(出典:ペシャワール会HP)
戦闘やテロなど、治安の問題だけでなく、貧困や医療不足、教育格差など様々な問題に直面するアフガニスタン。
ニュース報道などで国名を耳にすることが多いという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「アフガニスタンで困っている人たちのために寄付をしたい」
「子どもたちの貧困や医療・教育不足を解決する力になりたい」
そんな思いを持った方に向けて、アフガニスタンで活動する団体を4つご紹介します。
寄付を検討する際に、ぜひ参考にしてみてください。
目次
中村哲さんの医療活動を支え、現地の復興を推進(ペシャワール会)
アフガニスタンでは、慢性的な食糧不足と人々の栄養失調が深刻な問題となっています。
さらにはそれに対応する医療体制も十分に整っていません。
その状況を改善するための医療支援、そしてその課題の根本的な原因解決のために実施している、様々な活動を支えるのがペシャワール会です。
ペシャワール会を始めたのは、20年以上にわたりアフガニスタンの支援をされていた医師の中村哲さん。
2019年の12月、アフガニスタンで活動中に何者かに殺害されてしまいました。
当時ニュースにも多く取り上げられたため、名前を耳にしたことがあるという方もいるかもしれません。
現在も亡くなった中村さんの意志を引継ぎ、ペシャワール会では医療支援を中心にアフガニスタンで活動を続けています。
さらに、今なお進行する大干ばつを乗り越えるための灌漑事業や農業事業も行い、人々が直面する慢性的な食糧不足を根本的に解決することを目指しています。
活動内容 | 現地の人々への医療支援、農業支援、灌漑支援 |
活動地域 | アフガニスタン・パキスタン北西部 |
支援対象 | アフガニスタンに暮らす人々 |
寄付の使途 | 現地での医療活動、農業活動、灌漑支援活動などにまつわる費用 |
運営団体 | ペシャワール会 ※ |
※ 現地活動は、PMS (Peace (Japan) Medical Services)という医療団体として実施
毎月継続的に寄付をするサポーター会員等の仕組みは用意されておらず、単発の寄付と年会費(3,000円〜)の寄付を郵便局からの払い込みでのみ、受付をしているようです。
また、ペシャワール会は法人格を持たない任意団体であるため、税額控除を受けることができないことには注意が必要です。
現地の医療状況、またその根本的な解決のために力になりたいという方は、こちらから検討してみてください。
識字が困難な子どもたちに絵本を(シャンティ国際ボランティア会)
アフガニスタンでは、教育格差も大きな課題です。
シャンティ国際ボランティア会によると、アフガニスタンの学校の半数で校舎が不足している状態です。
また、学校で働く教員の質も高いとは言えず、長期的な支援が必要だとされています。
校舎が足りず野外での勉強を強いられている、さらには質の高い教育を受けることができない子どもたちのために、アフガニスタンで活動をしているのが、シャンティ国際ボランティア会。
「場所」「本」「人」の3つをキーワードにして活動しているそうです。
・学びと安心の場づくり
学校建設、図書館の運営を行っています。図書館から遠い地域では、移動図書館活動も行います。・本を読む機会の提供
本を買って届けるだけではなく、絵本や紙芝居の出版も行っています。文字を読めない子どものための読み聞かせも人気です。・人の育成
シャンティ国際ボランティア会HP
子どもたちと本をつなぐ大人も大切です。学校教員や図書館員を育成しています。
活動内容 | 学校建設、図書館の運営、子どもへの読み聞かせなど |
活動地域 | アフガニスタン・カンボジア・ミャンマー・ネパールなど |
支援対象 | 遠方や少数民族など、教育格差に苦しむ子どもたち |
寄付の使途 | 学校建設や教員育成にかかる費用、災害の緊急支援など |
運営団体 | 公益社団法人シャンティ国際ボランティア会 |
シャンティ国際ボランティア会には様々な支援の方法が用意されていますが、おすすめなのは月1,000円〜継続的に活動を支援できる「アジアの図書館サポーター」。
寄付は、アフガニスタンを含めたアジアの国々の子どもに教育機会を届ける活動費として活用されます。
税額控除を受けることができるのも嬉しいポイントですね。
教育を通じて、子どもたちの明るい将来を育んでいくために何か力になりたい、という方はぜひ検討してみて下さい。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
本来は防げる病で命を落とす子どもにワクチンを届ける(ユニセフ)
アフガニスタンでは、肺炎、下痢、マラリアなど、ワクチンが普及していれば当たり前に助かるような病気で未だに多くの子どもたちが亡くなっています。
そんなアフガニスタンをはじめ、世界の開発途上国の子どもたちの命を守るために、様々な活動を行うのがユニセフです。
ユニセフでは、子どもたちに直接ワクチンを届ける活動はもちろん、医療研修を地元の人々に提供して「地域保健員」を育てています。
研修を受けた地域保健員は、かかりやすい病気の処置・重症の場合の搬送・予防啓発などを行い、長期的には地元の人々の力だけで状況を改善していけるよう、支援を行っています。
活動内容 | 医療・保健・衛生・教育など多岐に渡る |
活動地域 | ガーナ、パキスタン、バングラデシュなど世界190ヶ国 |
支援対象 | 貧困・紛争・緊急支援が必要な国に住む子どもたち |
寄付の使途 | ワクチン・医療器具・研修実施費用など |
運営団体 | 公益財団法人日本ユニセフ協会(日本窓口) |
ユニセフにも、毎月継続的に活動を支援できる仕組みが用意されています。
寄付金は子どもたちへの医療活動費をはじめとする活動資金として活用されます。
もちろん、税額控除を受けることも可能です。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
自宅に安全な水が届かない地域に井戸を建設(JEN)
アフガニスタンでは武力勢力から逃れるため、避難生活を続ける人たちがたくさんいます。
その際、より安全な場所は田舎の山の麓など不便であることが多く、特に清潔な水へのアクセスが非常に大きな課題になっています。
水汲みのために片道2.5kmの道を1日3〜4回往復せざるをえず、学校にも行けずに1日のほとんどを水汲みをして過ごす子どもたち。
そんな難民の人びとに緊急支援と長期的な自立支援を行っているのがJENです。
JENでは、難民の人たちが安全な水を供給するための井戸を設置。
その意味合いはただ単に清潔な水が手に入った、ということだけではなく、さまざまな問題の根本解決にも繋がっています。
シェルターの近くに給水所ができたことで変わったのは、きれいで安全な水が手に入るようになったことだけではありません。
JEN HP
まず、家族が下痢になることはほとんどなくなり、医療費が大きく減りました。
節約したお金でニワトリを飼い始めた家族は、卵を売って得た収入で文房具を買い、子どもたちが学校に行く準備ができました。
3人のお兄さんたちは、小学校に戻ることができました。
そしてハリーマちゃんは、初めて小学校に通学することができました。安全な水が良い循環を生み出すスイッチになったのです。
JENでは、井戸を設置するという緊急的な支援だけでなく、空いた時間を教育に充てられるよう、そのための学習支援も行い、子どもたちの自立を支えています。
活動内容 | 紛争地域や自然災害の被害を受けた地域の緊急支援から自立支援 |
活動地域 | アフガニスタン、パキスタン、トルコ、日本(東北) |
支援対象 | 紛争、自然災害により厳しい状況にある人びと |
寄付の使途 | 緊急支援時の物資調達費用、自立のための設備建設費用等 |
運営団体 | 認定NPO法人ジェン(JEN) |
JENでは、月々1,000円から活動を応援することができる「JENサポーター」を募集しています。
ホームページには、具体的にどのような活動に寄付が使われるのかが明確に示されています。
- 毎月1,000円で:173世帯に1カ月分の井戸水を提供することができます。
- 毎月1,500円で:アフガニスタンの家族1世帯に防寒セットを配布できます。
(防寒セットには、こたつと布団、炭、防水シート、スカーフなどが入っており、住む家を失った人びとも寒さをしのぐことができます。) - 毎月3,000円で:18人に衛生キットを配布することができます。
(衛生キットには、石鹸、爪切り、歯ブラシ、歯磨き粉、石鹸置き、タオル、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、水タンク、コップ、生理用ナプキンが入っています。)
アフガニスタンの緊急時はもちろん、その後の自立まで、現地の人びとへの息の長い支援を応援したい、という方はぜひ寄付を検討してみてはいかがでしょうか。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
以上、アフガニスタンで活動を行う団体を4つ紹介しました。
ぜひ寄付を検討する際の参考にしていただけると嬉しいです。