(出典:日本赤十字社HP)
「人道」を基本理念に、国内外での医療活動のみならず、人材育成や社会福祉など幅広く活動を行なっている日本赤十字社。
誰もが名前を知っている大きな団体で、2011年3月の東日本大震災発生の際に日赤を通して寄付を行なった人も多いかと思います。
しかし、実際のところはどういった団体で、寄付をする上で本当に信頼できるのか良く分からない人も多いのではないでしょうか。
そこで日赤に対する評判や口コミを集め、寄付をする上で大切な3つのポイントをまとめてみました。
ぜひ参考にしてみてください。
目次
インターネット上で見つかった、日本赤十字社の評判や口コミ
ネット上で検索したり、ソーシャルメディアで探したりすると、さまざまな方の書き込みが見つかりました。
支援者からのポジティブな評判や口コミ
東日本大震災や熊本地震など国内で発生した自然災害の被災地への支援として、誰もが知る日赤に寄付を行い、暖かいメッセージを投稿されている方々も多くいらっしゃいました。
東日本大震災があり、自分にはいったい何ができるか、考えました。
その気持ちを大事にして自分の目の前の人たちに大事に接することを決めました。
目の前の人たちに、ココロを込めて接しています。もちろん被災地の復興を祈りながら。
同じ気持ちの人はたくさんいますよね。僕も含め、その同じ思いの人の気持ちが、人から人へ伝わって、みんなが目の前の人を大事にするようになれば最高です。
被災地の復興には、今の自分には祈る以外に大きなことはできません。けれど、継続して支援ができる方法があると知り、妻と、日本赤十字社の社員になりました。社員というのは職員ではなく、会員のことです。
(出典:個人の方のブログ)
今までユニセフに寄付をしていたのですが、国産の団体に寄付したほうが良いかなとなんとなく思い、今月から日本赤十字社に寄付することにしました。(中略)
ちなみに寄付をするとどんな見返りがあるかと言うと、気持ちが浄化されるのです。
理由は寄付金の用途が明確で、直接的に貢献しているような気がするからです。
気持ちが浄化されると、気持ちが穏やかになり、いろいろな人に優しくできるような気がするのです。
人間として成長できるような気がするのです。
(出典:オルタナティブ・ブログ)
日本赤十字社がAmazonによる決済サービス『Amazonログイン&ペイメント』を使った寄付受付をスタートしましたのでご案内。
上記サイトを開いて黄色のボタンからAmazonアカウントへログイン。そしたら決まった金額を選択すると寄付ができます。(中略)
節税効果は期待できませんが、めちゃくちゃ気軽に寄付できたので意気込みはあるけどもまだしていなかった!という方はこの機会に是非。
(出典:LINE BLOG)
ネガティブな評判や口コミ、活動に対する批判や疑問
一方で、赤十字の組織構造に対するものや東日本大震災における被災地への義援金の取り扱いなどに関してネガティブな評判や口コミがYahoo!知恵袋やブログなどで散見されました。
赤十字が、市町村に、募金を依頼する
市町村が、自治会を通して、集金を依頼する
自治会では、断りにくい雰囲気がありその心理に付け込んで、集金する
多くを集めた市町村幹部は、退職後、赤十字に天下り、高給を得る
というように、市民から大金をせしめ、一部の人間が潤うため、ずる賢い人たちが作った仕組みです(中略)
寄付したければ、困っている人に直接してください
(出典:Yahoo!知恵袋)
7年経ってもまだ仮設住宅に住まわされるってことはあれだけ皆様が寄付したお金がどこへ流れたのか?と疑問に思われてもおかしくないでしょうな。
赤十字にもかなりの寄付金が送られているはずなのに、ちゃんと被災者につかわれたのか怪しく感じますな。
(出典:Twitter)
日本赤十字というと、何か災害が起きると率先して活動する組織で、義援金も社の判断でいち早く被災地の復旧・復興のために送られるという”神話”みたいなものを抱いていましたが、これほどの官僚的組織だとは思っても見ませんでした。
義援金の配分が遅いと非難されているにもかかわらず、遅々として進まないのはこういう背景があったのですね。
これからは、「この義援金は、日本赤十字社を通して被災地に届けられます」と言われても、震災後2ヶ月以上経っても被災地に届かないのであれば、義援金は被災地へ直接送った方が良いのではないでしょうか。
(出典:個人ブログ)
支援先として「赤十字」は信頼できる?3つのチェックポイント
ポジティブ、ネガティブ両方の評判や口コミがあるだけに、赤十字に寄付するべきかどうか悩まれるかと思います。
それを解消するために客観的な判断材料として、法人格、資金使途、活動報告の3つのポイントを押さえることが大切です。
以下にまとめてみたのでぜひ参考にしてみてください。
ポイント1:団体として信頼できるか?
日赤は、1952年に日本赤十字社法に基づいて設置された認可法人になります。
日本赤十字社法というのは、赤十字国際委員会の決議に則り、赤十字が掲げる人道的任務の達成を目指して国内で制定された法律のことです。(参照:日本赤十字社法)
認可法人というのは民間が設立を国に申し立てて、主務官庁が許可するものを差します。(参照:秋田赤十字)
しかしながら、災害救助法の定めにより、行政が行う非常災害時の救護業務などを国や地方公共団体と協力して行うなど、行政機能の補完的役割も担っています。(参照:よくあるご質問)
要するに日赤は行政機関にはあたりませんが、国によって行政の業務の一部を担うことを認められている独立した民間団体になります。
また、日赤に寄付することで税制上の優遇措置として、個人の場合は、所得税、住民税の控除、相続税の非課税を受けられます。
これらは寄付をした時期にかかわらず適用され、寄付した金額に応じ、所得税や住民税に課せられる税額から一定金額を差し引いてもらえるということです。
相続税の非課税とは、寄付した相続財産の金額は相続人が納めるべき相続税の課税価格に算入されないということです。
法人の場合は、日赤の事業全般、もしくは財務大臣の指定を受けた事業に対する寄付金に対して法人税の控除が受けられます。
以上のことから、日赤は行政の補完的役割を担うことを認められている国を代表する民間法人になります。
つまり公益を目的とした公益社団法人です。
しかしながら、巨大な組織ゆえにネガティブな評判や口コミにもある様に、義援金の取り扱いがスムーズに進まなかったことがあったのかもしれません。
ポイント2:寄付金は適正に使われるか?
ホームページ上に毎年の業務・決算報告、及び収支監査報告などのPDFが掲載されており、一般会計や医療施設特別会計、社会福祉施設特別会計など事細かく記されており組織としての透明性は高いでしょう。
では一例として、令和元年度業務報告書を確認してみましょう。
歳入(322億円)の内訳は、会費・寄付金・海外への救援金(69.4%)、継続事業のための繰り入れ金(9.0%)、その他(7.2%)、前年度繰越金(12.1%)、国庫補助金・公益補助金(1.7%)、国庫委託金(0.6%)となっています。
一方、歳出(321億円)の内訳は、割合としては、事務管理(14.6%)、翌年度以降の継続事業のための積立金(17.8%)、赤十字施設の設備投資(16.0%)、次年度繰越金(12.3%)、社会活動費(9.9%)、広報・普及活動(8.6%)、国内災害救護活動(7.5%)、海外での救援・開発協力活動(7.2%)、東日本大震災復興支援(0.3%)、地域のボランティア活動支援(5.8%)となっています。
ここでポイントとなるのが事業費と管理費の比率です。
事業費は事業遂行のために使った費用で、管理費は各種事業を管理するために使った費用になります。
上記の歳出額321億円から翌年度以降の継続事業のための積立金と次年度繰越金の事業費と管理費に関わらない費用を差し引くと225億円です。
その内、事業費にあたるのが国内災害救護活動、海外での救援・開発活動、地域ボランティア活動支援費、東日本大震災復興支援費、社会活動費で、合計が約99億円となります。
管理費にあたるのが事務管理費、赤十字施設の設備投資、広報・普及活動で、合計が約126億円となります。
ここで管理費と事業費を比較すると、126:99(管理費:事業費)なので、およそ52:48の比率になります。
225億円の約56%が管理費、約44%が事業費という計算になります。
一般的に経費内に占める管理費の割合は5〜20%が目安とされていることから、適切な範囲内で運用されているとは言えないかもしれません。
ただ、一概に管理費と事業費の割合だけで活動は判断できません。
次はどれくらい社会に貢献しているのかチェックしてみましょう。
ポイント3:きちんと活動しているか?
国内災害救護、国際活動、看護師育成事業、血液事業、社会福祉活動など多岐にわたる活動を展開しており、FacebookやTwitterなどSNSを利用した情報発信も盛んで常に最新の活動状況を知ることができます。
もちろん私たちが寄付したお金を使った事業についての情報もしっかり投稿されています。
災害義援金は主として東日本大震災の復興支援、国内の災害救護活動のために使われ、その他寄付金の一部は海外での救護や開発協力活動などに当てられています。
例えば最近の海外における支援活動で言うと、インドネシアで平成31年4月に4万5,000人が被災した洪水が発生した際には、訓練を受けた赤十字ボランティアが避難誘導などを行い、村人を災害から守りました。
災害に強い地域づくりを目指した防災訓練の実施や、防災知識の普及につとめたボランティアの支援の効果が着実に現れた形となります。一時的な支援ではなく、現地の方々が知識を得て自立することを目指した地道な活動には頭が下がります。
その時の現場の状況や日赤医療班の活動の様子などは、日赤のホームページやSNSなどで発信されていただけでなく、様々な報道機関が取材し発信していたので目にした方も多いのではないでしょうか。
そう言った日赤の海外での直接的な支援活動の様子を見ると、自分たちの寄付がちゃんと赤十字の理念に基づいて使われていることが分かり、安心して寄付をすることができるのではないでしょうか。
まとめ
この記事では、日本赤十字社の評判や口コミを、インターネット上で分かる範囲でまとめました。
そのうえで、書き込みが正しいか?適切な評価がされているか?を判断するうえで拠りどころとなる情報ソースを提示させていただきました。
まだ分かりやすくまとめられていない箇所もあるので、後ほど加筆をできればと考えています。
寄付を考えている方にとって、少しでも参考になれば嬉しく思っております。
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