食料の緊急配布だけでなく、家庭菜園や農業技術支援によって地域の食料生産力そのものを高めています。子どもたちへの給食支援も行い、栄養失調の予防と学校定着率の向上を両立。

グッドネーバーズ・ジャパンHP

月1,000円〜の寄付で、文房具の提供や栄養価の高い給食を継続的に届けることができます。

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医療支援:ロシナンテス

南スーダンやスーダンで、移動診療や常設の診療所設置、現地医療スタッフの育成など、持続可能な医療体制の構築を目指しています。急性の感染症対策とともに、母子保健や予防医療にも注力。

ロシナンテスHP

毎月1,000円からの支援で、衛生知識に関する講習や、妊婦のための出産施設の提供を支援することができます。

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寄付金控除の対象団体です

教育支援:セーブ・ザ・チルドレン

ウガンダやマリなどで、教育を受ける機会を奪われた子どもたちに対して、学習環境の整備や教員の研修、教材提供などを行っています。紛争や災害時にも「学びを止めない」仕組みづくりに注力。

セーブ・ザ・チルドレンHP

月1,500円からの寄付で、清潔な衣類や新生児キットを届けることができます。

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寄付金控除の対象団体です

水・衛生支援:ユニセフ

ユニセフは、アフリカをはじめとする世界各地で、安全な水へのアクセス、トイレの整備、衛生習慣の普及といった「WASH支援(Water, Sanitation and Hygiene)」に力を入れています。
南スーダンやマダガスカルなどでは、学校や保健施設に清潔な水を届け、石けん手洗いなどの衛生教育も並行して実施。感染症や子どもの栄養不良の予防にもつながる活動です。

ユニセフHP

2,000円の寄付で、子どもたちに安全な飲料水を届け、基本的な衛生環境を整備するための支援に使われます。

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寄付金控除の対象団体です

気候変動・環境支援:WWFジャパン

アフリカ諸国を含む途上国において、森林保全、生物多様性の保護、持続可能な農業の普及など、気候変動の影響を最小化する取り組みを展開。現地住民と協働した土地利用の改善などにも取り組んでいます。

WWF HP

寄付メニューにもよりますが、アフリカゾウの支援の場合、年10,000円〜の継続寄付で、生態系と地域社会の両方を守るプロジェクトを支援することができます。

> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です

「食べる」「学ぶ」「生きる」──そんな当たり前を支える一歩として、寄付でアフリカの未来をつくることができるのではないでしょうか。

その他アフリカ支援に寄付を役立てる方法

次に、家にあるモノを換金して、アフリカ支援の寄付として役立つ方法もご紹介していきたいと思います。

方法1:服を寄付する

使わなくなった洋服を寄贈ではなく、業者に買い取ってもらう方法があります。
服の買取代金を寄付できる「Brand Pledge」というサービスがありました。

寄付を募っている様々な団体があり、例えばNPO法人コンフロントワールドを寄付先に選ぶと、寄付金はアフリカ支援のために使われます。

寄付の使い道

  • 1,000円:衛生教育や保健教育を実施できる
  • 5,000円:安全なトイレの足場を設置できる
  • 10,000円:ろ過装置を1台設置できる
    同団体WEBサイト より)

方法2:本を送る

物の買取代金の寄付は、洋服だけでなく本でも可能です。
古本の買取サービス「チャリボン(VALUE BOOKS)」では、本の買取代金をアフリカへの寄付に変えることができますよ。

例えば、認定NPO法人国連WFP協会に寄付をした場合、このような活動のサポートをすることが可能です。

寄付の使い道

  • 50円あればできること:子どもたちに約1.5日分の学校給食を届けることができます。
  • 5,000円あればできること:子ども1人に栄養たっぷりの給食を1年間届けることができます。
  • 10,000円あればできること:乳幼児の栄養不良を防ぐための栄養強化ペーストを250個届けることができます。
    チャリボン HP より)

1冊50円での買取で、上記のような活動に役立てられることとなります。

方法3:切手やハガキを寄付する

普段何気なく捨ててしまっている書き損じハガキや、使わなくなった切手なども寄付に役立ちます。

公益社団法人日本キリスト教海外医療協力会では、未使用切手、未使用テレホンカード、未使用クオカード、図書券、商品券)の寄付を受け付けていました。

他にも、海外旅行などで残った外国コインや紙幣、日本の旧紙幣やコインなども寄付が可能ですよ。

寄付の使いみちは通信費・事務用品・図書購入費など。
現地では、看護学校や助産師学校に通う学生の授業料に役立てられるそうです。

方法4:食べて寄付する

「私たちの普段の食事がアフリカの寄付になる」面白い寄付方法もあります。

認定NPO法人TABLE FOR TWO Internationalでは、団体の定める基準を満たしたヘルシーメニューを食べることで食事代金の一部が寄付に当てられるそうです。

TABLE FOR TWOプログラムを実施している店舗を一部ご紹介しましょう。

私たちが該当店舗で食事をするだけで、アフリカの子どもたちへ給食が届けられる仕組みとなっているそうです。

海外の子ども支援に最適な寄付先の選び方ガイド

続いて、寄付先を選ぶ際に「寄付してよかった」と感じられる3つのポイントを解説します。

企業の良し悪しを判断する材料として、一般的に「ひと・もの・お金」の3つが大切と言われます。

NPOでは、それは「ひと・活動・お金」です。

企業で言うところの”もの”、すなわち”商品”は、NPOがどのようなアプローチで問題を解決しようとしているのか、つまり活動の内容です。

その活動内容に賛同することが、まさしく、寄付を通じた応援と言えると思います。

さらに寄付先として判断する上で、「ひと・活動・お金」を適切な言葉に言い換えると、「職員・活動・会計」です。
以下に、それぞれについて解説します。

職員の顔が見えるか?

NPOの活動には、代表をはじめ、理事や職員、インターンやボランティアなど、多様なスタッフが関わっています。

団体の公式サイトで職員の顔を出していることは、活動に自信がある証拠です。

「自分のお金を誰に託すのか?」を知ることで、より安心して寄付を続けることができます。

その上で、職員数やボランティアの人数など、関わっている人の数も確認できると、なお良いと思います。

  • 理事や職員などスタッフの顔が見えるか
  • どれくらいの人が関わっているか。人数が多ければいいわけではありません。

あなたと似たような想いを持って活動しているスタッフがいる団体なら、それはあなたの価値観とマッチする団体かもしれません。

活動によって問題を解決しているか?

同じ社会問題に取り組んだとしても、解決するアプローチは団体によって、実にさまざまです。

例えば「子どもの貧困」と一口に言っても、

  • 学習支援を通じて、子どもの学力向上に資する
  • 食品配付を通じて、健康や栄養状態を改善する
  • 相談窓口を通じて、虐待や暴力などを予防する

というように、団体によって活動の領域は異なります。

そもそもNPOが取り組んでいる問題は、すぐに解決には至らず、長い時間がかかることが多いです。

寄付先として検討している団体の支援アプローチは本質的に問題を解決し得るのか、またそのアプローチに共感するかどうか、などを見ると良いでしょう。

  • 寄付先の支援アプローチは問題を解決、もしくは改善しているか?
  • しっかりと実績や成果を上げているか。

そうした活動の進捗を定期的に報告するプログラムが整っている団体であれば、自らのお金がどのように活用されたかの理解が進み、寄付をするモチベーションが増します。

透明性の高い会計報告を行っているか?

ほとんどのNPOは、会計報告を公式サイトで公開しています。
逆に会計報告を公開していない団体は、資金を不正に利用しているのではないかと、寄付者から疑問を持たれても仕方がないでしょう。

団体の公式サイトを確認すると「会計報告」「年次報告」といった形で、会計や財務に関する情報を公開していることが多いので、チェックしてみましょう。

支出の内訳を、例えば事業費80%・管理費20%としている団体であれば、「1,000円寄付したら、おおよそ800円が直接的な活動に、200円が活動を継続していくために必要な費用に変わるんだ」と目安をつけることもできます。

  • 透明性の高い会計報告を行っているか?
  • 納得できるお金の使い方をしているか。

さらに、監査法人や公認会計士による監査を受けていることを確認できれば、より信用度は高まると思います。

まとめ:「アフリカに寄付したい」という方の参考に

今回は、日本の支援を効率的にアフリカに届ける団体を4つ紹介しました。

団体名 寄付ナビ編集部オススメのポイント
ユニセフ ①すべての子どもの命と権利を守るため、 約190の国と地域で活動
②月2,000円の支援を1年間続けると、栄養治療食720袋が届けられ、栄養不良の子ども5人を助けることができる
グッドネーバーズ・ジャパン ①「教育」「医療・保健」「水・衛生」などを通じて子どもたちの「こころ」と「身体」の成長を見守る
②毎月1人の子どもから手紙と写真付きの成長報告がメールで届き、子どもたちの成長を実感できる
セーブ・ザ・チルドレン ①子ども達の保健・栄養支援・教育支援を展開、2020年には世界で500万人以上の子どもたちに支援を届ける
②100年以上の歴史を持っている
ロシナンテス ① 日本人医師が立ち上げた、日本発祥の団体
② 川原さん自ら寄付者向けに活動を報告
WWF ① アフリカゾウの密猟防止と人と野生動物の共存を支援。
② 生態系と地域社会の両立を図る「ランドスケープアプローチ」を展開
ワールド・ビジョン・ジャパン ① 食料・水・医療・教育など包括的な子ども支援を実施
② 紛争や貧困地域で持続可能な生活基盤を構築

今回の記事を読み、アフリカへの寄付をご検討している方にとって少しでも参考になれば幸いです。

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