寄付するとスピリチュアルや運気が上がるって本当?募金で徳を積むのが合理的な理由

「神社に寄付すると運気が上がる」
「寄付するとスピリチュアルなエネルギーが高まる」
「寄付すると、巡り巡って自分に返ってくる」

テレビやネットなどを通して、誰もが一度はこのような情報を目にしたことがあるのではないでしょうか。
確かに、寄付することで金運など身の回りの運気が上昇するなら、嬉しいですよね。

実は、私たちの幸せは3つの脳内物質で決まることが明らかになっています。

私たちが幸せを感じた時に、脳内で分泌されている3つの物質

今回は、精神科医として多くのメンタル疾患の患者さんを看ながら、のべ30冊以上の著書を出版されている樺沢紫苑(かばさわ しおん)さんの『精神科医が見つけた3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法』を元に解説します。

本書によると、私たちが日常生活の中で幸福を感じる際、主に3つの脳内物質が分泌されているそうです。

セロトニン:心身の健康、体調が良くリラックスできている状態。
オキシトシン:他者との交流、社会とのつながりによって得られる。
ドーパミン:富や名声など、成功や達成によって得られる満足感。

セロトニンとオキシトシンは「Beの幸福(今ここにある幸せを確認することで感じられる幸福)」であり、ドーパミンは「Doの幸福(何かをすることで得られる幸福)」であると言われています。

私たちは日々、これらの脳内物質の多寡によって「幸せだ/不幸だ」と感じているのです。
そして、この優先順位を間違うと、途端に「不幸」になってしまうのです。

セロトニン的幸福とオキシトシン的幸福が、人生の土台に

セロトニン的幸福とオキシトシン的幸福は逓減しづらく、ドーパミン的幸福は逓減しやすい、この結論は複数の科学的研究や心理学研究によって裏付けられています。

『精神科医が見つけた3つの幸福』より引用

青空は10回見ても、100回見ても、1,000回見ても実に気持ちがいい。
赤ちゃんを10回抱っこしても、100回抱っこしても、その幸福感は変わりません。
しかし宝くじで3億円が当選しても、その幸福感はすぐに劣化し「もっと」お金が欲しくなるのです。

誰しも「成功したい」「お金持ちになりたい」と思っても、それを目指せば目指すほど、不幸になってしまうと著者は語ります。

健康や人間関係を蔑ろにして、成功やお金を求めても人生がボロボロになってしまうことは容易に想像ができますし、そのような趣旨の昔話や寓話は世界中に存在します。

では、私たちはどうすれば幸せになれるのでしょうか?

お金の使い方次第で、あなたの幸せが揺るぎないものへ

本書には、お金で幸せになるために「お金をセロトニン的幸福やオキシトシン的幸福に再投資する」という考え方が紹介されています。

寄付をすることで、自分のお金を社会のために使ってもらい、「私も人の役に立つことができる!」と感じることができます。

「健康」を見直し、「つながり」を見直し、幸福の基盤をゆるぎないものにしながら、さらに「仕事」を頑張っていく。
得られたお金を、セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福に再投資することで、お金の循環、幸福の循環は大きく拡大していくのです。

上手にお金を使うことで、幸福をより磐石のものとすることができる。
このことは、私自身の実体験を振り返ってみても明らかで、寄付という行為が私を力強く鼓舞してくれています。

「収入の1割を寄付」3年以上、続けてみた結果は・・?

私は2017年10月から、毎月の収入を1割、寄付し続けています。
完全に習慣化されているので、今はむしろ寄付をしないと「落ち着かない」です。

最初はどこに寄付をすればいいのか分かりませんでしたが、実際にボランティアに参加してみたり、身銭を切って寄付をすることで、徐々に自分に合った寄付先を選べるようになってきました。

寄付先から活動報告をいただいたり、寄付のお礼をいただくたびに、「もっと人の役に立ちたい!もっと社会に貢献したい!」と気持ちを新たにしています。

確かに、金銭的なことを言えば、寄付をせず、ひたすらお金を貯め続けていた方が良かったのかもしれません。

しかし私は寄付をする前より、今の方が、自分の仕事や人生について前向きに捉えられるようになりました。

そういう意味では「寄付すると巡り巡って自分に返ってくる」「寄付すると運気が上がる」というのも、あながち間違いではなさそうです

寄付先を選ぶ際に確認したい!3つのチェックポイント

私が多くの団体に寄付をする中で学んだことは、寄付とは「より良い世界をつくるために、自分のお金を誰かに託す」ことだということです。

だから、寄付先を選ぶ際には、「より良い世界をつくるために何が必要」だと考えているかというあなたの価値観や、あなたの価値観に合った活動をしている団体がお金を託す相手として信頼・共感できるか、といったことが大切だと思います。

このような考えで、私は寄付先を選ぶ際に3つのチェックポイントを使い、これらを全てクリアした団体に寄付することにしています。

寄付先を選ぶ際の3つのチェックポイント

  1. 取り組んでいる社会問題と活動に共感できるか?
  2. 団体を信頼・共感できるか?
  3. 信頼できる寄付プログラムがあり、情報公開の透明性が高いか?

あなたにも「寄付してよかった」と思える団体を選んでいただくために、それぞれのチェックポイントについて詳しく解説していきますね。

チェック1. 取り組んでいる社会問題と活動に共感できるか?

まずは、あなたの価値観と、団体が取り組んでいる社会問題や活動がマッチしていることが大切です。
子ども、難民、動物など、支援の対象は誰か、日本国内か途上国かといった活動地域、どのような活動をしているか、といったことを確認しましょう。

その上で団体の活動の特徴や実績も確認できると、なお良いと思います。

ポイント

  • 活動の特徴:問題を解決するための取り組みにどのような特徴があるか?
  • 主な実績:しっかりと実績や成果をあげているか。支援する人数が多ければ良いわけではありません。

寄付先の取り組みの中に、あなたの目を引いた活動があれば、それはあなたの価値観と合った団体かもしれません。

チェック2. 団体を信頼・共感できるか?

次に、あなたの価値観に合った活動をしている団体がお金を託す相手として信頼・共感できるかを見てみましょう。

信頼できるか確認するためには、法人格や設立からの年数、財政規模などに加えて、受賞歴などの第三者評価を見ることも有益です。
共感できるか確認するためには、団体が掲げているビジョンやミッションだけでなく、活動ブログに目を通すのも良いと思います。

ポイント

  • 法人格:NPO法人の中でも、厳しい基準を満たした認定NPO法人は運営や会計の信頼性が高いと考えて良いと思います。
  • 財政規模:大きければ良いわけではありません。5,000万円以上など一定の規模があれば信頼できると考え、共感できるかをより重視するのも良いと思います。

チェック3. 信頼できる寄付プログラムがあり、情報公開の透明性が高いか?

最後は、その団体に寄付をするとどうなるか調べてみましょう。
多くの団体ではサポーターに申し込むと、ウェルカムキットが届いたり、ニュースレターやメールマガジンで活動報告をしています。

ポイント

  • 活動報告:寄付者を大切にしている団体のニュースレターや年次報告書が充実しています。
  • サポーター人数:人数が多ければ良いわけではありませんが、信頼して寄付している人が一定以上いることは安心材料になります。

SNSなどで寄付した団体を紹介している投稿をチェックするのも有益だと思います。
寄付ナビでは、団体の評判や口コミを調べた記事や、実際に寄付をしている団体の体験記事も多く掲載していますので、よろしければご覧になってください。

今回ご紹介した3つのチェックポイントは、以下の記事でも解説していますので、ご参考にしていただければ幸いです。

寄付先のおすすめはどこ?選ぶ際の3つのチェックポイントとおすすめの団体を紹介

まとめ:まずは月1,000円〜の寄付で、つながりを実感しよう

「収入の1割は自分にはちょっとハードルが高いな・・」と感じたあなたに、おすすめの寄付の仕方があります。

多くのNPOでは、その時々に自由な金額を募金するだけでなく、月1,000円など少額を継続的に寄付できる「マンスリーサポーター」と呼ばれる仕組みを用意しています。

マンスリーサポーターになると、寄付先から定期的に活動報告や、支援者限定イベントへの招待が届きます。

そうしたコミュニケーションを通して、募金の使い道への理解が深まり、ともに社会を良くしていく仲間なんだと実感することができます。

具体的に「どの寄付先がオススメか?」は、次の記事をご参考になさってください。
あなたにぴったりの寄付先が見つかることを願っています。

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