2016年4月に九州を襲った熊本地震。
その被害者は死者は250名を超え、約18万人の人々が避難せざるを得ない状況となりました。
被災地の方々は今もなお、懸命に復興に向けた活動をしています。
そこで今回取り上げるのは熊本県で行われている支援団体です。
被災地支援だけではなく、子どもの学習環境や食の問題など様々な課題に向け活動しています。
また、赤ちゃんの命に関わる課題に取り組む団体もありました。
「被災地の全ての子どもをサポートしたい」「自分に合った支援方法は?」とお悩みの方に、異なる支援の仕方を3つご紹介したいと思います。
目次
益城町で被災した子供達が通う、放課後学校(カタリバ )
熊本地震のひとつの特徴でもあった「余震が長く続く」という状況は、子どもたちに大きな不安を与えていました。
また、春に訪れた大地震は時期的にも生徒の将来への不安を増大させていたそうです。
前震の時は家にいて、本震の時は家の前の駐車場に車中泊していました。
カタリバHP
家で地震を経験したから、少しの揺れでもビクッとしてしまって、家にずっといるのが怖いんです。
家でもあんまり勉強がはかどらず、新学期に震災が起こったため勉強が遅れることにすごく焦っていました。
そんな子どもたちの不安を少しでも軽減しようと「放課後の学習サポート」を始めたのが認定NPO法人カタリバです。
「コラボ・スクール」と呼ばれるこの校舎は、被害が最も大きかった益城町で開かれました。
益城町の「ましき夢創塾」には、200名以上の中学生が参加しています。
また、カタリバでは熊本県以外の被災地でも同様のサポートを行っているようですね。
活動内容 | 安心できる居場所の提供、学習支援、食事支援、災害時の居場所の提供や学習支援、探究学習の実践支援など |
活動地域 | オンライン(全国)、岩手県、宮城県、福島県、東京都、島根県に加え、各地域団体を後方支援 |
支援対象 | 主に日本の小学生〜高校生など |
寄付の使途 | 人件費、教材・備品・消耗品費、移動・交通費など |
運営団体 | 認定NPO法人カタリバ |
2000年に活動をスタートして、高校生のキャリア学習支援など行なっていたカタリバ。
この放課後授業には、地元の大学生ボランティアも活動に参加しているそうです。
自分が被災地で暮らしていても、同じ地元の子どもたちの力になりたい。
そんな被災地の方々の温かい心が目に浮かびました。
落ち着いた環境で勉強できなくなってしまった子どもを対象に、震災後の不安定な学習環境を改善する活動を行っています。
子どもたちは高校受験に向けた勉強をすることを主な目的として通っているようですね。
全国の子どもたちに支援を広げるため特に募集しているのが、月1,000円から応援するサポーター会員。
「子どもたちが悲しみを強さへと変える「学習機会」を作ってあげる」という代表の言葉が印象的でした。
そんな活動の理念に共感される方は、寄付を検討してみてはいかがでしょうか。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
被災した母子や妊産婦へ、心のケアを中心にした支援活動を実施(ジョイセフ)
ジョイセフは、女性のいのちと健康を守るために活動している日本生まれの国際協力NGOです。
国連、国際機関、現地NGOや地域住民と連携し、アジアやアフリカなどで、母子を含む女性の生活向上支援を行っています。
津波被害や火災被害の大きくなかった熊本地震ですが、長期間にわたり余震が頻発したのはご存知でしょうか。
その影響で、妊婦を含む多くの女性が出産や育児に不安を感じるようになりました。
また、産後うつを疑う症状を示す産婦の人数が地震発生前と比較して2倍以上に増えたという報道もありました。
それを受け、ジョイセフは、県助産師会や子育て支援関連団体と連携し、母子の心のケアに焦点を当てた以下のような支援活動を実施しました。
- 助産師の家庭訪問による産婦・乳幼児支援活動
- 母と子の癒し交流サロン活動
- 癒しのアイテムキット配付
- 緊急相談窓口の開設
「少し遠かったが思い切って参加してよかった。子どもも喜んでいて一緒に笑顔になることができた。」
「地震後、人見知りとかぶったのか、子どもとくっついていないと大泣きするので、困っている。人の中に入る機会があり、良かった。」
「地震後、イライラすることが増えて、子どもに八つ当たりしている自分が嫌だったけど、みんなと話せて、辛いのは私だけじゃないんだと思えて、気持ちが落ち着きました。」
参加したお母さんたちの声(一部)
活動内容 | 妊産婦や母子の心的ケア、育児相談、サロン活動など |
活動地域 | 熊本県 |
支援対象 | 母子、妊産婦 |
寄付の使途 | 交流サロン運営費用など |
運営団体 | 公益財団法人ジョイセフ |
※熊本地震災害支援の例
平時であっても、子育てには不安や心配事が常に付きまとうもの。
災害時のお母さんのストレスは計り知れません。
お母さんや妊婦さんの笑顔は、子どもの笑顔に繋がります。
お母さんや子どもが災害から立ち上がるサポートを続けるため、できることから支援を始めてみてはいかがでしょうか。
親の事情で育てられない、赤ちゃんの命を救う(こうのとりのゆりかご)
熊本地震の復興に向けた課題がある一方で、近年では生まれたばかりの赤ちゃんに関する支援も必要になってくるケースが増えてきました。
様々な事情で自分の子どもを育てられない母親や、大切な子どもの命を守ることができなかった悲しいニュースもあります。
私たちの身近なところでも、18歳の少女が産み落としたばかりの赤ちゃんを殺して庭に埋めるという事件や、21歳の学生が汲み取り式トイレで赤ちゃんを産み落とし窒息させ6年の実刑判決を受けるなどといった痛ましい事件が発生しました。
神様から授かった尊い命を何とかして助けることができなかったのか?
赤ちゃんを産んだ母親もまた救うことができたのではなかろうか?
(こうのとりのゆりかごWEBサイトより)
このような悲惨な事件を受け、子どもを育てることができない母親の最終的な解決方法である「赤ちゃんを預ける場所」として設置されたのが「こうのとりのゆりかご」です。
こちらは熊本地震の被災地支援で始まった活動ではありませんが、被災地である熊本で行われている子どもへの支援ということで取り上げさせて頂きました。
活動内容 | 妊娠・出産相談窓口の設置、こうのとりのゆりかご事業 |
活動地域 | 熊本県 |
支援対象 | 妊娠・出産に悩む女性とその赤ちゃん |
寄付の使途 | 相談窓口・こうのとりのゆりかご事業の運営費など |
運営団体 | 医療法人聖粒会慈恵病院 |
「赤ちゃんをこうのとりのゆりかごに預けるのは最終手段」として、子どもの出産・育児に悩む女性の相談窓口を併せて運営しています。
寄付の方法は、ホームページにある「こうのとりのゆりかご基金」の口座で郵便振替で対応しているようです。
「子どもを育てられない女性を応援したい」や「恵まれない環境に生まれた赤ちゃんの命を救いたい」と考えられる方は、支援先として検討してみてよいかもしれません。
まとめ:被災地支援だけではない熊本県への支援の形
今回は「認定NPO法人カタリバ」「ジョイセフ」「こうのとりのゆりかご」の3つの活動をご紹介しました。
被災地への支援方法は、1つだけではありません。
寄付やふるさと納税など様々な方法で誰かの役に立つことが出来ます。
また、子どもたちへの支援は今後の日本を支えていくためにも非常に重要な要素ですよね。
被災地の子どもたちは每日を懸命に生きながらも、将来を見据えて十分な教育や健康管理を行っていく必要があります。
被災地の子どもとその未来のために、何かひとつ自分にもできることをしてみるのはいかがでしょうか。