カタリバの今村久美、どんな人?寄付者の私が『「カタリバ」という授業』から学んだ3つの想い

「カタリバの代表理事、今村久美さんってどんな人なの?」
「経歴や事業にかける想い、お人柄を知りたい!」

こんにちは、寄付ナビ編集長の鈴木大悟です。

NPO法人カタリバは、日本国内の10代の子どもたちを対象に「カタリ場」というコミュニケーションのプログラムなどを始め、多様な学びの機会を届けている団体です。

私自身、カタリバへの毎月の寄付「サポーター会員」を通して、活動を応援しています。

そんなカタリバの代表理事を務める、今村久美さんはどのような女性、どのような人物なのでしょうか?

本日は、このような疑問を持っている方へ向けて、カタリバを紹介した書籍、『「カタリバ」という授業』(英治出版)を読んで、私が学んだことをお話ししたいと思います。

今村 久美(いまむら くみ)
カタリバHPより引用
  • 1980年、岐阜県高山市生まれ。
  • 2002年、慶應義塾大学環境情報学部卒業。
  • 大学在学中の2001年に「NPOカタリバ」を設立し、高校生のためのキャリア学習プログラム「カタリ場」を開始。
  • 2011年の東日本大震災以降は、子どもたちに学びの場と居場所を提供。
  • 2020年のコロナ禍には、経済的事情を抱える家庭にPCとWi-Fiを無償貸与し学習支援を行う「キッカケプログラム」を開始するなど、社会の変化に応じてさまざまな教育活動に取り組む。
  • 地域・教育魅力化プラットフォーム理事。文部科学省中央教育審議会委員。経済産業省産業構造審議会委員。
  • 自分をあらわすキーワード「樹木希林さんのように、最期まで好きな仕事をしながら生きていきたい」

そもそもカタリバとは?日本の大学生が創業した教育NPO

2001年11月に活動をスタートした、NPOカタリバ。
今村久美さんが、慶應義塾大学の学生の頃のことです。

それは、成人式に出席するために故郷に帰省したときのことだった。

「『大学なんてつまらないし、刺激もない』『毎日ヒマ』と言う人が多かった。私にとって大学は楽しくて仕方がなくて帰省もできなかったくらいだったのに、皆は違うと言う。驚きました」

「だんだんと浮かんできたのは大きな疑問でした。同じ故郷に生まれ育って、同じ教育を受けて育った友人たち。なのに、自分だけ何か価値観が変わったような気がした。違いは私がたまたま得た環境とそれによってつくられた前向きな価値観。環境と教育機会の違いでこんなにも日々に対する人のスタンスは変わってしまうのか、と思いました」

「カタリバ」という授業 P.62〜63


この出来事から、”心に火が点くかどうか”の差は、とても小さな出会いと機会の差が生み出すのではないか、と今村さんは気付きます。


機会やきっかけの格差をなくしたいーー。
その想いは、日に日に増していきます。

親でも先生でもない、少し年上の大学生が、高校生へ将来について考えるきっかけを提供する、それがカタリバにつながるアイディアとなります。

今村は「就職しない」という道を選ぶ。それは苦しい決断だった。

「4年間、大学に行かせてくれた両親に恩返しをしたい気持ちもありました。その1つはきっと一流の会社に入ることだろう、と。それができないのは、申し訳ないことでした」

「私には捨てるものがないんだ、と気付いたんです。そもそも学力だって低かったし、親が大企業志向なわけでもない。周りの友達が大企業に入っていくからといって私の優先度はそこにはない。就職したらきっと捨てられないものが出てくる。何もない今リスクをとることがいちばんラクだ、やっとそう割り切れたんです」

「カタリバ」という授業 P.67〜68


そんな折、当時、明治大学文学部の学生だった三箇山優花さんと出会い、お互いの考えに共鳴します。

「意欲と創造性をすべての10代へ」
NPOカタリバの挑戦は、そんな2人の女子大生の想いから始まりました。

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『「カタリバ」という授業』を読んで、私が学んだ3つのこと

ここからは、寄付ナビ編集長の私、鈴木大悟がこの本を読んで、学んだこと、感じたことを共有させてください。

①事業を軌道に乗せるため「月収10万円」で奔走した3年間

NPOカタリバの事業を通して、いかに売上を立てるか、そんな困難に直面した今村さんと三箇山さん。
お二人とも、創業当初は自身の生活費をアルバイトで賄っていました。

日々、事務所に来て、学校に電話をかけ、アポをとって出向く。
アポがとれなければ誰かに話を聞きに行く。
そして空いた時間はアルバイト、夜はまたカタリバの将来について2人で話す……。
こんな状態が3年近く続いた。

「カタリバ」という授業 P.185

慶應義塾大学と明治大学の学生、本人たちが望めば、一流企業に就職することも難しくなかったはずです。

「収入の不安を抱えてでも、自分が本当にやりたいことは何か?」
そんな悩みを乗り越えて、使命を全うする生き方に、深く感銘を受けました。

②本音で話せる「場所」が、高校生の心に火を灯す

出張授業「カタリ場」は、”キャスト”と呼ばれる学生ボランティアによって運営されています。
授業を受ける高校生にとって、キャストは年が近い若者、まさに”ナナメの関係”です。

高校生は事前に配られた資料を見て、自分が興味のある大学生のもとに足を運ぶ。
最初に全生徒がサンプリング(キャストが高校時代に悩んだこと、大切だと思う価値観などを、紙芝居形式で高校生に語るプログラム)を受け、その後は、2人目のサンプリングに向かう生徒とワークシートを記入する生徒に分かれる。
その後は逆の動きをして、最後にまた班に戻ってまとめのワークを行う、というのがプログラムの一連の流れだ。

「カタリバ」という授業 P.25


高校生が自分自身について考え、見つめ直し、キャストと本音で対話する。
年の近いお兄さん、お姉さんが、全力で自分と向き合ってくれる。
そんな経験が、人の心に火を灯すのでしょう。

翻って、そのような経験は、何も子どもたちだけに求められているものでもないように私は思います。

「社会を変える当事者とは誰か」、カタリバは鋭く私たちに問いかけている。
それは、文句を言うだけで、誰一人として行動を起こそうとしない”大人たち”への強烈なアンチテーゼである。

「カタリバ」という授業 P.7

今日から何かを変えよう、今日から何かを始めようとしなければいけないのは、むしろ私たち大人の方かもしれないと痛感しました。

③ほんの小さな「きっかけ」が、社会を変えていく

まだ今村さんが直接、高校生と対話していた創業当初。
荒んだ雰囲気だった子が、自分から生徒会長に立候補して当選したことを、わざわざ報告に来てくれたことがあったそうです。

今村は大きな手応えを感じはじめていた。

「小さなおしゃべりがすごく大きな力をもつきっかけになることを、そのとき改めて感じたんです。おそらくその子は、それまで茶髪にして目立つことで自分のパワーを発散していたんでしょう。それは必ずしも悪いことではない。でも、そのパワーが向かう先を少しチューニングする機会があれば、もっと別の、その子にとってもっと実感のあることに、その力を使えるはずだと思うんです」

「カタリバ」という授業 P.83


2019年度は、2,281人のキャストが、45校、9,141人の生徒へ「ナナメの関係による本音の対話」を届けたそうです。

こんなにも素敵な「きっかけ」を1万人近くの生徒に届けていると思うと、ひとりの支援者として、とても嬉しい気持ちになりました。

たとえば、月5,000円の寄付を1年間続けると、60人の高校生に「きっかけ」を届ける出張授業を提供することができます。

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カタリバの最新の取り組みは?コロナ禍のオンライン学習支援

2020年のコロナ禍以降は、経済的な困難を抱えている家庭の子どもたちを対象に、奨学PCとWi-fiを貸与するオンラインの学習支援をスタートしています。

カタリバHPより引用

そこで「カタリバオンライン」という、双方向にやりとりしながら楽しく学べるオンラインの居場所作りを行っていくことを2月28日(金)に決定。

自分の可能性を広げる多様な人との出会いや機会を、住んでいるエリアに限らず多くの子どもたちが手にできる。

大人たちにとっても、家族以外の子どもたちに自分の経験を持って関わる社会参画の機会になる。

そんなサービスを開始しようと、急いで人集めを行い、Webサイト立ち上げの準備に入り、企画を日々ブラッシュアップしながら、4日間でなんとか準備を行い、3月2日(月)にサイトオープン、3月4日(水)からサービスをスタートさせた。

カタリバHP


コロナ禍でも、子どもたちの学びを絶やさない。

それは今村さんが20歳の成人式で見た地元の友人達のように、これ以上人生を悲観する子どもを増やしたくない、という想いがそのまま反映されているようにも思いました。

今までオフラインで実施してきた居場所支援の取り組みを、オンラインでも実現する、その変遷にカタリバのしなやかさを感じます。

「カタリバオンライン」については、以下の記事に詳しくまとめていますので、よかったらお読みください。

カタリバオンラインとは?プログラム内容や評判、参加方法をわかりやすく解説!

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日本を代表する起業家として、アメリカ『TIME』誌の表紙に

今村久美さんは、2009年に日本を代表する起業家として、米国『TIME』誌の表紙を飾っています。

カタリバHPより引用

メディア掲載歴

  • 日本経済新聞・朝日新聞・毎日新聞・産経新聞
  • NHK「おはよう日本」・テレビ朝日「報道ステーション」
  • サンデー毎日・日経ウーマン・ミセスなど

受賞歴

  • 日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2009
  • 内閣府・男女共同参画「チャレンジ賞」
  • グッドデザイン賞
  • パナソニック教育財団2011年度”こころを育む活動”関東ブロック大賞
  • 「いいね!ジャパンソーシャルアワード」最優秀ソーシャルプロジェクト

活動開始から約20年、一貫して教育活動に取り組んできた実績が、社会的に評価されています。

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追記:貧しさや孤独の中、懸命に生きる子どもたちを支えたい

最後に、今村久美さんより、これから寄付を検討されている方へ向けたメッセージが、カタリバのホームページに掲載されていたので、ご紹介させてください。

2011年、東北の被災地で教育活動をしていた私は、当時高校生の女の子と出会い、そして衝撃を受けました。
仕事が続かず、転職を繰り返す父親。
夫からの暴力と不安定な収入のせいで、精神を病んだ母親。
高校を中退し、金を無心する兄。
幸運にも祖母の近くで暮らせた彼女は今、大学に進み将来へと前向きに歩き出しています。

しかし、未だ全国にいる多くの子どもたちは、「貧困」という出口の見えない苦しみの連鎖の中にいます。

彼女らのような子どもたちのために、私たち大人に何ができるでしょうか?
悩んだ末の答えが、安心して過ごせる“居場所”と学ぶ意欲を育む“機会”を届けるということ。
貧困の連鎖を断ち切るため、「子どもの貧困」に向き合うことを決めました。

カタリバHP


挑戦は、まだ始まったばかり。
これからも、私はサポーター会員として、今村久美さんとカタリバを応援したいと思います。

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