(出典:ウォーターエイドジャパンHP)
世界の水・衛生問題を解決するために活動する、認定NPO法人「ウォーターエイドジャパン」。
ウォーターエイドジャパンという団体の正体や実態は?
ACジャパンの「生きるためには、飲むしかなかった」というCMは本当なのか、具体的なエピソードや「その後」、更に政府の統計までリサーチしました。
支援をする前に知っておくべき活動内容と支援の仕組みや、実際の活動と寄付の使い道、寄付を始める前に確認すべきポイントを、5分で解説しています。
目次
ウォーターエイドとは?世界34カ国に清潔な水とトイレを届ける国際NGO
ウォーターエイドジャパンの正体を知るために、歴史、世界での展開、日本での組織について、調べてみました。
1981年にイギリスで設立、ザンビアとスリランカに支援
ウォーターエイドは、1981年にイギリスで設立され、38年間にわたって、水・衛生分野に特化して活動してきた国際NGOです。
出典:ウォーターエイドとは
1991年にはイギリスのチャールズ皇太子が会長に就任。
設立当初はザンビアとスリランカの支援から始まり、2019年現在ではアジア、アフリカ、中南米など計34か国で水・衛生プロジェクトを実施しています。
ウォーターエイドジャパンとは?2013年に設立された日本窓口
ウォーターエイドジャパンは、2013年に設立された日本の窓口です。
日本からの支援を、世界の水・衛生問題の解決に役立てるために設立して、主に次の活動をしているようです。
- 日本での寄付の受付
- 日本での世界の水・衛生問題に関する啓蒙活動
- アボカシー・政府提言
ACのCMの「生きるためには、飲むしかなかった」って本当?
ACジャパンのウォーターエイドの「ナンシーちゃんの妹の命を奪った水」のCMについて解説します。
まずは、CMの内容抜粋を改めてご一読ください。
シエラレオネで暮らすナンシーちゃんの妹は、
水たまりから汲んできた汚れた水を飲んで、命を落としました。それでも、残されたナンシーちゃんとその家族は、
出典:妹の命を奪った水 – ACジャパン
生きるために、その水を飲み続けるしかありませんでした。
問題の主な原因は「不衛生な水」や「屋外排泄」
ナンシーちゃんの妹が、生きるために汚れた水を飲んで、逆に死んでしまったとは、日本人にとってはちょっと信じがたい話です。
厚生労働省の発表によると、2017年時点で日本での施設への水道普及率は97.9%とのこと。
水道がない家庭の話は今時見聞きしたことがなく、水道水は飲むことができるので、安く簡単に水を飲めるのが「当たり前」です。
災害などで断水があっても長期化はせず、自治体から給水車がきたり、企業や団体からお水のペットボトルが届いたりします。
普段と違う大変な状況下であっても、生きるために汚い水を飲むことは、ほぼありえないです。
しかし、ナンシーちゃんの住んでいる地域では、違ったようです。
- トイレの場所などが微妙で、野外排泄をする人もいる。
↓ - 元々綺麗ではない水たまりに、排泄物が混ざる。
↓ - 水たまりの水を飲むしかない。
水道はないどころか、井戸もないのでしょうがない…
それが、ナンシーちゃんたちにとっては「当たり前」だったそうです。
ちなみに水道水がそのまま飲める国は、国土交通省の発表によると世界でたった9カ国とのことです。
日本を含めて9カ国しか、水道の水をそのまま飲める国はありません!
— 国土交通省 (@MLIT_JAPAN) August 17, 2018
詳しくは、平成30年度版「日本の水資源の現況」
8月1日は #水の日
閲覧はこちら↓https://t.co/WERjkccbL1 pic.twitter.com/mMnEULONzM
対策は「現地でカンタンに調達できる部品で」井戸を作るなど
そのような汚い水しか飲めないナンシーちゃんたちの地域を改善しようと、ウォーターエイドは支援をしました。
ウォーターエイドが支援で建設に用いる部品は、全て現地調達ができて、修理も簡単にできる費用対効果の高いもののみを使用するとのことです。
ウォーターエイドの技術には、高価な部品や化学薬品、複雑な維持管理は必要ありません。維持管理がシンプルで、交換部品もすべて現地で簡単に手に入る材料で作れることが重要です。https://t.co/kvRW1kt3zE
— ウォーターエイドジャパン (@WaterAidJapan) September 7, 2019
支援項目は基本的に3つ。
- 【水と衛生の教育・指導】家やトイレ、水源、そして野外排せつが行われている場所を地図に入れ、 水・衛生と生活への影響について村の人々に理解をしてもらう
- 【トイレの設置】各家庭ごとに設置
- 【井戸を建設】村に設置
以上により、ナンシーちゃんの生活は、健康面以外にも激変したとのことです。
- 【健康】綺麗なお水を飲めるようになった
- 【就学】水汲みに1日4回行っていた時間を使って、学校に通うようになった
- 【自由時間】お友達のルーシーちゃんと遊ぶ時間も増えた
- 10,000円で、ネパールで手押しポンプ1基を設置
- 5,000円で、マラウイで家庭用トイレ2基を設置
- 毎月2,000円を1年間で、10人が清潔な水を使えるようになる
自然流下方式の給水設備の設置が終わり、75世帯にきれいな水が届き始めました。村の人々が初めて水道の蛇口をひねる瞬間をご覧ください。https://t.co/ypp1Afbb1L
— ウォーターエイドジャパン (@WaterAidJapan) September 4, 2019
寄付を始める前に、確認すべきポイント
ウォーターエイドへの寄付は「毎月の寄付」と「今回のみの寄付」の2つの選択肢があります。
どちらも地域やプロジェクトの使い道の指定は不可で、水・衛生分野に特化したウォーターエイドの活動全体に使われるようです。
チェックリスト
【今回のみの寄付】任意(選択肢は1,000円から表示)
【今回のみの寄付】クレジットカード・銀行振込
以上、ウォーターエイドジャパンとは、CMの解説、活動と寄付の使い道、寄付を始める前の確認ポイントを解説しました。
寄付を検討されている方のお役に立てれば幸いです。