ロシナンテスの川原尚行さん、どんな人?寄付者の私が著書から学んだ想い

「ロシナンテスの理事長、川原尚行さんってどんな人なの?」
「経歴や事業にかける想い、お人柄を知りたい!」

こんにちは、寄付ナビの鈴木大悟です。

認定NPO法人ロシナンテスは、「医療の届かない地域」に医療を届ける、日本発祥の国際協力団体です。

私自身も、ロシナンテスを毎月の寄付で応援する「チーム・ロシナンテス」の一員として、活動を支援しています。

さて、ロシナンテスの理事長を務める川原尚行さんとはどのような人物で、どのような想いを持った医師なのでしょうか?

本日は、このような疑問を持っている方へ向けて、川原さんの著書『行くぞ!ロシナンテス 日本発 国際医療NGOの挑戦』(山川出版社)を読んで、私が学んだことをお話ししたいと思います。

川原 尚行(かわはら なおゆき)

  • 1965年、福岡県北九州市生まれ。
  • 1992年、九州大学医学部卒業。高校、大学でラグビー部に所属。主将を務める。
  • 1997年、九州大学医学部大学院修了。
  • 1998年、外務省の医務官としてタンザニア、のちにスーダンに赴任。
  • スーダンで医療の届かない人たちの過酷な現状を目の当たりにし、「なんとかしたい」と心から決意する。
  • 2005年、外務省を辞職し、スーダンで医療支援をスタート。
  • 2006年、仲間と共にロシナンテスを立ち上げる。
  • 以後、現在までスーダン、ザンビアにて活動を継続中。
  • 一男二女の父。

ロシナンテスの原点は?「目の前で苦しむ命を助けたい」という切なる想い

ロシナンテスの活動は、川原さんが外務省の医務官として2002年にスーダンに赴任したことに端を発します。

川原さんには忘れることのできない光景があるそうです。

診察室の前に、患者さんの長い列ができています。
座るのが辛いのか、横たわっている人もいます。

病室に目をやると、一つのベッドに二人の患者さんが横たわっています。
病室に入りきれない患者さんは、日陰を求め、外の木の根元に置かれたベッドに寝ています。

100人以上の入院患者に、列をなしている外来患者、それに対して医者はたったの二人でした。
そこの医師は、私と話をする時間も惜しいかのように、患者さんたちの手当をしています。

行くぞ!ロシナンテス P.107

しかし、外務省の医務官の立場では、何もできません。

「私はひとりの医師として、何をなすべきなのだろうか・・」

川原さんは葛藤します。

あの日を境に、多くの患者で溢れかえる病院の情景が、瞼の裏に焼き付いて離れないのです。

仕事の合間のふとした瞬間に思い出しては、心が揺れ動き、家に帰って家族との団らんのときに思い出しては、胸が締め付けられます。

行くぞ!ロシナンテス P.108

川原さんは悩んだ末に、外務省を辞職し、ロシナンテスの設立に向けて、動き始めます。

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『行くぞ!ロシナンテス』を読んで、私が共感した3つのポイント

ここからは、この記事を書いている私が、川原さんの著書を読んで学んだことや感じたことを共有させてください。

①外務省を辞してでも、志を完遂しようとする情熱

外務省の医務官という安定した職業であれば、将来や家族の生活も保障されています。
川原さんは自らに問いかけました。

目標金額を設定して、それだけの資金を貯めてから、好きなことをするのか?
自問を繰り返すうちに、目標金額を決めることも、カネを貯めることも、すべて次元が違うことに思えてきました。

そうだ、本来は、そこに困っている人、病んでいる人がいるのだから、なんとかしたい。
そう思ったのが原点なのだ。

行くぞ!ロシナンテス P.111

そして川原さんは、ほどなく「外務省を辞めて、医療活動を行おう」と、決心されました。

肩書きや立場を捨ててまで、医療活動を行うことを応援したいと、私は感じました。

②支援するだけではなく、現地の人たちで継続できる仕組み作り

スーダンには動物の糞尿が混じった茶色い水を飲まざるを得ない人びとがいます。
水インフラが整備されていないために「安全な水」が手に入らず、ロバなどの動物と同じ水源を利用せざるを得ない地域が少なくありません。

汚染された水は病気の原因になります。
患者をいくら治療しても、原因を取り除かなければ、同じことの繰り返しなのです。

ロシナンテスは綺麗で安全な水を届けることが病気を予防する近道と考えています。
十分な医療、そして安全な水、この2つの組み合わせが相乗効果となって良い循環を生み出しています。

ロシナンテスが、スーダンのシェリフ・ハサバッラ村に設置された井戸の改修を行った時の話をご紹介します。

一年ほどかけて、2009年6月に改修工事が完了しました。
新しくなった井戸は水質も良く、水量も豊富です。
村の人たちは「これで川に水を汲みに行く必要がなくなる」と喜びました。

(中略)

村人は自主的に井戸の周辺に畑を作り、オクラ、モロヘイヤ、スイカといった作物を栽培し始めました。
この辺りは乾期には大地が干上がるので、通常は雨期に耕作します。

しかし井戸の近くなら、水やりをすることでいつでも野菜が作れます。
村では乾期に新鮮な野菜を食べる機会はほとんどありません。
畑が作られたことで、食生活が充実し、子供たちの栄養状態が良くなることを期待しました。

行くぞ!ロシナンテス P.133

このようにロシナンテスは援助を行うだけでなく、現地の人たちだけで活動を継続できる仕組みづくりを大切にしています。

ずっと支援に依存するのではなく、支援を卒業し自立できるように導く役割をロシナンテスが担っていることが分かり、その考え方に私も共感しました。

③人々との様々な出会いこそが、私を成長させてくれること

2013年6月に、ロシナンテスが始めたシェリフ・ハサバッラ村での事業は、その運営を地域住民と州政府に完全移譲されました。

私がハサバッラ村に着くと、村の人が総出で、長い列を作り待ち受けていました。
子供たちが歓迎の歌を歌う中、私は村の人、一人一人に挨拶をしていきます。

(中略)マンスーラ診療所、そして、シェリフ・ハサバッラの診療所、給水所、女子小学校、ワッデルハディの給水所を、一つ一つ見て回りました。
どれも、きちんと運営されています。
もう安心して彼らに任せることができます。

行くぞ!ロシナンテス P.146

村の人たちに、直接感謝とお祝いの言葉を伝えられたそうです。

その時、川原さんは思いました。
「人々との様々な出会いこそが、私を成長させてくれているのだ」と。

私も一つ一つの出会いに感謝したい、今できることを積み重ねていきたい、ロシナンテスへの寄付をこれからも続けていきたいと感じました。

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ロシナンテスの最新の取り組みは?ザンビアの母子を支援

ロシナンテスは2019年から、アフリカ中央部の国、ザンビアでも活動を開始しています。
今回ご紹介した書籍が出版された後の、最新の取り組みもぜひ紹介させてください。

ザンビアでは自宅で出産し、亡くなる女性たちがいます。

ザンビアの10万出生あたりの妊産婦死亡者数は183人。
日本の2.7人と比較すると、その差はなんと「約70倍」にも上ります。

ロシナンテスHPより引用

ザンビアの農村部では伝統的な価値観や迷信から「生まれたばかりの赤ちゃんを家族以外に見られてはいけない」という考えが残っており、診療所での出産率が増えない一因となっているだけでなく、多くの女性が出産時に命を失う原因になっています。

自宅から診療所まで遠く離れているケースもあり、産気づいてから歩いて診療所に向かうのは困難を極めます。

「自宅で出産し、亡くなる女性たちをなくしたい!」
ロシナンテスは住民たちと話し合い、ある策へと思い至ります。

それは、妊産婦が安全に出産日を迎えるための「出産待機施設(マザーシェルター)」を診療所の近くにつくれば良いのではないかというものです。

ロシナンテスが実際にマザーシェルターを建設すると、産気づいてから徒歩で診療所に移動する危険を妊婦さんが冒す必要はなくなりました。

ロシナンテスHPより引用

独立した分娩室でプライバシーが確保され、お母さんは穏やかな気持ちで出産予定日を迎え、安全に我が子をその手で抱くことができるようになったのです。

ザンビアの活動について詳しく知りたい方は、こちらから、ご覧になってみてください。

NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で特集される

川原尚行さんは、2013年にNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で特集されています。
その他にも数多くの受賞歴、メディア掲載歴があります。

受賞歴

メディア掲載歴

朝日新聞、毎日新聞、Forbes Japan、AERA Premium、国際開発ジャーナル、毎日放送「情熱大陸」、日本テレビ「行列のできる法律相談所」、NHK国際放送局「Another side of SUDAN」、日本テレビ「人生が変わる1分間の深イイ話」、NHK総合「プロフェッショナル 仕事の流儀」、NHK WORLD TV 「DIRECT TALK」、TV東京 「世界ナゼそこに?日本人」など

ロシナンテスHP

活動開始から、一貫して医療支援に取り組んできた実績が、社会的に評価されています。

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最後に:あなたも川原尚行さんの夢を応援して頂けませんか?

川原尚行さんより、これから寄付を検討されている方へ向けたメッセージ動画が、ロシナンテスの公式YouTubeチャンネルにアップされていたので、ご紹介させてください。

愚直にですね、そこがいばらの道であっても、一生懸命みんなと歩いて、その後に残る道を作っていけたらと思います。

私の夢ではありますけども、チーム・ロシナンテスが大きくなれば、アフリカの他の国、また世界の他の地域、ひいてはここ日本までですね、医療を届けられるところまで持っていきたいと考えております。

ぜひともチーム・ロシナンテスに入って、夢を一緒に追いかけていければと思っております。

川原さんの夢は、まだ始まったばかりです。

これからも、私はチーム・ロシナンテスの一員として、川原尚行さんとロシナンテスを応援したいと思います。

あなたもチーム・ロシナンテスにご参加頂けませんか?
詳しくは以下のページをご覧ください。

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