(出典:放課後NPOアフタースクールHP)
【2025/05/01 更新】
子どもの頃、思う存分部活や習い事、勉強に励み、その経験が大人になってからも活きている、という方は多いのではないでしょうか。
一方で、貧困や自然災害、家庭の事情などから”夢中”になれるものを持てない子どもや、学校の外に居場所がない子どもが現在の日本には多く存在します。
本記事では、学校の外での子どもの学び・成長をサポートする4団体をご紹介します。
この記事では、
- 学校の外での子どもの学び・成長をサポートする団体の紹介
- 放課後がもたらす子どもたちへの影響
- 私たちにできること
について解説します。
「寄付をしたいけれど、どこにすればいいかわからない」「本当に支援が届くのか不安」という方も、この記事を読めば、自分に合った支援方法が見つかるはずです。あなたの寄付が、子どもたちへ届くよう、ぜひ参考にしてみてください。
目次
学校の外での子どもの学び・成長をサポートする団体4選
まずは「すぐにおすすめの寄付先を知りたい!」という方のために、寄付ナビ編集部が厳選したおすすめの団体を4つご紹介します。
被災した子どもが、安心して勉強できる「コラボ・スクール」を運営(カタリバ)
自然災害により、学ぶ場所を失った子どもたちに安心できる居場所と落ち着いて勉強できる環境を提供しているのが、認定NPO法人カタリバです。

2011年の東日本大震災。
地震と津波により被災し、仮設住宅に暮らすことを余儀なくされた子どもたちが大勢いました。
狭い仮設住宅は、自分の部屋を持てなかったり隣室の生活音が筒抜けだったりと、集中して勉強することが難しい環境です。
さらに、家族を失ったり、生活環境が大きく変わったことで心が不安定になってしまう子どもも少なくありません。
当時のこのような状況を受けて、「災害によって夢を諦める子どもを生まないために」学習支援と心のケアを行う放課後学校「コラボ・スクール」が開校しました。
コラボ・スクールでの具体的な活動は、以下の3つ。
1.学習場所の提供
小学生から高校生の学習をサポート。
グループ形式での授業のほか自習室も開放し、勉強部屋がなくなってしまった子どもたちに学習の場所を提供しています。
2.ナナメの関係性づくり(心のケア)
コラボ・スクールに通ってくる子どもたちの様子は、職員やボランティアスタッフが見守ります。
親とも学校の先生とも、友だちとも異なるこのナナメの関係性の中で、学習や生活の相談に乗ることも。
子どもたちが安心できる「居場所」になります。
3.人材育成
今、コラボ・スクールでは子どもたちを「復興の担い手」として育成することに注力しています。
オンライン英会話レッスンやキャリア教育、ワークショップなどを通し、子どもたちがより広い視野で未来を描くサポートをします。
コラボ・スクールは岩手県大槌町、宮城県女川町、福島県双葉郡からスタート。
その後、2016年の震災で大きな被害が出た熊本県益城町においても展開しました(現在は益城町教育委員会に事業を移管し、支援を終了しています)。
活動内容 | 安心できる居場所の提供、学習支援、食事支援、災害時の居場所の提供や学習支援、探究学習の実践支援など |
活動地域 | オンライン(全国)、岩手県、宮城県、福島県、東京都、島根県に加え、各地域団体を後方支援 |
支援対象 | 主に日本の小学生〜高校生など |
寄付の使途 | 人件費、教材・備品・消耗品費、移動・交通費など |
運営団体 | 認定NPO法人カタリバ![]() |
カタリバはコラボ・スクールの他にも、貧困に苦しむ子どもや学校に行けない子どもたちの居場所づくり、キャリア教育、行政と連携した体験プログラム作りなど、幅広い教育支援を展開しています。
そんなカタリバは毎月定額を寄付する「NPOカタリバサポーター」を募集しています。
カタリバによると、毎月1,000円の寄付で、生徒1人が1ヶ月間の授業を受けられるそう。
一人でも多くの子どもが未来を拓くために、あなたも寄付をしてみませんか?
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
地域のボランティアが、多様なプログラムを提供(放課後NPOアフタースクール)
放課後NPOアフタースクールは、子どもたちの放課後の居場所づくりに取り組んでいる団体です。

すでにご存知の方もいるかと思いますが、現代の日本には、子どもたちが安心・安全に過ごせる場所は多くありません。
さまざまな規制から使えなくなった遊び場所や、できなくなった遊び。
また、子どもが巻き込まれる事件の約6割〜7割は、学校が終わった15時〜18時に起きているというデータも存在し、放課後は子どもたちにとって「魔の時間」とも呼ばれます。
「過ごす場所が限られた放課後、1人で過ごす放課後、
放課後NPOアフタースクールHP
やりたいことが出来ない放課後、
そんな放課後が子どもたちの心を締め付けています。」
小学生の子どもが抱える「放課後」にまつわる課題を解決しようとしているのが、放課後NPOアフタースクールです。
放課後NPOアフタースクールでは、授業終了後の小学校を利用して、子どもたちが様々なアクテビティに参加できるアフタースクール事業を展開しています。
アフタースクールのプログラム内容は、そろばんから理科の実験、和太鼓体験やプログラミングなど多種多様。
「自由で学び豊かな放課後づくり」を目指しているからこそ、子どもたちの希望に最大限寄り添います。
活動内容 | 子どもたちに豊かな体験を提供する放課後プログラムの企画・実施 |
活動地域 | 東京都、埼玉県、千葉県、山形県、神戸市など |
支援対象 | 小学1年生〜6年生 |
寄付の使途 | プログラム開発費、材料費、おもちゃ、遊具など |
運営団体 | NPO法人放課後NPOアフタースクール |
特徴的なのが、地域のボランティアの方がそれぞれのプログラムの先生として活躍していること。
その地域にいるそれぞれの特技やキャリアを持った大人を発掘して「市民先生」としてプログラムに参画してもらっています。
これも「社会で子どもを育てる」というミッションを掲げている放課後NPOならではの取り組みではないでしょうか。
さらに企業や行政とも協働して、子どもたちの放課後を充実させる取り組みを進めています。
より多くの大人を巻き込みながら、みんなで子どもを育てる社会をつくっている放課後NPOアフタースクール。
「放課後NPOサポーター」として、継続的に運営を支援するのはいかがでしょうか?
年間3,600円(年1回の引き落とし)からと、手軽に始められますのでぜひ検討してみてください。
その他、都度の寄付やインターン、ボランティアも募集しています。
気になった方はチェックしてみてくださいね。
貧困で苦しむ子どもに学習塾や習い事の機会を(チャンス・フォー・チルドレン)
先にご紹介した2団体とは少し異なり、「スタディクーポン」という形で子どもたちの学びをサポートする団体もご紹介したいと思います。
「経済格差」と聞くと、どこか発展途上国での課題のように思われるかもしれませんが、日本もその例外ではありません。
親の所得格差や家庭の経済格差は子どもへも直接影響を与えます。
チャンス・フォー・チルドレンHP
世帯収入の低い家庭ほど子どもの学力テストの正答率が低い、というデータも出ており、家庭の経済格差が子どもの教育格差につながっているのです。
公益社団法人チャンス・フォー・チルドレンは、特に「学校外教育」(学習塾や習い事)が子どもたちの教育格差を助長する点に着目しました。

経済的な理由で学校外教育を受ける機会がない子どもを対象に、教育サービスにのみ使える「スタディクーポン」を配布し、教育格差の解消に取り組んでいます。
スタディクーポンが使える教育サービスは大きく分けて、下記の5種類。
- 教科学習(塾、家庭教師、通信教育など)
- スポーツ(サッカー教室、スイミング、スポーツ教室など)
- 文化活動(ピアノ教室、音楽教室、絵画教室など)
- 体験活動(キャンプ、野外活動、社会体験など)
- 習い事(習字、そろばん、外国語教室など)
それぞれの分野でサービスを持つ企業や民間団体と連携しています。
子どもたちは幅広い教育サービスの中から、興味のある活動、自分に必要な活動を自分で決められるのです。
また、大学生ボランティアによる電話・対面での定期的な面談で、子どもたちの学習や進路、生活をサポートする体制も整えています。
子どもたちも安心してクーポンを使い、学びを深めることができそうです。
活動内容 | スタディクーポンの支給、大学生ボランティア等による相談支援 |
活動地域 | 岩手県、宮城県、福島県、東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県、兵庫県、大阪府、京都府など |
支援対象 | 経済的困難を抱える子ども・被災した子ども |
寄付の使途 | クーポン発行費、大学生ボランティアの相談支援費、スタッフ人件費など |
運営団体 | 公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン![]() |
チャンス・フォー・チルドレンの年次報告書には、スタディクーポンを利用して予備校や進学塾に通い、希望の進路を勝ち取った子どもたちの声も多く掲載されていました。
「皆様のお陰で塾に通わせていただき、希望通りの高校、また大学に入学することができました。
2019年度年次報告書
また、チャンス・フォー・チルドレンのイベントや、大学生との電話面談も、普段は人見知りな私ですが、とても楽しかったし、たくさん助けていただきました」
チャンス・フォー・チルドレンの活動は、毎月1,000円からの寄付で応援できます。
毎年多くの子どもたちからクーポンの申込みがあるそうですが、落選してしまう子どもがいるのも悲しい事実。
多くの子どもたちがスタディクーポンを利用して可能性を広げることができるよう、ぜひ支援を検討してみてください。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
困難を抱えている小学生の生活全般をサポート(Learning for All)

日本でも「貧困世帯の子ども」は少なくありません。
そのような家庭では、学校外での教育にかけられる費用が少なく、さまざまな経験や学習の機会が制限されています。
その結果、その子どもの家庭が再び貧困世帯になる可能性が高くなるという悪循環に陥ってしまうという現状があります。
「今の日本で、本当に貧困が広がっているの?」そんな疑問を耳にします。
Leaning for All
私たちの活動を知っていただくには、まず、問題を知っていただく必要があります。
日本の子どもたちは、あなたが思う以上に経済的な困窮に直面しており、
それが原因で社会から疎外されてしまっています。
そこで、安心できる居場所の中で子ども一人ひとりに寄り添った活動をしているのがLearing for All です。
子どもが安心して過ごせる環境づくりとして始まった「子どもの家」。
学童保育のような仕組みの中で、落ち着いてみんなとの生活を楽しむ環境を提供しながら、子どもたちの自立する力を養っています。
活動内容 | 「学習支援拠点」と「居場所支援拠点」の運営 |
活動地域 | 東京都、埼玉県など |
支援対象 | 小学生〜中学生(一部、高校生も) |
寄付の使途 | 人件費、教材印刷費・交通費・備品・消耗品費など |
運営団体 | 認定NPO法人Learning for All![]() |
同団体が目指しているのは「すべての子どもたちが夢や幸せに向かって自由に、そしてしなやかに、自分の人生を切り拓くことができる社会」です。

編集部オススメのポイント!
「教育格差・厳しい生活に苦しむ子どもたちをサポートしたい」
「子どもの貧困を本質的に解決したい」
そう感じられる方は、支援先として検討してみてはいかがでしょうか。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
夢中になれる放課後がもたらす子どもたちへの影響
放課後は、子どもたちの健やかな成長に欠かせない大切な時間です。
しかし、家庭の経済状況や地域環境によって、その機会が得られない子どもたちがいます。
例えば、経済的な理由で習い事や塾に通うことができなかったり、地域に子どもの居場所や安全な遊び場がないケース、また災害などにより生活環境が一変し、仮設住宅や避難所での生活を余儀なくされている子どもたちもいます。


子どもたちにとって、放課後の時間は、遊びや学びを通じて、友達と関わり合いながら社会性を育むなど、かけがえのない成長の時間です。
また、スポーツ、音楽、アート、地域活動など、さまざまな体験に触れることで、自分の興味や関心を広げることにも繋がります。また、その中で「夢中になれるもの」と出会うことで、自己肯定感や主体性も育まれ、将来の選択肢を広げることにもつながります。
子どもたちの放課後のために私たちができること
では、そんな子どもたちの放課後を守るために、私たちには、どのようなことができるのでしょうか。
ボランティアとして参加する
子どもたちに学習支援やスポーツ指導などを行うボランティア活動は、子どもたちの放課後を支える直接的な手助けになります。
また、活動を通じて子どもたちの笑顔や成長にふれた経験は、ボランティアに参加する側にとっても、大きな学びや喜びになることが多いのではないでしょうか。
まずは、気になる団体の説明会や体験プログラムに参加してみるのもおすすめです。
支援活動をしている団体に寄付する
「直接活動に参加するのは難しいけれど、何か力になりたい」という方にとって、子どもたちの放課後支援をしている団体への寄付は、とても力強いアクションです。
例えば、学習支援や、居場所の提供、体験学習支援などを行っているカタリバでは、毎月1,000円の寄付で、生徒1人が1ヶ月間の授業を受けることができます。
ご興味がある方は、是非団体公式ページもご覧ください。


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寄付金控除の対象団体です
支援先として信頼できる?3つのチェックポイント
ここまで読んでいただき、様々な支援の形や支援団体について知っていただけたかと思います。
しかし、中には「結局どこに支援したらいいかわからない」という方もいらっしゃるかもしれません
そんな方のために、寄付ナビが考える「支援先として信頼できるかのチェックポイント」をご紹介します。
一般的に、企業の良し悪しを判断する材料として「ひと・もの・お金」の3つが大切と言われます。NPOでは、それは「ひと・活動・お金」です。
企業で言うところの”もの”、すなわち”商品”は、NPOがどのようなアプローチで問題を解決しようとしているのか、つまり活動の内容です。
その活動内容に賛同することが、まさしく、寄付を通じた応援と言えると思います。
さらに寄付先として判断する上で、「ひと・活動・お金」を適切な言葉に言い換えると、「職員・活動・会計」です。
- 職員の顔が見えるか?
- 活動によって問題を解決しているか?
- 透明性の高い会計報告を行っているか?
支援を迷っている団体があれば、是非参考にしてくださいね。
まとめ:「学校の外での子どもの学び・成長を支援したい」という方の参考に
この記事では、子どもの教育を学校の外で支える団体を4つご紹介しました。
団体名 | 寄付ナビ編集部オススメのポイント |
カタリバ | ① 10代を対象としたキャリア教育で、子どもの意欲と創造性を引き出し、育む ② 創業者とスタッフの皆様の情熱が共感を呼び、2万人以上の支援者が活動を支えている |
放課後NPOアフタースクール | ① 授業終了後の小学校を利用して、子どもたちが様々なアクテビティに参加できるアフタースクール事業を展開 ② その地域にいるそれぞれの特技やキャリアを持った大人を発掘して「市民先生」としてプログラムに参画 |
チャンス・フォー・チルドレン | ①低所得世帯の子どもを対象に、塾や習い事で使えるスタディクーポンを支給 ②「家庭環境にかかわらず、子どもがやりたいことを応援したい」という方にオススメ |
Learning for All | ①一人の子どもが自立するまで、地域ぐるみでサポート ②子どもたちを取り巻く社会構造を変えるための活動 |
習い事や学習塾で自身の可能性が広がった、という経験がある方や、学校の外での教育にも注目している方は、子どもたちのために、今自分ができることから始めてみるのはいかがでしょうか。
この記事が寄付を検討するきっかけや、寄付先選びの参考になれば嬉しいです。