不動産の寄付を受け付けている、非営利団体は?土地や建物の遺贈など、2団体の事例

土地や建物など不動産を、NPOやNGOなど非営利団体に役立ててもらうため、寄付する方がいらっしゃいます。
特に、ご高齢の方が遺産の寄付(=遺贈)を検討したり、相続する権利のある方が相続税の兼ね合いもありご自身が相続しない場合などに、ご相談をされるケースが多いようです。

ところが、不動産の寄付を受け付けているNPOや NGOは残念ながら多くありません
この記事では、非営利団体が寄付の受諾に消極的な理由と、不動産の寄付を受け付けているNPO/NGOをご紹介します。

受け入れ側には、活動とのマッチングの困難や税負担も

不動産の寄付を、なぜ受け付けていない団体が多いのでしょうか?

一番の理由は、そのまま活動のために使えない場合が圧倒的に多いこと。

せっかく「活動のために使ってほしい」とお申し出をいただいたとしても、立地や広さ、建物の形状などの理由によって、非営利活動のために活用できる確率は高くはありません。
特に、山林や田畑など売却が難しい不動産については、せっかくご寄付をいただいても社会のために活かせないことも多いのです。

かと言って売却もできないと、逆に固定資産税など税金などの負担が発生してしまって、「収支にはマイナス」となってしまいかねません。
したがって、いくつかの NPO NGOのホームページを見ても、換金してからの寄付をお願いする記載がよく見られます。

現金または現金化が可能なもののみお受けしております。不動産や債券など、現金以外の資産のご寄付をお考えの場合は、原則として遺言執行者が換価処分(現金化)し、税金、諸経費を差し引いた後の金額をご寄付いただくようお願いしております。
認定NPO法人フローレンス WEBサイトより)

不動産の寄付を受け入れている、NPO・NGO2団体の事例

一方、数は多くはないながらも、受け入れる可能性を表明している NPOや NGOも見つかりました。
「認定NPO法人カタリバ」と「あしなが育英会」の事例をご覧ください。

※2018年6月時点で、各団体のWEB サイトで公開されている情報をもとにしました。受け入れ可否や詳細については、ご自身の責任で各団体にご確認ください。

事例1:認定NPO法人カタリバ

日本国内で「生き抜く力を、子ども・若者へ」を理念に活動している教育NPOです。
東日本大震災や熊本地震で被災した子ども達や、貧困家庭で育つ子ども達への学習支援なども行なっています。

Q 現金以外(不動産、有価証券等)を寄付できますか?
A 基本的に現金化が可能なものは、ご寄付いただけます。ただし、山林や田畑など、売却が難しいものは受取れない場合がございます。まずはご相談下さい。
同団体のWEBサイト「遺贈・相続財産のご寄付」より)

事例2:あしなが育英会

「病気や災害、自死(自殺)などで親を亡くした子どもたちや、親が重度後遺障害で働けない家庭の子どもたちを物心両面で支える民間非営利団体」です。
遺児らに奨学金の貸し出しや、学生寮の運営なども行なっています。

あしなが育英会では、金融資産をはじめ土地・家屋などの不動産のご遺贈も承っております。ぜひ、ご支援賜りますようお願い申し上げます。(中略)
なお、土地、建物などの不動産を遺贈される場合は、税が発生する場合がありますので遺言書に「—その財産を遺贈したことに伴って発生する租税公課についてはあしなが育英会が負担すること。—」とご記入ください。
同団体のWEBサイト「遺産のご寄付『遺贈』」より)

ケースバイケースで、個別に受け入れている団体も

今回は2団体の事例を紹介しましたが、その他にも受け入れている団体は見つかるかもしれません。
(私は、2018年1月に「不動産 寄付 NPO」などのキーワードで検索したところ、なかなか見つけられませんでしたが)

たとえWEBサイトなどでは受け入れを表明していなくても、個別に寄付を受け付けているケースもあります。
もし既に支援をしているNPOや関心のあるNGOがあれば、問い合わせてみるとよいでしょう。

「みなし譲渡所得課税」に注意!ご自身の税負担も調べてみては?

なお現時点では、「良かれと思って、空き家をNPOに寄付すると、寄付した側に税金がかかる」という一見おかしな仕組みもあります。
みなし譲渡所得課税」と呼ばれる制度なのですが、たとえば・・

時価2千万円の不動産で、先祖代々から引き継がれたものをNPO法人に寄付をしようとします。
この場合には、この寄付をした人が、2千万円-2千万円×5%=1900万円(取得費はわからないものとし、譲渡費用はかからなかったとします)に対して課税がされてしまいます。
税率は、土地、建物で5年以上所有しているものであれば、原則的に、所得税と住民税を合わせて20%、つまり、1900万円×20%=380万円が課税されてしまうということになります。
「みなし譲渡とNPO NPO会計道」より)

「寄付をしたうえに税金まで支払わなければいけない」となってしまうと、せっかく非営利団体側とのマッチングが成立しても、寄付にあたって大きなハードルとなりそうですね。

こちらの記事に書かれていたように法改正が求められていたり、また非課税となる要件も定められていますが、「ご自身に税負担が過分にかかってしまわないか?」も合わせて確認するとよいでしょう。

さまざまな想いや歴史の詰まった土地や家屋を、社会的に意義のある活動に役立ててもらうために。
不動産を所有されている方と、NPO/NGO側が良い形でマッチングできる一助になればと願っております。

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遺贈寄付とは?関心が高まる背景と寄付の種類、相続の進め方3ステップ | 寄付ナビ

[…] 寄付する財産のうち、現金や銀行預金ですとスムーズですが、家屋や土地などの不動産あるいは株券など有価証券の場合は、NPO・NGOの側も受け入れが難しかったり、手続きが煩雑になる場合があります。 弁護士や税理士など専門家にアドバイスをもらいながら、また支援を検討している団体と話し合いながら、 […]

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