2011年に東北を襲った大地震。
あの大きな被害から10年のときが経過しました。
そんな東北地方への寄付を考えたとき、皆さんはどのような支援団体に寄付を行いたいと考えますか?
「東日本大震災で家族を失った子どもを支援したい」
「学習場所のない子どもたちに勉強する環境を提供したい」
「子どもたちが大人になるまで活動を継続する団体に寄付をしたい」
支援対象や活動内容など、さまざまな視点で支援団体・基金を検討するかと思います。
そこで今回は、今も支援を継続しており、寄付を受け入れている団体を3つご紹介します。
特に、長期的に子どもの成長をバックアップする活動を取り上げてみましたよ。
目次
東日本大震災発生時に0歳だった赤ちゃんが、二十歳を迎えるまで支援(ハタチ基金)
東日本大震災が起きたのは、考えてみれば遠い昔のこと。
「地震直後に比べると支援状況は良くなっているのでは?」
そんなふうに思いがちですが、被災地では次の課題も続々と生まれてきました。
人口流出への対策や経済基盤の立て直しなど東北の未来を考えると、子どもたちへの継続的な支援は必要不可欠な状況なはずです。
メディアから被災地の話題は大きく減りましたが、課題はそこにあり続けます。
ハード的復旧が終わり、人口減少下において、如何に強い経済を生んでいくか。
そんな全国共通の課題に、最も深刻に取り組まねばならなくなっています。我々の支援の形も、変化しなくてはなりません。
地味だけど、継続して活動を続けること。地域の経済に資すること。
地域の人々が、「自らを助く」ことを助けること。
(公益社団法人ハタチ基金 代表メッセージ より)
そこで、未来の日本を支える教育や保育など、さまざまな支援活動に取り組んでいるのが公益社団法人ハタチ基金です。
他の団体と大きく異なる点は、個別の活動への寄付ではないということ。
公益社団法人ハタチ基金では「その時々に必要な活動に資金を提供」しています。
活動内容 | 学習・生活支援、小規模保育事業など |
活動地域 | 福島県・岩手県、宮城県など |
支援対象 | 東日本大震災の被災地で暮らす子どもたち |
寄付の使途 | 支援活動を行う団体への助成・講習会運営費など |
運営団体 | 公益社団法人ハタチ基金 |
「現地のニーズをフィードバックしながら、2011年からの20年間、被災地の子どもたちに必要な支援活動をサポートする」
それが公益社団法人ハタチ基金の活動方針です。
特に、被災地の状況は復興の進み具合によっても大きく変わってくるもの。
現場や時代の状況に応じて、適切な活動に支援を行っています。
「支援のおかげで、被災地でも子供たちの様々な勉強や遊びの機会がある」
「経済的に困難だったが、学習場所ができたおかげで勉強もはかどるようになった」
そんな被災地の家族や子どもたちの声もありました。
寄付方法は銀行振込やクレジットカードのほか、「かざして募金」でも応援することができます。
また、継続的に子どもたちをサポートする「呼びかけ人」と呼ばれる毎月の継続寄付会員もいらっしゃるようです。
「東北で継続的な支援を行っている団体へ寄付をしたい」
と考えられている方は、寄付を検討してみてはいかがでしょうか。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
震災で親を亡くした遺児・孤児に、“奨学金”を給付(みちのく未来基金)
震災の被害は自宅や通っていた学校が流されてしまっただけではありません。
地震や津波の影響で、親や子どもを亡くした方々が大勢います。
特に、親や兄弟を亡くした子どもたちは震災直後、必死に家族を探しながら心身ともに疲れ果てた状況でした。
直接的な被害は収まったように見えますが、家族を失った悲しみを今も抱えながら生きている子どもたちは多く残されています。
一夜にして親を亡くし、肉親を亡くし、家を無くし深く傷ついた子どもたちは、進学を諦めようとする傾向が有りました。
避難所で暮らす毎日、仮設の学校、そんな状況で受験をし進学しようとする意欲すら湧かず、目標を見失ってもだれも責めることはできない状況でした。
みちのく未来基金
そこで、孤児たちが夢を持ち続けながら成長していくサポートを中・長期的に行っているのが公益財団法人みちのく未来基金です。
東日本大震災の教育関係のサポートが広く行われている中、みちのく未来基金では「震災遺児・孤児」に特化する活動を行っています。
その中でも、サポートの少ない「大学及び専門教育への進学」に焦点を当てることで、東北そして日本の復興を支えていく人材を育成していこうと考えているそうですよ。
活動内容 | 震災遺児・孤児に対する奨学金支援 |
活動地域 | 宮城県(本社) |
支援対象 | 東日本大震災における遺児・孤児 |
寄付の使途 | 遺児・孤児の学費など |
運営団体 | 公益財団法人みちのく未来基金 |
阪神大震災でも東北と同様、遺児・孤児達が自分の将来の夢や進路を諦めてしまう傾向が非常に高かったそうです。
しかし、これからの東北の未来を支えるのは子どもたち。経済的な理由で将来を諦めてしまう子どもが少しでも減るよう、奨学金という形で遺児・孤児たちのサポートを実施しています。
みちのく未来基金では、毎月の寄付や年1回の定期的な寄付など、1,000円から金額を決めて寄付を行うことが可能ですよ。
「これから育つ次世代の若者たちを奨学金で支えたい」という思いに賛同される方は、寄付を行うのも良いかもしれません。
子供達を被ばくの被害から守るため、「無料健診」をプレゼント(たらちねクリニック)
東日本大震災は家屋の倒壊など直接的な被害も大きかった一方、目に見えない人体への影響も懸念されてきました。
それは放射線による被ばくの問題です。
被ばくの影響が身体に表れるまでには、時差があります。
チェルノブイリで子どもの甲状腺がんが急増したのは原発事故の5年後、「慢性的に病気」の子どもの数が「健康といえる」子どもの数を超えたのは事故の7年後のことでした。たらちねクリニック
公式サイトにもある通り、すでに被ばくによる症状が出ている場合は18歳以下の福島県民は無料で検査を受けることができます。
しかし、症状がない状態での検診には保険が適用されず18歳以下であっても全額自己負担になってしまうため、全ての子どもが検診を受けられる状態ではありません。
そこで、症状が出ていなくても「出来るだけ多くの子ども達に検診を無料で受けさせてあげたい」と立ち上がったのがたらちねクリニックです。
活動内容 | 福島の子どもたちの放射能測定・保養事業など |
活動地域 | 福島県 |
支援対象 | 18歳以下の子どもたち |
寄付の使途 | 直接事業費・人件費・広告宣伝費など |
運営団体 | 認定NPO法人いわき放射能市民測定室たらちね |
講演会の実施や「たらちね通信」の発行など、放射線被害に関する情報を提供しているたらちねクリニック。
無料で行っている検診は全て寄付でまかなっているそうです。
寄付の希望金額は月1,000円から選ぶことが出来ます。
月1,000円で血液検査は3人分、月3,000円の寄付で子どもドック2人分の費用となります。
また、具体的にどのような活動をされているのか気になる方はこちらも参考にしてみてくださいね。
編集部オススメのポイント!
「放射線による被害に不安を抱える子どもたちを安心させてあげたい」というクリニックの思いに共感された方は、寄付を検討してみてはいかがでしょうか。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
まとめ:「地震被害に遭った被災地の方に継続的な支援をしたい」という方の参考に
この記事では、東日本大震災で被災された方々を支援する団体を3団体を紹介しました。
団体名 | 編集部オススメのポイント |
ハタチ基金 | ① 助成先団体を幅広く公募 ② 毎月の継続寄付会員「呼びかけ人」 |
みちのく未来基金 | ① 震災遺児のための「大学及び専門教育への進学」サポート ② 企業の社会的責任を見つめ直し、社会奉仕に賛同した民間企業3社が共同で設立を行った |
たらちねクリニック | ① 見えない・におわない・感じない放射能と長期的に向き合う ② 被ばくに関する心配事を相談でき、子どもたちの健康を見守れるクリニック |
「震災から時間が経った今でも、現地で助けを必要としている方に、継続的な支援を届けたい」そういった思いを感じられている方にとって、本記事が少しでも、支援先選びの参考になりましたら嬉しいです。