精神疾患に苦しむ人へ寄付を届けたい!メンタルヘルス支援の募金先3選

(出典:心の架け橋いわてHP

日本ではうつ病を始めとする「精神疾患」に悩む人々がたくさんいます。
特に、新型コロナの影響を受けて「感染に対する不安や行動変容に伴うストレス」などにより、幅広い層に広がりつつあります。

外からは見えづらい精神疾患に苦しむ人を助けたい。
何か力になりたいけれど、どうしたらよいのかわからない。

今回は、こうした方に向けて、精神疾患に苦しむ人たちを支えているNPO団体を3つご紹介します。

被災地で不安に悩む人々に寄り添い、出向きサポートする(心の架け橋いわて)

地震などの災害で家族や家を失った被災者は精神疾患を有する可能性が非常に高いです。
特に、災害の規模が大きく被害が甚大だとなおさらです。

2011年に発生した東日本大震災から時間が経ちましたが、依然として不安や悲しみに苦しむ人がいるのも事実です。

被災地の一つ岩手県大槌町に暮らす人々に寄り添いながら、メンタルヘルスケアのサポートを続ける団体が、認定NPO法人心の架け橋いわてです。

心の架け橋いわては、2011年に任意団体として活動を開始しました。
メンバーに精神科医や臨床心理士・看護師などがおり、専門性の高い団体です。

心の架け橋いわてHP

分断された地縁、血縁、職縁を被災者の需要を第一に再生していく作業が何よりも大事なことであり、そのためには多分野の専門家が協力しながら長期にわたり全生活支援を進めていくことが必要です。
そして、その支援の一環としてこれまで大槌町に提供されたメンタルヘルス支援を長期的かつ全人的な支援モデルに転換していく時機が到来したと考えています。

心の架け橋いわてHP

心の架け橋いわては、震災発生直後から大槌町で相談所を開設するなどのサポートを開始しました。
個人向けの支援だけではなく、地域内の交流場つくり、域内のメンタルヘルス関連のNPO法人同士の連携促進など、幅広く取り組んでいます。

具体的には、悩んでいる人にアウトリーチしたり、地域に相談室やサロンを開設したり、精神疾患の予防につながる活動をしています。
さらには、ICTを活用して遠隔の専門家との相談ができるよう仕組みが整えられています。

  • 震災ストレス相談室
    毎週金曜午後、「岩手県こころのケアセンター」(岩手医科大学に委嘱)が運営する震災ストレス相談室(法テラス大槌)で、こころがけメンバーの精神科医師が相談業務に対応
  • サロン活動
    仮設住宅の集会場等で開催している「サロン」とは、気軽に立ち寄り、参加できる「茶飲み会(大槌では『お茶っこ』)」
  • こころがけ訪問
    医療機関受診に消極的な方、通院が困難な方、高齢の方などメンタルヘルスの不調な方々のところへ、医師、看護師、臨床心理士、精神保健福祉士2〜4名から構成される「多職種アウトリーチチーム」が、自宅へ「出向く」訪問活動。
  • 同行支援
    社会福祉協議会の生活支援相談員に同行し、仮設住宅や災害復興住宅を訪問。日々の生活状況を伺いながら心身の健康問題を中心とした全生活ストレスについて共に傾聴、助言
  • 職域における研修会
    「男性に対する支援」が可能となる職域に焦点を絞り、復興支援事業者(企業や団体)が抱えている問題を把握し、その職場の状況や課題に沿った研修会を開催

こうした相談など実際の活動以外にも、学会やシンポジウムを通じて「メンタルヘルスケア」に従事する人材育成を行っています。

活動内容 メンタルヘルスに関わる予防・啓発・相談、メンタルヘルスサービスなど
活動地域 岩手県大槌町
支援対象 大槌町に暮らす被災者および福祉団体など
寄付の使途 相談対応実施費用、ICT設備費用など
運営団体 認定NPO法人心の架け橋いわて

被災地の町や村が復興したとしても、被災者の心(メンタルヘルス)に終わりはありません。
一人でも状況がよくなっていくように時間をかけて取り組む必要があるでしょう。
少しでも、活動を支援したい、寄付したいとお考えの方はぜひホームページをご覧ください。

子どもを見守る「大人」を育成し、地域一体のメンタルヘルスケアの仕組みづくりに挑む(PIECES)

精神疾患に年齢や性別は関係ありません。
外的要因や環境変化などのストレスによって、誰もが陥る可能性があります。

特に、虐待やいじめの問題が顕在化する昨今だからこそ、サポートや支援は必要なのです。

子どもの精神疾患を放置していると最悪の結果として自らの命を絶つことにもなりかねません。
精神疾患になる一歩手前で予防しなくてはいけません。

そんな子どもの「孤立」を防ぎ、精神疾患につながらないように、メンタルヘルスケアに取り組む団体がPIECES(ピーシーズ)です。

PIECESは、児童精神科医が代表を務めており、2016年から活動を開始しました。
子どもを見守る大人を育成し、子どもにとって安心できる場所を増やす活動をしています。

PIECES HP

具体的には、子どものメンタルヘルスケアの活動として「CITIZENSHIP FOR CHILDREN」に取り組んでいます。

子どもの周りにいる一般の「大人」が子どもの孤立や異変に気づきかかわることが重要とし、地域で活動する支援者、大学生、教職員などを対象に、子どもとの接し方に関して、専門知識が活用された研修プログラムを提供しています。

プログラムは、基礎的な知識を学ぶコース(基礎コース)、子どもとのかかり方を探求するコース(探求コース)、アイディアを形にするコース(プロジェクトコース)の3つがあります。

なお、コロナの影響を受けて、基礎コースはオンライン上で実施されており、eラーニング教材とリアルタイム配信を織り交ぜた内容になっています。

CITIZENSHIP FOR CHILDRENプログラムは、3つの取組から構成されていいます。

①専門知識を学ぶ座学講座
②リフレクションとコミュニケーションを扱うゼミ
③子どもと関わる現場実践

この3つのプロセスを通じて、約6か月間、12名程度のチームで対話と内省を繰り返しながら「自分だからこそできるアクション」を問うていき、プログラム終了後の主体的な社会への参画を促していきます。

一人では難しい継続的な活動も、同じ地域で活動するチームメンバーの存在やフォローアップの研修があることで、相互の支え合い学び合いが生まれ、継続性が担保される仕組みです。

プログラムを監修・実施するのは、医療・福祉・教育の専門性を有するメンバーですが、プログラムに参加するメンバーの皆さんと、共に考え、共に動き、共に分かち合うプロセスを大切にしながら取組んでいます。

PIECES HP

上記以外の活動には、シェルターの提供や異分野をつなぐプラットフォームなどがあります。

活動内容 CITIZENSHIP FOR CHILDREN(子どもにかかわる大人の育成)など
活動地域 主に水戸、奈良など ※オンライン活動は全国
支援対象 相対的貧困家庭や孤立の可能性が高い子ども
寄付の使途 研修プログラム実施費、毎月の講座・ゼミの運営費など
運営団体 認定NPO法人PIECES

未来ある子どもたちが精神疾患に陥らないよう支援していきたいと思った方は、ぜひ団体のホームページをご覧になってください。

精神疾患のある人でも主体的に過ごせる社会つくりを目指す(地域精神保健福祉機構・コンボ)

精神科医、福祉サービスなどの体制構築は進みましたが、自分に合った情報を見つけるにはまだまだ探しにくい状況にあります。
一方、個人個人の精神疾患に関する理解や認知もまだまだ人によって様々な状況です。

日本全体でのメンタルヘルスケアに関する情報提供や、メンタルヘルスケアに対応する団体同士の連携推進など、総合的な啓発・啓蒙活動をしているのが地域精神保健福祉機構・コンボです。

コンボは、2007年に任意団体として活動を開始して、2015年に認定NPO法人となりました。
精神疾患を持ってしまうとなかなか、社会へは戻れない現実に問題意識を持っています。

また、精神疾患の当事者たちがどうしても「受け身」になってしまうことも問題としています。
こうした構造的問題を解決することをミッションとして掲げています。

コンボHP

目標としたいのは、心の病を持つ人たちやその家族が自信を回復し、自己実現を果たすことが可能な社会の実現です。
言い換えるならば、「心の病や障害を持っていてもあたりまえに地域で暮らし、充実した生活をおくることができる社会」の実現です。

コンボHP

コンボの活動は、メンタルヘルスケアに関する情報提供、家族支援、ピアサポート、自立支援普及などがあります。
情報提供の中でも、「こんぼ亭」という月次で行うメンタルヘルスケア講座(オンライン)は、著名人が登壇しており、興味深い内容になっています。

また、ミッションを実現するため、関係者による議論の場(リカバリーフォーラム)を提供しています。

フォーラムには、精神疾患に苦しむ人たちや家族、医師などが集まり、当事者が自立していく社会つくりに向けて議論を深めています。
なお、コロナの影響を受けてオンラインでの実施が進んでいます。

  • 情報提供
    • こころの元気+
      コンボの賛助会員の方に(毎月15日頃までに)お届けするメンタルヘルスマガジン
    • こんぼ亭月例会
      コンボ主催のわかりやすいメンタルヘルス講座シリーズ
    • 検索・見える化システム
      全国の精神科医に関する口コミ情報を会員のみに提供
  • 議論・交流
    • リカバリー全国フォーラム
      当事者・家族・精神保健福祉・医療関係者・市民など職種・所属を超えた仲間が全国から集い、活発な議論を行う場
    • 精神障害者自立支援活動賞(リカバリー活動賞)
      精神障害者の社会参加や自立に向けて一生懸命に取り組む個人やグループの活動を支援するための取り組み
    • ピアサポート支援
      ピアサポートグループ活動の活性に向けた全国一覧の提供や、家族支援の活動
  • その他
    • 学校メンタルヘルスリテラシー
      メンタルヘルスケアリテラシーに関する教材の開発
    • 調査報告
活動内容 メンタルヘルスケア全般の情報提供、関係者同士の交流など
活動地域 日本全国
支援対象 精神疾患に苦しむ人たち、その家族など
寄付の使途 情報提供資料作成、イベント実施費用など
運営団体 認定NPO法人地域精神保健福祉機構・コンボ

メンタルヘルスには、地域内での個別の取り組みも重要ですが、精神疾患に苦しむ人たちやその家族自体および社会全体が変化することも必要です。

マクロの取り組みとして、構造的な変化の実現を目指す団体を応援したいと思った方は、ホームページから詳しい情報をご覧になってはいかがでしょう。

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