「見返りもないのになぜ寄付をするの?」
こんな疑問をお持ちの方へ、寄付に見返りがあるのか、もしあるとすればどんな見返りなのかについて解説します。
目次
見返りのある寄付といえば「ふるさと納税」
「ふるさと納税=豪華な返礼品」というイメージをお持ちの方も少なくないのではないでしょうか。
2008年に総務省の肝入りで始まった、ふるさと納税制度ですが、開始当初は
- 地元や応援したい自治体に寄付ができる
- 都市と地方の住民税の税収格差を解消する
というコンセプトの元に立ち上がりました。
しかし自治体側が寄付を集めるのに躍起になり、寄付金とは釣り合わない豪華な返礼品を送るようになってしまい、これが問題となっています。
地場商品ではないiPadやパソコンなどを返礼品にする自治体や、還元率が高いAmazonギフト券や旅行券を返礼品にする自治体などが現れ、自治体同士での競争がどんどん過熱していったのです。
6月からのふるさと納税返礼品規制、何がどう変わる?
では、ふるさと納税のような具体的な見返りもない、NPO/NGOに寄付をすることにどんな意味があるのでしょうか?
NPO/NGOへ寄付した時の、2つの見返り
実利的な側面と、社会的な側面に大別して解説します。
経済的見返り:税制優遇が受けられることも
分かり易い見返りとして、寄付金控除が挙げられます。
事業の公益性が高いと、国や都道府県庁に認められた公益法人や認定NPO法人は、税控除の対象となります。
個人が負担する主な税金といえば、所得税と住民税ですが、両方で税制優遇を受けられれば自己負担分は約半分です。
毎月3,000円・年間36,000円の寄付を確定申告した場合
- 所得税:(36,000円−2,000円)×40%=13,600円
- 住民税:(36,000円−2,000円)×10%=3,400円
合計17,000円の減税となり、自己負担分は19,000円で済みます。
(計算方法は所得水準やお住いの地域によって変わります。)
社会的見返り:名誉が得られる
「あの人はこの団体に多額の寄付をしている」という事実は、社会的に良いイメージに繋がります。
少女時代 テヨン、赤十字社に800万円以上を寄付…高額寄付で名誉会員に登録https://t.co/3nsAtC0vLU
— Kstyle (@Kstyle_news) August 9, 2019
(出典:赤十字の名誉会員になったアイドルーTwitter)
上記のように、有名人や著名人であればニュースとして取り上げられます。
たとえ一般人でも、希望する高額寄付者には「表彰状を贈る」「名前を団体HPや年次報告書に掲載する」といった特典を用意していることも少なくありません。
見返りと一括りにできない、寄付の良さ
寄付にはコストパフォーマンスだけでは測れない、精神的な幸福感があります。
社会との繋がりを感じられたり、自己実現に結びついたり、ということもあるでしょう。
「寄付をすると、幸せになれる」というと、なんだか怪しく聞こえるかもしれません。
なぜ「寄付すると、幸せになれる」と断言できるのか?心理学実験で分かった、意外な事実
ですが、「他人のためにお金を使う方が、自分のために使うより幸福度が高まるという傾向は、さまざまな先行研究によって既に定量的に実証されています。
私のおすすめは「まずは少額から、関心のある問題や団体に寄付をする」ことです。
身銭を切って参加することで、遠い存在だった社会問題が、一気にジブンゴトになります。
今までは風景として流れていた時事ネタも、自然とキャッチアップすることができます。
「見返りがなくても、私にできる範囲でやってみようかな」
こんな風に感じて頂けたら、著者として、こんなに嬉しいことはありません。