(出典:カタリバ HP)
子どもの健康維持に最も大切とも言える「食事」。その食事を十分にとれていない家庭や子どもが、私たちが住む日本にも存在します。
2021年12月の内閣府による調査では、経済状況を理由に「食料が買えなかった経験がある」との回答は全世帯の11%、低収入世帯38%、母子世帯32%にのぼります。
この10年間で、日本の子どもの実に6人に1人が1日3食を食べられない状況に陥っているのです。
そんな家庭や子どもたちのサポートのひとつに「子ども食堂」があります。
コロナ禍前は6,014カ所だった民間の子ども食堂が、2023年は9,131カ所にまで増加するほど、その必要性が高まっています。
困窮する家庭を救うための「子ども食堂」の活動について、読者の方の中には、支援したいという気持ちはあっても、寄付に踏み出せないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では以下の項目を通じて、寄付に対する不安や疑問を解消し、どのようにして支援ができるのかを詳しく解説します。
- 子ども食堂の運営を行う団体の紹介
- そもそも「子ども食堂」とは何なのか、それが持つ役割について
- 子ども食堂への寄付の仕方
- 子ども食堂を運営する寄付先・募金先の選び方
あなたにぴったりの寄付先がきっと見つかるはずですので、ぜひ最後までご一読ください。
目次
子ども食堂の寄付先NPO2選
まずは「すぐにおすすめの寄付先を知りたい!」という方のために、寄付ナビ編集部が厳選したおすすめの団体を2つご紹介します。
カタリバ:地域の方々と食卓を囲み、子どもたちに”安心”を届ける子ども食堂
子どもの貧困対策に力を入れている東京都足立区から、カタリバが事業を受託する形で、2016年8月にスタートしたのが「アダチベース」です。
アダチベースは、子ども食堂としての役割も含む、居場所支援の拠点です。
アダチベースのコンセプトは、子どもたちが泣いたり笑ったり、そのままの自分を受け入れて安心できる居場所として、心の安全基地を届けること。
2022年度は、アダチベースを通して、239人の子どもたちに安心を届けています。
アダチベースでは、地域の方々と一緒に食事をいただきます。平日は毎晩、長期休暇中は昼夜2食、食事を提供しています。
調理は子どもたちも一緒になって近隣の方々と協働で行い、一緒に食卓も囲むことで、「一緒につくる、一緒に食べる、一緒に片付ける」という体験を通じた安心感や、承認機会をつくっています。
カタリバHP
活動内容 | 安心できる居場所の提供、学習支援、食事支援、災害時の居場所の提供や学習支援、探究学習の実践支援など |
活動地域 | オンライン(全国)、岩手県、宮城県、福島県、東京都、島根県に加え、各地域団体を後方支援 |
支援対象 | 主に日本の小学生〜高校生など |
寄付の使途 | 人件費、教材・備品・消耗品費、移動・交通費など |
運営団体 | 認定NPO法人カタリバ |
誰かと一緒に食卓を囲む、私たち大人にとっては、それは当たり前のことかもしれません。
しかし、そんな当たり前の機会を失った子どもたちがいるのです。
そうした子どもたちに「食事支援を通じて安心できる居場所づくりに関わりたい」とお考えの方は是非寄付をご検討ください。
編集部オススメのポイント!
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
むすびえ:地域の方々と食卓を囲み、子どもたちに”安心”を届ける子ども食堂
全国のこども食堂をサポートする、NPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」。
各地域のこども食堂を支える中間支援団体のサポート、こども食堂を支援したい企業とのコラボ、調査研究などの活動をしています。
「全国こども食堂支援センター・むすびえ」は、全国のこども食堂をサポートするために、3つの活動を行なっているとのことです。
- 地域ネットワーク支援事業(各地域のこども食堂を支える中間支援団体の活動を支援)
- 企業・団体との協働事業(企業・団体がこども食堂を支援するためのコラボなど)
- 調査・研究事業(こども食堂を利用・理解してもらうための必要な調査・研究、政府実現など)
子ども食堂とは?栄養のある温かいご飯が食べられて、地域の人が助け合える場
まずは子ども食堂はどのようなところなのか、子ども食堂が担っている役割とともに紹介します。
子ども食堂とは
子ども食堂とは、子どもが1人で入れて、無料または低額でご飯を食べられるところです。
東京都大田区にある「きまぐれ八百屋 だんだん」が、子ども食堂の始まりでその1号店とされています。
子ども食堂という名前も、店主である近藤博子さんが名づけられました。
そして全国各地にもネットワークが広がっていき、2023年には合計9,000を超える子ども食堂があることがわかっています。
子ども食堂の役割は、子どもの貧困対策と地域の交流拠点の2つ
なぜ子ども食堂は全国にこれだけ広がっていったのでしょうか?
そこには日本の子どもを取り巻く社会課題が背景にあります。
相対的貧困の状態にある子どもへの食事の提供
暮らしが豊かになっていると思える日本ですが、実は9人に1人の子どもが相対的貧困の状態にあると言われています。
相対的貧困とは、簡単に言えばその国の一般的な水準よりも貧しい状態のことです。
各家庭の事情にもよりますが、ひとり親など経済的に困難な状態にある家庭の子どもは、栄養のある食事を取りづらくなります。
子ども食堂は、苦しい状況にある子どもが必要な栄養を取り、健康的に発達していくためのセーフティーネットのような役割を果たしているのです。
大人も子どもも地域で支え合えるコミュニティづくり
社会で孤立した家庭が経済的に苦しい状況になると、子どもはますます頼れる人がいなくなります。
人同士のつながりが希薄になるなかで、子ども食堂は近所の人たちが集まるコミュニティとなり、ご飯を提供するだけでなく、困ったことを相談するなどお互いが助けあえる場としても機能しています。
そのため子ども食堂は子どもだけでなく、大人が利用することも珍しくありません。
地域の大人同士が支え合うことで余裕が生まれ、子どもが栄養のあるご飯を食べられるようになっているのです。
子ども食堂への寄付の仕方
「子ども食堂」という言葉をネットやニュースを通じて知り、「何か自分にできることはないかな?」と感じている方も少なくないのではないでしょうか。
食材の寄贈や信頼できる募金先など、私たちの身近でできる支援方法をご紹介していきます。
NPOに寄付する
経済的な理由などから、十分な食事を得ることができない子どもたちを、寄付で応援することができます。
前段で紹介した認定NPO法人カタリバが運営しているあるアダチベースも、寄付によってその活動を応援することができます。
食事の調理は地域の子どもたちも一緒になって近隣の方々と一緒になって行い、一緒に食卓を囲みます。
「一緒につくる、一緒に食べる、一緒に片付ける」という体験を通じた安心感や、承認される機会をつくることを意識しているそうです。
一緒に食事を作り、食卓を囲むことで、子どもたちが安心できる居場所を届けています。
カタリバHP
私たちの寄付は、貧困世帯の子どもたちが、より多くの食事の機会を得るための活動に役立てられるそうです。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
子ども食堂に食材を寄贈する
お米や肉、魚や野菜などの食材を子ども食堂に寄付するのはいかがでしょうか。
子ども食堂ネットワークでは、各地の食堂でどんな食材が足りていないのかをWEBサイト内で紹介しています。
テレビや新聞記事で子ども食堂のことを知った近所の方や食材の生産者さんから、
こども食堂ネットワーク
「何かお手伝いできることはありませんか?」
「食材を送ってもいいですか」
といったお問い合わせをよくいただきます。
各子ども食堂に足りない食材のマークが表示されており、すぐに不足している食材を知ることができます。
「この方法なら応援できそう」と思った方は、各食堂に食材の寄付をしてみても良いですね。
また、実際に送る際は、事前に連絡をしてから行うようにしてください。
子ども食堂は、公民館などの公共施設を借りて開催している場合が多く、寄付先への配慮が欠かせません。
支援先として信頼できる?3つのチェックポイント
ここまで読んでいただき、様々な支援の形や支援団体について知っていただけたかと思います。
しかし、中には「結局どこに支援したらいいかわからない」という方もいらっしゃるかもしれません
そんな方のために、寄付ナビが考える「支援先として信頼できるかのチェックポイント」をご紹介します。
一般的に、企業の良し悪しを判断する材料として「ひと・もの・お金」の3つが大切と言われます。NPOでは、それは「ひと・活動・お金」です。
企業で言うところの”もの”、すなわち”商品”は、NPOがどのようなアプローチで問題を解決しようとしているのか、つまり活動の内容です。
その活動内容に賛同することが、まさしく、寄付を通じた応援と言えると思います。
さらに寄付先として判断する上で、「ひと・活動・お金」を適切な言葉に言い換えると、「職員・活動・会計」です。
- 職員の顔が見えるか?
- 活動によって問題を解決しているか?
- 透明性の高い会計報告を行っているか?
支援を迷っている団体があれば、是非参考にしてくださいね。
まとめ:ひとり親への支援は様々な形がある
この記事では、寄付を検討する際におすすめの団体として「カタリバ」と「むすびえ」を紹介しました。
また子ども食堂とは何か、寄付の仕方などを解説してきました。
団体名 | 寄付ナビ編集部オススメのポイント |
カタリバ | ① 10代を対象としたキャリア教育で、子どもの意欲と創造性を引き出し、育む ② 創業者とスタッフの皆様の情熱が共感を呼び、2万人以上の支援者が活動を支えている |
むすびえ | ① 全国のこども食堂、および地域ネットワーク団体とのつながりと、つながり方を大切にしている ② こども食堂の支援を通じて、誰も取りこぼさない社会をつくることを目指している |
育ち盛りの子どもにとって、食事は成長のために最も必要なもの。
一人で食べるより誰かと食べる食事は心のケアにもつながります。
気になる支援方法が見つかった方は、一度サポートしてみてはいかがでしょうか。