(出典:ワールドランナーズ・ジャパンHP)
何らかの理由で食事を抜いたり、ダイエットをしたりすると、「お腹が空いた……飢えて死んじゃいそう……」と思ってしまうことはありませんか?
そのように思えるのも、ここが日本で、食べようと思えばいつでもご飯を食べられる環境だからかもしれません。
世界には、食料が足りず、食事を取りたくてもほんの少しも取れずに餓死してしまう人がいまだ数多くいるのが現状です。
本記事では、そのように餓死してしまう人を減らす活動を行う団体を紹介します。
目次
国民の3割以上が食料不安にある国で、子どもたちの給食を支援(国連WFP協会)
国連WFP協会は、国連機関のひとつである「WFP(世界食糧計画)」を支援する日本の認定NPO法人で、日本での広報など、窓口を担っています。
国連WFP協会を支援することで、国連世界食糧計画のサポートを行えます。
日本では、飢餓は珍しく、むしろ「食料ロス」がよく問題になります。
安心・安全で、おいしい食べ物がとても手軽に手に入れられますよね。
食べられるはずのものが「廃棄」されることもあるでしょう。
一方で、世界中には、食糧不足にあえぎ、あまたの人々が飢餓に苦しんでいます。
空腹を抱えて眠り、安全・安心どころか、何も口にできないまま亡くなってしまうことも珍しくありません。
しかし、飢餓で苦しんでいる人の分も含め、世界で生産されている食べ物の量は、世界中の人が食べるのに十分足りているはずです。
十分な量の食料が生産されている一方で、世界中の少なくない人々が餓死してしまっているのは、なぜなのでしょうか。
毎年世界で生産される40億トンの食料のうち3分の1が失われており、それによる経済損失は年間7,500億米ドル近くにのぼります。
先進国では食べ物が消費段階で廃棄されることが多くある一方で、途上国では貯蔵設備の未整備や、農家が作物を市場に届けられないことが原因で、収穫された作物が手つかずの状態のまま生産段階で無駄になっています。
国連WFP協会HP
そのような複雑な状況が絡み合う中、現地で支援を続け、さまざまな問題に取り組んでいるのが国連WFPです。
WFP国連世界食糧計画は「飢餓をゼロに」という目標のために、栄養状態を改善するとともに、持続可能な農業を促進する支援を行っています。
たとえば、
- 農家が現在より多い品種の作物を栽培できるよう、知識や技術の提供を実施
- 栄養の観点からも多品目の食物摂取が重要であると人々に伝え、市場の活性化へ
- 大人たちへの栄養知識の指導
- 流通網の整備や市場支援でフードロスを削減
これらのことを行うことで、飢餓の根本原因の解決を目指しています。
活動内容 | 緊急食料支援、学校給食支援、母子栄養支援、自立支援など |
活動地域 | アフガニスタン、イエメン、シリア、南スーダンなど123の国と地域 |
支援対象 | 飢餓で苦しむ子ども、妊産婦、大人など1億6,000万人(2022年) |
寄付の使途 | 食料・学校給食支援、栄養強化ペースト配布などの栄養支援 |
運営団体 | 認定NPO法人国連WFP協会(日本窓口) |
食糧を支援するだけでなく、地域が自立していくため、包括的な支援を行っているWFPには、毎月1,000円からのマンスリー寄付が可能です。
1日約33円で、ひもじい思いをする人を1人でも減らせるかもしれません。
この世から飢えて亡くなる人をゼロにしたい……そう思う方は、ぜひ支援を検討してみてください。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
子どもの約3分の1が重度の急性栄養失調にある地で、栄養治療食を配布(国境なき医師団)
国境なき医師団とは、医療・人道援助活動を行う非営利の民間国際団体です。
1971年に設立し、1992年には日本事務局が発足しました。
独立・中立・公平な立場で、緊急性の高い医療を必要な人に届けることを目的として活動しています。
紛争や自然災害、飢饉、そして貧困など、世界には様々な理由で困難な状況の陥る人たちが数多くいます。
そのような状況下の人々にとって、栄養の課題は身近で、深刻な課題のひとつですです。
特に近年、東アフリカの国マダガスカルでの食料危機が深刻であり、5歳未満の子どもの3割が急性栄養失調、さらにそのうち3分の1は重度栄養失調であることが明らかになっています。
印象に残っているのは、生後6カ月の赤ちゃんを連れてきた、あるお母さんのことです。
赤ちゃんは、急性の重度栄養失調と合併症を患っていました。
体重は同じ月齢の赤ちゃんの半分以下、極度の脱水症状も見られました。集中治療が必要な状況で、病院への紹介を提案したのですが、ご両親に断られてしまいました。
病院までの交通手段は提供されても食べ物を確保しなければならず、何日も仕事を休んで村から遠く離れた病院の近くに泊まり込む余裕は彼らにはないのです。
入院しなければ赤ちゃんが助かる見込みは低くなることは分かっていたので、とてもつらい状況でした。
国境なき医師団HP
国境なき医師団は、食料が不足の解消のため、栄養補助食品や水・衛生設備、そして緊急物資を現地で配布しています。
栄養失調の人々に必要なのは、栄養のある食事だけではありません。
栄養失調状態にあると、合併症など、他の病気に罹患している可能性も高まるからです。
そのような場合、国境なき医師団は、合併症もあわせて治療しているのです。
国境なき医師団(MSF)の外来治療では、そのまま食べられる栄養治療食(RUTF)を用いている。
RUTFは特別な準備をすることなく、家庭でも、栄養失調児が栄養失調から回復するために必要な栄養素を提供できる。
合併症のある栄養失調児は入院し、合併症への処置と、代謝が安定するよう調製された治療用ミルクでの治療を受ける。
国境なき医師団HP
活動内容 | 難民キャンプ・紛争地域など危機的状況下での治療全般 |
活動地域 | マダガスカル、イエメンなどアフリカなど世界各国 |
支援対象 | 困難な状況にある人たち全般 |
寄付の使途 | 医療行為、食料支援など |
運営団体 | 認定NPO法人国境なき医師団日本 |
国境なき医師団の活動するのは、困難な状況下に置かれた場所。
そこで活動するには、自分自身も危険な状況にさらされるでしょう。
でも、「自分はそのような場には行けないけれど、現地の活動を応援したい」と思われた方は、その気持ちに対して後ろめたい気持ちを持つ必要はありません。
定額の寄付のほか、日本でのボランティアもあるので、現地の皆さんをサポートするような心持ちで支援をしてみてはいかがでしょうか。
走ることで餓死防止に貢献!参加費の一部と寄付で、アフリカの給食を提供(WorldRunnersJapan)
NPO法人ワールドランナーズ・ジャパンは、チャリティマラソン大会などの開催によって得られる参加費の一部や寄付金を、アフリカの飢餓状態にある子どもたちの給食費にする支援を行っています。
残念ながら、飢餓状態の支援をするといっても、支援の集まりやすい地域とそうでない地域があります。
もちろん、すべての人に偏りなく支援が行き渡ればこの上ないことです。
しかし、地域の情報が届きにくかったり、人手が足りなかったりなどで、「支援が届きにくい困難さ」が生じている地域もまた多くあるのです。
飢餓(きが)は、特定の地域で自然災害や人為的な原因から突発的に発生する大規模な食糧危機のことで、 多くの餓死者を出しています。
これは「飢饉(ききん)」と呼ばれ、世界中から注目を浴び緊急援助がなされています。(中略)「飢饉」で亡くなる人数は、「飢餓」で亡くなる人数の約10%にすぎません。
ワールドランナーズ・ジャパンHP
残りの90%の人々は慢性的飢餓のために、毎日静かに亡くなっています。
NPO法人ワールドランナーズ・ジャパンは、チャリティマラソン大会を開催し、その中の参加費や、集めた寄付により、ナイロビの子どもたちに給食を届けています。
ナイロビにあるキコンバーというスラムのプムワニ地区の子どもたち、その中でも特に栄養状態が良くない5歳以下の子どもたち約40人を対象にランチ給食を提供しています。
(中略)ランチ提供を受ける子どもたちは、この写真に写っているマママジワ(ミルクおばさん)が選んでおり、エイズ孤児、売春婦の子供、お金の無い家の子供が主に選ばれています。
ワールドランナーズ・ジャパンHP
ワールドランナーズ・ジャパンでは、給食支援の他にも、学校建設プロジェクトや奨学金プロジェクトなど、現地の「貧困の連鎖」を断ち切るためのプロジェクトを続けています。
活動内容 | チャリティランイベントなどの開催 |
活動地域 | 神奈川県を中心に関東 |
支援対象 | アフリカの子どもたち |
寄付の使途 | 子どもたちの給食支援など |
運営団体 | NPO法人ワールドランナーズ・ジャパン |
「走る」ことで支援ができるのであれば、自分自身にとっても、そして社会にとっても良いことでしょう。
支援が行き届きにくい人たちへ食べ物を届けたい……という方は、チャリティマラソンを調べたり、寄付やボランティア参加を検討したりしてみてはいかがでしょうか。
今回は、餓死防止に取り組む3団体を紹介しました。
お腹が空いただけでなんだか心細くなる経験は誰しもあるでしょう。
それが死に繋がるほどというのは、想像しがたく、また考えるだに恐ろしいことです。
私たちの支援が、餓死を少しでも減らすことに貢献できることを祈っています。
ぜひ支援を考えてみてくださいね。